遅きに失した感はありますが、国会の議事録(現在本会議と予算委員会の
み)が全文検索できるようになりました。
http://kokkai.ndl.go.jp/
ホントはこんなことは国会議員の給料を払わなくても優先してやらなければ
ならないことですが、とにかく国会民主化の第一歩がようやく踏み出されたと
いう気がします。ただし現在検索できるのは、98年分のみ。これからさかの
ぼって追加されるようです。
ズバリ検索画面に早く行きたい人は、
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KOKUMIN/www_login
少しでも通信費を節約するために、下に、ここにある「検索の案内」をコピー
しておきますので、あらかじめ検索の作戦を練っておかれると便利かと思いま
す。
早速使ってみましたが、やはり普通に使うのは「検索語」入力でないかと思
います。AND検索で絞ることは可能なのですが、有効範囲が1回の質疑全部に
わたってしまうのであまりしぼりこめません。これが例えば1段落範囲ならう
まく使えるのですが・・・例えば新ガイドラインでの自治体の動員に関する質
疑を検索しようとしても、「ガイドライン」and 「自治体」の検索結果と「ガ
イドライン」単独の結果とはあまり違わないということになってしまいます。
早くすべての委員会の質疑を登録して欲しいものですが、それでもこれは帝
国議会の開設以来、普通選挙の導入とともに、議会と市民の距離を縮めるもっ
とも大きな出来事であることが分かってくると思います。
ただ色々な問題を、いちいちキーワードを選んでうまく自分の知りたい質疑
にたどり着くというのは大変なので、実際問題としては、それぞれの問題に知
識のあるNPOの人たちがダウンロードして、目次や索引を付けてそれぞれのホ
ームページに掲載して一般の人々の検索に供するという形が理想ではないかと
思います。このデータを基に国会議員にどしどし質問のメールが飛ぶようにな
ると、彼らも今までのように居眠りはしていられないでしょう。
2月からは国会で新ガイドライン関連法案の審議も始まるでしょう。これか
らは新聞の「質疑要旨」に頼ることはやめて、自分の目で一語一句を検証しま
しょう。例えば下に引用したサンプルでも、新聞のまとめなら、「防衛庁長官
有事立法を否定」ということになるのでしょうが、よく読むと「今のところ検
討していない」としてその精神はむしろ肯定していることが分かります。日本
の安全保障問題の論議では悲しいことですが、一語一句にこだわらないとごま
かされてしまうので是非全文を見ることが必要です。
−−−−−−−−検索の案内−−−−−−−−−−−−−−−−−
◎検索期間:5年を限度としています。これ以上長い期間
に渡って検索したい場合は、何回かに分けて
検索して下さい。
入力形式は半角数字で8桁でYYYYMMDDの形式
です。
◎院名:衆議院、参議院、両院協議会に限定して検索した
い場合は、チェックを変えて下さい。
◎会議名、発言者名、肩書き:入力方法はすべて同じで、
次の三通りのやり方があります。
(1)「選択画面表示」ボタンをおす。
→登録されている全データが右側に表示されます。
※但し、検索期間と院名の条件に合うもの
(例)発言者名 「選択画面表示」ボタン
→登録されている会議録のすべての発言者が表示
される。
・該当のものを選び(複数可)と「セット」ボタン
をおす。選択した検索語が入力欄に入ります。
(2)検索語入力欄に文字を入力して「選択画面表示」ボタン
をおす。
→その項目にその文字を含むすべてのデータが
右側に表示されます。
(部分一致したものの表示)
*入力した文字で登録データが見つかった場合、
入力文字は消去されます。リストに表示された
文字を選択後、「セット」ボタンをおします。
(例)発言者名 渕 「選択画面表示」ボタン
→大渕・・・、小渕・・・、渕上・・・が表示
される。
・該当のものを選び(複数可)と「セット」ボタン
をおす。選択した検索語が入力欄に入ります。
*発言者が議員の場合は、ヨミ(ひらがな)でも
検索できます。
(3)文字を入力して検索ボタンをおす。
→その項目にその文字を含む会議録が直接検索
されます。(部分一致検索)
(例)発言者名 橋本 「検索」ボタン
→検索結果画面が表示される。
*発言者が議員の場合は、ヨミ(ひらがな)でも
検索できます。
◎所属会派:三通りの方法がありますが、(1)の方法が
簡単です。
(1)上記の(1)と同じです。
→「選択画面表示」ボタンをおす。
(2)上記の(2)と同じです。
→「選択画面表示」ボタンをおす。
(3)所属会派名を正確に入力して
「検索」ボタンをおす。
→検索結果画面が表示される。(完全一致検索)
◎リセット:「リセット」ボタンをおすと、
入力した検索条件がすべて消去されます。
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42回-参-予算委員会-09号 1998/03/24
○矢田部理君 この米軍の戦闘行為に、自衛隊はもちろんでありますが、官民
挙げて協力をするということから有事立法が既に準備をされつつあるわけであ
りますが、その概要、準備状況についてお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 有事立法とおっしゃいますけれども、私どもが今
急いでやっておりますのは、今度のガイドラインに基づいて我が国が、あるい
は民間も含めまして、あるいはまた自衛隊がやるときにどういう法律が必要か、
そういうことについて準備をしているわけでございまして、先日も申し上げま
したとおり、今いろいろとその議論をしている最中でございます。
○矢田部理君 アメリカの戦闘行為に自治体や民間も動員しようという中身に
このガイドラインはなっているわけですね。これは強制措置で、罰則つきでや
るというスキームを考えておられるのでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 今、動員とおっしゃいましたけれども、まさに動
員なんという言葉を使われるからにはそういうことを御想像されるのかもしれ
ませんが、私どもが今考えておりますのは、民間も地方自治体も含めて協力を
してもらおうという、そのためのいろんなスキームは何か必要じゃないかとは
思っておりますけれども、罰則をつけるようなこと、そういう形での強制力を
伴うようなことは今のところ検討していないわけでございます。
○矢田部理君 かつて自衛隊が自民党の国防部会に出した中身には、役務等に
ついては罰則つきでやろうという提案があるから私は心配をしているのであり
ます。
もう一つ、罰則はつけないけれども何らかの強制措置、強制的な枠組みを考
えているのではないか。それとも全く任意の協力、協力してもいい、しなくて
もいいという中身を考えておられるんですか。
○国務大臣(久間章生君) 罰則をつけての強制力、あるいは罰則をつけなく
ても、要するに強制力という言葉に匹敵するようなことは難しかろうと思って
おります。しかし、そうは言いながら我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼ
すような事態が発生している中でみんながこぞって協力するような態勢をどう
やったらつくれるか、そういうことでの協力依頼等についてはしっかり何か態
勢をつくらなければならないんじゃないか、そういうふうに思っているわけで
ございます。
○矢田部理君 民間に対する協力要請の一つの原型として災害救助法という法
律があります。この中身を見ますと、医療とか土木とか輸送関係者、これに業
務従事命令を出すことができる。罰則までついています。さらには、病院とか
診療所の管理とか物資の収用とかいう強制的な措置まで災害救助法は規定をさ
れているのでありますが、実はこれが原型になって自衛隊法ができている。そ
の延長線上で官民の動員体制を考えているのではないかというふうに思われる
のでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 我が国が攻撃をされておりますときのそういうい
わゆる出動、防衛出動に出ている場合、あるいはまたその前になりますけれど
も、災害が起きて黙っておったのでは被害がさらに拡大するということでかな
り強制力をもって従事させるというような事態、そういう事態と比べましたと
きに、今回の場合はもう少し緩やかなんじゃないか。直接その被害が今発生し
ていないわけでございますから、そういう中でどういう形で後方地域支援がで
きるか、あるいはその他の活動ができるかということで整理しようとしており
ますので、強制力を伴ってまでの、罰則をつけてまでのそういうことは少し難
しいんじゃないかというそっちの方向で今整理をしているところでございます。
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Masahiko Aoki
青木雅彦
btree@pop11.odn.ne.jp
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