Date: Tue, 1 Dec 1998 00:29:58 +0900 (JST)
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Subject: [keystone 867] 市民の会、女性たちの会 知事選報告・協力お礼
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山谷労働者福祉会館のなすびです。

  [keystone 778] で、「基地に反対し、平和・人権・環境を守る市民の会」と「ヘ
リ基地NO!女性たちの会」から知事選カンパが呼びかけられ、これに応えて下さった
方も多くおられることと思います。
 報告とお礼の送り先が不明な人がおられるということで、ここに代理アップします。

(ちなみに、聞いてみたら結局赤字だということなので、可能な方は追加カンパをお
願いします)
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 沖縄県知事選にむけて大田知事への激励文とカンパのご協力を下さった方々に、お
礼状と活動報告を郵送しておりますが、ご住所がわからなくて、未発送分があります
。そのため、インターネットにのせていただきました。
 ご必要でしたら、郵送させていただきますので、ご連絡くださいますようよろしく
お願いします。

             基地に反対し、平和・人権・環境を守る市民の会
             ヘリ基地NO!女性たちの会
             TEL&FAX:098-887-6627(久保)

           *   *   *

【ご協力くださった皆様へ】
 秋の深まりとともに、吹く風も日増しに冷たくなってまいりました。
 お礼が大変遅くなりましたが、知事選にむけて温かい激励とカンパのご協力をいた
だき、本当にありがとうございました。
 大変、残念な結果となりましたが、私たちの「基地を許さない思い」は屈しており
ません。
 先日、11月20日は、日米首脳会談が行われましたが、これに対し、「県民は新たな
基地建設を認めたわけではありません。クリントンさん、基地をお持ち帰りください
。」とアピールし、座りこみをしました。(詳しくは、同封しました「抗議声明」を
ご参照ください。)
 知事選が終わるや否や、待ってましたとばかりに、新たな基地建設にむけて毎日、
目まぐるしい動きがあります。私たちは、意気消沈しているヒマはないと、立ち上が
り、行動しています。
 どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

              基地に反対し、平和・人権・環境を守る市民の会 より

【活動としてできたこと】
 みなさまのカンパに支えられて、私たち「基地に反対し、平和・人権・環境を守る
市民の会」は、以下のような活動ができました。

(1)ビラを次々に作成し、街宣しながらどんどん撒きました。
・ちむぐくる大行進よびかけビラ(那覇市民向け)
・オスプレイ解説ビラ
・ヤンバルの海にも山にもヘリ基地は作らせない!!ビラ
・「やりました!海上ヘリ基地断念。整理縮小にあと一歩」ビラ
・水問題ビラ
・子象のオリに参加した高校生からの手紙ビラ
・「ならんさヘリ基地の唄」と「なぜ」の歌詞のビラ
・11月14日のイベント情宣ビラ
・「私たちの未来に基地はいらない」少女のビラ
・理不尽シリーズ など
カンパのお陰で20万枚印刷することができました。そして選挙の前日、前々日に離島
を含める広い地域で撒いてもらうことができました。

(2)瀬嵩・辺野古・宜野座など、ヤンバルから地元の方々を招いて、市場や街頭で
ハンドマイクより「基地はいらない」の思いを伝えていただきました。

(3)瀬嵩の金城繁さんには、那覇に泊まり込みで来ていただき、連日、三線と唄と
ウチナー口による、メッセージを送ってもらいました。市場、団地、住宅街・・、随
所で大盛況で、カチャーシーも飛び出すくらい盛り上がりました。

(4)大城しんやさんによる街頭ライブ・大学ライブ
匿名の激励TELもありました。

(5)選挙4日前より、朝情宣を行いました。
人手が揃った時には、4〜5グループ程に分かれ、朝の通勤の方々に向けてハンドマ
イクでメッセージを送りながらビラを撒きました。

(6)ハンドマイクでスピーチ&ビラまき
「街角トーク班」は次第に増え、最終的には6〜7班のグループに分かれて市内を区
切って分担して廻りました。ハンドマイクを肩に、車が入れないようなスージ小(路
地裏)も練り歩きました。

(7)前日の朝情宣は「この女の子の目を見てね大作戦」をやりました。
これは、朝のラッシュ時、沢山の車が行き交う安里交差点付近に約23名のメンバーが
立ち、「私たちの未来に基地はいらない少女ビラ」の拡大版を各人が持ち、ドライバ
ーに見せるというパフォーマンス。青信号でサッサと通り過ぎるはずの車がブレーキ
を踏み踏み見ていた。反対車線の車の目にも止まっていた。ビラの受け取りも良かっ
た。強いインパクトを与えることができたと思う。あとでチラシを手にした人は、ま
た改めてメッセージをしっかりと受け取ってくれたと思う。

(8)10代、20代の若者たちに戦争や平和について考えてもらうきっかけづくりとし
て、11月14日に、「HIP HOP&パフォーマンス ウチナーPeace Concert」を開催した
。若者文化と融合しながらの感動的なイベントとなった。また、プレイベントとして
国際通りアマクマダンスパフォーマンスを11月8日・10日・12日の3回行った。

(9)深夜のビラ入れ
(基地はいらない少女ビラと子象のオリの高校生の手紙ビラ)

(10)相手側の謀略ポスター・ビラ入れを許さないためのパトロール(15日未明)

           *   *   *

          沖縄県知事選を戦って

 私たちの未来、そして沖縄県民にとって何が有益なのか。大田知事は沖縄の「平和
・共生・自立」を呼びかけ8年間政策実現に向けて奮闘しました。答えは当然のこと
沖縄県民は良くわかっています。しかし相手候補の政府自民党の経済政策の失敗を「
県政不況」と大田知事に転嫁し、基地との共生を公然と掲げ「軍民共用空港」の建設
で土建利益をちらつかせ、臨空型産業で幻想をまき散らす巧妙なやり方に県民は翻弄
されてしまいました。
 己の利潤追求だけに奔走している人たちは、「理想だけでは食っていけない」「現
実的解決の為には妥協も必要」という言葉で巧みに惑わし、本当に悩み苦しんでいる
人たちの弱みに付け込むように、ヤマト権力(自民党政府)が、基地撤去を訴え、新
たな基地建設は許さないと立ち上がったウチナーンチュ(沖縄の民衆)を押しつぶし
、何が何でも海上ヘリ基地建設を実現させ、日米安保条約を強化しようと躍起になっ
ていることは、クリントン大統領来日の予定から考えても、容易に察しがつきます。
 不在者投票58,898人。その8割は稲嶺候補の票だったと言われています。名護市長
選、豊見城村長選いずれも不在者投票で企業票をまとめ有利に展開させたと聞いてい
ます。その時点ですでに、負けてしまった37,464票差の票を上回る票を獲得していた
と思われます。
 個人の意志を奪い取り、否応なく命令に従わせ票を獲得していくやりかたには、人
間は誰しも弱いもので、自分だけの事で済むのだったらはね返せても、家族、友人が
困るかもしれないという状況に置かれると屈服せざるを得ない人も多いわけで、苦渋
の選択で稲嶺候補へ投票した人も多いことでしょう。
 「Chance」「Change」これが稲嶺選対のキャッチコピーでした。おそらく本土の有
名な広告代理店が仕掛けたのでしょう、ブルーの円形の中に白抜きの文字。ステッカ
ー・シールを初めとして様々なものに確実に目に留まるようにされていました。ダン
プカーのような大きな車の荷台がそのまま大型テレビのようになっているものまで用
意されていて、若者の興味を引きそうなプロモーションビデオのようなものを街中の
目立つ所で流し、その合間にチャンスとかチェンジのロゴマークをパッと見せるので
す。あまり深く考えない若者をコマーシャリズムとサブリミナル効果で洗脳していく
という、本当にお金のかかりそうな企みを見事にやっていました。
 勝手連と言いつつ、アルバイトの若者たちが昼間は那覇市内の住宅街をわざとボロ
車に仕立て上げた宣伝カーで「おじいちゃん、おばーちゃん聞いてるー。このままで
は、僕たち仕事もなくて大変だよー。将来夢も、希望もないよー。生きていけないよ
ー もう変えないと駄目だよー。お願いだから僕たちを助けてよー」というような内
容で稲嶺支持を訴えていたと聞きました。
 また、若者向けのイベントの数々、河島英吾さんも来沖しました。沖縄のジャズミ
ュージシャン、ロックバンドが勢ぞろいしたコンサート。彼らは今後のイベントなど
でいろいろ援助、協力してもらうという話し合いでもあったのでしょうか。
 喜納昌吉さんの所にも、宣伝カーで使うテーマソングに「花」を使わせてくれとい
う話があったそうです。しかし彼はそれを蹴って大田選対で「花」を使うことを快く
承諾してくれました。さらに、応援のコンサートを名護市と那覇市で開催しました。
宜野湾市でも開催予定だったのですが雨のために中止となってしまい、残念だったの
ですが、11月6日、与儀公園での大演説会の前にコンサートをやってくださいました

 とにかく資金力による人的運動量、物量作戦等では、比較にならないほどの差が始
めからついていました。
 大田陣営は、ほんとにお金がなくて私たちはもちろん、それぞれがボランティアが
頑張って、全国の皆さんから寄せられたカンパで活動費を賄っていた部分もありまし
た。
 沖縄のためにも、日本人の将来の為にも、金に物を言わせて自分たちの都合のいい
ように事を運ぼうとしている人たちに、21世紀、私たちの未来を託すわけにはいかな
いというおもいで、「基地に反対し、平和・人権・環境を守る市民の会」は立ち上が
り、後半戦では、街の雰囲気が徐々に変わっていくのが実感できるほど、とにかく動
き回りました。
 街に出て、三味線・太鼓で賑やかにアピールしていたら、年配の方々が、駆け寄る
ように近づいて来て手を握って、「頑張ってください」と声をかけてくださったり、
頭を下げてくださる方もいて胸の詰まるような思いを何度も味わいました。危機感を
持っていらっしゃる方が多いという事がひしひしと伝わってきました。またやっと仲
間が来てくれたといわんばかりの大歓迎を受けカチャーシーを踊りだす場面もたびた
びありました。
 団地を回った日は、雨でしたがお婆さんが、傘をさしてわざわざ私たちの所へ歩い
てきて「ご苦労さまねー、沖縄のために頑張ってくださいよー。基地は絶対作らした
らだめよー。」と言って下さいました。
 住宅街では、ハンドマイクを肩に車が入れないような路地裏を練り歩きながら訴え
ていましたら、家の中から出てきて、門の前で手を振って「あーよかったさー、頑張
ってねー、むこうの宣伝カーばっかり回ってくるから心配してたよー。」と言って下
さる方がいたり、あちこちでお茶やお菓子、ビール等の差し入れをもらったりと、暖
かい声援をたくさん頂きました。また、ヤンバルの思いを那覇の人たちに聞いてもら
いたいと国際通り(那覇の中心街)で、ハンドマイクで訴えながら涙を浮かべてた真
志喜トミさん(心に届け女たちの声ネットワークの代表)のそばで、本当に負けられ
ませんと自分に言い聞かせながら、若い人にビラに差し出した時、やはり「いりませ
ん」とキッパリ断られることが結構あって、不安を拭えなかったことも多々ありまし
た。
 でも、「きっと最後には県民の良識が勝つよ。」などと励まし合ったりしましたが
、あまりにも人手が足りなくて余裕がなかった為とはいえ、今思えば立ちふさがる現
実に悩んで投票した人もいたでしょうし、よくわから無いまま投票した人もいた筈で
、敵味方の構図を乗り越えて、もっと彼らの身になって考え、話し合う方法は無かっ
たのか、説得する努力が一度も無かった事が、悔やまれてなりません。

      「ヘリ基地NO!女性たちの会」
      「基地に反対し、平和・人権・環境を守る市民の会」
              高江洲 あやの

           *   *   *

         今回の選挙についての感想

 瀬嵩の金城繁さんと一緒に市場や街角を回った時、唄・三線とウチナー口による「
基地はいらない」のメッセージにたくさんのおじいちゃん、おばあちゃんたちがうな
ずきながら熱心に聞いてくれた。ある場所でのライブ(?)が終わると次のライブス
ポット(?)まで一緒についてきてまた聴いてくれる、追っかけおじいちゃん。買い
物途中で荷物を腕にさげたままずーっと立ちっぱなしで聴いてくれたおばあちゃんた
ち。
 皆さんの目・表情・姿は、沖縄戦を経験し、戦争とは何かをいやという程知ってい
る、深くて強い意志そのものでした。
 反戦平和を願い、祈るチムグクルに出会い、胸がいっぱいになりました。ビラを配
っている時も「大田さん応援しているよー!! 大田さんでないと大変よー。がんば
ろうねー」と何人のおばあちゃんたちと握手を交わしたことか・・・。
 11月6日の与儀公園での演説会にはやんばるから島尻からバスに揺られて、おじぃ
、おばぁ、お父さん、お母さん、そしてにーにー、ねーねー・・・。普通の一般市民
が居ても立ってもおられない様子で公園からあふれ出るくらい集まった。
 大田さんを支持した33万7369票には、こうした方々の深いチムグクルと強い意志が
込められている。おばぁちゃん、おじぃちゃんたちの姿を思い出すたびに負けたくや
しさが一層こみ上げてくる。
 でも、大田さんの今までの3回の選挙のうち、獲得票数は今回が一番多い。つまり
「大田さんを支持します」と票を入れた人が実際に増えたということ。また過去9年
間の知事選を振り返ってみても、今回の稲嶺氏の次に獲得票数が多い。これだけ多く
の人が、お金使いたい放題の巧妙な選挙コマーシャルに流されることなく「県内のど
こにも基地はいらない」との意志をキッパリと示した。
 次の選挙でもきっとお金と権力をふんだんに使って攻めてくるだろう。でも、一人
一人がそれに負けない、しっかりとした価値観さえ持っていれば、立て板に水。
 新たな基地を作らせない。基地をひとつずつなくし、本当の平和を取り戻す。自然
と共生した、持続的で自立した沖縄を目指す・・・、選挙で勝つためというより、こ
ういう課題を実現するために、若い人たちと共に勉強してゆきたい。
 沖縄戦のこと、戦後のこと、琉球王朝時代からの歴史や文化やんばるの森のこと、
海のこと、地球の環境のこと・・・。
 おじぃ・おばぁたちには、いっぱい長生きしてもらって若い世代に伝えてもらいま
しょう。私たちは、そのチムグクルをしっかりと受け継がせてもらいましょう。
 この選挙では、そのことの大切さがはっきりとした。これが収穫だ。これからやる
べきことがはっきりした。くやしさをエネルギーに変えて、がんばろう!!

      「ヘリ基地NO!女性たちの会」
      「基地に反対し、平和・人権・環境を守る市民の会」
              久保 良子

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