X-Sender: mshmkw@tama.or.jp (Unverified)
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Date: Sat, 12 Sep 1998 02:07:37 +0900
To: aml@jca.ax.apc.org, keystone@jca.ax.apc.org
From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 635] from FACTIVE > ミサイル>北朝鮮実験の報道(2)
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Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

読売新聞 09/05 12:57 北朝鮮最高人民会議が開幕
朝日新聞 09/05 13:05 ◇祝賀に沸く平壌市内、東亜日報の平壌訪問団が印象語る◇
朝日新聞 09/05 13:08 ◇北朝鮮の人工衛星を「日本は米国情報に頼り、間違った」◇
毎日新聞 09/05 13:13 <北朝鮮>最高人民会議開催 憲法修正議題に 主席廃止か=
共同通信 09/05 13:20 国家主席推挙微妙の見方も  北朝鮮最高人民会議が開幕
朝日新聞 09/05 13:30 ◇韓国政府が国家安保会議常任委開催、日米との協調推進◇
読売新聞 09/05 14:01 米朝協議、5日も続開
時事通信 09/05 14:05 ◎北朝鮮のミサイル開発に間接協力=ロシア科学者20人を招
時事通信 09/05 14:26 ◎憲法修正が焦点に=政府首脳の刷新断行か―北朝鮮最高人民
NHK   09/05 15:05 北朝鮮の衛星報道 「打ち上げ確認できず」科学技術庁
共同通信 09/05 15:51 北朝鮮の衛星はミサイルの副産物
共同通信 09/05 16:03 北朝鮮、水害で農業に打撃
共同通信 09/05 16:05 最終決着に向け再開  NYの米朝高官協議
共同通信 09/05 16:17 北の化学兵器開発を警戒  政府、ミサイル実験受け
共同通信 09/05 16:28 韓国大統領も北朝鮮衛星を非難
時事通信 09/05 16:28 ◎北朝鮮のミサイル開発、愚かなこと―金大統領
共同通信 09/05 17:16 4カ国定期戦を検討へ  サッカーで日韓中と北朝鮮
NHK   09/05 17:19 北朝鮮の人工衛星打ち上げ ロシアは「確認」
NHK   09/05 17:33 キム韓国大統領 北朝鮮のミサイル開発を非難
共同通信 09/05 17:41 北朝鮮船13隻ロシア領海へ
共同通信 09/05 17:45 「衛星」情報を分析する  小渕首相
NHK   09/05 18:04 北朝鮮 最高人民会議開幕「主席就任」伝えられず
共同通信 09/05 18:07 金正日新体制へ権力改編か  最高人民会議で北朝鮮
共同通信 09/05 18:14 国家主席推挙は6日以降か  北朝鮮
時事通信 09/05 18:25 ◎金総書記の権威向上などが狙い―韓国大統領=北朝鮮ミサイ
時事通信 09/05 19:29 ◎北朝鮮のミサイル技術を評価―ロシア宇宙局
共同通信 09/05 19:57 日韓議連が北朝鮮に抗議
毎日新聞 09/05 20:11 <北朝鮮>最高人民会議開催 議題に国家主席推挙含まれず
毎日新聞 09/05 20:11 <北朝鮮ミサイル>予想以上の技術レベル 映像をみて江幡謙
朝日新聞 09/05 20:13 ◇北朝鮮のミサイル実験に抗議。日韓・韓日議員連盟総会で◇
時事通信 09/05 20:14 ◎午後9時から「重大放送」―平壌放送
共同通信 09/05 20:16 各種行事で慶祝ムード高揚  北朝鮮
読売新聞 09/05 20:18 ミサイル試射を非難する共同声明を採択
朝日新聞 09/05 20:23 ◇午後9時から「重大放送」と北朝鮮の平壌放送◇
読売新聞 09/05 20:25 中朝関係改善は前途多難
共同通信 09/05 20:42 建国記念日控え祝賀ムード  主席就任はまだ、と市民
時事通信 09/05 20:47 ◎北朝鮮にミサイル開発中止を要求=日韓議員連盟が共同声明
毎日新聞 09/05 20:47 <事件運>「おれと西田司さんが入閣すると」野中官房長官 
毎日新聞 09/05 20:47 <北朝鮮ミサイル>厳重抗議と開発・輸出の中止要請 日韓議
朝日新聞 09/05 20:50 ◇ロシア当局、人工衛星打ち上げを確認、ICBMの能力◇
朝日新聞 09/05 20:57 ◇北朝鮮の「衛星」、手間取る米の確認、政治的背景も◇
毎日新聞 09/05 21:02 <テポドン>日本列島全域射程内の北朝鮮・中距離地弾道ミサ
朝日新聞 09/05 21:04 ◇首相・人民武力相などに関心、北朝鮮最高人民会議◇
時事通信 09/05 21:08 ◎金正日氏を国防委員長に再選=北朝鮮最高人民会議
読売新聞 09/05 21:21 北朝鮮の「人工衛星」確認できず
毎日新聞 09/05 21:30 <北朝鮮ミサイル>日本の困惑・緊張・
朝日新聞 09/05 21:44 ◇国家主席ポストを廃止、金総書記を国防委員長に、CNN◇
朝日新聞 09/05 21:45 ◇憲法修正・増補案を可決、北朝鮮最高人民会議◇
読売新聞 09/05 21:45 金正日氏を国防委員長に推挙
時事通信 09/05 21:47 ◎発射当日、故障で監視飛行できず=空自の電子測定機
朝日新聞 09/05 21:47 ◇北朝鮮首相に洪成南氏選出、北朝鮮・最高人民会議◇
朝日新聞 09/05 22:00 ◇金正日氏、軍の最高指導機関・国防委員会委員長に推挙◇
毎日新聞 09/05 22:00 <北朝鮮>中国・新華社 当初は金正日国家主席を選出と報道
朝日新聞 09/05 22:22 ◇日朝関係こう着、長びく恐れも、日本政府◇
読売新聞 09/05 22:27 金総書記が事実上の元首に
朝日新聞 09/05 22:46 ◇国家主席制廃止で金永南氏が元首の職務遂行か、北朝鮮◇
朝日新聞 09/05 22:47 ◇金正日氏、国防委員長に推挙、北朝鮮・最高人民会議で◇
毎日新聞 09/05 23:24 <北朝鮮>金国防委員長 ミサイル外交を戦略も核に
毎日新聞 09/05 23:24 <北朝鮮>金総書記 国防委員長に 国家主席廃止で権力承継
毎日新聞 09/05 23:24 <北朝鮮>金日成死去後の体制を制度化 平岩俊司・松阪大助
毎日新聞 09/05 23:24 <北朝鮮>首相に洪成南氏、外相に白南淳氏を選出 最高人民
毎日新聞 09/05 23:24 <北朝鮮>食糧・経済・軍部で見る金正日時代の現状と展望
毎日新聞 09/05 23:36 <北朝鮮>国防委員会委員を選出 最高人民会議
毎日新聞 09/05 23:36 <北朝鮮>最高人民会議常任委員長に金永南氏
毎日新聞 09/05 23:36 <北朝鮮>日本の世論の視線は冷ややか 対北朝鮮関係は出方
毎日新聞 09/05 23:37 <北朝鮮ミサイル>発射速度遅く、衛星として地球周回不可能
毎日新聞 09/05 23:38 <余録>(6日)北朝鮮の人見知りする人工衛星
毎日新聞 09/05 23:48 <北朝鮮>金総書記は国防委員長に 国家主席廃止で国家元首
時事通信 09/06 00:01 ○「太陽政策」は維持―韓国政府=北のミサイル試射で制約も
時事通信 09/06 00:01 ○金正日氏を国防委員長に再選=事実上の国家元首に、国家主
読売新聞 09/06 00:06 北朝鮮の対日政策動向を注視
毎日新聞 09/06 00:11 <北朝鮮>国防委員長を国家元首に格上げ 国家主席は永久欠
朝日新聞 09/06 00:14 ◇「権限注目している」、金正日氏、国防委員長再任で首相◇
朝日新聞 09/06 00:49 ◇北朝鮮新体制の発足、問われる食糧・農業問題の解決◇
朝日新聞 09/06 00:54 ◇北朝鮮・金正日時代、軍重視の姿勢明確に◇
朝日新聞 09/06 00:57 ◇北朝鮮の「衛星」確認手間取る米、政治的背景も◇
朝日新聞 09/06 01:02 ◇日朝関係こう着、長びく恐れも、日本政府◇
時事通信 09/06 01:16 ○米朝協議で「実質的進展」=来週決着か
毎日新聞 09/06 01:17 <北朝鮮>なお難しい南北改善 韓国は責任明確化に期待
毎日新聞 09/06 01:17 <北朝鮮>金国防委員長 ミサイル外交を戦略の核に=替
毎日新聞 09/06 01:17 <北朝鮮>金日成主席死去後の主な動き(年表)
毎日新聞 09/06 01:17 <北朝鮮>最高人民会議常任委員会設置は旧世代幹部への礼遇
毎日新聞 09/06 01:17 <北朝鮮>若返り進むが軍前面のイメージ悪い 平岩助教授=
毎日新聞 09/06 01:17 <北朝鮮>新体制の動きを注視 小渕首相
毎日新聞 09/06 01:18 <北朝鮮>金総書記は国防委員長 国家主席廃止で国家元首=
毎日新聞 09/06 01:18 <北朝鮮>最高人民会議常任委員長・金永南氏が外交分野を担
読売新聞 09/06 01:51 米朝高官協議で暫定合意
毎日新聞 09/06 02:01 <米朝高官協議>暫定合意に 来週再協議で最終案 北朝鮮代
読売新聞 09/06 02:06 金正日氏が国家元首に
朝日新聞 09/06 02:57 ◇北朝鮮、国家主席制度廃止。金正日、権力継承◇
朝日新聞 09/06 02:58 ◇「人工衛星の可能性極めて低い」と防衛庁が見解◇
朝日新聞 09/06 02:58 ◇軍傾斜強まる、世代交代進む、北朝鮮・最高人民会議閉会◇
朝日新聞 09/06 03:02 ◇「来週に決着」と北朝鮮代表団◇
読売新聞 09/06 06:08 金正日氏が国家元首に就任
朝日新聞 09/06 08:18 ◇米朝協議で「暫定合意」と北朝鮮◇
共同通信 09/06 10:33 米朝高官交渉で暫定合意  ミサイル協議の日程も含む
 
 ま、焦点は「人工衛星か弾頭か」というところでしょうか。とにかく衛星であると
いうのならば証拠が出るはずと各国の様々な機関が調べていますが、  「見つけた」
「見つからない」情報が錯綜(=^_^;=)
 見つけたというのはロシアと中国、それ以外は見つからないとしています。
 タス通信がロシア宇宙観測センターからの情報として、人工衛星の存在を確認した
と伝えています。
 科学技術庁はロケットの発射角度、ブースターロケットの落下地点などのデータが
矛盾していて、さらに公表データの不足で衛星の軌道を計算できないとしています。
衛星が発信しているとされる電波も受信しにくい周波数ということで、衛星の存在は
裏付けられないが「完全に否定するのも相当困難」だとか。
 防衛庁などによる航跡分析の結果として、観測されたスピードと発射角度では地球
周回軌道に物体を運ぶには遅すぎることと、引力圏を脱出することはほぼ不可能だと
分かったとのこと。なお計測に使用したデータ、離陸速度・角度はアメリカ軍の弾道
ミサイル観測機RC135が確認したと見られるそうです。
 
 アメリカの見方ですが、国防総省は、例え人工衛星であったとしても1600キロ
以上の距離を運搬する手段を得たという意味では同じことであり、衛星かミサイルか
という点とは別にしても北朝鮮周囲への脅威は増大したとの見解を明らかにしていま
す。なお、衛星であるかどうかは「否定も肯定もできない」
 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)、人工衛星に限らず宇宙を飛行する物体の
解析にかけては世界一といわれる機関で、この内部が公開されたときは大きな反響を
呼んだものですけれど、いまや米ソ冷戦が終わり弾道弾ミサイル監視だけではなく宇
宙物体監視にも力を注いでいて、8000個以上の軌道上の衛星やロケットの残骸を
監視していて、スペースシャトルの打ち上げの時もNASAに情報提供をしているん
ですが、北朝鮮のロケット打ち上げも打ち上げ当初から監視を続け、データ分析など
も終わっていたそうですが、衛星だという発表があって以降再度データ見直しを進め
ているそうです。結論を出すには数日かかるかも知れないというので「現時点では主
張の正否は確認できない」。
 韓国は、国家安全保障会議の常任委員会で「人工衛星打ち上げ」発表について協議
した結果「事実かどうかは確認できない」との見解を明らかにしています。また仮に
事実であっても北朝鮮が中距離ミサイルの発射能力を保有していることを意味してい
るわけで、北東アジアの安定と平和に大きな脅威であるとしています。
 朝鮮中央通信社は「8月31日午後12時7分、咸鏡北道花台郡舞水端里の発射場
から3段式運搬ロケットで打ち上げられた朝鮮民主主義人民共和国の人工衛星第1
号」との説明付きで打ち上げ直後のロケットの画像を配信しました。
 
 ま、衛星ではないという判断はこの段階では「不可能」というのが最も追跡に長け
た機関の現段階の結論であるということです。存在するものを「有る」という証明は
実に簡単ですが、 無いものを「無い」と証明するのは難しいものです。 この「難し
い」段階で「あり得ない」という判断を公言する政治家や機関は信用できないし、別
の政治的意図があるか感情的になってるか、あるいは単に考えが足りないかのどれか
でしょう。
 
 ラジオプレスの聞く朝鮮中央放送は、衛星打ち上げのニュース一色だとか。国威発
揚という趣旨でしょう。人工衛星祝賀報道の反面、4日行われたと見られる朝鮮労働
党中央委員会総会についてはなにも触れていないとのこと。テレビのほうでは衛星打
ち上げの責任者と見られる人物が出演した座談会も放送されています。
 
 ミサイル問題を受けた各国対応です。
 
 アメリカは交渉のテーブルを引き続き維持。米朝高官協議は4日もニューヨークの
国連本部で続行され、約4時間の会議の結果は明らかにされなかったものの5日も協
議を継続することを決めていて、具体的な合意には至らないけれどミサイル問題や核
合意履行問題などが話し合われたとみられるそうです。そして電撃的に?米朝暫定合
意が5日になされました。
 最終合意は8日以降とされます。カートマン朝鮮半島和平担当特使は「一定の前進
があった。協議内容をワシントンに戻って主要な議員らに説明する。来週再開できる
と思う」と延べ、金桂寛外務次官も暫定合意に達し、本国政府に報告した上で来週再
び協議することを明らかにしています。
 合意内容は明らかにされていませんが、朝鮮半島和平問題の4者会談やミサイル輸
出・開発協議、連絡事務所設置に関して、大まかな時期を明記することで合意したも
ようで、さらに北朝鮮がミサイル協議に早期に応じることや核疑惑が再燃した寧辺付
近の地下施設への査察を容認しているようです。
 リチャードソン・アメリカ国連大使は「アメリカは、北朝鮮によるミサイル発射を
大変深刻に受け止めており、国連の安全保障理事会でこの問題を取り上げて、ほかの
理事国と協力する用意がある」としていますが、この問題の協議を安保理に提案する
のはアメリカではなく、日本が行うことになるとして、あくまでも日本問題として扱
うつもり。
 
 韓国は9月末の国連総会期間中に日米韓3国の外相会談を開催し3国間の高位実務
協議と日韓防衛当局間の情報交流会議の早期開催と国連などを通じた共同措置の推進
といった対策をとる方針を明らかにしています。
 
 中国やロシアなどは明確な態度を表明していませんが、安保理協議については8日
に日本側が提起する予定にしているので、その段階で態度を明らかにするもよう。
 
 他に最高人民会議関連報道がたくさん流れていますが、こちらは直接関係はしない
ので表記にとどめます。
                                                   YAMASAKI (SDI00872)

*220   SDI00872  山崎 久隆        ミサイル>98/09/06北朝鮮実験の報道
(13)   98/09/10 17:53  192へのコメント

 9月6日の報道です。

共同通信 09/06 10:34 国家主席の廃止を確認  北朝鮮の改正憲法
共同通信 09/06 10:36 内閣強化は金総書記が発議  経済問題で早期に決断
共同通信 09/06 10:37 「横顔」―北朝鮮の最高人民会議常任委員長になった金永南氏
共同通信 09/06 10:38 故金主席は永遠の主席  朝鮮中央通信
共同通信 09/06 10:39 江主席が金総書記に祝電
共同通信 09/06 12:36 危機管理マニュアル作成へ  額賀氏、北ミサイル発射で
時事通信 09/06 14:01 ◎弾道ミサイルの可能性強い=多目的の情報収集衛星が現実的
時事通信 09/06 14:14 ◎9日ごろまでに2発目の可能性も=防衛庁首脳
朝日新聞 09/06 14:31 ◇2発目のミサイル、「可能性あり」と防衛庁首脳◇
共同通信 09/06 14:51 北朝鮮問題で米と協議へ
時事通信 09/06 16:51 ◎南北首脳会談の開催急がず―韓国政府
時事通信 09/06 17:54 ◎経験豊富な外交のベテラン=金永南・最高人民会議常任委員
毎日新聞 09/06 18:01 <北朝鮮>憲法全文を公表 「国家主席」ポスト廃止が公式確
共同通信 09/06 18:07 対米優先路線を実証  新体制発足に合わせ前進
毎日新聞 09/06 18:24 <北朝鮮ミサイル>テポドン2回目発射確認できず 防衛庁首
毎日新聞 09/06 18:42 <北朝鮮ミサイル>「弾道ミサイル」の可能性大 防衛庁長官
毎日新聞 09/06 18:42 <北朝鮮ミサイル>対応協議で米に党幹部派遣へ 自民幹事長
共同通信 09/06 18:46 金永南委員長が序列2位に  北朝鮮の最高人民会議
時事通信 09/06 18:49 ◎金正日氏の国防委員長推戴で慶祝大会=本人は参加せず―北
毎日新聞 09/06 19:21 <北朝鮮>金正日氏が国家元首継承 新体制は 3氏に聞く 
毎日新聞 09/06 19:34 <中国>江主席が北朝鮮・金正日氏に祝電 友好関係維持を強
毎日新聞 09/06 19:54 <北朝鮮>憲法改正公表 国家機構が権力構造反映せず=解説
朝日新聞 09/06 19:55 ◇米朝協議、今週にも最終合意か◇
毎日新聞 09/06 20:06 <米朝高官協議>暫定合意 四者会談再開時期などに触れた模
朝日新聞 09/06 20:20 ◇北朝鮮弾道ミサイル発射問題で米政府と協議へ、森幹事長◇
朝日新聞 09/06 20:23 ◇偵察衛星打ち上げの決断必要と自民総務会長◇
時事通信 09/06 20:28 ◎衛星情報収集で新システム開発―防衛庁
毎日新聞 09/06 20:40 <北朝鮮ミサイル>日本の安全保障に問題提起 発射前後を検
毎日新聞 09/06 20:54 <北朝鮮ミサイル>与野党から偵察衛星導入論高まる
朝日新聞 09/06 20:59 ◇「多目的の情報収集衛星を」と額賀防衛庁長官◇
朝日新聞 09/06 21:01 ◇北朝鮮に責任ある行動と軍備競争中止要求、韓国大統領府◇
毎日新聞 09/06 21:06 <北朝鮮>金正日氏権力継承 解決策ない食糧難の中 どこへ
毎日新聞 09/06 21:06 <北朝鮮>権力継承した金正日氏とは
毎日新聞 09/06 22:05 <北朝鮮>新指導部「序列」でも軍人上位に 朝鮮中央放送紹
読売新聞 09/06 22:33 北朝鮮の憲法改正内容が判明
読売新聞 09/06 22:35 米朝高官協議が暫定合意
読売新聞 09/06 22:35 北朝鮮改憲“隠とん統治”を制度化
読売新聞 09/06 22:46 9月7日付・読売社説(1)
朝日新聞 09/06 22:58 ◇北朝鮮が憲法改定、主席を削除◇
朝日新聞 09/06 23:08 ◇「私が発表すればよかった」、防衛庁長官が反省の弁◇
毎日新聞 09/06 23:16 <社説・北朝鮮>国際社会へ説明が必要だ
毎日新聞 09/06 23:16 <北朝鮮>国家機関人事から日本担当が不在に
毎日新聞 09/06 23:16 <北朝鮮ミサイル>テポドン2回目確認できず 防衛庁首脳
毎日新聞 09/06 23:17 <北朝鮮>米朝高官協議が金正日新体制の対米姿勢を占う材料
時事通信 09/06 23:33 ○「テポドン」、日本も射程圏=2段式の新型、開発の詳細は
読売新聞 09/06 23:45 北朝鮮の憲法改正内容判明
毎日新聞 09/06 23:45 <キーパーソン>北朝鮮新首相に就任した洪成南氏
朝日新聞 09/07 00:19 ◇北朝鮮の金常任委員長と洪首相が外交使節と会見◇
毎日新聞 09/07 01:04 <北朝鮮ミサイル>日本の安全保障に問題提起 発射前後検証
朝日新聞 09/07 02:58 ◇北朝鮮、連絡事務所開設に同意、米朝協議で◇
 
 NHK、テレビ朝日、フジテレビなどが日曜の討論番組を午前中に放送しています
が、これに出演した人たちの発言が報道されています。
 額賀防衛庁長官の発言が、その中でも注目されているようです。
 
 まず情報の伝達・公表について
 
 「情報処理の在り方、国会との関係などに関してきちんとしたマニュアルを作り、
危機管理体制を整備したい」と語ったとか。三陸沖着弾情報の公表の遅れについては
「会見を早めればよかった。また、私自身が説明した方が適切だった」「へたに(発
表すると、国民に)不安をかもし出すことにもなると考え、(担当者に対し)いたず
らに情報を垂れ流すのでなく、  慎重に全部検討したうえで持ってこいと指示した」
「もっと早く私自身が記者会見し、国民に公表すべきだった。今後の教訓としたい」
などと語ったそうです。
 
 それからミサイルか衛星かについては
 
 「スピードや発射角度を総合的に考えるとミサイルの可能性が有力だ。米国も日本
もいまだに(人工衛星とは)確認していない」「軌道が低く、ソフトボールぐらいだ
と、なかなか探知できないが、(発射されたミサイルの)スピードや角度から総合的
に判断して弾道ミサイルの可能性が強い」とミサイルであると考えているが断定は避
けました。
 
 そして問題の日本の軍事偵察衛星・TMD問題では
 
 「専守防衛の立場は情報をいかに得るかが大事だ」「民間あるいは役所の資源探知
や災害(対策)などいろいろ活用があっていい。情報収集衛星として、多目的な中で
自衛隊も軍事的な情報を得ることができる仕組みを作れないか研究すべきだ」TMD
については「現実にミサイルがわが国上空を飛び越えていった。そういう事態に国を
守る手段として研究するのは当然だ。それは憲法の枠内で、専守防衛の枠内で出来る
ことではないか」
 
 いずれにしても問題の多い発言。
 衛星の問題点については、軍事偵察衛星と「多目的衛星」というよくわからないも
のを混同させて語っていまして、何を念頭に置いているのかよくわからない。
 資源探査衛星と静止軌道上(3万6000キロ)を飛ぶ監視衛星と低軌道(近地点
150〜200キロ)を飛ぶ軍事偵察衛星を渾然とさせて議論になるわけがありませ
んが。推測すれば静止衛星の導入とも取れます。
 
 一体何を飛ばせば何の役に立つのかっていうあたりを落ちついて考えてから発言し
てもらいたいものだ。
 
 ところが既に「落ちつくところ」というのは出来ているようで、防衛庁は独自の情
報収集能力を高めるため、これまで以上に鮮明な画像を受信するシステム「画像情報
処理システム」の開発に取り組んでいるそうです。97年度から4年計画で、200
0年度からの稼働が目標。開発費は総額約100億円とのこと。
 このシステムの画像情報は、今年末にも打ち上げられるアメリカの商業衛星から提
供を受けるもので、衛星が送信する画像は解像度が飛躍的に上がっているそうです。
ランドサット衛星では30メートル四方のものしか識別できなかったのに対し、こち
らは1メートル四方でも可能になるとか。
 
 TMDに関してはもっと「わかっていない」。
 研究をすることはいいではないかという立場らしいが、現実には「1兆円以上とい
う膨大な予算がかかる上、開発に成功するかどうかめども立たない。もし成功しても、
運用は10年後か20年後か不明で、その時の国際情勢がTMDを必要とするかどう
かも分からない」「他国へ向けてミサイルを撃てばマイナスになると、北朝鮮に知ら
せる必要はあるが、地域の安定のための冷静な外交、対話こそが必要だ」これは自衛
隊の制服組幹部の発言として毎日が報じたもの。こちらのほうがはるかにまともな意
見。現場としては、ものの役に立つかどうかわからないものに何兆円もつぎ込んで、
一体何をやるつもりかという気持ちなのでしょう。問題なのは10〜20年先ではな
く「今」なのではないのかと歯ぎしりしたい思いかもしれません。
 
 自民党の深谷隆司総務会長も「偵察衛星というか、常に情報を集めるような衛星を
自ら日本が打ち上げるくらいの決断と実行をしなければならない」TMDも「国家、
国民を守るという観点から考えたら、時間とカネがかかってもやるべきことはやらな
ければならない」
 
 一方アメリカから入ってくる報道では、北朝鮮側は、あらゆる問題について、非常
に前向きな姿勢を示したということで、棚上げになっていた平壌でのアメリカ連絡事
務所開設にも合意したということです。外交面での対話ということでは、アメリカが
一歩も二歩も日本の先をいっているようです。
                                                   YAMASAKI (SDI00872)

*222   SDI00872  山崎 久隆        ミサイル>98/09/07北朝鮮実験の報道
(13)   98/09/11 12:01  192へのコメント

 さらに9月7日の報道です。

共同通信 09/07 08:16 8月17日から発射態勢  北朝鮮の弾道ミサイル
NHK   09/07 10:53 弾道ミサイル防衛構想に日本の参加を 米で意見強まる
読売新聞 09/07 11:14 米朝、連絡事務所の相互設置を再確認
毎日新聞 09/07 12:25 <北朝鮮ミサイル>「人工衛星でも本質は変わらず」野中官房
共同通信 09/07 12:32 軍事力の存在感強化に懸念  北朝鮮で野中長官
NHK   09/07 12:50 野中官房長官 キム北朝鮮総書記の国防委員長再任を懸念
朝日新聞 09/07 13:08 ◇南北間の政府対話再開を呼びかけ、韓国政府◇
毎日新聞 09/07 13:18 <北朝鮮ミサイル>民間パイロットの日本乗員組合連絡会議が
時事通信 09/07 14:19 ◎北朝鮮の「体制整備」に肯定的評価=政策の変化は期待でき
読売新聞 09/07 14:40 官房長官、北朝鮮の新体制に強い懸念
共同経済 09/07 15:12 ◎北との観光開発を承認  韓国政府、現代グループに
共同通信 09/07 15:15 共和党「疑惑」を武器に  テレビ広告で倫理突く
NHK   09/07 15:18 航空6社乗員組合連絡会議 北朝鮮ミサイルに抗議声明
共同通信 09/07 15:20 期待薄らぎ慎重な構え  北朝鮮新体制に韓国政府
共同通信 09/07 16:02 「国家の最高首位」に  金正日氏をと労働新聞
時事通信 09/07 16:05 ◎北朝鮮の初衛星は「光明星1号」=実用への土台築く―労働
時事通信 09/07 16:15 ◎北朝鮮ミサイル発射で緊急提言=日本再生会議
時事通信 09/07 16:18 ◎2発目の可能性否定できず=秋山防衛次官
共同通信 09/07 16:29 北朝鮮との観光開発を承認  韓国政府、現代グループに
共同通信 09/07 16:30 金正日総書記の退陣求める  在日朝鮮人団体が声明
NHK   09/07 16:50 与謝野通産相「多目的衛星 検討を」
共同通信 09/07 16:55 衛星名は「光明星1号」  人工衛星
共同通信 09/07 17:00 議会や日本硬化から苦慮  米朝包括合意受諾で米政府
NHK   09/07 17:03 韓国政府 現代グループに北朝鮮金剛山観光開発を許可 遊覧
共同通信 09/07 17:08 外交官の北朝鮮渡航禁止を
共同通信 09/07 17:08 野党側の歩み寄りに期待  金融再生法案で深谷氏
共同通信 09/07 17:09 中国が祝賀の論評発表
朝日新聞 09/07 17:19 ◇北朝鮮の初衛星は「光明星1号」、労働新聞◇
NHK   09/07 17:36 ミサイル発射の北朝鮮に厳重抗議を 漁業関係者が農相に要請
NHK   09/07 17:36 秋山防衛事務次官 多目的衛星を偵察用に利用
共同経済 09/07 17:58 ◎世界主要新聞トップ記事・1(7日)
NHK   09/07 18:05 自民の亀井グループ 北朝鮮当局者らの入国制限を提言
毎日新聞 09/07 18:57 <韓国>統一省、現代の金剛山観光開発事業を承認
共同通信 09/07 18:59 透明性高い政策を期待  北朝鮮動向で柳井氏
NHK   09/07 19:21 自民外交と金融問題調査会 北朝鮮への経済制裁で外為法改正
NHK   09/07 19:21 北朝鮮 日本の抗議を非難 人工衛星命名を報道
共同通信 09/07 19:26 TMD共同研究で合意へ  来週末に日米安保協議委
共同通信 09/07 19:26 政府、条約順守を申し入れ  北朝鮮にミサイル発射で
朝日新聞 09/07 19:31 ◇日本単独でも送金停止を、自民党部会で方針◇
毎日新聞 09/07 19:32 <官房長官>連絡会議で、「与党への連絡不十分」と陳謝
毎日新聞 09/07 19:43 <自民党>深谷総務会長、「独自の情報収集衛星持つべき」
毎日新聞 09/07 19:43 <北朝鮮ミサイル>シカゴ条約順守を要請−−国際民間航空機
共同通信 09/07 19:47 法的に国家元首なしと韓国
共同通信 09/07 19:50 送金停止へ外為法改正を  北朝鮮制裁で自民
読売新聞 09/07 19:52 多目的の情報収集衛星を検討
共同通信 09/07 19:58 多目的衛星に積極姿勢
毎日新聞 09/07 20:04 <北朝鮮ミサイル>多目的情報収集衛星開発を促進−−再生会
時事通信 09/07 20:04 ◎北朝鮮への送金停止も検討を−自民
共同通信 09/07 20:10 中山氏らを米国へ派遣
時事通信 09/07 20:38 ○北朝鮮、9日再びミサイル実験か=モスクワの外交筋−タス
時事通信 09/07 21:18 ○中朝間の友好関係強化を呼び掛け=胡副主席、北朝鮮の記念
読売新聞 09/07 21:21 衛星は「多目的」で検討へ
朝日新聞 09/07 21:21 ◇北朝鮮が九日に弾道ミサイルの試射へ、イタル・タス通信◇
読売新聞 09/07 21:24 自民、海外送金停止の要件改正を検討
読売新聞 09/07 21:24 ミサイル発射でICAOに抗議申し入れ
朝日新聞 09/07 21:24 ◇政府・自民は多目的衛星の導入検討を確認◇
毎日新聞 09/07 21:25 <北朝鮮ミサイル>9日、再び実験か−−タス通信報道
読売新聞 09/07 21:29 北朝鮮、9日に弾道ミサイル発射か
朝日新聞 09/07 22:09 ◇統一省、現代グループの金剛山観光に事業承認◇
時事通信 09/07 22:48 ◎米朝、来月中の4者協議再開で合意―聯合通信
朝日新聞 09/07 23:11 ◇北朝鮮が九日に弾道ミサイルの発射実験の方針◇
毎日新聞 09/07 23:47 <権力継承>北朝鮮の行方−−国際的孤立逆手に
朝日新聞 09/08 00:08 ◇北朝鮮―物言わぬ権力者の危うさ◇
時事通信 09/08 00:13 ◎北朝鮮ミサイルの2回目発射「情報ある」−政府首脳
毎日新聞 09/08 00:23 <記者の目>北朝鮮への対し方  ソウル支局 中島哲夫記者
 
 この日の報道は、今回の問題をめぐる論点がほぼ総ざらいで出てきた感があります。
項目別にまとめてみました。
 
【北朝鮮が日本を非難】
 
 北朝鮮「世界人民と連帯する朝鮮委員会」の談話として、人工衛星打ち上げに関し、
日本政府がこれに抗議して国会決議を上げ、チャーター便の運航許可を取り消すなど
制裁措置を執っていることを非難。また朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は人工衛星の
名前を「クァンミョンソン・光明星一号」と名づけたと伝えています。日本への反応
はわずかしか報道されないのですが、これがその「わずかな」反応。
 
【外交無き日本】
 
 人工衛星かミサイルか、まだわからないところでいろいろと報道が並んでいますが、
日本政府は振り上げた拳の行き先がわからなくなってしまったもよう。
 批判は批判で良いですが、中身がだんだんおかしくなります。ミサイル実験であれ
ば、無通告で日本を狙ったかのような実験に強硬な態度をとることはさほど奇異では
ないかもしれないが、人工衛星打ち上げとなれば自ずと状況は変わらざるを得ない。
そこんところろ判断が停止したまま、強い調子の非難と、対策と称しての軍事的対応
を進めようという動きが加速しているようです。
 これら北朝鮮対応が軌道を外れた衛星のごとくどこに行くのかわからなくなってい
る第一の原因は、これまでの北朝鮮外交が一貫性を欠き、対米従属の枠を超えられず、
独自のチャンネル作りも進まないままに来ていたことと、新体制に移行する北朝鮮の
動きをつかんでいないことがあるのだろうと思います。ま、有り体に言えば「アメリ
カが最も重要な交渉相手」としてきた北朝鮮に、対日外交の重要性を認識させられな
かったツケが回ってきているということでしょうか。
 
 端的に現れているのが、金丸訪朝団(与党訪朝団)にも参加をしチャーター便就航
にも「尽力」し、北朝鮮外交の責任者として現在最も重要な位置にあるはずの野中官
房長官の姿勢です。
 野中官房長官は、ミサイル実験が「人工衛星の打ち上げ」との北朝鮮側の発表があ
った以降も厳しい対応を変えようとしておらず、7日になって「人工衛星であったな
ら、8月31日の発射の時点で発表すべきだった。推進力を持ったものに衛星がつい
ているか弾頭がついているかだけの違いだから、危険度は変わらない。事前通告もな
い、こうした暴挙は誠に許しがたい。いずれにしてもわが国としては容認できない」
と語ったそうです。
 軍事的には衛星打ち上げ用のロケットと弾頭付きミサイルに本質的な違いはないと
しても、国際政治上は全く異なるくらいは常識です。下心有りで衛星を打ち上げる、
すなわちミサイル実験を行うつもりだけれどそれでは刺激が強すぎるから衛星打ち上
げにするという手法は、最も早くにはソ連がスプートニクを打ち上げて以来世界各地
で続いてきたのですが、そうであったとしても他国の人工衛星に対していきなり「打
ち上げは暴挙」とは言えるはずがありません。相手が北朝鮮だからということでいっ
たわけですが(中国の打ち上げにそういう表現を使ったとは聞いたことがない)、そ
れは相手にとっては「差別的対応」に写るは当たり前です。
 衛星打ち上げの発表以来、非難のトーンが急激に下がったアメリカ、韓国と比べ、
日本の対応だけが突出しています。軍事偵察衛星とかTMD、あるいはKEDO署名
停止、食糧援助も停止と、北朝鮮に対して対話の窓口を閉じる行動にしか出てないこ
とを考えても、今後の北朝鮮外交にとってはマイナスでしかないでしょう。
 真偽のほどを別にしても「衛星である」という発表をしているということは、現段
階で軍事的対決姿勢を北朝鮮は回避したいと考えていることがわかります。ミサイル
協議をアメリカとの間で暫定的に合意した背景も、今回の実験を「ミサイル実験」で
あり非難するという外交行動を棚上げして実質的に実を取ろうとした米朝両国の思惑
の産物であるにしても、実際に北朝鮮で戦闘にはいるよりもはるかにましな選択でし
ょう。
 現代の国際政治の場においては、外交交渉が破綻した後に軍事的な対応に移行し、
攻撃を加えるというオプションはあり得ますが、日本の場合は外交交渉もしないうち
に軍事的対応に移行しようとしているかに見えます。相手のある話であり、こちらが
取る対応に相手側がどう反応するかを考えながら外交は行うものであり、「自衛権の
行使で有れば許される」というのは日本の中での一方的な解釈に過ぎません。これを
相手に伝えて理解してもらえるはずもありません。
 外交下手は今に始まったことではないが、事が起きると国内で「ああでもないこう
でもない」と議論百出させるだけで、外に向かってはほとんど中身のある反応が出来
ないこの国の悪癖がまたしても露呈したということでしょう。
 
 国内政治勢力の一部には、こういった申し入れをしているところもあります。
 「建国50周年記念式典への政府・自治体関係者の出席を取り止めること、北朝鮮
の当局者などの日本への入国を厳しく制限すること、北朝鮮の船舶の日本への入港や
乗組員の上陸を制限すること、現在、国連安全保障理事会の決議などに基づいて実施
されている相手国への輸出禁止や送金の停止や資産凍結などを、日本独自の判断で行
えるよう検討すること」これは中山太郎元外相を議長とする亀井静香氏などの政策集
団「日本再生会議」が出した提言で、 野中官房長官は「大事なことだ。 参考にした
い」などと述べたそうです。
 日本再生会議は、ここでも偵察衛星として使用できる各省庁共同利用の衛星開発も
急ぐべきであるとしています。
 
 元外務大臣がこういうとんでもない提言をしている国だということが、もはや信じ
がたい事です。
 
 さらに自民党の深谷隆司総務会長は、都内のホテルで行われたアジア調査会(松永
信雄会長)の昼食会で講演した際に以下のように発言したそうです。
 日本も独自の情報収集衛星を持つべきだ。そのことで日本が軍国主義化するのでは
ないかとの懸念を、アジアや世界に与えることのないように留意することが非常に必
要だ。この問題から逃げるわけにはいかない。今回の出来事は、五十数年平和だった
日本が、決して常に平和である保証はないから、この機会にいろいろな角度から対応
を考えていく天の示唆と受け止め、 今やるべきことをきちんとやっていく。 (使途
を)防衛だけと決めつけず、通信、天候、環境など、いろいろな情勢、情報をキャッ
チできる総合的な新たな衛星の研究、検討を直ちに開始すべきだ。新ガイドライン関
連法案についても金融関連6法案の処理が終わった後、今国会で当然やっていかなく
てはならない。
 
 自民党の外交調査会と金融問題調査会の合同会議でも、他国から日本の安全が脅か
された場合、日本からの送金停止などの経済制裁措置を取ることができるよう外国為
替管理法を改正すべきだという意見が出され、今後検討するそうです。もちろん北朝
鮮への送金停止を念頭に置いたもの。
 
 概ね政府自民党の最大公約数的な意見なのだろうと思います。つまりあからさまに
北朝鮮ロケットを新ガイドライン関連法案成立の天からの助けと見ています。この機
にガイドラインのみならず衛星も持てるし、その他の対応、具体的には沖縄の少女暴
行事件以来、在日米軍の縮小整理を求める声が強まり、非駐留型安保への転換に国民
世論が傾斜しようとしていることへの大きな反撃の契機と捉えているわけです。ま、
ついでにいえば秋の沖縄知事選挙にも強く影響を及ぼすきっかけとできると見ている
のでしょう。
 最近、韓国にも日本の衛星保有を容認するかのような発言が出始めていることにも
強く影響を受けたものであろうと思います。
 外交三流国の三流の安全保障論にはつき合いきれないのですが、そこから転がり出
る結果は余りにも重大です。
 
【加速する衛星導入論】
 
 衛星問題しかしこちらは日本の衛星保有への動き。
 政府・自民党は軍事目的に限らず多目的な情報収集衛星とする方向で、予算枠の拡
大も含めて検討に入ったそうで、99年度予算の概算要求では外務省と防衛庁が情報
収集衛星の調査費として525万円を要求しているとのこと。
 政府・自民党連絡会議で深谷隆司総務会長が、偵察衛星の導入を積極的に検討する
よう求める意見が総務会で相次いでいることを報告し、与謝野通産相も「密航者や漁
船の不法操業、環境問題などもある。衛星は多目的観測衛星ということで他国を刺激
しない形で進めるべきだ」と発言。
 防衛庁の秋山昌広事務次官は記者会見で「自前の情報確保は重要だが、宇宙の平和
利用を定めた国会決議など多くの制約がある。日本で独自に(衛星を)上げようとい
うなら、 多目的の画像情報システムの中で、 防衛庁も参加するという形が考えられ
る。」
 政府・自民党は多目的な情報収集衛星の方向で検討し始めたわけですが、そのわけ
は、宇宙の軍事利用を規制した69年の衆院決議が存在し、アメリカが日本独自の軍
事偵察衛星の導入に否定的態度を取っているうえ、軍事衛星の導入は中国など近隣諸
国を刺激する可能性があるからとのこと。
 
 衛星導入論はどうも何をしたいのかがわからない最たるものです。せいぜい静止衛
星を1機上げる程度の印象で話しているかと思えば、資源探査を行う衛星とか、はた
また密航者までもとらえる監視衛星となれば静止衛星や今のランドサットクラスの衛
星では不可能で、極めて解像度の高いアメリカの軍事偵察衛星クラスの周回衛星しか
考えられないものを持ち出す意見もあり、何を念頭に置いているのやら。
 それに監視・偵察衛星であれば軍事的脅威を与えないかのような間違った前提で話
をしているのもめまいがしそう。(=^_^;=)
 
【慎重に対応する韓国】
 
 韓国統一省は論評を発表。南北間の和解と不可侵、交流協力をうたった92年南北
基本合意書を忠実に履行するように指摘し「南北の平和と和解、協力の時代が開かれ
ることを期待する」とし南北朝鮮の政府間対話の早期再開を呼びかけました。また、
韓国政府は現代グループが進めている北朝鮮の名勝、金剛山観光開発を許可し遊覧船
による韓国の東海岸と金剛山を結ぶ遊覧船が今月末にも就航することとなりました。
 この日の韓国の朝鮮日報紙は一面で「政府筋、北のミサイルは「人工衛星の可能性
も」」と報じています。
 
【TMD・新ガイドラインへの道】
 
 そしてTMD研究が具体的に進み出しそうな気配となってきました。
 日米安全保障協議委員会(2プラス2)を19日にも開き、戦域ミサイル防衛(T
MD・シアターミサイルディフェンス)構想の共同技術研究を99年度から開始する
ことで正式に合意すると共同は伝えています。99年度予算で追加要求を行う10億
円で技術研究を開始し、さらに5年間で200〜300億円の研究費を見込んでいる
というのです。
 10億円というのは、これまでもいわれていた数値で目新しいものではありません
が、99年度の当初予算ではアメリカとの調整が終わっていないとして2000万円
の調査費以外は見送られていたものです。95年度から調査研究は行われていて、既
に今年度までに5億6千万円を使ってきました。
 さて、この2プラス2会合はTMD構想だけを討議するわけではありません。上の
方に沖縄県知事選挙のことを触れました。唐突に思われたかも知れませんが、実はこ
の2プラス2協議では新ガイドライン関連法案の審議見通しや、普天間飛行場の移設
問題などもテーマになるというのです。つまり日米安保の根幹をも実質的に決めてき
た会合で、そこで討議されるということは、北朝鮮のミサイル脅威への対応を安保全
域の問題として捉えるということをいっているわけです。単にTMDだけの問題にと
どまらず、北朝鮮への軍事介入の最前線となる沖縄をはじめとした在日米軍基地の運
用にも大きく関わり、それに応じて普天間基地問題の「解決」や国内法整備も迫られ
る場となるということです。
                                                   YAMASAKI (SDI00872)
 


  • 1998年
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