今回の日米韓共同演習で自衛隊は、米軍に実戦を仕込まれたようですが、同時に、「
周辺事態法」が成立すれば、自衛隊が軍隊として米軍と同じことができることを実際に
私たちに示してくれています。
昨年は、はっきり示さなかったのに、今年は私たちに報せなくても、自衛隊も戦争ゲ
−ムができるんですよと「実践的演習だから秘密」だと、「公式文書」で見せつけ、病
院にも「文書」で協力を押しつけようとしました。そして、「周辺事態法案」の先取り
をして、米軍の輸送などには、日本に住む労働者がかりだされ、生活権にはなはだしく
メイワクをかけ、演習場周辺の住民は「植民地」とはかくなるものかという実感だと思
います。
「東京『朝日』」は、11日に津軽海峡周辺海域で、日本の艦艇から米艦への洋上訓
練があると報じました。今年は、演習使用海域を公表しませんでしたが、推測によると
、事故が起きた81年の秋田沖日米共同演習のさい事前に公表された海域(N39〜4
1度、E136〜139度)とほぼ同じと思われる海域に艦船が5日間もいたことにな
るそうです。今回漁民は20海里以内で操業していたので、事故はありませんでしたが
。
今回「演習の性格上、特定できない」と海自舞鶴地方総監部が、秘密だと回答したの
は、81年の時の演習と違って「実践的性格」を持つ演習だからだそうです。実践とな
れば「国防秘密」で艦隊の位置などは秘密になるらしいです。私にはまだ「秘密」の意
味がピンときませんが、盗聴法・・破防法・・スパイ防止法・・機密保護法・・エトセ
トラの単語が浮かんでしまいました。「国」のためなら、漁民の被害もがまんしろって
ことかなあと。なんか急に窮屈になったような気がする。
米軍にとっては、安保条約に基づいた日米地位協定などがあるので、米軍の指揮官が
「新ガイドライン」なんか知らなくても、訓練に何の差し障りもなく、日本の基地から
戦闘にも出掛けられますが、自衛隊は、日本国憲法の下ではそうはできないはず。
そうした中で、コ−エン米国防長官が来日し、ガイドライン関連法案の早期成立を迫
り、民主、平和・改革、自由、社民の4会派が、「ガイドラインなどの審議が懸案にな
っている」などと臨時国会の早期召集を自民党に申し入れ、小渕首相は朝霞の観閲式(
そのムカシは閲兵式といったそうですが)で「早期成立、承認にむけ全力をもって努力
する」と表明したとのことです。また、産経・読売では、憲法調査委員会の設置の確実
性を強調し、自民党の山崎拓・前政調会長が政策提言のなかで「集団的自衛権の議論は
国内的には憲法を改正して、これをはっきり認めることが明快だ」と憲法9条のついて
、改正を目指す考えを打ち出していると伝えています。
自衛隊と小渕内閣の人気は最近かなり低下してはいるものの、これらが法制化されれ
ば、軽く見積もって財閥国家、もしかしたら軍閥国家になるかも。武器、武器、武器と
いってるんだか、金、金、金といってるんだかよくはわかりませんが。
米軍は、地位協定2条で安保条約に基づいて日本国内のどこにでも基地をおくことが
できる(全土基地方式)ように規定されていて、沖縄には在日米軍専用施設の75%が
設置され、その必要性が疑問視されるものさえあります。そして、「適当な時期に返還
される施設」も「適当な時期に」自衛隊に移管されました。
一方、在日米軍提供施設の面積は、一時利用を含めると、全国に約983、000、000平方
メ
−トルあり、北海道には340、777、000平方メ−トルと、沖縄の245、260、000平方メ−トル
より広いという事実も見逃されないと思います。
王城寺原大演習場では、去年は1日だった夜間のドンパチも7日のうち6日もやると
いうし、おわれば慰安外出するということです。
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平成8年度板 防衛ハンドブック(朝雲新聞社)より<一部>
在日米軍提供施設・区域配置図(本土)(平成7、3、31現在)
<数字は面積(単位:千平方メ−トル)>
−札幌局管内(北海道)−
稚内通信施設 778
キャンプ千歳 4、274
(東千歳駐屯地) 89
(北海道・千歳演習場) 88、714
(千歳飛行場) 2、584
(別海矢臼別大演習場)168、163
(釧路駐屯地) 33
(鹿追駐屯地) 59
(上富良野中演習場) 34、690
(札幌駐屯地) 21
(鹿追然別中演習場) 32、832
(帯広駐屯地) 796
(旭川近文台演習場) 1、421
(丘珠駐屯地) 2
(名寄演習場) 1、734
(滝川演習場) 1、367
(美幌訓練場) 2、269
(倶知安高嶺演習場) 950
計18施設 340、777
−仙台局管内(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)−
三沢対地射爆撃場 7、676
三沢飛行場 15、955
八戸貯油施設 181
(仙台駐屯地) 60
(八戸駐屯地) 55
(岩手岩手山中演習場) 23、267
(大和王城寺原大演習場)45、378
(霞の目飛行場) 261
(青森小谷演習場) 3、226
(弘前演習場) 4、921
(神町大高根演習場) 1、310
計17施設 102、290
−東京局管内
(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、長野県)−
所沢通信施設 966
大和田通信所 1、187
キャンプ朝霞 118
赤坂プレスセンタ− 32
ニュ−サンノ−米軍センタ− 7
横田飛行場 7、136
府中通信施設 17
多摩サ−ビス補助施設 1、980
由木通信所 4
木更津飛行場 2、104
硫黄島通信所 6、627
(高田関山演習場) 14、093
(百里飛行場) 1、078
13施設 35、350
注:( )の施設・区域は、その全部が地位協定第2条4項(b)に基づいて
一時使用されているものである。
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地位協定第2条4項(b)
合衆国軍隊が一定の期間を限って使用すべき施設及び区域に関しては、合同委員会は、
当該施設及び区域に関する協定中に、適用があるこの協定の範囲を明記しなければなら
ない。
(参考)
見直し要請(日米地位協定の見直しに関する要請 95/11 沖縄県知事)
第2条(施設・区域の提供等)
地位協定第2条を見直し、日本国政府は、施設・区域の所在する都道府県や市町村か
ら意見を聴取し、施設・区域の存在が、当該自治体の振興開発等に悪影響を及ぼしてい
る場合は、米国政府に対し、その返還を要請し、米国政府は、その要請に応じなければ
ならない旨を明記すること。
3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月