(from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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Date: Tue, 28 Jul 1998 02:54:24 +0900
From: tamaki@ab.mbn.or.jp (Kazuhiko Tamaki)
Subject: [aml 9188] キティホーク母港反対要請書
脱軍備ネットワーク・キャッチピース(事務所・横浜)は、横須賀への
空母キティホーク母港化に反対する要請書を、7月29日に横須賀市長と県知事に
提出します。
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横須賀市長 沢田秀男様
神奈川県知事 岡崎 洋様
キティーホークの横須賀母港化に反対する要請書
1998.7.29
脱軍備ネットワーク・キャッチピース
本国に帰ったインディペンデンスに代わり、新しく横須賀を母港にするアメリカの
空母キティホークが、8月11日に入港すると報道されています。
すでに四半世紀に及んだ空母の母港が来世紀まで継続されること、そして知事さん
と市長さんからこれに対してなんら反対の意志表示が聞こえないことに、私たちは、
怒りと失望を押さえることができません。
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現在アメリカ海軍が軍艦の母港をおいている港は21ヶ所。そのうち16はアメリカ本
土です。海外母港は、バーレーン(1隻)、イタリアのガエタ、ラ・マダレーナ(各1
隻)そして、佐世保、横須賀の5ヶ所。バーレーンとイタリアに配備された3隻は、掃
海艦・支援艦であり、横須賀のように空母戦闘団が丸ごと母港をおいている場所は世
界のどこをみわたしても見つかりません。(この事実は、米海軍が開いているホーム
ページ で確認することができます)。
空母の横須賀母港が、このように国際的に見れば異常な事態であるということを認
識して欲しいと思います。
1992年、当時のチェイニー国防長官は次のように語りました。「最近の作戦計画の
中で、また、たとえば空母戦闘団の機動力を考えるならば、50年前には死活の重要性
を持っていた基地は、かってのような重要性を持っていない。われわれは、地中海で
絶え間なく、空母戦闘団と海兵隊水陸両用部隊を展開してきたし、現在も展開してい
る。しかし地中海にはそれらの部隊の米軍基地は存在していないのである」(メルボ
ルン・スピーチ)。
アメリカ東海岸から地中海の距離と西海岸から日本の距離は、ほぼ同じであること
を考えれば、空母の横須賀母港は、日米安保条約でいう「極東の範囲」での行動のた
めには必ずしも必要ではないということになります。言いかえれば、空母の母港は、
日米安保−日本国民が政府から説明され、理解している−がある以上認めざるをえな
い、「宿命」でも「義務」でもないのです。
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しかし、じっさいに空母の母港がもたらしたのは日米安保のとめどもない拡大でし
た。「ペルシャ湾にまで及ぶ広大な範囲」をにらみながら「米国防衛の最前線を支え
る」(95年「日米安保報告」)ために、湾岸戦争でミッドウェーは横須賀から出撃し
、3300回もの空爆でイラクの市民を傷つけ殺しました。今年1月にも、インディペン
デンスはペルシャ湾に向けて出港しました。「イラクに大国の力を見せつけてやれ」
というコーエン国防長官の「檄」に見送られて。
新「ガイドライン」とそれを実行するために政府が提案している「周辺事態法」は
、このように無制限に拡大した日米安保のもとで、自治体や住民を巻き込んだ有事体
制を作ろうとするものです。知事さんや市長さんも、他の基地を抱える自治体の首長
とともに、この法案への疑問や不安を表明しています。私たちは、これはもっともな
ことだと思いますし是非頑張ってほしいと思います。
でも、忘れないでください。この「魔物」をつれてきたのは空母の母港なのです。
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空母の母港が連れてきた「魔物」はこれだけではありません。
艦載機墜落事故による市民の犠牲(緑区の墜落事故)、昼夜をわかたぬ離発着訓練
による騒音被害と墜落の恐怖。乗組員家族住宅のための池子の緑の破壊、そして全国
の山間地を仮想戦場にみたてて繰り返されている危険な低空飛行・・・。
このように、空母の母港が人々にもたらしたのは「安全保障」の大義名分とは裏腹
に、生命と安全への脅威と呼ぶほかのないものでした。このようなリスクを背負うに
値する「効用」を、空母の母港が人々にもたらしているという説得力のある説明を、
知事さんと市長さんは住民に対してすることができるのでしょうか。
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アメリカの空母建造計画を見れば、キティホークの後には、原子力空母やってくる
こ気配が濃厚です。そのような事態を招かないためにも、知事さんと市長さんは、は
っきりとキティホークの母港化に反対するべきです。
繰り返しますが、空母の母港は「宿命」でも「義務」でもありません。知事さんと
市長さんが日米安保条約を大事にしたいと考えているとしても、母港を受け入れるこ
とは、とてつもないリスクを抱えた「選択肢のひとつ」でしかないのです。
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キティホーク母港化への反対と、空母の母港そのものの返上を、今こそはっきりと
表明してください。
脱軍備ネットワーク・キャッチピース
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Kazuhiko Tamaki 田巻一彦
tamaki@ab.mbn.or.jp
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tel/fax 81-45-531-1341
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