ブッシュ米大統領は12日、ジョージア州の米軍基地で行った公約の軍事予算
の拡充についての内容の演説の冒頭で、「えひめ丸」と「グリーンビル」の衝突
事故に触れ、「行方不明者とその家族、われわれの友人である日本国民のため、
黙とうをささげよう」と参列者に呼びかけた。(CNN2001.02.13)とのこと。
10日の事故から間もなく、20年たった今もって事故の解明もされていない1
981年4月の貨物船「日昇丸」への「ジョージ・ワシントン」当て逃げ事故
(2人が死亡)では、乗組員13人が漂流中に救助されたこともあり、まだ死を
受け入れる段階ではなかった時だったので、無事を祈って黙祷してくれたのかと
思ったんですが、生命倫理観の違いだけではなく、どうも軍事同盟の無事を祈っ
たんではなかろうかと思うこのごろ。事故直後、「国民の生命」を守るはずの海
自関係者が事故の背景について、軍艦の“社会的地位”の日本との違いを挙げ、
「日本では軍艦も民間船も優先度が変わらないが、アメリカでは軍艦の地位が高
く、民間船の方が進路を譲るのが常識で、軍艦に近づくことはない」と語った
(読売2月10日)となれば、両国にとって軍事同盟がいかに大事か伺える。
両国市民の中に、今回の事故についての両国政府の対応への反応はさまざまな
ようですが、共通しているのは軍隊の秘密性に対する不信感。
グリーンビルは1999年秋には、海上自衛隊の潜水艦が事故を起こしたとの
想定で日本との深海救助の訓練もしていたとのこと、また 攻撃型原潜の最大の
使命は海中に潜む敵潜水艦を発見し追尾すること。高性能ソナー(超音波探知
機)で常に周辺海域の音を聴き、わずかなスクリュー音でも敵艦の種類を判定す
る能力をもっているはずだと。戦時の混乱に比べれば、穏やかな平時に民間人が
船内をうろうろしたくらいで、最新鋭の設備を持ちながら「敵」の位置も、国名
も分からないほど志気が低下していたというなら、軍人として「国賊」にも値す
る由々しき犯罪行為で、軍法会議で重罰もののはず。次々に発表される解せない
説明をみていると、民間船の脇に浮上するという離れ業のデモンストレーション
で手元が狂ったのではないかと邪推したくもなってくる。もっとも軍人に標的を
100%正確に狙えというのも無茶な話で、湾岸戦争でも誤爆で「身内」を殺し
ているし、16日の米英両軍による10年記念イラク空爆でも、イラク防空網の
レーダー施設をねらった米軍の誘導兵器の命中率は5割以下だったとのこと(た
だし国防総省高官は、ミスが多かったからといって、空爆をやり直すことはない
見解)だから、今回の事故もリスクの範囲内かもしれないが。
原因究明の手段もいろいろ提起されていますが、これから日米の市民が連携し
て軍隊の秘密性を追求するときに、障害となるのが、日本の軍備拡張。河野外相
もなかなか「政治主導」を発揮できず、地位協定も「運用改善」で済まそうとし
ていますが、いくら地位協定の見直しを求めても、米軍を批判しても、「リメン
バー・パールハーバー」「瓶のふた」論が有効なうちは、米国の市民や議会に理
解を得ることは難しい。「政治判断」で命の値段が決められておしまい。
ローマ―1998年2月にイタリア北東部で、低空飛行訓練中の米軍機がスキー
場のロープウェーケーブルを切断し、ゴンドラが落下して乗客20人全員が死亡
した事故で、イタリア下院の国会議員25人でつくる調査委員会は8日、乗って
いた操縦士と航空士らを「犯罪者」と断定し、基地の米司令部の体制そのものに
も責任があったとする報告書をまとめた。
報告書ではさらに「責任は本人だけでなく、所属していたアビアノ米空軍基
地の司令部全体にある」と指摘。「基地の管理システムが欠如していたため、現
地の海兵隊員は、広く認められた異例の自治権を享受していた」と管理体制を批
判している。
イアコベリス委員長は、米軍の管理体制とその後の対応を批判する一方、当
時の伊当局の姿勢にも遺憾を示した。事故の数年前から、地元住民がスキー場に
おける海兵隊の低空飛行の危険性を指摘していたのに、手を打たなかったため
で、「当時イタリアはNATOの要求に征服されていたのだ」と語った。
事故の1年後、イタリアと米国は現場の海兵隊低空飛行について制限を設け
ることで合意した。 (CNN2001.02. 9)
これまで犠牲者一人につき三十八億リラ(約二億一千万円)の補償も支払われ
た。
国会での調査究明や補償の実現には、事故直後にカバレーゼの町民が結成した
「正義のための二月三日委員会」の運動が大きな影響を与えてきた。
同委員会のホームページはhttp://www.valdifiemme.it/comitato3febbraio/。
(「しんぶん赤旗」2月2日)
米攻撃型原子力潜水艦「グリーンビル・GREENEVILLE」(6,080トン)が愛媛県
立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」(499トン)に衝突した事故で、日航機
同士のニアミス事故については、メディアから消えましたが、事故の主原因は担
当管制官の誤指示ということで、国土交通省ではコンピューター化が進んだ最新
型管制卓の導入するなど、管制システム全面見直しをするとのこと。空の混雑と
危険に拍車をかけているのが、自衛隊機や米軍機であるという要因は抜かしまし
た。米軍機は管制に従わない、いたるところでレーダーに引っかからない低空飛
行をする、AWACSだ、空中給油機だと飛ぶでは、管制官がどんなに努力してくれ
ても無事に飛んだ方が「奇跡」というもの。
航空関係者が注目しているのがアメリカ嫌い、自衛隊大好きの石原慎太郎東京都
知事が訴える「横田空域」返還要求。石原都知事は二月二日、「横田空域がある
ため、民間機の空域が狭くなっていることがニアミスの遠因」と指摘。都は過渡
的な措置として同基地の民間航空利用を主張。昨年十二月には空域の返還も初め
て要求の柱に追加。外務省は現在「横田は在日米軍の中枢でもあり、返還や民間
利用は求めない」という立場。空域については返還を求めており、先行して嘉手
納基地の空域返還は昨年、米側が表明。
ドイツでは一昨年十二月、米空軍が、その敷地の約四割を占有しているフラン
クフルト国際空港から五年以内に撤退することで合意。(東京新聞2001年2月8
日)
軍事空域図
http://www.jcp.or.jp/akahata/20102/0203/210203_jal_kiken_kuuiki.html
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原潜事故でてんやわんやしているときに起きたのが、米国と日本での軍用へり
の衝突事故。防衛庁を防衛省に格上げしても志気が高まるわけではないというこ
と。
(ホノルル) ハワイ・オアフ島上空で12日、夜間演習中、兵舎に帰還途中
の輸送用UH60型ヘリコプター「ブラックホーク」2機が墜落。
事故機に乗っていた兵士の1人が14日、一方のヘリが吊り下げていた積み荷
が、自分が乗っていたヘリのプロペラにぶつかり、2機とも墜落したと証言し
た。しかし陸軍の広報官は、この兵士の言っていることは憶測にすぎないとして
いる。
この衝撃でヘリは未舗装路に墜落。乗っていた11人が負傷。もう1機は9
0メートルほど離れた渓谷に墜落して、乗っていた6人全員が死亡。
夜間演習は2月5日に始まった「ライトニング・ウォリアー作戦」の一貫、ヘリ
30機で兵士約1000人をホイーラー陸軍飛行場から近くのカフク基地へ搬送
していたと、周辺住民へ軍が事前説明。
(AP・CNN2001.02.13/15)
十四日午後六時十五分ごろ、千葉県市原市天羽田の館山自動車道姉崎袖ヶ浦イ
ンター近くの竹林で、有視界飛行訓練中の陸上自衛隊木更津駐屯地のヘリコプ
ターが墜落、炎上した。ヘリコプターの操縦席で乗員二人が死亡。
(読売2月14日23:57)
米国防総省の発表によると、一月十九日、米ノースカロライナ州の海兵隊基地
に所属するオスプレイ飛行大隊の指揮官である中佐が、同機の管理記録を改ざん
するよう部下に命じ、解雇された。中佐の改ざんを命ずる言動を収めたテープを
含む内部告発文書が海軍上層部に送られたことで発覚した。
オスプレイは昨年、二度の墜落事故を起こし、計二十三人の死者を出してい
る。犠牲者は初フライトからだと三十人にも上り、国防総省はプログラムの点検
に着手したばかりだった。海兵隊は二件の事故と改ざん問題との因果関係につい
ては否定。
ジョーンズ総司令官「今回の件は海兵隊組織の信用も失わせた。ただ、オスプ
レイは冷戦後の任務に新たな境地を開く」と導入が不可欠との認識を示してい
る。
しかし、上院軍事委員会のワーナー委員長や委員の一人は「これまでプログラ
ムを一貫して支援したが、安全性に対する信頼を回復させない限り、その前進は
ない」と明言。
米会計検査院も「本格生産を始めれば国防総省は危険を招き、さらに犠牲者を出
し、作戦遂行や国防予算にも大きな問題を起こす」と、三百六十機に四百億ドル
も投じる同機の生産プログラムに懸念を示している。
海兵隊は二〇〇三年にもオスプレイ配備を開始し、早ければ〇五年の普天間配
備計画を進めている。米太平洋軍準機関紙の「星条旗」は、普天間基地に所属す
る隊員の不安を「(スキャンダルは)海兵隊に不信感を与えた。プログラムを維
持するのか、キャンセルするのか考えなければならない」(軍曹)と紹介。
(沖縄タイムス2001年1月29日)
軍用機の非「安全性」が実証される中、無責任体制の自衛隊は我関せずの飛行
再開。
一部の首長と議長からは「安全対策の実効性に疑問がある」「ブルーインパル
スが松島基地に所属する必然性が分からない」といった意見が出されたが「賛成
多数」で了承したんだそうで、安全に不安を持つ「少数者」への疑問には答えな
かったもよう。
神山庄一郎河北町議会議長「まったくすっきりしない。二度も事故が起きたの
にだれも処分を受けず、責任は個人に転嫁されている。われわれが問題視したの
は訓練全体の在り方だったのに、基地は事故を個別の問題にわい小化したのでは
ないか」
松島基地周辺自治体連絡協議会では、航空自衛隊松島基地所属のブルーインパ
ルスの飛行再開を了承した。ブルーインパルスのT4ジェット練習機2機は昨年
7月4日、牡鹿町の山中に墜落し、乗員3人が死亡。同3月にはT2機が女川町
の山林に墜落。藤木基地司令「精強な隊をつくり、任務を果たすためにも訓練は
必要。今回の事故を教訓に、安全性の確保に万全を期す」。松島基地は東北電力
女川原子力発電所が立地する牡鹿、女川両町と県が飛行再開を認めれば、ブルー
インパルスの飛行訓練を再開させる方針。
浅野史郎宮城県知事は5日午前、県庁で松島基地の藤木清勝司令と会談し、訓
練再開を了承することを正式に伝えた上で、人為ミスの再発防止と積極的な情報
提供を要請した。(河北新報 2001年02月01・05日)
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世間知らずの自衛隊とは違って、米軍は市民に嫌われれば、存在そのものが脅
かされ時代がきていることは重々承知。今は「精強な」軍隊づくりよりも「親し
まれる」軍隊づくりのほうが大事。それももはや無理なことを証明したのが、こ
のたびの原潜の不始末。どう転んでも人殺しの道具にしか使えない。
在日海軍もやってもやらなくてもいいNLPより、今最大の課題は「友好中
断」の解消。幸いなのはこの国の「対話と協調」路線。
三沢市が打ち出した「米海軍との友好中断」を受けて集まった米軍NLP5市
協議で、足並みをそろえたと思ったら、住民の賛成多数を利用して責任を回避し
た上で三沢市長が真っ先に友好再会。熱しやすくさめやすい性格もあるだろうけ
れど、「密室」でどんな蜜をなめあったのやら。あるいは月並みの「国防論」で
丸め込まれたか。
北海道にキティホークの入港を目指して艦船が大挙押し寄せているときに、
「本土」の住民の安全を守れればそれでいいとはあまりにも無神経。硫黄島なら
なぜ許されるのか、「本命」の三宅島でやるといったらどう返事するのか。キ
ティホークに帰ってもらって処分するしか「解決策」なんかあるわけがない。
以下主に東奥日報から
▽1月29日 神奈川で初の米軍NLP5市協議
在日米海軍が地元自治体の抗議を無視し三沢基地などで行っている空母艦載
機のNLP(夜間離着陸訓練)に関し、騒音に苦しむ三沢市など全国五市の市長
が二十九日、神奈川県大和市の同市役所で「NLP実施四基地関係市長意見交換
会」を開き対策を協議した。NLPに関し、関係自治体が一堂に会して協議する
のは初めて。他の関係市町村を含めた拡大会議の可能性も示唆。
会議は昨年九月のNLP強行に対し三沢市が打ち出した「米海軍との友好中
断」を受けたもの。岩国市長が鈴木市長に対し意見交換会開催を申し入れ、鈴木
市長が快諾。岩国市長が各市長に呼び掛け開催の運びとなった。
三沢市の冨田善作助役(市長代理)、野澤久人・東京都福生市長(横田基
地)、土屋侯保・大和市長(厚木基地)、見上和由・神奈川県綾瀬市長(同)、
井原勝介・山口県岩国市長(岩国基地)らが出席した。
非公開で意見交換した後(1)NLPは硫黄島で実施する(2)硫黄島が暫定
施設なら、他の方策を真剣に検討し実施に移す(3)今後、議会、他のNLP関
係市町や都県にも働き掛け、情報交換を密にして国などに要請するなど連携し対
応する−との共同声明を発表した。
呼びかけ人となった井原岩国市長は「国防上の必要性は承知しているが、一方
的に住民が犠牲になっている状況は耐えられない。われわれが一致して、国と米
軍に騒音解消を働きかけたい」と開催趣旨を説明。
大和の土屋市長は、国が噴火で全島民が避難している三宅島にNLPの代替訓
練施設を整備する方針をいまだに変えていない点について「非現実的で問題の先
送りのようなものだ」と指摘。「三宅」以外の解決策の必要性を指摘。(神奈川
新聞1月30日)
防衛施設庁によると、昨年のNLP実施状況は硫黄島六百三十 回、岩国四百
十回、三沢百九十回、横田七百八十回、厚木六百四十回。(中国新聞'01/1/30
)
東京都小笠原村が三沢市などに抗議
三沢市など全国五市の市長らが、NLPの硫黄島全面実施を求める共同声明を
発表したことに関連し、同島を抱える東京都小笠原村が三沢市などに抗議書を
送った。
小笠原村は過去に神奈川県大和市、東京都福生市に対し同様の抗議書を送ってい
るが、三沢市に届くのは今回が初めて。
宮澤昭一村長、稲垣勇議長連名の抗議書は(1)戦時中の強制疎開で故郷を離
れざるを得なかった旧島民は、今も帰れないでいる(2)玉砕の島として一万二
千余の遺骨が眠り、村は政府に対し、遺骨収集など戦後処理を求めている(3)
国防の必要性、基地周辺住民の気持ちを考え旧島民の理解を得て、暫定的措置と
してNLPが硫黄島に一部移転されることを了承した−などとこれまでの経緯を
説明。
その上で、「島の利用については当村が主体的に決定するもの」「このような
経緯があるにも関わらず、硫黄島実施を一方的に声明で求めることは容認できな
い」などとしている。
三沢市によると、共同声明を出した神奈川県綾瀬市、山口県岩国市にも同様の
抗議書が送られたという。三沢市の鈴木重令市長は「小笠原村として、暫定措置
ではあるが、島民の理解を得た上で訓練施設を受け入れていると理解しており、
市としては当然、硫黄島での訓練実施を訴えざるを得ない」とのコメントを出し
た。
硫黄島は東京から約千二百五十キロ、第二次世界大戦の激戦地として知られ、
戦後は米軍直接統治が続いた。一九六八(昭和四十三)年に日本に返還された
が、火山活動による地盤隆起を理由に旧島民の帰島は認められていない。海自・
空自基地があり、自衛官、基地建設関係者ら約四百人だけが住んでいる。
政府は三宅島にNLP訓練場を整備する計画を立てたが、島民の反対により断
念。代わりに暫定措置として硫黄島に専用の施設を整備し、九一年に訓練が始ま
り、九三年から本格使用。しかし昨年は、全離着陸回数の七六%(二千二十回)
を三沢など本土四基地で行い、周辺住民の反発を招いた。
2月5日 デモ飛行中止を示唆 厚木基地司令官
地元自治体が中止を求めている在日米海軍厚木基地の基地開放日の展示飛行
(デモフライト)について、同基地司令官のケビン・マクナマラ大佐は5日、大
和市の土屋侯保、綾瀬市の見上和由両市長とそれぞれ会談し、「太平洋艦隊司令
官、在日米海軍司令官もいろいろ検討しており、地域の事情を配慮した中で対応
が決定されるだろう」と述べ、中止にする可能性を示唆した。
在日米海軍厚木基地司令官のケビン・マクナマラ大佐は5日、大和、綾瀬両市
長を訪ね、県立高校の入学試験日に通常飛行を控えるなど、航空機騒音に関する
改善策を図る方針を伝えた。同基地司令官が着任や退任の報告以外に地元自治体
を訪れるのは極めて異例。
NLPの騒音激化を受け、昨年9月に米軍との交流を中断している大和市の土
屋市長は、司令官が基地開放日の展示飛行(デモフライト)中止を示唆したこと
に対して「次回のNLPが改善され、さらにデモフライトを中止することが交流
回復の条件だ」と提示。その上で「もしデモフライトが廃止されれば、次回の
オープンハウス(基地開放日)には私も市長として初めて出席したい」と述べ、
米軍の対応次第で友好関係を促進させる考えがあることも伝えた。(神奈川新聞
2月6日)
▽2月9日 17日から硫黄島でNLP、三沢は予備基地
米海軍三沢航空基地隊司令のリチャード・D・ハイ大佐が九日、三沢市の鈴木
重令市長を訪ね、十七日から二十六日まで硫黄島で米空母キティ・ホーク艦載機
によるNLP(夜間離着陸訓練)を実施し、同島の天候が悪い場合、予備基地と
して三沢基地などで訓練することを明らかにした。
硫黄島での訓練にはF14戦闘機、FA18戦闘攻撃機などが参加。天候等の事情
により同島で訓練ができない場合、三沢基地、厚木基地(神奈川県)、横田基地
(東京都)、岩国基地(山口県)で午後六時から十時まで、訓練を実施。所定の
訓練が完了しない場合は十時以降も行う。
ハイ大佐は九日午後に市役所を訪問。会談は非公開で行われ会談後、鈴木市長
が取材に応じた。市長によると、ハイ大佐は「訓練は硫黄島を主体に行う」など
と語り、これに対し市長は「予備基地だろうが実施基地だろうが、NLPにはあ
くまでも反対だ」と不快感を示したという。
市長は「大佐には『NLPを実施されると残念なこと(基地撤去要請)が生じ
る。NLPが実施されないこと、最悪の事態が生じないことを希望する』と伝え
た」と語った。
▽2月22日 NLP問題で米軍基地司令が"陳謝"、市長 「米海軍との友好中断」
再考
三沢市の鈴木重令市長は二十二日、米海軍艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)
強行に抗議し昨年九月から続けている「米海軍との友好中断」について、二十三
日に臨時庁議を開き再検討することを明らかにした。
米海軍三沢航空基地隊司令のリチャード・D・ハイ大佐が二十二日、市役所を
訪ね「硫黄島で全面的に実施するよう努力している」と在日米海軍の姿勢を伝え
理解を求めた。
大佐の訪問について市長は「NLPにはあくまでも反対」とした上で「考えが甘
かった−ということで反省、おわびに来たものと受け止めてもいいのではない
か」と友好中断を再考する理由を語った。会談は非公開で行われた。
2月23日 米海軍との“友好復活”結論出ず
三沢市は二十三日、「米海軍との友好関係一時中断」を再検討するため臨時庁
議を開いた。「市民の声を聞いた上で総合的に判断する」として「友好復活」
「中断継続」の結論を週明けに持ち越した。
庁議には三役、幹部職員ら二十人が出席、非公開で行われ、鈴木市長が終了後
に記者会見した。 鈴木市長が「今すぐ結論を出すことは控えるべき」との姿勢
を示したことから、庁議メンバーが土、日曜の二日間で市民の意見を聴取、二十
六日に再度、庁議を開き再検討することで一致した。
▽2月24日 NLP2日連続で中止
NLPについて米軍は二十四日、横浜防衛施設局などの問い合わせに対し、同
日に厚木基地(同県大和市など)で予定していた訓練の中止を伝えた。中止の理
由は明らかにしていない。また硫黄島でのNLPの予備基地となっている三沢基
地でも二十三日に続き二日連続で訓練が行われなかった。
米軍は二十三日から四日間、厚木基地で実施を予定していたが、二十三日も夜
になって中止を同施設局側に伝えた。大和市によると、予定日の初日から二日連
続の訓練中止は異例という。
米海軍厚木基地の夜間発着訓練、予定の4日間すべて中止。厚木基地で事前に通
告されたNLPがすべて中止になったのは、1993年に硫黄島暫定利用が本格
化して以降初めてという。(asahi.com/0226)
2月26日 三沢市が米海軍との友好再開
三沢市は二十六日、米空母艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)に抗議し、昨
年九月から続けてきた「米海軍との友好関係一時中断」を再検討する臨時庁議を
開き、五カ月半ぶりに友好関係を再開することを決めた。
庁議には三役、幹部職員ら約二十人が出席、非公開で行われ終了後、鈴木重令
市長が記者会見した。
市長は(1)在日米海軍司令官が、すべての訓練を硫黄島で実施するため最大
限の努力をする旨、表明した(2)米海軍三沢航空基地隊司令はNLPに対する
市民感情を十分理解し、友好関係再開に最大限の努力をしている−ことを挙げ
「条件付きで友好を回復する。ただし昨年九月に行ったような理不尽な訓練を
行った場合には、海軍撤去も辞さない姿勢で臨む」と述べ、同様の趣旨を文書に
して米海軍三沢航空基地隊に提出することを明らかにした。
その上で、NLPそのものに対しては「容認するわけでない。市議会が絶対禁
止を決議しており、今後も議会と歩調を合わせていきたい」として、今後とも三
沢基地での実施に反対していくことを強調した。
市は経済部管轄の商工・農漁業関係者、公共施設利用者ら五百人を超える市民
の意見を二十四、二十五日に聴取、連合町内会長、基地進入表面下町内会連合会
長らの意見も聞いた。「ハワイ沖で米海軍の潜水艦と衝突して沈没した実習船え
ひめ丸の件もあるので、様子を見た方が良い」との声もあったが、市民の声につ
いて市長は「意見聴取したうち九〇%は、復活しても差し支えないのではないか
との意見だった」と語った。
意見聴取の結果出た約一割の反対意見に関して、市長は「一〇%と言えども
(再開に)拒否反応があり、理解していただくよう努力していかねばならない。
今後の課題にしていきたい」との姿勢を示した。
交流再開の決定について基地周辺の住民でつくる三沢基地進入表面下町内会連
合会の玉川健五郎会長は「本来、国がやるべきことを市長が全国に発信し、現在
に至ったと評価する」と市の判断を尊重する考え。
同市に続いて米海軍との交流中断を表明している神奈川県大和市の基地対策課
は「三沢市の判断へのコメントは控えたいが、海軍が硫黄島でNLP実施を心が
けるとただ言っただけで、交流中断を見直す考えはない」と述べた。(朝日新聞
2月26)
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Keen Sword で海に落ちたF16捜索すること、3週間。よそが引き上げて「秘
密」が漏れる心配がないとわかってうち切り。海の藻屑と消えた兵士については
触れず。ハワイで潜水艦のほうが沈没していれば真っ先に駆けつけたであろう
「セーフガード」の「母港」は佐世保。これからも世話になっているはずの日本
の惨事には一歩も動かないだろう。
▽米救難艦が墜落したF16の残がい捜索
1月24日
米空軍三沢基地報道部に二十六日入った連絡によると、昨年十一月十三日、日
米共同統合演習中(Keen Sword exercises)に、米軍三沢基地第三五戦闘航空団
所属のF16戦闘機二機が空中衝突、北海道松前町・大島沖の日本海に墜落した事
故で、F16戦闘機二機の残がい捜索活動が、現場海域で二十四日から始まった。
捜索は米空軍の依頼を受けた米海軍救難艦「セーフガード」(三、二八二ト
ン)が水中音波探知機を使って行っている。救難艦は二十日八戸港に入港、三沢
基地から機材を積み込み二十二日出港していた。
2月15日
同航空団は十五日、米海軍救難艦「セーフガード」による現場海域の残がい捜索
活動を打ち切った。これまでの捜索で、事故機の残がいは何も発見されなかっ
た。
同航空団司令官のロイド・S・アターバック准将が太平洋空軍安全調査委員長
と協議。現場海域の天候、地形と今後の残がい発見の可能性を考慮したが、地形
が非常に複雑で、引き上げ作業の可能性は極めて低いと判断した。アターバック
司令官は「大島付近の海域は急こう配になっており、場所によっては水深八千
フィート(約二千四百四十メートル)の海域もある。残がいが発見されても引き
上げの可能性は低い」と述べた。
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ハワイで愛媛県の漁業実習船えひめ丸が沈没した事故で、衝突した米原潜に
乗っていた民間人が浮力を上げるレバーを操作していたと証言したことについ
て、斉藤斗志二防衛庁長官は16日の記者会見で「大変けしからん話だと思って
いますよ」と述べ、続けて「ぶったるんでいる!」と大声で怒りをあらわにし
た。防衛庁幹部は同日、「米国側がこちらに来るように促さなければいけない」
と語った。
(朝日新聞2月16日)
その「ぶったるんでいる」米軍と仲良く共同演習をするとのこと。そんな物騒な
軍隊の演習のために市民を巻き添えにするなどまったくもって「大変けしからん
話」。有事の備えは平時の危機。
2月23日 空自三沢と米空軍、太平洋上で共同訓練
航空自衛隊三沢基地の北部航空方面隊と米空軍は二十三日、三沢東方太平洋上
の訓練空域で日米共同訓練を行った。
訓練には空自三沢基地から北空司令部、第三航空団、北部航空警戒管制団、第
三・第六高射群、警戒航空隊、千歳基地から第二航空団が参加、米軍からは三沢
基地の第三五戦闘航空団が参加した。参加機は、約三十機。
2月24日 三沢基地のF16、米国演習参加へ
米軍三沢基地は二十四日、同基地第三五戦闘航空団所属のF16戦闘機十二機と
隊員約百五十人が、米国ネバダ州のネリス空軍基地で行われる演習に参加するた
め二十七日に三沢基地を出発する−と発表した。