(from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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Date: Tue, 22 Dec 1998 22:51:14 +0900 (JST)
From: YOSHIKAWA Yuichi <yyoffice@jca.ax.apc.org>
Subject: [aml 10555] イラク攻撃抗議声明
市民の意見30の会・東京は、12月21日に以下のような声明を発表しましたので、お
知らせします。
YOSHIKAWA Yuichi 吉川勇一
yyoffice@jca.ax.apc.org
http://www.jca.ax.apc.org/beheiren
声明
アメリカ、イギリスのイラク攻撃と、日本政府のそれへの支持について
私たちは、アメリカ合州国とイギリスによるイラクに対する軍事攻撃に大きな怒
りを覚え、強い抗議の意思を表明します。また事情もよくわからぬうちに、いち早
くそれへの全面的な支持を表明した日本政府のあまりにもひどい追随外交に対して
も強く抗議します。
まず、国際的紛争の解決に武力がまったく役に立たないことは、これまでの歴史
からも明らかなことです。ましてや、国連安保理事会などでの討議が行われている
ときに、そこへの何らの通告もなく、一部の国が強大な軍事力をもって軍事行動を
とるなど、もってのほかです。
しかももっとも重大なことは、今回の武力行使の目的が、一国の政権の転覆にあ
ることが公言されているということです。アメリカ政府のこの思いあがった傲慢さ
は、目に余るものです。こういうことが認められるなら、世界は無法な狼の跋扈す
る場となってしまうでしょう。一国の政権がどうあるべきかは、その国の主権者が
決めるべき問題であることは言うまでもなく、他国が武力による介入で左右できる
はずがないのです。これは、あの悲劇的なベトナム戦争の教訓から何も学ばれてい
なかったということになります。
今回の攻撃も、その結果は明らかでしょう。第一にイラクの一般市民に与える殺
傷、苦痛。同国市民のアメリカあるいは国連に対する憎悪感と不信感の拡大、国際
政治の中での国連の権威の失墜と各国間の対立の増大です。一方、アメリカ軍需産
業と石油産業および一部の投資家にとっては大きな経済的利益、また新兵器の実験
効果の獲得というアメリカの軍事技術開発上での利益などです。さらに、アメリカ
政界内部でのクリントン批判の回避などの効果もあるのでしょう。こうしたことが
黙過されていいはずはありません。
沖縄と佐世保からは米海兵隊が、また沖縄・嘉手納基地のF-15が、今回の作戦に
当たり参加していることも伝えられています。攻撃については、その直前に日本に
も通告があったといわれますが、日本政府は、この沖縄の海兵隊出動の件について
も事前の通告を受けていたのでしょうか。これこそ、「新ガイドライン」の真の姿
です。日本政府がなすべきことは、武力の行使に反対し、交渉による解決を提言す
るとともに、自らも積極的にイラク、アメリカなどとの折衝の努力を開始すること
だったはずです。
今回のアメリカ合州国などの暴挙は、日米の軍事同盟がいかに危険なものである
かも端的に示しています。私たちはあらためて、日米安保条約を廃棄し、両国間の
関係を「友好平和条約」にもとづくものにすることを提案します。
私たちは、米・英・日などの各政府への抗議の意思を再度表明します。そして、
日本の心ある市民は、今後とも、「殺すな、殺させるな」の主張を高く掲げ、日本
を非軍事的な国に変えてゆくための努力を続けるだろうということ、明年早々の国
会にかけられるという「新ガイドライン関連法案」に断固反対することを明らかに
するものです。
市民の意見30の会・東京
iken30@mwb.biglobe.ne.jp>
3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月