こんばんは。比嘉です。
NHKで放送されていた「Gulfwar baby」という番組を見てました。
内容は、湾岸戦争から帰還した兵隊のその後を襲った障害と
その子どもたちの障害についての報告です。
この湾岸戦争症候群になやまされる兵隊は全米で10万人。
その後生まれた子どもたちには、さまざまな障害がみとめられている。
番組で紹介されていたのは、眼や耳がなく背骨が曲がり、心臓が右にある子、
免疫不全、水頭症、下半身の機能不全の子。
原因としては、湾岸戦争の際に戦場に巻かれていたサリンなどの毒ガスと、
それに対処するためとして兵隊が軍から強制的に飲まされていた化学物質
(PB(毒ガス対処用)、ディート(殺虫剤に含まれる物質)、虫避け首輪
(犬猫につけるのと同じもの)に兵隊の体が侵されたためという説と、
それと、劣化ウラン弾によるものという説が有力だそうです。
障害に苦しむ兵隊はもちろん、その子どもたちの治療のための費用が
家族の生活を圧迫しているが、国防省からはなんの補償もない。
国防省を始め政府に補償を訴えても、「因果関係が科学的に証明されていない」
という1点だけでまったく相手にされないという。
あんなにたくさんの障害に苦しむ人を前にして、科学的証明されないといったときの
科学っていったいなんなの、と思っちゃいます。
障害をもって生まれた子をかかえた退役軍人のひとりが補償をもとめて
国防省を訴える裁判を起こしているそうですが、アメリカには1950年代に
でた「軍にいた者は軍を相手に裁判をおこすことはできない」という判例によって
裁判そのものが門前払いの状態だそうです。信じられない判例。
兵隊はこんな状態になされて運命を狂わされている。しかもその家族にも。
アメリカ軍は自らを「世界の警察」だと思っているそうですが、ひどいですね。
兵隊は使い捨て。
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ひるがえってみれば、周辺事態法とは、こんな状況に自衛隊の若者を追い込むことに
もなるんではないでしょうか。これは、自衛隊隊員とその家族こそが反対すべき法案だ
と思います。
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比嘉明子 higa@jca.ax.apc.org http://www.jca.ax.apc.org/~higa/
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