日本時間の17日午前7時から続いている米英のイラクへの無差別大量殺りくに対し
て、即時中止の要請が各地でされているようですが、私たちも井上澄夫さんの発案で、
5名の連名で、18日の午前、在日アメリカ大使館へ至急電報を打ちました。
【電文】
在日アメリカ合衆国大使 ト−マス・S・フォ−リ−殿
一九九八年一二月一六日午後五時(米国東部標準時間)、貴国軍隊が英国軍隊ととも
に開始したイラクへの攻撃に対し、私たち五名の日本市民は、心からの憤りをもって抗
議し、貴国がイラクへの攻撃を即時中止することを要求します。
また、私たち日本市民のこの抗議と要求を、貴国の大統領であるウィリアム・J・ク
リントン氏に対して迅速に伝えることを、貴下に要請します。
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新聞を落ち着いて読む気持ちになれず、大使館に、「砂漠のキツネ作戦」にどんな意
味が込められているのかや、イラクの子どもたちはどうしているかとか聞いてみて、要
請しようと思って、電話したんですが、要請などは文書では受け付けるが、電話での質
問や問い合わせに応じる部門はないんだそうで、すげなく断られてしまいました。アメ
リカの民主主義もたいしたことないのかなあと思いました。
小渕さんが、すぐさま「今回の米英の行動を支持する」と言明したのを、わたしには
許せません。多くの市民が、侵略に歴史から多くを学び、将来決して戦争の歴史を刻ん
ではいけないと努力しているのを、ふみにじるものだからです。支持するということは
殺りくを認めるということで、私たちの税金で支援するということです。わたしは人殺
しを政府に負託していません。小渕さんにはそのこともわかってもらいたいと思います
。
とりあえずアメリカ大使にFAXを送りました。殺人をやめるまで、周りにも呼びか
けて何度でも続けるつもりです。
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在日アメリカ合衆国大使
ト−マス・S・フォ−リ− 様
今回の貴国と英国が先頭に立って行われた「砂漠のキツネ作戦」にとても心を痛めて
いる日本に住む市民の一人です。
即刻武力行使をやめてください。戦下での犠牲者をこれ以上つくらないでください。
武力行使で、民主国家であるアメリカ政府が、日本にいる貴国の海兵隊員を含めてア
メリカ市民に殺人を強制することは、人権上許されてはならないことです。先のベトナ
ム戦争や、湾岸戦争などで、参戦させられた市民の多くが、その残酷な経験のために身
体ばかりではなく人格までを破壊され、生涯苦しんでいることをお忘れにならないでく
ださい。 そして、イラクで多くの市民が戦下の中で苦しんでいることに、世界中の市
民が気遣って心配しています。これ以上イラク市民をつらい立場におくようなことは決
してなさらないでください。平和を享受し安心して暮らす権利は世界のすべての人が持
っているはずです。
わたしは、アメリカ政府が世界中の資源を独り占めにしたいために、こんな無謀なこ
とをするのではないかと疑っています。もしそうなら、とても卑怯でずるい国だと思い
ます。限りある資源を、みんなで大事に仲良く使うために国際機関で話し合うことが、
地球に住む市民の平和を守るための、世界の各政府のお仕事の一つだと考えています。
世界の大国を自認されている貴国の責務は、イラク政府に対しても誠意を持って、粘り
強く説得することで、イラク市民に銃をむけて解決されることではなく、ますます事態
を困難にし、恒久平和を願っている世界の人々の思いに背く行為だと思います。
この戦下のなか、イラクの子どもたちはどうしていますか。誰が安全を守ってあげて
いますか。とても心配で不安です。武力攻撃した国の責任として教えてください。
わたしもフセインさんには好意を持っていませんが、貴国では、フセインさんが大統
領をおやめになるまで、武力攻撃を続け、武力でフセイン政権を奪うおつもりですか。
イラク政府といえども主権国家ですが、もしそうなら、その権限を主張する根拠はなに
ですか。わたしにはわかりません。説明してください。
どうか、すべての子どもたちが平和に暮らしてほしいと願っている一市民の憂慮をお
くみとりいただき、今回の酷い作戦を中止し、誠意を示してくださるよう心から要請申
し上げます。
そして、あわせて貴国の大統領にもこの思いをお伝えくださいますよう要請申し上げ
ます。
1998年12月18日
(住所)
加賀谷 いそみ
3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月