Date: Sun, 15 Nov 1998 02:35:21 +0900 (JST)
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To: aml@jca.ax.apc.org
From: "MARUYAMA K." <kaymaru@mail.jca.ax.apc.org>
Subject: [keystone 804] 『教えられなかった戦争・沖縄編』3(生かす会)
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X-Sequence: keystone 804
Precedence: bulk
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映像文化協会から送られてきた資料から転載
(aml、keystone、pmnに同報)

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「伊江島土地闘争を映像で記録し、未来に生かす会」のご報告

 阿波根昌鴻さんたちは45年間にわたるたたかいをさらに広げるため、そして後世に
伝えるために、驚くほど膨大な量の写真や文字、録音を「チリーつ捨ててはいけない
」と厳命して保存し続けていました。この度、『教えられなかった戦争・沖縄編』を
製作するにあたり、阿波根さんの許可をいただいて、その貴重な資料の整理調査をす
ることから、私たちは什事を始めました。1997年のゴールデンウイークには、東京や
大阪などから15名の方が応援に来て下さいました。

 そしてその資料・の収納のために40坪の資科室も建てていただいて、次々と整理、
収納していきました。この資料類はすべて宝の山です。たたかいの当事者自らが撮影
し、録音した写真やテープは当時の状況を生々しく伝えてくれます。なかでも米軍に
土地を強奪された後、生活補償費も打ち切られ、二人の餓死者が出たために、保健所
の医師が健康診断をした際の診断結果を、そのまま書き写したメモが出てきたときに
は、暫く息ができないほどの衝撃を受けました。約90%以上の人が、栄養失調とそれ
に伴う病気に罹っていたのです。

 また膨大な量の請願書や抗議文・嘆願書の原稿も、全て保存してありました。驚く
べきことに阿波根さんは、これらの原稿を書くときに必ずカーボン紙を使って、記録
が残るようにしてありました。写真もフィルム1本手に入れるのさえ困難な時代に、
これまた膨大に撮影してすべてを那覇まで運び、現像・引き伸しをするというのは、
並大抵の苦労ではなかったと思われます。米軍が暴虐の限りを尽くすのに対し、アメ
リカ民政府は、抗議に行っても必ず「証拠があるか、でたらめを言うな」と追い返す
ので、写真を撮り始めたということです。

 阿波根さんは、残念ながら今はもう全く目が見えなくなっています。しかし、まだ
元気だった7年前、沖縄国際大学石原ゼミの方々が伊江島の反戦平和資料館を調査し
た際の録音テープが、約20時間分石原昌家先生の下に保存されていました。そのなか
に阿波根さんたちが撮った写真を、阿波根さんが1枚1枚丁寧に説明しているものがあ
りました。そしてそれはただ単に写真の説明というだけではなく、その時の状況や自
分たちの思い、目的などを丹念に語っていて、臨場感がとてもあり、素晴らしいもの
でした。

 このように未だに人々の目に触れていない伊江島土地闘争に関する資料はまだまだ
膨大に眠っています。現時点ではそれらの資料を年代別に分類しておりますが、『沖
縄編』製作のため、その整理・収納作業、内容の把握などは中断している状況です。
しかし、この度『沖縄編』完成を迎え、作業を再開することとなりました。最終的に
はこれらの資料を誰が見ても分かるように整理したいと考えております。

 伊江島土地闘争の貴重な資料を保存するため、今後ともご協カをよろしくお願い致
します。
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「伊江島土地闘争を映像で生かし、未来に生かす会」記録映像の内容

1 1992年度沖縄国際大学石原昌家ゼミによる写真聞き取り調査

『伊江島上地闘争の記録』(1時間40分)

 1993年沖縄国際大学石原昌家ゼミによって、阿波根さんや伊江島上地を守る会のメ
ンパーの方々が撮影した写真の聞き取り調査が行われました。当時まだ目が見えてい
た阿波根さんは、実際にたたかっていた当事者にしか知りえない、たくさんの話をし
てくださいました。

 この聞き取り調査は全てテープに残されていたので、そのテープをもとに写真を組
み含わせて構成しました。

*内容*

1955年3月13日米軍による土地取り上げ/抗議の断食座り込み/基地建設開始/幕舎
生活/琉球政府からの調査一アメリカの味方をする役人/1955年5月18日リカード、
バベリー両宣教師の来島「米軍は得になることしかしない。だから米軍の損になるよ
うなたたかい方をしよう。」たたかい方を学ぶ/那覇での街頭報告/米軍(「立ち入
りを禁ず」)と農民(「立ち入りを遠慮してください」)の立て看板の違い/金網も
ない滑走路を横切る子供たち/演習地内での耕作/爆音ノイローゼになる子供たち/
スクラップ捨いをして生計をたてる真謝区民たち/アメリカから言われて座り込みを
排除しに来る警官たち「アメリカの言うことを間かないとクビにされて食っていけな
い」/1955年5月28日民政府前に陳情小屋を建設・学生や官公労などの支援/1955年6
月13日演習場内で耕作し、働き盛りの男性ばかり32名を不当逮捕・共に耕作していた
婦人たちの抗議/1955年6月真謝で栄養失調者続出・餓死者が出る/米軍が基地内の
畑に火をつける/1955年7月21日乞食行進のスタート・真謝の実情が本島に伝わる/
『陳情口説』/1955年9月10日第2回軍用地問題解決促進住民大会開催/演習場周辺に
軍用大が配置される/乞食行進の成果、沖縄本島だけでなく全国から支援物資が送ら
れる/1956年1月1日「沖縄の太陽」黒田操子さん来沖/1955年10月23日プライス調査
団へ垂れ幕で真謝の実情を訴える/米軍が分裂工作のため伊江島の青年をガードマン
に採用する/1959年8月18日国際人権連盟議長ボールドウィン氏来島/1959年9月6日
石川清鑑さん、比嘉良得さんの爆死/1960年12月2日荻堂盛朝さん宅に爆弾が落ちる
/1961年2月1日平安山良福さんが演習地外で射殺される/ベトナム戦争中、ベトナム
の少年が伊江島で訓練を受けていた/1966年7月12日、ホーク・ミサイル2基の陸揚げ
を全住民で阻止する/1967年ll月2日民政府前で爆音を流す

2 第5回公開審理の記録(1時間40分)

 1997年7月3日、宣野湾市民会館で第5回公開審理が行われました。この回の公開審
埋では伊江島補助飛行場に土地をもつ反戦地主の人たちが自分の上地に対する思いを
述べました。

*内容*

・浦崎直良さん(伊江島の総所得に占める軍用地料の割合/兄弟を売り払って手に人
れた十地/米軍による土地取り上げ・並里清二さん逮捕/戦後直後の土地測量のいい
かげんさ)

・平安山良有さん(伊江島での戦闘の被害/甥の良福さん射殺事件について/乞食行
進)

・平安山良尚さん(子供の時に行われたミサイル撤去闘争の思い出)

・平安山シズざん(米軍による上地取り上げ/スクラップ拾いで生計をたてる/ベト
ナム戦争時の伊江島での被害)

・石川春さん(毎年契約を説得にやってくる防衛施設庁について/親から受け継いた
土地は絶対契約しない)

・謝花悦子さん(自分の病気について/戦争準備のお金を平和な社会作りに使おう)

・長嶺良美さん(平安山良福さん射殺事件について/子供のためにも平和な沖縄、伊
江島に)

・知念忠二さん(米軍による土地取り上げ/土地を守るたたかい/米軍からスパイの
誘い)

3 阿波根昌鴻さんの証言(4時間)

 1996年3月、1週間にわたり阿波根さんに生い立ちから現在までを語ってもらいまし
た。その後、県民投票への感想や戦争体験など数回お話を撮影しました。それら阿波
根さんのインタビュー全てをまとめたものです。

*内容*

両親の離婚/農林学校へ入学/神経痛になり別府で療養/学費を稼ぐためキューバヘ
移民/伊江島での飛行場建設/移民帰りのためスパイ容疑で取り調べを受ける/米軍
の投降呼びかけに応じる/息子昌健さんの召集・戦死/慶良間諸島へ強制移住/渡嘉
敷島で投降呼びかけに行った伊江島の青年たちが赤松大尉に殺される/慶良間島の「
集団自決」/戦争に向けての教育と宣伝/アメリカヘの信頼/1953年7月24日米軍に
よる土地測量開始/陳情規定をつくる/1955年3月11日完全武装の米兵が伊江島に上
陸・土地取り上げの開始,「やはりアメリカは鬼畜だ」/土地を守るたたかいの始ま
り/学習の必要性/中央労働学院での学習/今までで一番苦しかったこと/「命どぅ
宝」基地は百害あって一利なし/アメリカにも平和憲法を/戦争の悲惨さを語るだけ
でなく戦争が起こる原因を考えよう/戦争屋の喜ぶことはしない/皆が反対すれば平
和は作れる/やすらぎの里/若者へのメッセージ/県民投票の結果に思うこと
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「伊江島土地闘争を生かす会」最終報告

収入合計(詳細は略) 7,639,098円
支出合計(詳細は略) 7,579,028円

              現在残高 60,070円

映像文化協会からの報告
 1 石原ゼミによる調査を基にした作品 100分
 2 第5回公開審理 100分
 3 阿波根昌鴻さんの証言 240分

以上の記録保存のための諸費用(人件費を含まず)

 16ミリネガ編集費                   1,320,000円
 16ミリサウンドネガ作成費               1,442,779円
 16ミリ映画プリント費(保存用)            4,196,661円
 16ミリマスタープリント費(再利用のための永久保存用) 2,084,402円
 ビデオ・D2及びVHS作成費(保存用及び試写用)    60,7990円

                       支出合計 9,651,832円

収入
 生かす会から                     4,866,326円
 やすらぎの家 謝花悦子さんから            3,000,000円

                       収入合計 7,866,326円

 以上、約180万円近い赤字になりましたが、これは『教えられなかった戦争、沖縄
編』の上映と販売で頑張って解消できると思います。しかし、やすらぎの家からの
300万円がとても心苦しく思います。そこで、「心の反戦地主」(伊江島反戦平和資
料館「ヌチドゥタカラの家」財団法人化の為の基金)ヘのカンパにもう一度お力を貸
して下さい。心からお願い申し上げます。

  郵便口座02060-7-22354「心の反戦地主」の会

  1998.11.8 映像文化協会代表 高岩仁

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 第5回公開審理での伊江島反戦地主の方々の証言は「沖縄・一坪反戦地主会関東ブ
ロック」のホームページにあります。
http://www.jca.ax.apc.org/~sei-u/hitotsubo_kanto/Kokaishinri/5-6.html
 また違憲共闘会議発行の公開審理闘争の記録『くさてぃ』にも全文が掲載されてい
ます。
http://www.jca.ax.apc.org/~sei-u/hitotsubo_kanto/Kokaishinri/kusatei.html

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 MARUYAMA K.  kaymaru@jca.ax.apc.org
    2GO GREEN
  http://www.jca.ax.apc.org/~kaymaru/2GG_JCANET.html


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