秋田県五城目町議会で、馬場目薬師山ろくへの陸上自衛隊飯島射撃場の誘致問題が再
度一般質問され、佐藤邦夫町長は「地元住民から要望がある限り行政は連絡調整役とし
て支援していく」と延べ、誘致支援の姿勢は崩さないことを強調しました。
そのため、議会では12月15日に「射撃訓練場施設等の薬師山への計画中止を求め
る意見書」を新しく就任された野呂田芳成防衛庁長官に提出することが可決されました
。
町長の弁によると「庁議で支援を決定したが、9月定例会での『議決を尊重する決議
』を守り、それ以降は、行政として動かなかった」そうです。
陸上自衛隊秋田駐屯地では、「地元で『騒ぎ』のある場所には移転しにくい」とした
上で、県内の3、4か所を同施設の候補地として独自に絞り込んでいることを明らかに
しています。その1か所が、秋田市の太平地区ではないかと言われていますが、その他
は不明。太平地区は国有地も多いので、手続きもしやすいかも。
町長は、建設業者に約束の借金を払わなかったので、11月から給与の一部を秋田地
裁に差し押えられています。計約9億2千万円だそうですが、何年町長をやれば払える
んだろうか。
野呂田長官は秋田県出身の議員です。地元では「野呂田ロ−ド」で有名な方。建設、
農林のエキスパ−トとして、支持基盤が堅く、「魁」新聞では、庶民派で勉強家で、今
回はガイドライン関連法案の審議を控え、その「手堅さ」を買われたと称賛していまし
た。
寺田知事も「わが国の平和のために思う存分活躍されることを期待」しているし、谷
藤昌二自民党県連幹事長も「日米ガイドラインなど重大な課題が待ち構えるが、我々も
一生懸命支えていくので頑張って頂きたい」とエ−ルを送っていますが、地元の支援者
からは「それも大事だが地元の景気をよくしてほしい」と若干支援にも温度差が。コ−
エンさんや、韓国国防相とどんなお話をなさるやら。
野呂田さんは、住専でも活躍されたそうですが、侵略戦争を賛美した「終戦五十周年
国会議員連盟」にも入っていたし、今回の「憲法議連」のメンバ−のお一人でもあるの
で、これから、私もお手紙をさしあげる機会もあろうかと思います。
同町には、産廃最終処分場設置計画もありますが、射撃場と同様町民の知らない間に
話が進んだことでこじれているし、業者の経済的理由もあるようで、申請書類を取り下
げたまま棚上げ状態です。それと一時は年商十億円を越えたという県内有数の能代市の
産廃業者が、見えただけでも三十億円をくだらない負債を抱えて倒産したので、今は県
も業者もそれどころではないかも知れません。
県ではずさんな業者に許可を出し続けて今までほっといた後ろめたさがあってか、全
国でもめずらしいほどさっそく対策に乗り出しましたが、今毎日300トン近く発生し
、30年は続くという汚水の処理や、野積みされている約七千平方の発火の心配もある
シュレッダ−ダスト、腐食が始まっている約二万本のドラム缶などの処理におてあげの
様子。県の無能無策無責任のつけが、とりあえず五億円を越える処理費用を税金で、と
いう形で私たちに回ってきています。国からの補助も要望しているとのことですので、
全国の納税者のお世話になることに。それに加えて環境破壊のつけも私たちが負うこと
になるのは防げない、いくら巨額を投じても。
18年間で東京ド−ムの半分を埋めるゴミを埋め、その末路と県の場当たり的奮闘ぶ
りのセットをこんなにあからさまに目撃できる機会はめったにないと思いますので、興
味のある方はどうぞおいでください。今汚水が水道の蛇口から出る水のようにため池に
流れこんでいるそうです。
県ではその他もろもろ頭を抱える問題が山積しているので、前知事のように、県費で
タイやヒラメを並べて豪勢な年越しをなんてしたくてもできないようです。
【議案】
平成10年12月15日
五城目町議会議長
石井孫一 殿
提出者・賛成者 計4名
射撃訓練施設等の薬師山への計画中止を求める意見書の提出について
上記の議案を、別紙のとおり地方自治法第112条及び会議規則第14条の規定により
提出します。
提案理由
6月定例会において、射撃訓練場施設等のわが町の薬師山への計画中止を求める意見
書を、陸上自衛隊秋田駐屯地司令宛てに提出しているが、議会の意思を明確に示すため
、防衛庁長官宛てに意見書を提出するものであります。
【意見書】
射撃訓練場施設等の薬師山への計画中止を求める意見書
貴職におかれましては、国民の平和と安全の維持に日夜御尽力されておられますこと
に、深い敬意と感謝を申し上げます。
さて、わが町の薬師山への陸上自衛隊秋田駐屯地の射撃訓練場施設等の誘致につき、
当議会のたいし、誘致要望書、誘致反対の請願・陳情書が6月定例会にそれぞれ提出さ
れ、慎重審議を重ねた結果、当議会として誘致要望書は不採択とし、一方の誘致反対の
請願・陳情書は採択と決し、議会の意思として誘致反対を決定した次第であります。こ
のため、計画中止を求める意見書を秋田駐屯地司令宛てに提出致しております。更に9
月定例会においても、議会決議の基づき誘致問題に関して白紙撤回を求める陳情書、調
査を求める陳情書をそれぞれ採択とし、議会としての意思を再確認致した次第でありま
す。
貴職におかれましては、当議会の意思をご理解いただき、射撃訓練施設等の当町の薬
師山への設置計画については、中止されるよう求めるものであります。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により、意見書を提出する。
平成10年12月15日
五城目町議会議長 石井 孫一
防衛庁長官 殿
3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月