X-Sender: mshmkw@tama.or.jp (Unverified)
Mime-Version: 1.0
Date: Tue, 25 Aug 1998 03:38:02 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 567] [aml]周辺事態法に関する公開質問状>京都市
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 567
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org
 

   (from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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 Date: Fri, 21 Aug 1998 20:22:14 +0900
 From: Takeshi Higuchi <higuchi@cheme.kyoto-u.ac.jp>
 Subject: [aml 9371] 周辺事態法に関する公開質問状
 

こんにちは。京都の樋口です。

現在開かれている臨時国会で審議が予定されている周辺事態法案ですが、
昨日、京都市に法案への見解と対応に関して質問状を提出してきました。
全文は長いので質問項目だけ載せておきます。
(質問状の全文は[aml 9315]で既報しましたが、もし未入手でしたら
お知らせいただければメールで送ります)
 

ここから----------------

一、周辺事態法案では戦後、一貫して憲法違反とされてきた
自衛隊の海外での戦争参加が可能になろうとしています。
このことについて京都市としての見解をお聞かせください。

一、周辺事態法案では自衛隊の参戦、自治体への協力要請を含む
軍事作戦の決定が、国会での承認を必要とせず、
閣議という極少数の者の手によって行われることになります。
このことについて京都市としての見解をお聞かせください。

一、同法案のなかの自治体への協力要請について、
政府が「一般的な義務規定」「拒否すれば違法状態」等と
見解を表明していることについて、京都市としての見解をお聞かせください。

一、京都市としては具体的に政府からどのような協力要請が
くることを想定していますか。

一、同法案には協力要請の具体的な内容についての規定はなく、
内閣の作戦計画にしたがってあらゆる種類の協力要請を行うことが
可能になろうとしています。例えば前述したような道路や公園などの
公共施設の提供要請、病院施設および医療従事者の動員、自治体職員が動員、
自治体予算の支出。これらの協力要請が市民に与える影響について
どのようにお考えですか。

一、同法案に基づく協力要請が実際に政府からなされた場合、
具体的にどのように対応するつもりですか。

一、新聞報道等によれば防衛庁職員が各市町村に対して直接、
説明にまわっていると聞きますが、これまでに京都市に対して
政府からなんらかの説明や意見聴取、関係文書の送付等はなされていますか。
あればその内容を公開してください。

一、市民の安全な生活を脅かし、また地方行政に政府が一方的に介入しようとする
周辺事態法案に対して、自治体自身が市民の安全を守るとの立場に立って
反対の意思を示し、政府に働きかけを行っていく必要があると考えます。
 そして今こそ自治体自身が再びアジア太平洋地域の民衆を虐殺しては
ならないとの立場にたち、この法案に基づいて行われようとしている
軍事行動の意味そのものを問うていく必要があると考えます。
 京都市としてこれまで政府になんらかの働きかけを行った事実はありますか。
あればその内容を公開してください。
 また、ないのであれば今後どのような働きかけをおこなうのか、今後の方針を示
してください。

以上の項目について9月2日までに回答することを要求します。
 

                                  1998年8月20日
                                  周辺事態法に反対する京都大学学生有志

ここまで----------------

私たち京大の有志のほか、大谷大、反戦ドタバタ会議からも参加していただきました。
応対したのは総合企画局政策調整課の人でした。

質問状を読み上げたついでにいくつか質問してみました。

横須賀市など基地を抱える自治体の長で構成される「全国自治体基地協議会」
(ごめんなさい、正式名称はちょっと違うかも)が政府に法案の説明を求める要請書を
提出しましたが、京都市もそのような動きに参加しているのか聞いたところ、
特に参加してはいないが、全国市長会を通じて法案の内容に関しては
資料を入手しているとのことでした。

また、4月に法案が上程された頃の市議会で、市長が答弁の中で
法案に触れたそうです。
その際は、地方自治体に影響を及ぼす可能性があるので
慎重に討議されることを期待し、推移を見守りたい、
というものだったそうです。

防衛庁・防衛施設庁から全国の自治体に説明がなされている
(あるいは説明文所が送付されている)はずですが、
今回訪れた政策調整課では受け取っていないとのことでした。
他の部署で受け取っているかもしれないので調べてみてくれるようです。

反戦ドタバタ会議の人に教わったのですが、実は京都市は1993年に
「京都市非核平和都市宣言」というものを議会で可決しています。

ここから----------------

◎京都市非核平和都市宣言

  真の恒久平和は、人類共通の念願である。
  しかるに、核・軍備の拡張は、依然として強まり、世界平和、人類の生存に深刻な
脅威をもたらしている。
  我々は、世界最初の被爆国民として、核兵器の恐ろしさ、被爆者の今なお続く苦し
みをかみしめ、この地球上に再び広島、長崎のあの惨禍を繰り返させてはならない
と、全世界の人々に訴えるものである。
  ここに我々は、日本国憲法に掲げられた恒久平和の理念を日常の市民生活の中に生
かし、子々孫々継承するために、非核、平和都市たることを厳粛に宣言するものであ
る。
一、京都市は、非核三原則(作らず、持たず、持ち込ませず)の完全な遵守を求め
る。
一、京都市は、あらゆる国の核兵器の廃絶と軍縮を求める。
一、京都市は、核兵器及び核兵器積載の疑いあるものの京都市域への、通過、搬入、
飛来、貯蔵、滞留を拒否する。
一、京都市は、核兵器を生産、配備させない。
一、京都市は、戦争に協力する事務は行わない。
    1983年3月19日  京都市会  <提出者  市会議員42名。賛成多数で可決>

ここまで----------------

一番最後の項目に関して、この法案での自治体協力も禁止項目に含まれるのか
聞いてみましたが、法案の内容がまだ十分に明らかではないので
何とも言えないとのことでした。
また、この項目どおりに具体的に戦争協力を拒否している事例があるのか聞いてみ
ましたが、今のところ協力を要請されたことがないので事例がないということでし
た。
自治体によっては自衛官の募集などを自治体の広報媒体に載せているところもある
そうで、京都市はどうなのか、と突っ込んでみましたが、知らないとのことでした。

全般的に「法案の性格がまだ明らかでなく、判断できない」「推移を見守りたい」
という感じでした。まあ、予想されたとおりでしたが。
もちろん、法案の内容は大筋で明らかになっているわけですし、
「推移を見守」っているうちに法案が決まってからでは遅いわけで、
消極的ではあれこのような法案を容認していってしまうような京都市の対応を
放置するわけには行かないでしょう。

9/2までに文書での回答を求めたところ、
回答するかどうかも含めて今後検討するとのことでした。
うやむやになってしまっては困るので、
質問項目にきちんと回答するべきであることを強調した上で
どうしても回答できないならその理由もきちんと文書で知らせて欲しいと
念を押しておきました。
「その辺はきちんと対応します」という返事だったので、大丈夫かなあ??!

この行動は今朝の朝日新聞の京都版に掲載されていました。

京都市から何らかのリアクションがあったらまたお知らせします。

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樋口健志 (HIGUCHI, Takeshi)
E-mail: higuchi@cheme.kyoto-u.ac.jp
URL: http://www.cheme.kyoto-u.ac.jp/6koza/higuchi/
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