北海道函館市では、市民、労働団体、平和団体などが中心になって、次の臨時国会で
の審議入りも予想される「新ガイドライン」関連法案に反対し、平和な函館市をつくり
だそうと、「非核・平和函館市民条例を実現する会」準備会が１０月３１日、発足しま
した。今後、賛同者の拡大をはかり、来年３月の定例市議会で議員提案による条例案の
提出をめざしています。
準備会では、新倉裕史さん（非核平和都市宣言ヨコスカ）や、富野暉一郎さん（島根
大学教授、元逗子市長）などを招いて学習会を重ね、条例案をまとめました。これに基
づいて超党派の議員などを交えて協議を続けています。
準備会では今後、（１）１１月中に条例案の大枠をまとめる、（２）１２月には市民
から署名集めを開始する、（３）来年３月の市議会定例会に議員提案とし条例案を提出
する、などの活動を予定しています。
同様な条例制定の運動は、苫小牧でも始まっているとのことです。
＜条例案骨子＞
・市核兵器廃絶平和都市宣言と国の非核三原則、憲法の基本理念である恒久平和を実現
する（憲法９条に準拠する）
・憲法で保証された地方自治体の主体性を堅持した平和行政を推進する
・市の施設、用地は軍事行動を目的とした利用を認めず、市職員も軍事にかかわる業務
に協力しない（憲法理念と自治体の港湾管理権を根拠として）
・核兵器不搭載の証明書を提出しない外国艦船は函館港への入港、接岸を認めない（神
戸方式の採用）
＜非核函館平和条例のねらい＞
・憲法の平和主義と核兵器廃絶平和都市宣言の理念を具体化する平和施策の展開
・外国軍事艦艇が函館市港湾施設入港時に非核証明書の提出を義務づける（いわゆる神
戸方式を条例化する）
・平和を大前提とする観光都市函館のイメ−ジを守ることを市民に対し積極的にアピ−
ルする
【集会案内】
みんなでつくろう
非核・平和函館市民条例
「非核・平和函館市民条例を実現する会」が発足します
いよいよスタ−ト
平和な街、函館
国際観光都市への飛躍をめざして
私たちの街函館には、昨年来たびたび米軍艦船が寄港しています。「周辺事態法案」
が成立すれば北東アジアでの有事の際は、こうした米艦船が函館市の港湾施設、空港、
病院などの施設を強制使用することも可能となり、私たち市民にも具体的な戦争協力が
強制されかねません。
私たちは函館市の「核兵器廃絶平和都市宣言」の理念をより具体的に実効化させるた
めに、多くの市民の知恵とパワ−で「非核・平和函館市民条例」を実現させたいと考え
ています。
子供たちに平和な函館を。そして国際観光として豊かに発展する函館をめざすために
皆さんのご協力をお願いします。
■日 時 十二月四日（金） 十八時三十分
■会 場 函館市民会館・小ホ−ル
■内 容 ＜一部＞記念講演
『国際化・分権化時代の自治体平和外交』
〜今、地域から市民が平和をつくりだす時〜
講師 富野暉一郎 氏
（島根大学教授、元逗子市長）
＜二部＞「非核・平和函館市民条例を実現する会」発足会
参加費 ５００円
連絡先 「非核・平和函館市民条例を実現する会」準備会
函館平和アクション９８（２７−６６９６）
函館平和委員会 （５０−２５１０）
函館平和運動センタ− （２６−１１１２）
【平和都市宣言】
核兵器廃絶平和都市宣言
わたくしたち函館市民は、美しい自然を誇り、すぐれた市民性をはぐくんできた函館
を住みよい都市に発展させるため、市民とまちの理想像を市民憲章に定めています。
わたくしたちは、この理想が、世界平和の達成なくしてはありえないことを認識して
います。
わたくしたち函館市民は、核戦争の危機が叫ばれている今日、世界で唯一の被爆国の
国民として、また、平和憲法の精神からも、世界の人々とともに、再びこの地球上に被
爆の惨禍が繰り返されることのないよう、核兵器に廃絶を強く訴えるものです。
わたくしたち函館市民は、非核三原則の堅持と恒久平和の実現を願い、明るく住みよ
い幸せな市民生活を守る決意を表明し、ここに核兵器廃絶平和都市の宣言をします。
昭和５９年８月６日
函館市
3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月