Date: Sat, 13 Feb 1999 22:03:26 +0900
From: 加賀谷いそみ  <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 1092] <北海道>積雪寒冷地訓練
To: aml@jca.ax.apc.org, keystone@jca.ax.apc.org
MIME-Version: 1.0
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 1092
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

 周辺事態法案の審議はまだこれからだというのに、日本政府は、アメリカと一緒にな
って、法案の先取りをしようと、自治体や民間の軍事協力の既成事実をまた積み上げて
います。

 政府はようやく地方自治体や民間に求める米軍への協力例10項目をまとめましたが
、これだけではないとちゃんと前置きを忘れていませんので、無制限に国民を軍事行動
に総動員しようということでしょうか。自治体では、具体的な情報がなければわからな
いと不安をつのらせています。政府は具体的な周知の方法を検討するといっていますが
、協力の具体例を法案にもりこむと、アメリカに叱られるらしく、野呂田芳成防衛庁長
官は「法案の修正になるので(協力の具体例を明記した)別表をつける意図はまったく
ない」といっています。

でも多くの市民は、各地で施設や民間の軍事協力を断るよう行政に求める意思をあらわ
しています。

政府の協力例については
Date: Sun, 07 Feb 1999 07:56:56 +0900
From: Masahiko Aoki <btree@pop11.odn.ne.jp>
Subject: [aml 11013][keystone 1066] 政府自治体へ協力項目提示
で紹介されています。

また、池田五律著「米軍がなぜ日本に 市民が読む新ガイドライン」(発行=創史社 
発売=八月書館)に「周辺事態における協力の対象となる機能及び分野並びに協力項目
例」(ガイドラインの別表)40項目の資料が載っています。

『北海道新聞』99/01/15 によると
 陸上幕僚監部は十四日、陸上自衛隊と米陸軍による一九九八年度日米共同実動訓練(
積雪寒冷地訓練)を、二月十四日から三月一日まで北海道大演習場(恵庭市など)で実
施すると発表した。道内を舞台にした陸自と米軍の共同訓練は二十六回目、積雪寒冷地
訓練は十五回目。スキー装着での射撃訓練などをおこなう。
 米兵らは民航機で二月十一日ごろ新千歳空港から入り、装備は同月上旬、苫小牧港か
ら陸揚げの見込み。

とのことでした。

今回の合同実働訓練などに関して、「すべての軍艦船を平和の船に! 『おおすみ』を
廃船にするためのネットワ−ク」では、北海道知事に公開質問書を提出しました。

 同市民団体では、1月14日、苫小牧の港湾組合に陸揚げについて問い合せたところ
、防衛施設局から、3回ほど物資が入るからよろしくという連絡があったとのこと。し
かし、港湾管理担当者は、2月8日と2月12日に入っているらしいが、民間のフェリ
−によるものなので、調べられないと回答。弾薬などの武器輸送が秘密裏に行われるこ
とは、問題であるとして、関係支庁に陸揚げした荷物の内容を問い合せてもわからない
というだけ。今後これらも追求する必要があるとしています。

 また、2月14日からは、真駒内駐屯地でも合同演習が行われるようです。市民の心
配がさらに身近なものになっています。これらのことから道庁には基地内の汚染や実害
の調査も申し入れる予定です。
 
【公開質問書】

北海道知事 堀達也様   1999年2月8日

             公開質問書

 おおくの民衆の強い反対にもかかわらず、1997年9月と1998年9月に、陸上
自衛隊矢臼別演習所(別海町、浜中町、厚岸町内)でアメリカ合州国軍海兵隊の実弾射
撃訓練が強行されましたが、1999年2月14日から3月1日まで、北海道大演習場
(恵庭市など)と自衛隊真駒内駐屯地で、アメリカ合州国陸軍と陸上自衛隊(日本陸軍
)との積雪寒冷地合同実働訓練が行なわれると報道されています。
 今回の合同実働訓練には、日本軍側から函館に駐屯する第28普通科連隊の約600
人、アメリカ合州国軍側からオレゴン州に駐屯する1−186歩兵大隊の約360人が
参加し、さらに日本軍航空自衛隊が「近接航空支援」を実施する予定であるようです。

 わたしたちは、1998年8月4日に、地方自治体の長である北海道知事に、
  「アメリカ合州国海兵隊員輸送における港湾・空港の使用をふくむいっさいの協力
を拒否するだけでなく、北海道における日本軍およびアメリカ合州国軍のあらゆる軍事
演習に反対し、いっさい協力しないこと、さらに『おおすみ』などの攻撃用武器をただ
ちに廃棄することを日本政府に要求すること」
を、北海道知事に求めました。
 いま、わたしたちは、このことをくりかえし道知事に求めるとともに、今回の合同実
働訓練などに関して、つぎのことを質問します。

 1999年2月14日までに、回答してください。

1、今回の合同訓練実施計画、訓練内容は、どこから、どのように北海道知事に伝達さ
れたか。

2、今回の合同訓練に参加するアメリカ合州国軍は、いつ、どこから北海道のどこに到
着し、どこにいくのか。その輸送ル−ト・輸送日時・輸送方法などの全容を示していた
だきたい。

3、今回の合同訓練に参加するアメリカ合州国軍の武器弾薬は、アメリカ合州国のどこ
から、いつ、北海道のどこまで、どのように運びこまれるのか。その輸送ル−ト・輸送
日時・輸送方法などの全容を示していただきたい。
 もし、苫小牧港などの民間港に陸揚げされるなら、そこから、だれが、どこまで、ど
のような手段で運搬するのか。

4、今回の合同訓練に参加するアメリカ合州国軍の兵員、武器弾薬の輸送に民間海港・
空港が使われようとしている。北海道知事は、アメリカ合州国軍の軍事演習のための民
間海港・民間空港使用常習化を阻止するために今後、具体的にどのような方策をとるの
か。

5、今回の合同訓練にかかわっても、自然破壊・環境汚染が危惧される。
  北海道知事は、今回の合同訓練実施計画、訓練内容の詳細を、どのようなものとし
て把握しているか。

6、今回の合同訓練の経費・その内訳を示していただきたい。

7、わたしたちは、1998年8月4日の公開質問書で、1998年夏の「北方機動特
別演習」に要した経費3億4千6百万円の、具体的使用内容を質問したが、同年8月1
7日、北海道知事は、
  「北部方面総監部に照会したところ、『北部方面総監部においても承知していない
。』旨の回答がありました」
という無内容・無責任な回答をおこなった。それに対してわたしたちは、同年9月19
日の公開質問書で、北部方面総監部への問い合せを、北海道知事に依頼したのではない
。文官である北海道知事は、軍官の秘密主義に追随することなく、「地方公共団体の長
」としてなすべき調査を周到におこなって、回答していただきたいと、再度求めた。だ
が、それに対する道知事の同年10月9日の回答全文は、
  「防衛施設局に再度照会しましたが、『防衛施設局としても知る立場にない。』と
の回答がありました」
というものであった。北海道知事が、軍官の秘密主義を容認することなく、「知る立場
にある」者を追求し、事実を明らかにするまで最後まで努力することを、重ねて要求す
る。8、わたしたちの1998年8月4日の公開質問書に対する同年8月17日の回答
のなかで、「周辺事態法案」などにかかわって、北海道知事は、
   「地方公共団体の協力など・・・国からの十分な説明がないことについては危惧
を感じており・・・」
と述べていたが、1999年2月はじめに、日本政府は、「周辺事態法案」などで規定
している地方自治体の長や民間業者などに日本政府が要請する軍事協力・依頼にかんし
て想定される10項目を、関係地方自治体に、文書で例示したという。
 わたしたちは、その政府文書の全文公開を求めるとともに、北海道知事が、地方自治
体の長として、いっさいの軍事協力拒否の意志を、すみやかに明快に日本政府に示すこ
とを求める。

9、1997年9月23日の日本とアメリカ合州国の新ガイドライン合意調印の直前に
アメリカ合州国軍空母「インディペンデンス号」が小樽港に入った。その小樽港に。新
ガイドライン関連法案の国会審議入りを目前にして、1999年2月4日に、アメリカ
合州国軍空母「キティホ−ク号」のバトル・グル−プに所属する誘導ミサイル型駆逐艦
「ジョン S マッケ−ン号」が入港した。わたしたちは、核搭載の疑いが濃厚なアメ
リカ合州国軍艦船の小樽入港を、重ねて黙認した北海道知事に強く抗議する。
 北海道知事は、外国軍艦船が北海道の港湾に入港しようとするさい、事前に核兵器積
載していないという証明書を提出させる条例(「非核港湾条例」)の制定を、知事とし
て積極的におこなう用意があるか。

  すべての軍艦船を平和の船に! 「おおすみ」を廃船にするためのネットワ−ク
                         連絡先:谷百合子

【毎年実施されてきた日米共同積雪寒冷地訓練】
 年次  期間           場所
     自衛隊
     米軍

1985 2.14〜2.23    上富良野
     第2師団   200(9普)
     第3海兵師団 170(沖縄)

1986 1.27〜2.9     青森・小谷・弘前
     第9師団   170
     第3海兵師団 170

1986 2.16〜2.28    上富良野
     第2師団   170
     第25師団  130

1987 1.28〜2.10    北海道大演習場
     第7師団   210
     第3海兵師団 190

1987 2.12〜3.1     小谷、弘前
     第9師団   180
     第25師団  160

1988 1.28〜2.10    王城寺原
     第6師団   180
     第3海兵師団 170

1988 2.12〜2.25    然別・鹿追
     第5師団   200
     第25師団  300

1989 1.27〜2.9     小谷、弘前
     第9師団   180
     第3海兵師団 160

1989 3.1〜3.7      近文台・上富良野
     第2師団   350
     第25師団  400

1990 1.28〜2.10    名寄・上富良野
     第2師団   200
     第3海兵師団 200

1990 2.21〜3.14    高田関山
     第12師団   350
     第6軽歩兵師団 360

1991 2.18〜3.7     滝川・上富良野
     第11師団    550
     第25軽歩兵師団 400

1992 2.18〜3.5     鹿追・然別・美幌
     第5師団   250
     第3海兵師団 200

1992 2.21〜3.11    近文台・上富良野
     第2師団    650
     第6軽歩兵師団 450

1993 2.16〜3.6     倶知安高嶺 北海道大演習場
     第11師団    750
     第25軽歩兵師団 400

1993 2.12〜2.25    高田関山
     第12師団  250
     第3海兵師団 200

1994 2.17〜3.3     上富良野・旭川・近文台
     第2師団      790
     第41独立歩兵旅団 550

1995 2.15〜2.27    北海道大演習場 東千歳駐屯地
     第7師団    140(11普)
     第3海兵師団  130

1995 2.15〜3.6     弘前・岩手山
     第9師団    600
     第25軽歩師団 500

1996 2.13〜2.26    上富良野・名寄
     第2師団   300(2普)
     第2海兵師団 200(ノ−スカロライナ)

1996 2.20〜3.4     然別・帯広
     第5師団  1600(4普)
     第 歩兵師団 500(オレゴン)

1997 2.25〜3.12    北海道大演習場 真駒内駐屯地
     第11師団  600(18普)
     第5軽歩師団 450(ハワイ)

その他の最近の合同演習

1996 11.4〜17
 日米統合実働演習(日本周辺の海空域および上富良野・日出生台両演習場)
  (日)陸海空3自衛隊 10350人 航空機130機 艦艇11隻
  (米)陸海空・海兵隊 12270人    175機    6隻
  上富良野演習場
   第25普通科連隊   1030 (遠軽町:第2師団)
   第7海兵連隊第2大隊  800 (カリフォルニア)

1998 1.20〜27
  日米共同方面隊指揮所演習「ヤマサクラ33」
    東千歳・旭川の駐屯地および三沢〜横田〜ハワイをコンピュ−タ−回線で結び
米太平洋軍の管制下で行う図上訓練で、自衛隊は北海道・東北のほぼ全部隊から幹部約
1900名、米軍は在日米陸軍の幹部約950人が参加した。

【広報】
11.1.14
                        陸幕広報室
お知らせ

平成10年度米陸軍及び米海兵隊との実動訓練(積雪寒冷地)の概要について

 陸上自衛隊は、平成10年度米陸軍及び米海兵隊との実動訓練(積雪寒冷地)を次に
より実施します。

1 米陸軍との実動訓練(積雪寒冷地)
(1)目的:陸上自衛隊及び米陸軍の部隊が、それぞれの指揮系統に従い、共同して作
戦を実施する場合における相互連携要領を実行動により演練する。
(2)時期:平成11年2月14日(日)〜3月1日(月)(16日間)
(3)場所:北海道大演習場及び真駒内駐屯地
(4)担任官  ア 日本側:第11師団長 陸将 山本 勝(やまもと まさる)
        イ 米側:在日米陸軍司令官 陸軍少将 ジョセフ R.インジ
(5)訓練実施部隊及び規模等
  ア 日本側:第28普通科連隊
       (函館駐屯地、連隊長 1佐 神田 和穗(こうだ かずお))基幹
      人員:約600名 
    主要装備:小銃、機関銃、84ミリ無反動砲、106ミリ無反動砲、 
             87式対戦車誘導弾、81ミリ迫撃砲、107ミリ迫撃砲
  
    支援参加:航空自衛隊が、近接航空支援を実施予定
  イ 米側:第41独立歩兵旅団隷下の1−186歩兵大隊基幹(オレゴン州)
    人員:約360名        
    主要装備:小銃、機関銃、対戦車火器(ドラゴン)、
         60ミリ迫撃砲81ミリ迫撃砲

2 米海兵隊との実動訓練(積雪寒冷地)
(1)目的:陸上自衛隊及び米海兵隊の部隊が、それぞれの指揮系統に従い、共同して
作戦を実施する場合における相互連携要領を実行動により演練する。

(2)時期:平成11年2月15日(月)〜2月27日(土)(13日間)
(3)場所:関山演習場及び高田駐屯地
(4)担任官  ア 日本側:第12師団長 陸将 洗 堯(あらい たかし)
        イ 米側:第3海兵師団長 海兵隊准将 ジェリー D.ハンブル
(5)訓練実施部隊及び規模等
  ア 日本側:第2普通科連隊
    (高田駐屯地所在、連隊長 1佐 長谷部 洋一(はせべ よういち))隷下
の1個中隊基幹        
    人員:約100名        
    主要装備:小銃、機関銃、84ミリ無反動砲、81ミリ迫撃砲
  イ 米側:第5偵察大隊隷下の1個中隊基幹(沖縄)     
    人員:約60名        
    主要装備:小銃、機関銃



 
  • 1998年     3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 1999年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

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