(from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
--------------------------------------------------------------------------
Date: Mon, 19 Mar 2001 16:15:22 +0900
From: 和田 喜太郎 <YRX00535@nifty.ne.jp>
Subject: [aml 21336] 非核神戸方式26周年集会開く
以下『赤旗』記事にありますように昨日18日、「非核『神戸方式』決議26周年記
念のつどい」がありました。アピール文を添えて紹介します。(和田)
*************************
【しんぶん赤旗】01/03/19
米核艦船寄港、お断り
非核「神戸方式」が26周年 市民ら集会
一九七五年に神戸市議会が核積載艦艇の入港拒否決議を採択してから二十六年目にあ
たる十八日、同決議にもとづいて、神戸港入港艦船に非核証明書提出を義務づけた非核
「神戸方式」を守ろうと、「非核『神戸方式』決議26年記念集会」(同実行委員会主
催)が神戸市勤労会館で開かれ、二百八十人が参加しました。
基調報告した原水爆禁止兵庫県協議会の梶本修史事務局長は、アメリカ政府・米軍が
「神戸方式」の放棄や米軍艦寄港受け入れを求め、くりかえし、神戸市議会や神戸港の
労組などに圧力をかけている実態を報告しました。
国連が招集した昨年五月の世界NGO会議で、「神戸方式」は「世界の政府が実施す
べき措置」と宣言に盛りこまれたことも紹介し、「アメリカの道理のなさは明らかだ」
として、「神戸方式」を守り全国に広げること、神戸市非核・平和条例の制定、核兵器
廃絶の運動のいっそうの前進などをよびかけました。
立命館大学国際平和ミュージアム館長の安斎育郎氏が記念講演。クイズ形式で核兵器
廃絶や平和のとりくみの重要性を訴えました。集会には、十五ヵ国、三国際組纖から七
十七通のメッセージが届きました。
きたがわてつさんのコンサートもおこなわれ、アピ−ル「米軍艦の神戸港寄港要求を
きっぱり拒否し、非核『神戸方式』を守り、全国に広げよう」を採択しました。
********************
【2001年「非核神戸港アピール」】
米軍艦の神戸港寄港要求をきっぱり拒否し、
非核「神戸方式」を守り、全国に広げよう!
新しい世紀、二十一世紀をむかえ、「核兵器のない地球」を現実のものとする新しい
段階がはじまっています。核兵器廃絶を緊急・中心課題とする方向が、国際政治でも、
世界の反核運動でも基本的な流れとなっています。二〇世紀最後の国連総会は、「核兵
器の完全廃絶を達成するという明確な約束」に合意する決議を、アメリカなど核兵器保
有国、その同盟国も含めて圧倒的多数で採択するにいたりました。被爆者とともに日本
の原水爆禁止運動が一貫して追求してきた核兵器廃絶の要求の正しさが現実のものにな
ろうとしているのです。
今年二六周年を迎えた核兵器を積んだ軍艦の入港を拒否する非核「神戸方式」も、こ
の世界の流れにそい、国内外で高く賞賛されています。現に、昨年の国連NGOミレニ
アム・フォーラムは、非核「神戸方式」を世界の政府が実施すべき措置として提唱する
宣言を採択しました。
いま、アメリカが直接乗り出して非核「神戸方式」の放棄、神戸港への米軍艦受入れ
をせまっているのは、この世界の流れに逆らうものです。新ガイドラインの具体化の中
で、全国の港湾ヘの米軍艦の寄港が激増し、沖縄での米軍新基地建設が強行されようと
しています。私たちは、日本中で進行している危険なくわだてにきっぱり反対し、平和
な神戸港・神戸市を守る決意を表明します。
日米政府は、国是とされる非核三原則を踏みにじり、核兵器を積んだアメリカの艦艇
が日本の港湾に寄港・通過しても「核持ち込み」にはあたらないという「密約」を交わ
していました。今や非核「神戸方式」は、日本政府でさえ守ってこなかった非核三原則
を厳格に実施する日本で唯一の措置です。一層輝きを増している非核「神戸方式」を断
固として守り抜きましよう。
また、非核「神戸方式」は、米軍に日本の港湾を自由に使わせようという新ガイドラ
インの推進に大きく立ちはだかっています。しかも、非核「神戸方式」は、神戸港だけ
の「専売特許」ではなく、憲法に保障された地方自治の原則にもとづいて、全国のどの
港湾でも実施可能なのです。全国七割をこえる自治体が行った非核宣言の多くは「非核
三原則の厳守」をうたっており、これらの自治体が自らの宣言に責任を負うのなら、当
然、神戸市の後につづくベきです。アメリカは、「神戸方式が他の自治体に波及するこ
とを懸念している」と言います。非核「神戸方式」つぶしの動きをはね返し、全国の港
湾に広げ、新ガイドライン推進勢力の「懸念」を現実のものとしましよう。
私たちは、神戸市、神戸市議会が、市政の全体に非核・平和を貫く立場を明らかにす
るためにも、「非核・平和条例」を制定するように求めます。核兵器廃絶を求める「ヒ
ロシマ・ナガサキからのアピール」署名は、国民過半数にせまる六千万をこえ、神戸市
の全行政区でも兵庫県全体でも人口半数を大きく上まわっています。この大きな非核・
平和の市民・県民世論と共同行動をさらに広げ、国内外の闘いとの速帯を強め、非核「
神戸方式」を断固として守りぬき、非核の港湾で日本中を取り囲みましよう。
二〇〇一年三月十八日
非核「神戸方式」決議二六周年記念のつどい
*************************
◆2月10〜11日、横須賀での「非核・平和条例を考える全国集会」では、神戸から
の参加発言はなかったが、上記集会の呼びかけビラを見てこの集会を知った。
記念集会の協賛は「非核の政府を求める兵庫の会」となっており、兵庫原水協や新日
本婦人の会、市職労や港湾関係労組など共産党系団体による実行委員会で主催された。
(なお、昨年3月18日には、新社会党などの団体による25周年記念集会が、神戸私
学会館で開催された。)
◆上記『赤旗』記事では触れていないが、笹山神戸市長からのメッセージも代行職員か
ら代読された。75年の神戸市議会決議を尊重し、非核「神戸方式」は堅持するという
内容だった。
フォーリー米駐日大使の「在任中に神戸の米艦寄港を実現させたい」の発言をうけ、
ルーダン大阪・神戸総領事は、地元の財界・議員・労組幹部らに頻繁に働きかけを続け
てきた。神戸市当局への直接的な働きかけについては、表面的には「何もない」と神戸
市は答えているものの、何らかの働きかけはあった筈だと梶本氏は基調報告のなかで言
っていた。(その他、これらの経緯については配布された資料で詳しく報告された。)
◆フォーリー駐日大使は、日米ガイドライン制定と共に、日本各地民間港への米艦寄港
増大に寄与したなどの功績で、離任を前に昨年11月、第7艦隊司令官から勲章・感謝
状が授与された。さて、後任にはレーガン政権当時の主席補佐官だった、ハワード・ベ
ーカー元上院議員(75)が有力視されているが、米新政権の新たなる東アジア緊張政策
のなかで新任大使がどう動くか注目されるところ。