Date: Fri, 21 Aug 1998 11:34:00 +0900
From: 加賀谷いそみ <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 556] <岩国>強制わいせつ致傷事件
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 山口県岩国市で、花火大会があった8月1日の夜、女子高校生が外国人らしい男に襲
わ、顔などに怪我をしたという事件が起きていたことが17日、明らかになりました。
悲鳴を聞き付けた近所の男性がかけつけ怒鳴りつけると、男は自転車で逃走したため、
110番通報しました。事件の翌日、女子高校生の家族からの被害届けを受けて、警察
では強制わいせつ致傷事件として捜査していますが、犯行から半月をすぎた今(19日
現在)も有力な手がかりは得られていません。またその直前には女子中学生が、別の外
国人らしい男にしつこくまとわりつかれ、体をさわられそうになり、大声を出して騒い
だため、すぐに立ち去っていたことも明らかになり、事件との関連を調べています。そ
の日の花火大会には、米軍関係者も招待され、警察も待機していたとのことですが。
 岩国市には、米海兵隊基地があり、被害者らの証言から、岩国署では米兵の可能性も
あるとして、市内や近郊の外国人を調べるとともに、米海兵隊岩国基地の憲兵隊にも照
会し協力を要請しているとのことです。岩国市企画課によると、同市の外国人登録者数
は7月末現在で約1400人、このほか、米軍岩国基地所属の軍人・軍属とその家族が
5000人近く住んでいるとのこと。
 また、12日に事件発生を知った岩国市職平和研究所では、市と教育関係者に連絡す
る一方、現場周辺で聞き込み調査などを行なった結果、基地米兵による事件の可能性が
高いとして市民生活を守るという観点から、自治労岩国市職員組合とともに、市に対し
「基地の町に於ける外国人の犯罪防止と教育の徹底について」の申し入れを行いました
。市側では申し入れを非公開とし、助役、教育長らが対応したとのことです。
 申し入れに対し、市の反応ははなはだ鈍いものだったようです。
 助役は「まだ犯人像が確定されない段階でのコメントはできかねる」、教育長は「各
学校には、性犯罪未遂事件があってこと、夜間には出歩かないことなどを文書で通達し
注意を促す」(18日学校長あてに文書通達)としたにとどまり、事実関係の追求にも
「教育的配慮から調査はしていない」と述べました。申し入れ側では、「(犯人は)頭
髪は刈り上げだったとの目撃者の証言などから米兵の犯行にほぼ間違いないと思う。市
は対応すべきだ」(自治労岩国市職員組合委員長)「市議会が3年前、米軍人による犯
罪の防止に関する意見書を決議している。市当局はこの決議を尊重し対応すべきだ」(
岩国市職平和研究所代表・市議)としています。
 また、警察と住民が連携して取り組む「子ども110番のいえ」関係者は、「あって
はならないことが起き、大きなショックを受けた。一刻も早い事件の解決を願い、地域
の住民が一体となって、子どもの安全を守る、との意識を高める必要がある」と話した
とのことです。
 
以下、自治労岩国市職員組合、岩国市職平和研究所連名の申し入れ書です。

                1998年8月18日
岩国市長   貴舩 悦光 様
岩国市教育長 二武 功  様

            自治労岩国市職員組合
              執行委員長 中村 恒友
            岩国市職平和研究所
              代表    田村 順玄

  基地の町に於ける外国人の犯罪防止と教育の徹底について

 去る8月1日深夜、岩国市南岩国町1丁目付近において外国人と思われる男性による
少女暴行事件が発生したとの情報があった。
 付近は近年急速に市街化が進むJR南岩国駅に近く、深夜まで通行人も絶えない。
当日は錦帯橋の花火大会が実施され、そのためにさらに帰宅時間が遅くなった人々の中
で、現地に待ち伏せ状態の男性による粗暴行為と思われる。
 女性の助けを求める声で駆けつけた近所の人の行動で逃走した犯人は、米兵らしいと
証言する人もおり、警察も聞き込み捜査では「外国人らしい」と説明しているところか
ら、その可能性が高い。
 現在岩国市内には、子供を巻き込んだ犯罪を防止するために「子供110番の家」と
いう制度がスタ−トし、六百ヵ所を越える協力者も決まっていてその成果が期待されて
いる。
 にもかかわらず今回、こうした事件が発生したことは憂慮すべき現実が私たちの周辺
に蔓延していることを証明した。
 米軍岩国基地のある川下周辺では昨今、米兵の絡んだ性風俗の乱れを心配する声も多
く、さらに自販機へのいたずら行為など迷惑行為も絶えないという。
 このたび発生した少女への暴行事件も、こうした背景の一例として見れば基地の町に
住む市民として看過できることではない。ましてや、市民の安心して生活できる条件を
維持する為に、行政や教育を携わるご当局の責任は重大である。
 貴職におかれては、今回の事件に対する解明と再発防止のために、関係当局と共にし
かるべき、迅速なる対応をされるようここに要望する。
                       −ここまで−
 
なお河北新報(8/20)によると
 昨年3月米軍三沢基地の米兵から暴行を受けたとして、米兵を相手に起訴し、勝訴が
確定した青森県八戸市の女性に対し、判決が認めた損害賠償金五百万円全額を米軍が支
払うことで示談が19日成立したとのことです。防衛施設庁によると、米軍が犯罪など
の被害者に全額支払うのは初めて。
 同庁によると、米兵の犯罪で賠償金が個人の支払い能力を越えている場合などは米軍
が肩代わりするが、日米地位協定の規定により金額は米側が決定するため、補償金は決
定確定額を大幅に下回っていた。日米特別行動委員会(SACO)が1996年差額を
日本政府が見舞い金として支払う努力をするよう求めていたが、米軍が全額負担した例
はないとのこと。米兵は97年7月懲役3年の実刑判決を受け、服役中。

 日米地位協定に悩まされながら地道な息の長い支援活動の思いが届きました。

−−−−−−−−−−
 岩国のマスコミ報道は、「犯人は外国人らしい」にとどまっています。現在軍人を含
め岩国の外国人6千人余が警察の捜査対象になっている現時点では、人権の視点から当
然かと思います。しかし、被害者や目撃者の証言から米兵の犯行と断定した要請・抗議
も市民の間からは出ているようです。
 米兵の絡んだ事件を聞くたびに、彼らが他の職業についていたなら、犯罪者となって
いるだろうかとやりきれない思いがいつも付きまといます。米兵は富士山に向かって実
弾を射つと、日本を制覇したような錯覚を持ち、士気があがるそうだという話を聞いた
ことがあります。このエピソ−ド一つをとっても、彼らがどのような教育を受けている
か想像がつきます。軍隊から開放されない限り、軍人による犯罪は続くでしょうし、戦
時法案が成立すれば、それは日本の自衛隊員の明日の姿です。
 岩国市当局へ問い合せてちらと様子をうかがいましたが、犯人が誰であれ、性犯罪が
起きたことは確かだというのに、これでは、岩国市民の怒りや不安に対して、火に油を
注ぐようなものではないかと、情けないのを通り越してあぜんとするばかり。ちょっと
のつもりが「親切に」とっかえひっかえ応対してくれました。この期に及んでなんちゅ
うザマかと。自治体の市民の安全を守る義務を怠っているという自覚まるでないふう。
性暴力に対しても「気の緩みから事件に巻き込まれた」という物言いをするありさま。
学校教育課では「学校長に出す文書は時期的にいつもだすものに今回の件を添えるだけ
」と、何を勘違いして、何を恐れて言い訳がましくしているのでしょうか。なかには、
市民としての顔を覗かせてくれる人もいましたが、彼ら自身が最も「米兵の犯行らしい
」と考えているからかしらんと「邪推」してしまいました。米軍と「よい関係」を保ち
たい気持ちはわかりますが。「全国の女性がみなさんの動向を注目しているのでよろし
くお願いします」と最後にご挨拶申し上げましたが「はあ」と。
 1日も早く事件が解明されることを願っています。
 頭に血がのぼったのが醒めたら、「あり!今の電話代?」と血の気がひけたのであり
ました。
 遠くにいるものにとって、マスコミさんが頼りです。よろしくお願いします。
                             <いそみ>
 


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