「ガイドライン協力法」と言うか「周辺事態法」というか、名前はまだ決まってな
い戦後最悪の法律の、防衛庁発表による骨子です。
【国以外の者による協力等】として(「国以外」とは自治体と民間人をさす)、「
関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、地方公共団体の長に対し協力を求
めることができること。 関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、民間等
に必要な協力を依頼することができること。」としています。この「できる」という
「助動詞」(?)がなんとも微妙です。「協力」を求められた人がそれを拒むことが
「できる」かどうか明記されてないからです。政府の意向は明らかですが、法律に書
かずに「以心伝心」で済まそうとしているところがいかにもです。
−−−−−−−−−防衛庁発表の「大要」−−−−−−−−
10.4.8
日米防衛協力のための指針の実効性を確保するための法整備の大要
1.新法の概要
【目的】
我が国周辺地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える
事態(周辺事態)に際して、我が国が実施する措置、その実施手続及びその他の必要
な事項を定め、もって我が国の平和及び安全の確保に資すること。
【基本原則】
武力による威嚇又は武力の行使に当たるものではないこと。
内閣総理大臣は基本計画に基づいて行政各部を指揮監督すること。
【各活動の内容】
後方地域支援等
周辺事態に際して日米安保条約の目的の達成のために活動して
いる米軍に対し、我が国領域及び戦闘地域とは一線を画された公海(輸送のみ)にお
いて行う物品及び役務の提供等。(補給、輸送、整備、衛生等)(物品の提供に当た
っては、武器・弾薬を除く)(戦闘行動に発進する米軍機への直接の給油等は行わな
い。)
上記のほか、米軍の主体的活動への支援について、検討中
捜索救難活動
周辺事態における戦闘によって遭難した戦闘員を捜索救難する
ための活動。
我が国領域並びに我が国周囲の戦闘地域とは一線を画された公
海及び他国領海(当該他国の同意のある場合のみ)において行うものに限る。
船舶検査活動
周辺事態に際して、貿易等の規制措置の厳格な実施を確保する
ための国連安保理決議に基づく、船舶の航行状況の監視、船舶の積荷・目的地の検査
・確認、同意を得ての乗船検査、必要に応じた進路変更の要請等を行う活動
他国の活動海域とは区別された海域を指定して実施
【周辺事態において我が国が実施する活動に閔する基本計画】
後方地域支援等、捜索救難活動、船舶検査活動等は、閣議決定された
基本計画の定めるところにより実施すること。
基本計画に記載する事項
基本方針
後方地域支援等に関する事項
捜索救難活動に関する事項
船舶検査活動に関する事項
その他(実施区域の範囲その他実施区域の指定に関する事項を
含む。)
捜索救難活動及び船舶検査活動は、自衛隊の部隊等のみが実施するこ
と。
【自衛隊による後方地域支援等、捜索救難活動及び船舶検査活動の実施】
防衛庁長官は、基本計画に従い、具体的な実施区域を定め、内閣総理
大臣の承認を得て自衛隊の部隊等に後方地域支援等、捜索救難活動、船舶検査活動の
実施を命ずること。
中断・休止に関する事項
【関係行政機関による措置等の実施】
関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、周辺事態における必
要な措置をとるものとすること。
【国以外の者による協力等】
関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、地方公共団体の長に
対し協力を求めることができること。
関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、民間等に必要な協力
を依頼することができること。
【国会への報告】
内閣総理大臣は、基本計画の決定又は変更があった場合には、遅滞な
く、国会に報告すること。
【武器の使用】
捜索救難活動、船舶検査活動を行っている者の生命等を防護するため
の必要最小限の武器使用に関する規定について検討中
【その他】
新法を受けて、自衛隊が、その任務遂行に支障を生じない限度におい
て、後方地域支援等、捜索救難活動及び船舶検査活動を実施できる旨を自衛隊法に規
定
2.日米間の取決め(日米物品役務相互提供協定の改正)
【本協定の周辺事態への適用】
平成8年に締結された日米物品役務相互提供協定を改正し、これまで
の協力に加え、周辺事態に対応する活動に必要な物品又は役務も自衛隊と米軍との間
で提供できることとすること。
【周辺事態に対応する合衆国軍隊の活動に必要な物品又は役務の提供】
周辺事態に対応する合衆国軍隊の活動に必要な物品又は役務の自衛隊
からの提供は、新法に従って行うこととする。
【武器・弾薬の提供】
自衛隊から合衆国軍隊へ提供する物品には、武器又は弾薬は含まない
。
3.自衛隊法の改正
【在外邦人等の輸送】
自衛隊が行う在外邦人等の輸送の手段として、船舶及び当該船舶に搭
載された回転翼航空機を加えること。
隊員及び現場に所在する在外邦人等の生命等を防護するための必要最
小限の武器の使用に関する規定について検討中
−−−−−−−−転載ここまで−−−−−−−−−−−−−−
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青木雅彦
Masahiko Aoki
btree@osk.3web.ne.jp
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