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Date: Fri, 29 May 1998 22:51:36 +0900
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From: Masahiko Aoki <btree@pop1.osk.3web.ne.jp>
Subject: [keystone 274]  カナダ艦神戸入港 抗議と報道(続)
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 すでに何度かお知らせしているカナダ軍艦の神戸港入港に対する、市民平和訴訟の
会関西など3団体連名の抗議文と、地元神戸新聞の報道を転載します。記事に関して
はいわゆる【転載禁止】とさせていただきます。
 言うまでもなく、このカナダ軍事態の本質は同艦が核搭載か否かでなくて、自治体
首長の入港権限を外務省が否定することが許されるのかという、地方自治の本旨に関
わることです。「外務省がOKと言っているのだから文句をつけるな」というのが外務
省の言い分で、そのごり押しに神戸市が屈したということです。つまり港長でなく外
務省がこれからは判断をすると。
 カナダ艦「プロテクターProtecteur」は、その名とは裏腹に日本外務省が送り込ん
だ「非核神戸方式」の刺客です。これで神戸方式を採用しようとしている高知県にも
、「こうなるから意味はないぞ」という警告にもなりました。「新ガイドライン」の
実施に自治体権限が邪魔だと正面切って言うならまだしも、こういう姑息なやり方で
背後から切りつける外務省の役人の卑怯な悪代官ぶりには言葉もありません。と言っ
て済ますわけにいかないのは、パキスタンがNPT体制(勝手な「秩序」ではあります
が)の死刑執行を実施したのが偶然とは言え同じ日なのが、あまりにも不吉な暗合で
あるからです。
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神戸市市長 笹山幸俊 殿

《カナダ軍艦の神戸入港容認に抗議する》

 新聞報道によれば、カナダ統合軍太平洋艦隊の補給艦「プロテクター」(25,676ト
ン・乗組員 265名)の神戸港入港にあたり、外務省は「非核証明の不要」を伝達し、
神戸市はこれを容認すると伝えられています。
 1975年の神戸市議会「決議」以後、「非核神戸方式」は23年間守られ、17
隻の外国軍艦に適用されてきました。したがって神戸市は従来どおり「適用」し、も
し順守されない場合は入港を拒否すべきです。にもかかわらず、ここにきて「非核証
明」のないまま入港を容認することは市民に対する裏切りです。また不当な外務省の
干渉は自治権を侵害するものであり、これの放棄につながるものです。
 外務省は、今年3月にも高知県の「神戸方式」の条例採用に当たり、姑息な方法で
干渉妨害し、注目された条例は不成立となりました。これはまた「神戸方式」つぶし
の一環でもあり、今回のカナダ軍艦入港の干渉も、明白に政府の意図的な妨害行為で
す。

 昨年9月以降、小樽港への米空母インディペンデンスの寄港をはじめ、民間港への
各種米艦寄港が頻繁に続きました。何れも「親善訪問」を名目とはしますが、新ガイ
ドライン(日米防衛協力の指針)策定をめぐる威圧行動と先取り行為とも言われまし
た。そして今これに基づく「周辺事態法」の関連法案が国会に提出されています。
 この関連法案で特に問題の焦点となっているのは民間企業や自治体の有事協力体制
にあります。しかし、政府はこれらを自治体に充分説明のないまま、「協力しなけれ
ば違法」などとしています。
 「プロテクター」は同じくカナダ海軍フリゲート艦「バンクーバー」(4.770トン
・乗組員 225名)と来航(22日)し、2日間にわたる自衛艦と共同訓練を行い、同
時に東京や福岡にも「親善」寄港しますが、なぜか何れも民間港です。しかし「親善
」を掲げてはいても暇をもてあまして「親善訪問」しているわけはなく、日本・カナ
ダの政府間および制服間による計画的な合意のうえでの軍事行動であります。
 

 今回「プロテクター」は、ホスト護衛艦「よしの」(1.500トン・乗員160名)など
と共に、神戸東灘区魚崎の海上自衛隊阪神基地隊のバースに接岸し、4日間の交歓行
事が行われることになっています。かつて大阪基地隊と称された阪神基地隊は、海自
呉地方隊に所属する掃海部隊(掃海艇3隻、哨戒艇2隻)にすぎません。しかし阪神
淡路大震災による液状化で岸壁や建物など損壊をうけ、この復旧を契機に、大型艦接
岸のため水深(10メートル)は深くされ、掃海艇基地に不必要なヘリポートも設置
され、建物も高層化されるなど、軍事基地機能は大幅に強化されました。
 海上自衛隊側は、平時は防災活動の基地とし、有事は後方支援基地として機能させ
るためと称していますが、自衛隊の本来的な任務からみて、このような基地拡大は平
和的な国際貿易港としてふさわしいものでなく、防災云々は基地拡大の口実です。

 以上を考えますと、今回のカナダ軍艦入港を巡る一件は、基地拡大認知と「神戸方
式」つぶしの動向の現れであり、極めて許しがたいことです。これらを容認したこと
に抗議し今後このようなことが一切ないことを強く要求するものであります。
 (なお、私たちは湾岸戦争における戦費支援・掃海艇派遣や、自衛隊PKO派兵等
を違 憲違法とする訴訟等の団体、および反戦平和の市民グループであり、兵庫、神
戸にも多 くの原告や支援の市民らがいます。) 

1998年5月27日
                        市民平和訴訟の会関西
                   自衛隊PKO派兵違憲訴訟団
                   良心的軍事費拒否の会関西グループ

                                            代表人  和田喜太郎
                                            連絡先  東大阪市客坊町12−16

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      青木雅彦
      Masahiko Aoki
      btree@osk.3web.ne.jp
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  • 1998年
  • 3月4月5月、6月、7月、

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