At 00:29 98/08/01 +0900, I wrote:
> 　７月３１日のワシントンタイムス（ポストではない）が、
> CLASSIFIED DOCUMENTS ON NUKES SEEN AT RISK
>             By Bill Gertz, Washington Times, July 31, 1998
> という記事を載せています。それは要するに、９５年にクリントンが署名した、２５
　この記事の全訳を送ってくださった方があったので、転載させてもらいます。

　海外基地の核兵器貯蔵リストも公表撤回文書になってしまったのですが、現在の核
配置ならともかく４半世紀も前の所在を明らかにしてはヤバイ場所というのは、日本
本土以外あまり考えられません。NATOにしても、韓国にしても、また当時は沖縄も核
の配備は秘密ではなかったからです。
　確かに権力の立場から秘密にすべきものまでどんどん出されていたというのは間が
抜けているようですが、文書の量が半端ではないため、全部見直してチェックする費
用もないようです。
　ワシントンタイムスは右派の新聞。昨年の沖縄鳥島での劣化ウラン弾「誤射」事件
をスクープしたのはこの新聞でした。この新聞のWebページは、アメリカのほかの一
流紙と違って、そして日本の大新聞社のページと同じですが、過去の記事の検索・取
り出しはできません。そのため昨年この劣化ウラン弾記事の存在を知って手に入れよ
うとしたのですが、失敗しました。もしこの記事を電子化したものをお持ちの方があ
れば、私のところに電子メールで送っていただければありがたく思います。

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                   CLASSIFIED DOCUMENTS ON NUKES SEEN AT RISK
                 By Bill Gertz, Washington Times, July 31, 1998

危険な状態で公開される非公開核文書
ワシントン・タイムス／ビル・ガーツ

 ワシントン・タイムスが入手した文書によれば，クリントン政権による大量の
非公開文書開示にまにあわせようと急ぐ官僚が，テロリスト，諸外国を利する可能性
のある核兵器に関するデータを不注意で公開してしまっていたことがわかった．

 2000年に，個人閲覧を除く自動公開が予定されている防衛文書のため，今年初めに
組織されたエネルギー省調査局は，高度な国家機密である核兵器情報を含む，少なく
とも11件のデータが，誤って整理されたか，不適切に機密を解除されていることを発
見した．
 このなかには，海外の核兵器貯蔵施設の位置を特定している国務省の文書が含まれ
，誤って機密を解除された後，回収されるまでインターネット上に掲示されていた．
また，核威力（nuclear weapons yields）に関する機密文書を含む，海兵隊の書類も
不適切に機密を解除されている．米政府官僚は，不適切な公共の場所にあったこの文
書を日本の当局者はコピーすることができたかもしれないと語っている．エネルギー
省は，両方の場合ともに，米国の安全保障に対する危険は，「重大だ」と断定してい
る．
 不適切に整理されたか，あるいは保管されていた核兵器データには，以下の文
書が含まれている．

・正確な発射手順を示す海軍の詳細計画
・核兵器燃料カプセルを示す海軍の文書
・銃組立式（gun-assembled）核兵器を詳述する陸軍のレポート
・英国核兵器の核威力-重量比率（yield-to-weight ratios）を示す不適切に機
密を解除された大統領の書庫文書
・核兵器設計情報と，その他ソビエトの核兵器情報1件を含む空軍の文書

 エネルギー省調査局による1995年と今年の機密資料の例によって，ペンタゴン
は，先月，大量の機密解除に向けられた文書に紛れ込んでいる核兵器データについて
注意するようにとの覚書を至急関係官僚たちに送っている．
 クリントン大統領は，1995年に，25年またはそれ以上を過ぎた全記録の機密解
除を要求する行政命令書にサインをしている．すべての米国機関からの10億件を超す
文書が国立公文書館と研究機関に現在送られており，その後，行政命令が指示する
2000年4月の期限前に，両機関はまとまった資料を公開することになっている．
 しかし，情報の一部は既に期限を前に公開されている．

 大統領令は，RD/FRD（非公開データや以前非公開であったデータ）の公開を指示し
てはいない．RD/FRDという用語は，原子力条約の下に秘密を保持されている最高機密
である核兵器に関連する情報を意味している．

 多くの機関にとっての問題となるのは，核兵器のデータが，個人閲覧以外の公開に
向けられた他の25年経過の国家安全保障文書に紛れ込んでいることにある．

 7月24日付けで，エネルギー省がホワイトハウスの予算事務局に宛てた文書には，「
高度機密であるRD/FRDが，機密解除に従うファイル群の中に埋もれ，1995年の大統領
令12958に基づき国民に公開されているのがわかっている」とある．
 エネルギー省の核拡散防止管理者のケネス・ベイカーは，「大統領令の趣旨が国家
機密に関わる核の秘密を危険にさらそうというものでないのはあきらか」であり，「
この問題が大きな国家安全保障に関する危険を持ち出すのも同じようにはっきりして
いる」と述べている．

 ベイカーは，核を拡散する国々の諜報機関を含む外国政府にとって，核兵器の
データは，大きな関心の的であり，「一群のファイルの中で危険にさらされている情
報には，インドやパキスタンといった，自国の核爆弾を武器化しようとしている核拡
散諸国にとって貴重な設計情報が含まれている」，「合衆国政府が一番やってはなら
ないことは，相手を攻撃するための発射システムや核兵器を設計するのに必要な情報
に，核兵器の推進者たちが簡単にアクセスできるようにしたということだ」とも語っ
ている．

 エネルギー省文書にはまた，同省の安全保障担当の官僚たちのこの問題への対
処が，元エネルギー省長官ハゼル・オリリーや元ホワイトハウス国家安全保障顧問ア
ンソニー・レイクといった高位の政府官僚たちによって無視されているとある．

 ジョン・キル共和党上院議員（アリゾナ選出）は，現在審議中の，会計年度
1999年の国防権議法案に，公開に向けられた25年経過の全文書は，核兵器データを含
んでいるかどうかをまずあきらかにするよう求める修正を加えている．これに対して
，ホワイトハウスは，データ見直しのための費用がかかることからこの修正案に反対
している．
 キル上院議員は，火曜日付で，ホワイトハウス国家安全保障顧問のサ
ミュエル・バーガーに宛て，核兵器データの不適切な公開に関する注意を書き送って
いる．書面は，アラバマ選出のリチャード・シェルビーとニューハンプシャー選出ロ
バート・スミス両共和党上院議員との連名で出されている．
 「そららの国家機密に関する書類が一般に公開されていたのか，あるいはそう
した公開の危険にまださらされているのかを確かめることに私たちは重大な関心を持
っています」と，シェルビー，スミスの両議員は語り，また，2000年の公開にあわせ
るという「乱暴な企て」の中で，官僚たちは，核兵器データの漏洩を防ぐ「適切な注
意を払っていない」と上院議員たちは語っている．

 リントン・ウエルズ防衛政策次席代理は，6月16日，この問題が「国家安全保
障にとって深刻なダメージを引起こす可能性がある」との書面をしたため，「詳細な
核兵器に関する情報は，国家安全保障情報の文書と一緒に保管されるのを基本として
いた」と語っている．

 エネルギー省機密文書解除事務局を率いるブイアン・シーベルトは，疑惑にさ
らされているデータ個々のケースについての言及を避けたが，エネルギー省としては
，解決策に取り組んでいる問題と承知しているとも語っている．

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　　　　　　青木雅彦
　　　　  Masahiko Aoki
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