(重複して受け取られる方申し訳ありません。)
「周辺事態法」など新ガイドラインの3法案(一つは協定改正)に対する政党の反
応は鈍いと言うより、責任放棄。自民党と共産党以外は、「安保問題を議論すると分
裂するから」という理由で、「見解は明らかにできない」。議会制民主主義は形式的
にも崩壊しているわけです。
昔の言葉で言えば「徴用」される立場の自治体や民間労働者の反応も余りないので
は。ここでは、基地の街、呉市への市民運動の申し入れを転載します。
「入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機! ピースリンク広島・呉・岩国(30団体)
」です。何度か転載していますので、30団体の名称はここでは省略させてもらいま
した。
ガイドライン間連で、各地での市民団体の申し入れや、自治体の動きなどはマスコ
ミではほとんど報道されないので、お近くの動きを知らせてもらえれば助かります。
ーーーー以下申し入れ文転載ーーーーーーーーーーーー
呉市長 1998年4月30日
小笠原臣也様
要 請 書
新ガイドライン=戦争マニュアルを具体化するためのガイドライン関連3法に
反対し、特に日本周辺事態法の<自治体への戦争協力要請項目>の削除を求め
てください!
憲法が施行されて半世紀を越えた今年、その平和主義を捨て去ろうとする選
択が日本政府によって強行されようとしています。政府は28日、新日米防衛
協力のための指針(ガイドライン)の関連三法案を閣議決定し、国会に上程し
ました。この法は、要するにアメリカが世界のどこかで引き起こす戦争に、日
本が国を挙げて金、もの、人などあらゆる面で支援し、支えるための法律であり
、日本が戦争当事者になる宣言に等しいもので、それだけで「平和産業港湾都
市」をめざす貴職として絶対に容認できないものと思います。
周辺事態とは「日本周辺地域における日本の平和及び安全に重要な影響を与
える事態」としているだけで、依然としてその定義は不鮮明です。政府は、あ
くまでも「周辺とは地理的概念ではない」といい続けることで、日米安保の世
界的規模での展開を意図しています。主な活動は(1)米軍に対する「後方地
域支援」(2)周辺事態の戦闘にかかわる遭難者の「後方地域捜索救助活動」
(3)国連安保理決議に基づく「船舶検査活動」(臨検)としています。自衛
隊法改正案では、邦人救出のために「輸送に適した艦船」も派遣できるとし、
配備されたばかりの「おおすみ」が対象になると考えられます。しかし過去の
戦争が示すように、「邦人救出」は戦端を開くきっかけになりやすい極めて危
険な作戦行動であることは言うまでもありません。日米物品役務相互提供協
定(ACSA)改正案は、戦時においても物品役務を国として提供していくと
いう、まさに参戦することの意思表明に他なりませんが、国会にもかけずに、
28日、政府間で調印してしまいました。
さらに、「周辺事態措置法」では、民間の港湾・空港や病院など施設提供に
関する政府による自治体への協力要請について、政府は(1)罰則で強制はし
ないが義務規定である(2)正当な理由なく拒否すれば違法状態となる(3)
自治体が理由の説明をすべきだなどとしています。まさに「国家の方針に自治
体は言いなりになるべき」であると居丈高な態度で、自治体が独自の判断をと
ることを上から押さえ込もうとする意志が明確に示されています。4月20日
には、全国基地協議会や防衛施設周辺整備全国協議会が、当然にも事態を懸念
して緊急要請をしましたが、防衛庁長官は「法案が出てから」後で対処すると
していますが、これは民主主義の原則を一切無視した暴挙です。事前に十分な
説明をし、「合意」して初めて、民主的に政策が採られていくことになるはず
です。このような形で近未来の日本の政治の枠組みを決められたら、市民はた
まったものではありません。
呉市には、海上自衛隊と米軍弾薬庫があり、ガイドライン関係法が成立すれ
ば、これらが、新たな文脈におかれることは必至です。秋月弾薬廠がアジア太
平洋地域での戦争に弾薬などを供給することを日本国として認めていくことに
なりますし、米軍は、広湾での米艦船の入港支援や車両・プレハブ施設の提供
などを求めることが予想されます。自衛隊については、邦人救出をめいうって
の揚陸艦「おおすみ」や補給艦「とわだ」、機雷除去のための掃海艦隊、臨検
のための護衛艦の派兵などが正当化されることになります。そして、戦争とな
れば、呉港に寄港する米艦船への民間港の提供、燃料・物資の補給、自治体職
員の動員などで自治体への協力が、暗黙の強制として機能することは必至です。
これは、呉市民である自治体職員や自衛隊員の生命と安全を脅かす可能性も秘
めており、市民の安全と財産を守るべき貴職としては黙視できる問題ではない
はずです。
私たちには、日本は次の時代に対して最悪の選択をしようとしているように
しか見えません。事実上、安保の大改悪を強行し、二国間の軍事同盟をアジア
太平洋規模に拡張し、戦争国家への道をつけようとしているのです。<日本周
辺の事態>に日米が共同対処する『戦争マニュアル』が国会や市民のあづかり
知らぬところで作られ、米軍に対する支援として、自衛隊施設はもとより、民
間港・民間空港の使用や、民間労働者の動員が盛り込まれています。アメリカ
が始めた戦争に、自治体や民間の協力体制も作り、日本が「国家」として戦争
当事者になろうとするもので、憲法の平和主義を放棄する重大な事態です。
この半世紀、日本はまがりなりにも平和主義を貫き、少なくとも自らの意志
においては決して戦争に加担する道はとってきませんでした。今、政府は、ガ
イドラインを新たにつくりかえることで、名実ともに日米安保を憲法よりも上
位に位置づけ、世界で唯一、世界のどこでも戦争を引き起こす能力を持ったア
メリカの戦争同伴者になろうとしています。ガイドライン関係法は、その突破
口を開く戦後最悪の法律案です。そのような選択を、次の世紀の直前に行うこ
とは、差別をなくし、人権・生活権を尊重する道を放棄するものとして断じて
許すことはできません。そこで以下要求します。
(1) ガイドラインの見直しは、戦争をいかに協力して遂行するかを公然と掲げ
ているもので、憲法で戦争を放棄している日本にとっては、踏み込んではなら
ない問題のはずで、平和産業港湾都市としてガイドライン関連法そのものに反
対すること。
(2)「日本周辺事態」を口実とした自衛隊施設・民間港・民間空港の使用や国立
・民間病院の使用、民間労働者の動員などの有事体制づくりを許さないために
、自治体として全力を挙げること。例えば、呉港に神戸方式のような規定や民
間港の軍事利用に反対する条例を作るなどの具体的な対応をとること。
(3)この春、海上自衛隊呉基地に配備された大型揚陸艦「おおすみ」、掃海母
艦「ぶんご」は、軍事的な機能や役割からすれば、「専守防衛」の枠を一切無
視した、海外での作戦行動を前提として軍備です。特に「おおすみ」は、戦車
を載した強襲上陸用舟艇LCACを搭載し、強襲上陸作戦が可能な戦車揚陸艦
であり、「自衛」の枠組みを逆転するものであることは明白です。新ガイドラ
インに対応した自衛隊の変質を象徴する、これらの配備を即時撤回するよう申
し入れること。
(4)日米共同を含め実戦=戦闘を前提としたすべての演習に反対すること。特に
6月中旬から北海道十勝で予定されている揚陸訓練を含んだ北方機動演習への
揚陸艦「おおすみ」、強襲上陸用舟艇「LCAC」の参加に反対すること。
入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!
ピースリンク広島・呉・岩国(30団体)
連絡先:トマホークの配備を許すな!呉市民の会 世話人 湯浅一郎
呉市幸町3−1 呉YWCA気付 0823−21−2414
世話人 三木のりこ
広島市中区大手町4−3−10 広島YWCA気付
040−652−7772
岩国市職労平和研究所 代表 田村順玄
岩国市今津町1−14−51 岩国22−1611
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>>>>>>>>青木雅彦<<<<<<<<
Masahiko Aoki
btree@osk.3web.ne.jp
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3月、4月、5月、6月、7月、