(from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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Date: Fri, 05 Feb 1999 08:13:22 +0900
From: 和田 喜太郎 <YRX00535@nifty.ne.jp>
Subject: [aml 10982] 米艦船の寄港一覧表
大阪の和田です。
97年9月のインディ小樽寄港を起点として、米軍艦船の全国各港寄港状況の表をつ
くりました。『しんぶん赤旗』に掲載された記事その他、最近のものでは『軍事研究』
2月号の石川巌さんのレポートなどを参考にしました。(表は崩れるかもしれません。
)
あちこち見ていますと、日付など違っているものもあります。厳密に確認したわけで
はありませんので、間違いなどありましたらご指摘下さい。
小樽のインディ寄港では36万人がおしかけたと言われます。若い人はメカ好きです
。それをカメラに納めたい人も一杯いて、航空祭などもそうですが、脚立やカメラケー
スを抱えて地の果てまで行くことを厭わない人も一杯います。「日米親善」とかにかか
わりなく、そんな人たちがどのくらい含まれていたのでしょうか。
米艦寄港のねらいについて、新ガイドライン体制の先取り、米海軍の港湾調査更新、
米制海権の確認その他いろいろ言われていますが、それぞれのねらいをもったものと言
っていいでしょう。
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【米軍艦船の民間港等への寄港】
◆入港期間 ◆艦船名
◆港名 ◆備考
【1997年】
09/05〜09/09:空母インディペンデンス 小樽・・・・・・公開
同上 :ミサイル巡洋艦モービルベイ
小樽
09/09〜09/lO:空母コンステレーション 佐世保
09/09〜09/11:イージス駆逐艦ジョンポールジョーンズ 鹿児島(谷山)
09/21〜09/23:空母ニミッツ(随伴艦5隻) 横須賀・・・・・公開
09/22〜09/25:強襲揚陸艦ベローウッド 鹿児島(谷山)・公開・初寄
港09/22〜09/27:第3艦隊旗艦コロナド 横須賀
09/27〜09/30:第7艦隊旗艦ブルーリッジ 東京(晴海)・・公開
10/03〜10/06:第7艦隊旗艦ブルーリッジ 函館・・・・・・湾内係留
10/03〜10/06:貨物船ホウキ 岩国
10/30〜11/03:駆逐艦オブライエン 鹿児島(谷山)
11/15〜11/16:イージス駆逐艦カーチス・ウイルバー 仙台・・・・・・公開
12/06〜12/09:イージス巡洋艦ビンセンス 室蘭・・・・・・公開
12/09〜12/14:ミサイルフリゲート艦サッチ 別府
【1998年】
02/13〜02/28:掃海艦パトリオット 呉
同上 :掃海艦ガーディアン 呉
04/13〜 :輸送艦ケープ・インスクリプション 岩国
04/17〜04/21:イージス駆逐艦カーチス・ウイルバー 大阪・・・・・・公開
05/14〜05/l8:哨戒艇ハリケーン 佐伯(大分県)・日本初寄港
05/15〜05/19:イージス駆逐艦カーチス・ウイルバー 下田・・・・・・公開
同上 :ミサイル・フリゲート艦バンデクリフト 下田・・・・・・公開
05/28〜05/30:★カナダ補給艦プロテクター 神戸海自基地・・公開
07/02〜 :輸送艦ケープ・インスクリプショシ 岩国
07/06〜 :強襲揚陸艦ベローウッド 沖縄ホワイトビーチ・公開
07/09〜07/11:イージス駆逐艦ジョン・S・マッケイン 呉
07/10〜07/13:掃海艦ガーディアン 新潟
07/20〜 :駆逐艦カッシング 海自横須賀基地・公開
07/25〜 :強襲揚陸艦ベローウッド 横須賀・・・・・公開
07/27〜07/3l:海洋調査船サムナー 函館
08/01〜08/04:掃海艦ガーディアン 青森(大湊)・・12年ぶり
08/01〜 :海洋調査船サムナー 苫小牧
08/07〜08/10:掃海艦ガーディアン 金沢・・・・・・70年開港初
08/10〜08/14:イージス巡洋艦モービルベイ 名古屋(湾内)・21年ぶり
09/25〜09/28:ミサイルフリゲート艦バンデクリフト 鹿児島(谷山)
09/29〜10/03:海洋調査船サイラス・ベント 函館
09/30〜 :貨物船クリス・T 岩国
11/13〜11/16:イージス駆逐艦ジョン・S・マッケイン 仙台
11/16〜ll/19:駆逐艦カッシング 別府
11/21〜11/23:駆逐艦カッシング 清水・・・・・・公開
11/25〜 :貨物船サラワク 岩国
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【米軍艦船の入港と水深等について】
しばらく前のことですが、新潟の中山さんがこの問題に関連して、意見を寄せておら
れました。(aml:1079)
インディが寄港した小樽(勝納1番バース)は水深約12メートルと聞きました。
6〜9万トン級空母の吃水は11.3〜4メートルですので、港の水深がそれ以上のな
いと入港できないというわけです。しかし、燃料や物資等の積載量を減らせば吃水が浅
くなるわけですから、12メートルなくても或いは入港できるかも知れません。
例のカナダ補給艦プロテクターは約2万6千トン、吃水は10.5メートルです。
これが震災復旧後、水深を10メートルに深くした海自阪神基地岸壁に着岸しています
。同艦は約1万5千トンの物を積めるようで、満載すれば着岸はできなかったでしょう
。
もちろん、その後北方機動演習で寄港した「おおすみ」(満載・1万3千トン)は、
吃水は6.0メートルですから楽々入港着岸できたわけです。
約4万トンのベローウッドの吃水は7.9メートル、約1万8千トンのブルーリッジ
で吃水は8.8メートルですので、水深10メートルの岸壁であれは着岸できるわけで
す。 自衛隊が占有する舞鶴東港(西港は民間専用)は最近、水深10メートルの岸壁
を増やしました。日本海に面する唯一の海自基地として、市との土地交換や海自ヘリ飛
行場の新設(格納、整備等の建物建設と隊員約200人の移駐)基地強化が進められて
います。 これら物理的条件の問題もありますが、水深さえあれば何処でも着岸でき
るわけではなく、各港には外来艦船用の埠頭があります。(神戸なら中央突堤や第4突
堤など、大阪は天保山埠頭や南港かもめ埠頭など。)そこが空いていないとか、船の吃
水に見合う水深の岸壁でなければ断るか、沖合のブイに係留するしかないわけです。(
函館に入港したブルーリッジは水深岸壁がなくて沖合に停泊したと聞きます。)
米艦船の寄港表に、あえてカナダ軍艦プロテクターの寄港を書き込みました。高知は
条例を制定しようとしていますが、神戸は市の決議と港湾局の判断で、いわゆる非核証
明方式を守ってきました。外務省の役人が高知の条例制定にあれこれ言う権限などない
のですが、神戸を含めた「非核方式破り」がねらいなのでしょう。
海自阪神基地岸壁のある周辺工区は、すべて各企業が買い取っています。埠頭増設に
合わせ、防衛庁はエル型地の比較的いい場所を確保したといえます。(使用権買い取り
なのか土地買い取りなのか分かりません。)何れにしても買い取ったバースの側面海上
は占有着岸の権利があり、言わば「路上駐車」できるわけです。したがって今後、神戸
に米艦が寄港するとしたら、やはり阪神基地岸壁の可能性があります。その時に神戸市
、港湾局が「非核証明を出せ」とどれだけ突っ張れるかにかかっています。
港湾法には内外を問わず係船料支払いの規定がありますが、政令に定めるものは免除
されることになっています。地位協定などで米艦も免れるでしょうが、その損失分は国
に請求すれば補填してくれることになっています。小樽のインディ寄港の場合、市は約
1700万円を支出し、そのうち政府による損失補償は約740万円(うち、係船料は
約564万円、『赤旗』98.3.19)とされます。
係船料免除では、福岡のグループが自衛隊掃海艇(湾岸派遣の九州一円16港のPR
行動)係留免除を不当として、知事を相手に住民訴訟を起こしましたが、「済んだこと
だから」という理由で敗訴しました。
むかし神戸にいた頃、花火を積んだハシケ船大爆発事故に遭遇したことがあります。
危険物積載に関しては「港則法」に規定がありますが、長くなりますので、またの機会
に述べたいと思います。
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99/02/05 和田喜太郎 <YRX00535@nifty.ne.jp>
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