Date: Fri, 22 Jan 1999 15:56:50 +0900
From: 加賀谷いそみ  <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 1005] F16戦闘機1機が墜落、爆発炎上
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 1月22日の各紙報道などによると

 21日午後1時半ころ、岩手県釜石市橋野町の山林に、米空軍三沢基地所属のF16
戦闘機1機が墜落、爆発炎上しました。幸いパイロットは、墜落直前にパラシュ−トで
脱出し救出され、頭や顔に軽い怪我をしたとのことで、命拾いしましたが、同機は爆弾
類を積んでいたため爆発し、火が周辺の林に燃えひろがり、すぐには現場に近づけず、
消火作業が手間取り、約千平方メ−トルを焼き、午後4時前消し止められました。春の
息吹を待っていた山林は無残な姿となりました。爆弾の種類はわかりません。

 現場は、橋野町の集落から南西へ約1〜2、5キロ離れた山林で、民家への物理的被
害はなかったようですが、住民の話では、事故当時「ド−ン」と大きな爆発音が山あい
に響き、山ろくから青黒い煙が立ち上がったとのこと。
 「戦争が始まったかと思った」
 「バリバリ、ドド−ンと音がした。恐ろしくて外に出られなかった」
 「家が揺れるぐらいのごう音がした。慌てて外に出ると、すぐ前の山の上に、飛行機
が8の字状に旋回しているのが見え、山の陰に隠れるように落ちていった」
 「教室の窓から見える山の上空に、翼の後から煙を出した飛行機が見えた。山陰に隠
れる寸前、煙がオレンジ色の炎に変わり、落ちた直後にきのこ雲のように大きく膨れた
灰色の煙が見えた」
 「(現場近くに車で向かっていたが)別の軍用機が周辺を三度程旋回して消えた。川
をはさんだ林間から灰色の煙と破裂音が数度。恐ろしくなって、すぐに引き返した。途
中に警察の駐在所員とパイロットらしい外国人がぼう然と立っていた」
 などと話しています。
 
 この事故で、岩手県警は県道の釜石市橋野と遠野市青笹間を通行止め。消防団員ら1
00人以上、岩手県防災ヘリが出動しました。(動員されたといいたいが、国では「協
力」としたいらしい)団員には「機体には絶対水をかけるな」と指示が飛び、団幹部は
「化学反応が恐い」と説明しました。(市職員によると、パイロットは「墜落機には砲
弾が残っている。近付くと危ない」と語っていたとのこと)

 在日米軍では外務省に「通常の飛行訓練中の事故」と報告。同基地のスティ−ブン・
G・ウッド司令官は、同日三沢市長を訪ね「普通は海で訓練するが、しけで大荒れなた
め、たまたま山中で訓練した。訓練の中身はわからない」などと陳謝。(22日記者会
見の予定)

 しかし釜石市に近い宮古市では1月6日、同機が低空飛行、消防の出初め式を中断さ
せるトラブルを起こし基地側が謝罪。88年9月2日、釜石市の近くの川井村でF16
が墜落。また同市に近い陸前高田市では昨年11月20日から12月14日までに低空
飛行が59回確認され、住民を脅かしているとのことです。

 これら敵地への侵入攻撃を想定した低空飛行訓練の被害が続発しており、今回も同種
の訓練だった可能性があります。

 岩手県には、昨年12月、防衛施設庁を通じて、「今年1月から3月まで、三沢基地
所属の戦闘機が訓練区域内で、空対地射撃訓練をする」との演習通知がされています。
また専門家の実態調査で岩手県内でF16が内陸を低空で飛び、太平洋に出て三沢にも
どるのが低空飛行訓練の1つのル−トとして浮かんでいると指摘され、米軍基地の監視
を続けている市民団体「リムピ−ス」でも、釜石市は青森八甲田山から福島県につなが
る米軍の飛行訓練ル−トに近いとしています。

 野中広務官房長官は21日夕の記者会見で、この事故について「昨日も高知県沖で米
軍機が墜落しており、2日連続の事故を深刻に受けとめている、極めて遺憾だ」と延べ
、米軍に再発防止に万全を期すよう求めました。(私には、軍隊がこんな様でははなは
だイカンだ、と聞こたのだった)

 木村守男青森県知事は米軍司令官に対し、@F16の飛行訓練の一時自粛と事故原因
の速やかな究明  A再発防止へ航空機の点検整備、パイロットの教育訓練に万全の措置
を講ずる等、文書で要請し、「県として非常に厳しく受けとめている。関係機関に対し
、同様の再発防止策を求める」としたのみで、低空飛行をやめろとはいいません。

 三沢では、現在自衛隊戦闘機F2の実験飛行が行われていますが、欠陥機ではないか
といわれています。来春には20機程が配備されるようですが、自衛隊は「実験をしな
がら改良をしていく」と、呑気を通り越して無責任この上ないものです。

 『朝雲』(1/14)に、政府は12月15日の閣議で、駐留米軍施設・区域の1部
返還、共同使用、追加提供など13件を決めたとして、紹介されていましたが、その中
の一つに

 【追加使用】北部訓練場(沖縄県国頭郡国頭村)=国有地約9900平方M、公有地
約28000平方M、民有地約344000平方Mと附近水域を訓練場で提供。上陸訓
練のために使用されるが、水域は訓練の妨げにならない限り漁業や船舶の航行に制限は
ない。使用期間は月平均10日で、年間120日以内。水域の使用の際は、原則的に1
5日前(遅くとも7日前)に予告

とありました。
 これらが、植民地でなくて何なのでしょうか。

 低空飛行の爆音は、音の伝わる範囲が狭くなかなか実態のすべての把握はできません
。 前にも話したかも知れませんが、その恐さは、高い崖に立って景色を眺めていると
き、突然背中をドンと押された時を想像してくださればわかるかと思います。私が人か
ら笑われるくらい雷の音が恐いのは、たぶんこの音と関係があるのではないかと思うこ
とがあります。

 国が災害に対してもろくに、人命を守れないのは、最近では市民の十分に知るところ
ですが、わたしたちも日本海中部地震でイヤというほど思い知らされています。自衛隊
の災害派遣は軍事訓練の一つでしかないと。私たちを支えたのは市民の連帯でした。

 私たちには、恐怖から自由になる権利があります。それはいつ訪れるのでしょうか。



 
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