Mime-Version: 1.0
Date: Mon, 17 Aug 1998 00:54:42 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 540] [aml]周辺事態法に関して京都市に質問状
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 540
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org
 

   (from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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 Date: Thu, 13 Aug 1998 18:32:06 +0900
 From: Takeshi Higuchi <higuchi@cheme.kyoto-u.ac.jp>
 Subject: [aml 9308] 周辺事態法に関して京都市に質問状を提出します!
 

京都の樋口と申します。
周辺事態法案が現在臨時国会に上程されていますが、
法案に記されている自治体の協力について
京都市に公開質問状を提出します。
近くの方は、提出行動にぜひご参加ください。

日時●8月20日(木) 12:00
場所●京都市役所前
提出団体●周辺事態法に反対する京大学生有志、
               大谷大学平和委員会(交渉中)
※12:00から市役所前で情宣した後、13:00頃提出。
その後は京都駅前で情宣することを考えています。

質問状の内容は追って掲載しますが、
自衛隊の海外派遣に対する見解を求めるとともに
自治体の協力が義務とされることについて
その不当性や住民の生活・安全への影響を
どのように考えているのか問うものにする予定です。

自衛隊の海外派遣などの是非については
防衛上の問題であるとの理由で
判断を回避する自治体が多いのが現状のようですが、
自治体や私たち自身が
戦争行為に協力させられかねないという面を強調しようと思い、
あえて文面に載せることで
今後の議論の種にしていきたいと考えています。

質問状の内容に関しては市民新党にいがたさん、
広島平和と生活をむすぶ会さんの取り組みを参考にさせていただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。

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 Date: Fri, 14 Aug 1998 21:09:57 +0900
 From: Takeshi Higuchi <higuchi@cheme.kyoto-u.ac.jp>
 Subject: [aml 9315] 周辺事態法に関する京都市への公開質問状
 

京都の樋口と申します。
[aml 9308]の質問状の文面です。

8月20日当日は午後1時30分に京都市の総合企画局政策調整課の職員が受
け取ることを確認しています。

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周辺事態法案に関する公開質問状
 

京都市長 枡本頼兼殿

 今年4月28日、政府は新しい日米防衛協力のための指針に実行性を与えるため
の国内法整備として「周辺事態に際してわが国の平和及び安全を確保するための措
置に関する法律(案)」(以下、周辺事態法案)を国会に提出しました。早ければ
開会中の臨時国会にも審議が開始されようとしています。

 この法案によれば自衛隊は、これまで平和憲法のもとで違法とされていた戦争状
態にある紛争地域への介入が可能になるとされています。そのなかでは大型兵器を
も含めたあらゆる兵器の使用さえもが合法化されようとしています。
 さらにこの法案は「関係行政機関の長は自治体の長に対し協力を求め、国以外の
もの(民間)に協力を依頼できる」とうたっており、自衛隊や米軍の軍事行動遂行
のために自治体や民間の企業、団体、そしてその労働者を動員することに法的な根
拠を与えようとしています。政府はこの規定について「一般的な義務規定」「拒否
すれば違法状態」等との見解を表明しています。
 周辺事態法案ではこうした軍事作戦行動を行うにあたって国会の承認は必要とさ
れず、閣議という極めて少数の者の手によって社会全体を巻き込んだ軍事作戦の展
開が可能になろうとしています。

 京都市とその周辺には桂に自衛隊駐屯地や、92年PKO法に基づく初の自衛隊
海外派兵が行われた大久保基地、西日本最大規模を誇るあいばの演習場、現在基地
の拡張工事が進められている舞鶴基地などが存在しています。「周辺事態」となれ
ばこうした軍事拠点を中心とした作戦行動の遂行のために、京都市にも政府から協
力要請がくることはほぼ確実です。
 しかしながら、周辺事態法案には具体的にどの様な協力要請が、どこまでの範囲
で行われるのかについての規定はなく、法律上は政府の作戦計画に従ってあらゆる
協力要請が可能になることになります。
 例えば、道路や公園などの公共施設が提供要請に基づく軍事利用のために封鎖さ
れ、市民の利用が制限される。私たちの生活のすぐ側の道路を通って大量の弾薬や
兵器が運搬される。また負傷兵の手当てのために病院施設および医療従事者への動
員要請がおこなわれ、兵士の治療優先のために一般病棟の患者が別の場所へ移動さ
せられ、市民の利用が制限される。自衛隊への水や食料の補給のために自治体職員
が動員され、自治体予算が支出される。そうした事が行われるとすれば、それは私
たちの生活と命に直接かかわる重大な問題です。実際すでに小樽市などでは米軍艦
船の寄港にともない、市に対して協力要請が行われ、多数の市職員が水補給のため
に何日間も動員され巨額の予算が支出されたと聞きます。
 私たちはこのように市民の生活と命にかかわる重大で危険な軍事協力が、政府か
らの一方的な協力要請によって強行されるような事態を認めることはできません。
また、極めて曖昧な規定によって無制限な戦争動員へと道を開く周辺事態法案の成
立を許すことはできません。そのような立場から私たちは京都市がこのような法案
制定の動きに対して毅然とした態度を取ることを要請するものです。

 過去、日本はアジア太平洋地域へ侵略戦争を行い多くの民衆を虐殺してきました
。また戦後も日本政府は日米安保体制のもと、朝鮮戦争やベトナム戦争において、
現地の民衆の声と抵抗に銃をむける米軍を支援し、多くの民衆虐殺と朝鮮半島の分
断に加担してきました。
 こうした侵略戦争の背景には常にそれを支えてきた日本社会とそこに生きる人々
が存在していました。国家総動員体制の下で戦場へ駆り出され、あるいは「銃後」
を守らされた多くの人々は、事実としてアジア各地への日本軍の侵略と大量殺戮を
支えた加害者に他なりません。「朝鮮特需」にわき米軍に大量の物資を供給しなが
ら、それを戦後復興と喜んだ日本社会は明確に朝鮮半島の分断と民衆虐殺の加害者
と言わねばなりません。
 私たちは自衛隊がふたたびアジアの国々へと進出しアジアの民衆を虐殺するよう
な軍事行動を許すことはできないし、私たち自身がそれを担わされ加害者となるこ
とをこれ以上繰り返すことはできません。しかし周辺事態法案はその主目的を海外
の紛争への軍事的な介入としており、アメリカや日本の利害のために現地住民の声
を無視した軍事介入に自衛隊が参加することを可能にするものです。私たちはその
ような軍事行動を可能とするような、またそのために私たちの生活までも動員する
ような周辺事態法案を決して認めることはできません。

 周辺事態法案をめぐってはすでに「全国基地協議会」や「防衛施設周辺整備全国
協議会」などが「一方的に地方公共団体の役割が定められる」「住民生活に重大な
影響」などの危惧を表明し、政府に対し「十分な説明」を行い、国会審議にあたっ
て「事前に地方公共団体の意見を十分に聴取、その意向を尊重」するように強く求
めています。市民の生活を守るという自治体本来の責務を果たすために、また再び
のアジアへの侵略戦争加担を拒否するために、以下に掲げる項目について京都市と
しての見解を表明することを要求します。
 
 

一、周辺事態法案では戦後、一貫して憲法違反とされてきた自衛隊の海外での戦争
参加が可能になろうとしています。このことについて京都市としての見解をお聞か
せください。

一、周辺事態法案では自衛隊の参戦、自治体への協力要請を含む軍事作戦の決定が
、国会での承認を必要とせず、閣議という極少数の者の手によって行われることに
なります。このことについて京都市としての見解をお聞かせください。

一、同法案のなかの自治体への協力要請について、政府が「一般的な義務規定」「
拒否すれば違法状態」等と見解を表明していることについて、京都市としての見解
をお聞かせください。

一、京都市としては具体的に政府からどのような協力要請がくることを想定してい
ますか。

一、同法案には協力要請の具体的な内容についての規定はなく、内閣の作戦計画に
したがってあらゆる種類の協力要請を行うことが可能になろうとしています。例え
ば前述したような道路や公園などの公共施設の提供要請、病院施設および医療従事
者の動員、自治体職員が動員、自治体予算の支出。これらの協力要請が市民に与え
る影響についてどのようにお考えですか。

一、同法案に基づく協力要請が実際に政府からなされた場合、具体的にどのように
対応するつもりですか。

一、新聞報道等によれば防衛庁職員が各市町村に対して直接、説明にまわっている
と聞きますが、これまでに京都市に対して政府からなんらかの説明や意見聴取、関
係文書の送付等はなされていますか。あればその内容を公開してください。

一、市民の安全な生活を脅かし、また地方行政に政府が一方的に介入しようとする
周辺事態法案に対して、自治体自身が市民の安全を守るとの立場に立って反対の意
思を示し、政府に働きかけを行っていく必要があると考えます。
 そして今こそ自治体自身が再びアジア太平洋地域の民衆を虐殺してはならないと
の立場にたち、この法案に基づいて行われようとしている軍事行動の意味そのもの
を問うていく必要があると考えます。
 京都市としてこれまで政府になんらかの働きかけを行った事実はありますか。あ
ればその内容を公開してください。
 また、ないのであれば今後どのような働きかけをおこなうのか、今後の方針を示
してください。

以上の項目について9月2日までに回答することを要求します。
 

                                            1998年8月20日
                                周辺事態法に反対する京都大学学生有志

                                連絡先:京都市左京区吉田近衛町京大吉田寮
                                                 075−753−2537

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樋口健志 (HIGUCHI, Takeshi)
E-mail: higuchi@cheme.kyoto-u.ac.jp
URL: http://www.cheme.kyoto-u.ac.jp/6koza/higuchi/
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