(from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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Date: Fri, 29 May 1998 00:55:44 +0900
From: tamaki@ab.mbn.or.jp (Kazuhiko Tamaki)
Subject: [aml 8706] パキスタンへの抗議文
田巻一彦@脱軍備ネットワーク・キャッチピースです。パキスタン大使館に以下の抗
議文を送りました。
CATCH PEACE Network for Disarmament
1B Haitsu SAIWAI, 10-4 Nishikigaoka
Kohoku-ku, 222 Yokohama
JAPAN
TEL /FAX: +81-45-433-3483 e-mail::tamaki@ab.mbn.or.jp
パキスタン
シャリフ首相
核実験に抗議する
1998年5月28日
脱軍備ネットワーク・キャッチピース
貴国が、今日地下核実験を実施したというニュースを聞き、私たちは怒りと失望を
おさえることができない。
私たちは、日本各地で核廃絶と軍備撤廃、武力によらない民衆相互の対話と理解に
もとづく安全保障を求める市民である。私たちは、アジア太平洋が核を頂点とする軍
事力による抑止論信仰から脱却し、人々が安心して平和に暮らす場所になるためには
、いかなる国の核兵器も撤去されなければならないと考えている。
わずか半月前、私たちはインドの核実験に抗議する手紙を書いた。それが南アジア
における核軍拡競争の開始の合図となることを心底恐れた私たちは、貴国が核実験に
よって答えるのではなく、理性と人間的想像力にもとづき、対抗措置への衝動を自制
することを祈りながら貴国の動向を見守ってきた。だが、それは無惨にも裏切られた。
貴国のこの行為に対して、国際社会は援助の凍結を含む経済制裁へと動こうとして
いる。経済制裁は、貴国と同じイスラム教国である、イラクに対する制裁がそうであ
ると同じように、子どもや年寄りや病人など社会的弱者を直撃するだろう。貴国がイ
ンドの脅威に対する「安全保障」を大義名分として行った核実験は、貴国の罪のない
人々を痛めつけるという結果しかもたらさないだろう。私たちは、このような悲劇を
想像しやり場のない怒りを押さえることができない。それだけではない。貴国の核実
験は、結局のところ最大の核保有国・米国をはじめとする、核抑止論の信奉者たちに
「核拡散防止」という道義的アリバイを与え、彼らの核保有に免罪符を与えることに
しかならないだろう。その結果、貴国が本当の意味で敵にまわすのは、核保有国の中
にあって自国の核政策を変えるために苦闘している市民であり、太平洋で、ロシアで
、ネバダでそして広島・長崎で核爆発とその後遺症のために失われ、今も苦しみの中
にあるあらゆる命であり、政府の誤った政策のため、塗炭の苦しみを味わうかもしれ
ない自国の民衆であることを知るべきだ。
私たちは、核実験を二度を行わないことを強く求める。破壊と破滅と憎悪以外に
何ももたらさない核開発競争に注ぐ資源と知力と財力を、貧困と病苦、差別の解消な
どの諸政策のために注ぐことこそが、真に安全保障の名に値する。この人間的判断力
を貴国が回復することを節に願うものである。(文責:田巻一彦・運営委員)
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Kazuhiko Tamaki 田巻一彦
tamaki@ab.mbn.or.jp
184-18
Takata-cho, Kohoku-ku
Yokohama 223, JAPAN
tel/fax 81-45-593-1824
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3月、4月、5月、6月、7月、