グランドキャニオンでは「環境保全のために」低空飛行訓練はできないとのことです
が。
秋田県と青森県にまたがる、世界最大のブナ原生林での低空飛行については、地元紙で
はつたない記事で終わっておりますが(青森でもさほど違わないとのこと、落ちるまで
待ってるわけにもいくまいに)、岩手県釜石市のF16墜落事故と、国会での「不穏」
な動きに市民が神経をとがらせはじめた雰囲気があいまってか、ちまたでは久しぶりに
低空飛行が話題になっています。興味ある者は一度は低空飛行を写真に収めたいとは思
うものの、たいていは爆音にビックリするのが先で、またなんの音かわかるようになっ
ても、そこらのオ−トカメラでは、間に合わず。
秋田県では相変わらず「青森県と歩調を合わせていきたい」と主体性のなさ、環境庁
などでは、永田町が透けて見えるような「棄民」発言
下からは開発で攻められ、上からが爆音と火薬にさらされ、動植物もたいへんです。
生存権を脅かされているもの同士が、一緒に権利を訴えていこうということですが、暴
力を与えた側が、暴力を受けた側から助けられてやっていかなければならないというこ
とで、人間とは、なんたるナサエナイ動物かと、つくづく思いますデス。
三沢には戦闘機F2(初の部隊配備用量産機)が、この春(若干のびるようですが)
3機配備されますが、一機あたりの単価が132億2300万円。(中期防で計45機
、今年度までで試験機を含めて39機)。
キャッシュではないでしょうから、利息はどうなるんだろうか。自衛隊員が汗水たら
して働いて納めたゼイキンも入っているとはいうものの、わざわざ災難なゴミを買わな
くてもお金の使い道なんてことかかないのに・・
なお、米軍三沢基地と航空自衛隊三沢基地は2月19日までに、三沢市消防本部に対
し、航空機墜落事故の際、住民は現場から約610M以上離れたほうがよいとする見解
を文書で示したそうです。
同本部が、事務上の都合で文書化を求めていたもの。610Mという距離について、「
訓練で実弾を搭載するのはまれだが、それも勘案したのでは」(空自三沢基地広報室)
と説明。(河北2月20日)
何を考えてるんだか考えるだけでツカレル。
以下白神関係
白神山地の巡視員が集まる会議で、低空飛行の問題が取り上げられ、環境庁の白神山
地世界遺産センタ−(青森県西目屋村)が聞き取りとり調査。青森・秋田両県の巡視員
ら9名中(秋田県3人、青森県4人の巡視員と民間団体関係者2人)6名が飛行事実を
証言。うち2人はF16と証言。低空で、谷沿いに急上昇。
昨年1月の「白神山地世界遺産地域連絡会」主催による巡視員会議で鎌田孝一さん(
秋田自然を守る会・会長)が証言。数年前の例として県境の小岳(標高1042M)を
登山中に、2機の戦闘機が山肌に沿ってごう音とともに急上昇、稜線すれすれに飛行し
てい様子を観察。イヌワシの巣立ちの時期にあたる6月中旬だったためその影響を懸念
。
今年2月7日藤里町で行われた巡視員会議でも別の巡視員が「低空飛行をしている。
身の危険を感じる」と発言、行政当局に対し低空飛行の中止を求めた。
環境庁
「自衛隊機か米軍機か、機種はわからないが、飛行の事実は確認された」
同庁三浦金徳・世界自然遺産生態管理官
「(低空飛行の)事実が指摘されている以上、知らないという訳にはいかない。ただ
、過疎地だから訓練の場になるので、やめてくれというほどの影響があるかどうかを確
認するのは難しい」
航空自衛隊三沢基地
「白神上空を通過することはあり得るが、訓練空域ではない」
米軍三沢基地報道部
「通常の飛行任務を決められた訓練空域で実施しており、日本の航空基準を順守して
いる。訓練空域については答えられない」
秋田営林局「営巣などへの影響を調べる必要がある」として今後、環境庁、秋田、
青森両県などと連携を取りながら調査を進める方針
(読売秋田版2月26日)(さきがけ2月28日)(朝日秋田版3月1日
)
3月5日、秋田営林局主催の林野庁、環境庁、秋田県による緊急会議が開かれ、26
日に今後の対応を協議
1996年から白神山地における猛禽類のモニタリング調査をしている森林総合研究
所(茨城県つくば市)東北支所(岩手県盛岡市)に低空飛行がイヌワシなどに及ぼす影
響について、専門家の立場から意見を求めたい(営林局)
営林局近江耕四呂自然遺産保全調整官「回答を得た上で、対応を協議するための判断
材料にしたい」
(赤旗2月28日)
米軍機による低空飛行の監視活動を行っている秋田県平和委員会(佐藤裕二理事長)
によると、昨年1年間に県内で低空飛行が目撃された米軍機は240機。ほとんどが米
軍三沢基地のF16戦闘機。
県内で低空飛行が目撃される主な地域は、大潟村周辺、県南の大曲、横手、湯沢市。
田沢湖から大曲市、横手市、湯沢市を経て日本海に出、男鹿半島を回って三沢基地に戻
るコ−スと、県北は、三沢基地から十和田湖方面、大館市、能代市または大潟村を経て
男鹿半島、日本海にいったん出て三沢基地に戻るコ−スが確認されているが、そのほか
にもあり、白神山地周辺では、F16戦闘機の可能性が濃厚。
十和田湖周辺から進入、山瀬ダム、白神山地周辺から須波里ダム、水沢ダムを経て日
本海に出て、三沢基地に戻るのではないかとのこと。(巡視員「須波里ダムをめがけて
進入してくる」)
秋田県自然保護課は、巡視員35名のうち、県委嘱の19人ににたいし、戦闘機を目
撃した場合、日時、場所などを報告するように文書で要請。
(朝日秋田版3月1日)
「ブナ原生林を守る会」の鎌田孝一理事長(68)
「多い時は3機編隊で、谷間を揺るがすようなごう音で上昇・下降を繰り返している
。その影響なのかここ数年、イヌワシを見ない」
(日本イヌワシ研究会の調査では、イヌワシの繁殖率は1980年代は50%近くあ
ったが、91年から95年までの5年間の平均は26・7%まで落ち込んでいる。)
「白神山地の貴重な動植物を守ろうと巡視員や少年団らが活躍している。低空飛行だ
けでなく万が一、墜落でもされてはたまらない。白神山地周辺の低空飛行中止を訴えた
い」 日本自然保護協会・秋田県自然観察指導員連絡協議会の工藤英美会長(61)
「数年前から頻発している。生物への影響は必至だし、世界遺産の意義が泣く」
(毎日2月22日)(朝日秋田版3月1日)
白神山地巡視員への調査結果(環境庁白神山地世界遺産センター調べ)
・戦闘機の訓練飛行は年に5、6回見る。爆音が大きく、鳥類に影響があるだろう。
・山に巡視に入ると2回のうち1回は低空飛行を目撃する。自 衛隊機か米軍機か特定
できないが、ダムか何かを標的にしているような 飛行をし、その騒音は著しく70ホン
程度ではないか。軍用機が白神の上空を通過することはいいが、低空飛行だけはやめて
ほしい。
・峰浜村で イヌワシの観察を続けている人の話だと昨年、1つがいが繁殖に失敗した
とのことで、これには戦闘機の影響が考えられる。
・戦闘機は通常のイヌワシの飛行高度よりも低く飛ぶように見えた時もある。
・日米共同訓練などが始まると、米軍機が低空で白神山地に日本海側から飛来する。
今までに20回以上見ているし、月に5、6回目にすることもある。晴天の時は低空飛
行が著しくレーダーをかいくぐる訓練をしているようだ。
・ぶつかるのではないかと思うほど低空で飛行することもあり、年に20回や30回
ではきかないのではないか。
これとは別に青森県自然保護課も二十四日までに、巡視員らの聞き取り調査。五人の
うち二人が飛行訓練目撃を証言。さらに同県が一九九七年から実施中の「イヌワシなど
猛きん類実態調査」を委託している青森イヌワシ調査会の三上正光事務局長(52)も
飛行を目撃していた。
(赤旗2月26日)