Date: Wed, 06 May 1998 08:13:00 +0900
From: 加賀谷いそみ <QZF01055@niftyserve.or.jp>
Subject: [keystone 167] rikuzi-syagekizyou-akita
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   -------秋田県五城目町に陸自射撃場と産廃処分場計画----------

 五城目町は山間にある林業の町です。海から離れているので森の緑ががとてもきれい
な自然に恵まれた所です。ひなびた温泉もあって、豊かな山菜を材料にした料理を食べ
させてもらえます。朝市には採れたばかりの山菜が並び、近郊からの買い物客で賑わい
ます。 
 その五城目町の馬場目川の支流にある馬場目中村地区の薬師山(394、9M)山麓に、陸
自射撃場の移転計画と、対岸の馬場目蓮内台地区山林地内には産業廃棄物最終処分場(
管理型)と中間処理施設の計画が持ち上がりました。どちらも地区住民が要請した形に
なっています。
 中村地区は山林の治権者でもある佐藤邦夫町長の居住地です。4月22日に開かれた
中村町内会の臨時総会(出席40人弱)にも出席し、「射撃場が移転すれば道路も改良
されるなどの恩恵がある」などと町内会長とともに誘致の要請に同意を求めました。そ
の場で2人が「誘致要請」に同意する提案も出したようですが、一部から「射撃場の中
身もわからずに誘致は同意できない」との反発が出たため、総会は「自衛隊の説明を聴
いてから判断する」として結論を持ち越す形で閉会しました。しかし24日には馬場目
の町内会長会議を開き、同意の意向を取り付け、さらに中村地区から陳情書を提出させ
ました。その上で、27日に町課長ら幹部を集めて開かれた庁議の席上、佐藤町長は「
23日に中村町内会から町に射撃場の誘致を求める陳情があった」と延べ、課長らは「
住民が受け入れれば、町としても騒音などの公害が無い限りいいのではないか」とし、
「地元要望を無視できないので町としても、(自衛隊に)要望したい」として、5月中
にも結論を出す意向を示したということです。これは、誘致の話が議会に伝えられてい
なかったことで、町議会が不快感を示しているいることへの対策とも考えられますが、
議会が町長に説明を求めるのみで、町政と議会がシャンシャンで終わる可能性もありま
す。佐藤町長は「どこが問題なのか。町内会がやっている話で、あそこには共有地もあ
る。私の土地に誘致されると決まったわけではない」と言っているとのことです。
 これに対し陸自秋田駐屯地では「移転先を探していたら中村地区から要請があった。
300mの射撃場が望ましいが、移転先を決めるのが先で、規模は未定」と話している
とか。
 「住民を置き去りにして話が勝手に進められている。だれのための計画か」と反発し
ている住民が一部にあると報道されていますが、それが大方の思いであることは容易に
想像できます。土建屋行政の常套手段であることは皆十分承知していることで、もうど
うにもならないと思っている人も多いかも知れません。マスコミでさえこの頃になるま
で知らないでいるようですけれど?
 男鹿市には「工事一つに船一艚」というのがあります。海に公共工事を一つ持ち込む
と、そこの地区の利害関係者に船一艚分の見返りがあるということです。地元住民に話
が伝わる頃には、利害関係者との下準備(俗にいう根回し)が済んだ後というのが普通
です。男鹿市の漁業と同様、五城目町も林業が衰退してからボロボロになりました。
 現在の射撃場は秋田市飯島堀川にありますが、火力発電所などもあるバイパスと旧道
の間の松林のなかにあり、鉄条網で囲まれていて中はよく見えませんが、今度計画され
ている「18人から20人が、300M離れた的に一斉射撃できるような射場と、駐車
場などの施設」に比べると手狭な感じはします。移転の理由は隣に病院ができ、訓練時
間の制限や、射撃距離の短縮をせざるを得なくなったこと、これまた「政治的判断」で
2つの地域に分散して建てられる県立大学が近くにでき、来春開学の予定で工事が始ま
っているので訓練に支障が出ているためだそうです。自衛隊も市民が迷惑するようなこ
とをやっているのは解っているともいえますが、どっちの話が先だったのかは分かりま
せん。
 男鹿には、城跡付近にクレ−射撃場があって、散策している人をびっくりさせます。
レ−ダ−基地でも、時々、実弾射撃訓練をします。その音が山にこだまするのか、とん
でもないところまで音が聞こえる時があります。五城目町の上空は、三沢の米軍機の低
空飛行の通り道で、たびたび騒音に悩まされています。射撃の音は民家まで届かないか
も知れませんが、軍靴の音が響き軍隊が町中を闊歩するのは確実です。たぶん日本のあ
ちこちの片隅でこういうやり方で軍用地のエリアが広まっているのかも知れません。
 産廃処分計画(34ヘクタ−ル、事業費は約42億円)の方も同様な過程を経ている
ようですが、現在は、県要綱に基づく事前協議の前段階。でもすでに業者は「地元の要
請に基づいて」山林の取得の手続きを進めています。予定地の近くの山林では数年前、
五城目町が、一般廃棄物処分場を造ろうとしたものの、下流に町簡易水道の浄水場があ
るため、町内から反対の声が上がり、予定地が変更のなった経緯があり、大潟村など下
流域町村の住民からは、河川の水質汚染を懸念する声が出て、4月28日には同町や周
辺町村の住民が集まり、反対の立場で運動を進める方針です。
 ゼネコンは自然を破壊するばかりではなく、国と一緒になって、私たちの自立した生
活手段を奪い、思想・信条の自由を殺し、主権を食い物にして、私たちの前にモンスタ
−のように立ちはだかります。今私はただ森や鳥やけものや虫たち、川や海の魚たちに
どう説明したらいいかもわからず心が痛むだけです。そんな汚い連中に私たちが噛み付
いても痛くもかゆくもないのは先刻経験済みですが「ありの一穴」ということばも私は
信じています。
とはいうものの・・・です。
 


  • 1998年
  • 3月4月5月、6月、7月、

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