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Date: Thu, 20 Aug 1998 23:22:14 +0900
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From: Masahiko Aoki <btree@pop1.osk.3web.ne.jp>
Subject: [keystone 550]  大阪港の軍事利用に反対する申し入れ
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 大阪港の軍事利用に反対する申し入れが、署名を添えて大阪市に対して行われまし
た。その申し入れ文と、報告を転載します。報告の筆者は和田喜太郎さん(市民平和
訴訟関西・関西共同行動)です。
 申し入れ文の本文で少し触れられているのですが、先日横須賀を母港とするとして
居座った米空母キティーホークが、昨年のインディペンデンスと同じく、9月に小樽
港に入港を計画している(共同通信。北海道庁は「聞いてない」)との噂があります
が、これに関して何か情報をお持ちの方はお願いします。
−−−−−−−−−−−以下転載−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 8月19日、大阪市港湾局(港区築港)において、別記のような申し入れ書と共に集
約署名(約8000名)を提出し、大阪市および港湾局としての意向を質した。
 同申し入れ交渉は、市従港湾局支部で待ち合わせのうえ午後1時から、港湾局会議室
で行われ、大阪市や港湾局幹部職員8名と、「連絡会議」関係者14名が出席した。
 申し入れに対して、クーラーの音で役職名や当局としての意向は聞き取りにくかった
が、概要は次の通り。

 申し入れの趣旨は理解できる。大阪市はこれまで平和宣言、港湾の平和利用に関する
市議会決議など行っており、これらを尊重し平和貿易港としての基本は変えていない。
 ガイドライン、周辺事態法など一義的な国の政策問題については申し入れ通りにはで
きない。しかし、具体的な協力要請があった場合、港湾法等の範囲内で自治体としての
主体性は堅持して対応するつもりである・・・といったもの。

 『新ガイドラインに基づく有事関連法の制定に反対し港湾の軍事利用を認めない請願
署名』は、内閣総理大臣、大阪府知事、大阪市長宛て。「大阪港の平和利用を促進する
連絡会議、南大阪平和人権連帯会議」名義で、新ガイドラインの撤回、有事関連法を制
定しないこと、大阪府・大阪市に港湾の軍事利用しないことなど求めたもので、今春か
ら大阪南部の大阪市従、市教組、全港湾、関西生コンなどの労組員などが職場や街頭署
名で取り組み、関西共同行動や平和と生活を結ぶ会などの市民団体もこれに協力した。
まだ未回収分や直送分もあるので、署名数はほぼ1万人と推定される。なお、署名と同
時にガイドライン等に反対する、関西の大学教員、宗教者、自治体議員、弁護士その他
の文化人45名の名簿も提出された。(以上)

【補足コメント】
 当日、関西共同行動からは中北弁護士と私が出席しましたが、その帰り、全港湾役員
の山本さんによれば・・・港湾局は庁舎も大阪市からは独立し、近くには港湾関係業務
の合同庁舎もあり、機構・予算・権限面で大阪市からは一応独立していると聞きました

 詳しくは知りませんが、大きな港をもつ都市にとっては単なる自治体一部局にしては
その存在は大きい。市長はもちろん最高権限をもつものの、それだけ存在感の大きな港
湾局は、港湾使用をめぐっても、その意向・発言力も大きいのではないか。だから今後
有事をめぐる自治体交渉に当たってもこの点に留意すべきでないかなど思いました。
 それから、南部の自治労や教組など、これまで自衛艦の寄港に反対してきましたが、
連合所属になってからは消極的になってきた背景があります。こうした中で、社民党や
自治労はガイドラインや周辺事態法に反対の線を崩していないので、こうした署名も取
り組めた事情もあります。米艦寄港は反対で自衛艦は構わない、では本当は筋が通らな
いのですが、ともかく色々とやりにくい問題があるようです。

−−−−−−以下申し入れ文−−−−−−−−−
1998年8月19日

大  阪  市  長    磯村 隆文 様
大阪市港湾局長    阪 田  晃 様
                    大阪港の平和利用を促進する連絡会議
                    議  長      吉  田    伸

                大阪港の軍事利用反対の申し入れ

 大阪市政並びに港湾行政の進展にご尽力されている貴職に敬意を表します。
  さて、昨年9月、日米両政府は、日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)に合
意し、それに基づく「周辺事態法案」が今国会で審議されています。この法案は専守防
衛・個別自衛権を逸脱し、実質上集団的自衛権の行使へと踏み込む法案ですが、地方自
治体にとっても極めて危険な側面を持っています。法案に明確に定義されていない「周
辺事態」を判断するのは米軍です。即座に軍事行動を展開する可能性は少なくありませ
ん。
 その米軍に管理権を持つ港湾施設を提供することは、戦争に加担することを意昧しま
すし、情勢の推移によっては、市民の安全をも脅かし、ひいては自治体自身が「加害者
」の立場に立つ危険性を秘めているからです。
 このような法案は一朝一夕に具現化されるものではありません。その背景には、周到
な下準備とも言うべき既成事実の積み重ねがあります。事実、昨年9月に小樽港に入港
した空母「インディペンデンス」の後継となる「キティホーク」が、来月上旬再び同港
に入港を計画しています。「抵抗はなく受け入れられやすい」という米軍の判断根拠は
、昨年の記録的な人出にあることは疑うまでもないことです。
 大阪港へも自衛艦や米艦船が入港を繰り返していますが、今年4月に入港した「カー
チス・ウィルバー」は、貴職の要請を無視し一般公開を強行しました。また6月には、
カナダ艦船に神戸市は「非核証明書」の提出を求めましだが、外務省が異議を唱え反故
にしました。自治体の独自性を認めようとしない政府の姿勢は、「周辺事態」を想定し
つつ、あらかじめ抵抗の芽を摘むという意味で「神戸方式つぶし」であることは明らか
です。
 私たちは、大阪港が平和な商港として発展して行くことを求め、これまでもあらゆる
艦船の入港に反対して来ましたし、当然、新ガイドラインと周辺事態法案には反対です

 本日は、これまで集約した「街頭署名」を手交するとともに、合わせて以下のとおり
貴職の対応努力を要請しますので、現段階における見解を明らかにされるよう申し入れ
ます。
              記
一、 「周辺事態法案」の持つ危険性とその動向については、「市営港を平和貿易港
」と
して発展させるという、これまでの貴職の姿勢を堅持した対応を行うこと。
一、 「周辺事態」による国からの一方的協力要請については、全国の港湾管理者と
も連
携し、地方自治体として戦争に加担することがないよう、主体性を堅持すること。
一、 世界には国情や歴史、文化など、多くの多様性を持つ国々があります。これら
の国
々の平和を希求する全ての人々から「大阪港が平和な港」として認められ、信頼を得
れるよう、今後も継続した努力を行うこと。
                                                           (以上)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

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      青木雅彦
      Masahiko Aoki
      btree@osk.3web.ne.jp
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