仲田です。
5月3日、けんみんサポートセンターで「かながわ憲法フォーラム」主催の集会
が開催されました。メインテーマは「子どもとともにつくる教育」で、早稲田大
学文学部教授の喜多明人さんの講演の後、5人のパネラー(保護者・学生・地域)
と講師を交え、意見がかわされました。
以下、集会アピール
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かながわ憲法フォーラム
憲法を考える5・3集会
集会アピール
私たち「かながわ憲法フォーラム」は、憲法を、「あらゆる『いのち』を守る基
本法」であるととらえ、「生活の場から憲法を検証する」ことを目的として歩んで
きました。結成7年目の今日、「憲法を考える5・3集会」をここに開催し、「子
どもとともにつくる教育」をテーマに、真摯に学び、話し合いました。
今まさに憲法は危機的状況におかれています。国会においては憲法調査会が設置
され、改憲への動きが強まってきています。それに先だって、憲法の規定する国民
主権、平和主義、基本的人権を侵害する法律が次々につくられ、国家が個人に優先
して語られる社会が生まれようとしています。森前首相の「神の国発言」や石原東
京都知事の「第三国人発言」などは、このような動きにそったものであり、決して
許されるものではありません。
首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」は、議論の深まりのないままに「教育
を変える17の提言」を行いました。奉仕活動の義務化、差別・選別の発想からの
リーダーの育成と課題を持つ子どもたちの排除。提言は、国家を第一義としてとら
え、その枠の中に子どもたちをはめこみ、どのようにして有用で忠実な国民をつく
るかに力点を置くものとなっています。それは、「かけがえのない子どもたちの個
性を、どのように伸ばしていくか」という視点に欠けた、教育現場の実態と大きく
かけ離れたものでしかありません。閉塞した社会状況の中で、救いを求めている子
どもたちの過ちに対して、厳罰で臨もうとする少年法の改悪も、同様に教育の視点
を捨てたものと言えます。
歴史の事実を歪曲し、内外から大きな批判を受けている中学校用の歴史・公民の
教科書が文部科学省の検定を通過しました。この教科書を使わせることをねらって、
教科書採択制度の改悪も全国に広がっています。歴史の真実に学び、そこから出発
する姿勢がなければ、多くの人々と相互信頼に基づいた平和で平等な社会を実現す
ることは不可能であると私たちは考えます。
この現状の中で、教育基本法に盛り込まれた基本的理念をどのように実現するか、
子どもたちから、保護者から、実際の生活の場から多くの意見をいただきました。
本集会が「平和の中に、一人一人が真に尊重されていく社会」「あらゆる人がと
もに生きる社会」を実現する第一歩となることを、そして広く市民と連帯した憲法
フォーラムの活動が、今後より大きな意味と力を持っていくことを確信し、ここに
アピールします。
2001年5月3日
かながわ憲法フォーラム
憲法を考える5・3集会
参加者一同
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仲田博康
nakada_h@jca.apc.org