Date: Fri, 23 Feb 2001 15:37:02 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 3618] [aml]「えひめ丸」に関する共同声明 [キャッチピース]
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 3618
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org
 

   (from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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 Date: Mon, 19 Feb 2001 23:05:04 +0900
 From: Kaz Tamaki <tamaki@ab.mbn.or.jp>
 Subject: [aml 20981] 「えひめ丸」に関する共同声明
 

皆様へ、
田巻一彦@脱軍備ネットワーク・キャッチピースです。
******************************
米原潜「グリーンビル」による「えひめ丸」
衝突事件に抗議する共同声明について
******************************
脱軍備ネットワーク・キャッチピース(事務所:横浜市)など全国52の市民団体は、
本日上記声明を発表するとともに外務省、米国大使館に提出しました。

● 共同声明には、原潜が寄港する佐世保、横須賀の市民団体を含む全国の基地を抱
える市民団体、平和運動団体、住民運動団体が連名しています。
● 米艦入港計画が続いている北海道の各地(函館・小樽・室蘭など)の市民からも
賛同が寄せられています。
● 民間人による発砲事件が起きた日出生台演習場周辺住民も賛同しています。

※共同声明は、行方不明者・船体の捜索収容の続行、真相の徹底糾明に加えて。日本
近海・領海における原子力潜水艦の行動禁止、寄港禁止を求めるとともに、米軍艦へ
の国内法の適用と民間港への入港禁止を求めています。

※今後キャッチピースなどは、情報公開法などをつかって原子力潜水艦の行動を明ら
かにしていくとともに、米軍艦への国内法の適用、民間港への入港禁止のための運動
をいっそう強化していきます。
※ご賛同くださった皆様、ありがとうございます。賛同署名運動はもうしばらく続け
ます。いっそうの拡大へのご協力をお願いします。
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***************
米原潜「グリーンビル」による「えひめ丸」衝突事件に抗議する共同声明

行方不明者と船体の捜索継続と収容を
真相・原因の徹底糾明、責任者の厳罰を
原子力潜水艦の行動の全容公開を
原子力潜水艦の行動と日本の入港の全面禁止を
民間港への米軍艦入港中止を

2001年2月19日
共同声明団体:別紙
代表連絡先;脱軍備ネットワーク・キャッチピース

 2月9日午後1時50分頃(現地時間)ハワイ・ホノルル沖で起こった米原潜グリーン
ビルによる愛媛県立宇和島水産高校の練習船「えひめ丸」に対する衝突事件は、私た
ちに激しい衝撃を与えました。
突然急浮上してきた原潜によって海に投げ出された乗組員、生徒35人のうち、9人が
未だ行方不明であり、家族の心痛は思って余りあります。

多くの民間船舶が行き交う海域で強行された緊急浮上は、当初報じられた「訓練」で
はなく、同乗した民間人のためのデモンストレーションであることが判明しました。
また浮上動作そのものに民間人が関与したことがほぼ確実になっています。アクティ
ブ・ソナーを用いた安全確認もなされていません。さらにグリーンビルは。海に投げ
出された人々を救出するための初動の行動をとりませんでした。事実が明らかになる
につれ、疑問が深まり、怒りが募ります。
行方不明者の一刻も早い救出とともに、今、求められるのは徹底的な事実経過・原因
・真相の究明でありそれらを余すところ無く公表することです。日本政府は米国政府
に対してそれらを要求するべきでありながら、私たちの目には、その姿勢はきわめて
不十分に見えます。事件の一報を受けたときゴルフに興じていた森首相は、それでも
プレーを中断しなかったと聞きます。国民の生命と安全、人権への認識そして外交感
覚の欠如に、あらためて憤りを覚えます。

私たちがすぐに思い出したのは、1988年7月横須賀でおきた「なだしお事件」でした
。海上自衛隊の潜水艦「なだしお」に衝突され、「第1富士丸」の乗員・乗客30人の
命が奪われたこの事件の時も「なだしお」の乗組員は波間で助けを求める人々に手を
さしのべることはありませんでした。
それどころか、海上自衛隊はその後の海難審判や裁判を自らに有利に運ぶために、偽
証工作や証拠隠滅工作など手段を選ばぬ行動をとったのです。
米国の潜水艦も事故を起こしています。81年には鹿児島県下甑(こしき)島沖の東シ
ナ海で、原潜「ジョージ・ワシントン」が愛媛県の貨物船「日昇丸」に衝突。日昇丸
は沈没し、乗員2人が行方不明になりました。この時「ジョージワシントン」は現場
にとどまることすらしませんでした。文字どおりの「当て逃げ」です。
これらの事件を生んだ構造に全くメスが入れられることなく、放置された結果が今回
の事件ではないでしょうか。
米海軍は「えひめ丸」の行方不明者と船体の捜索を早々とうち切ろうとしました。「
軍事機密」のベールが情報の適切な公開を妨げているように見えます。軍隊というも
のがいかに生命・人権に無関心な非民主的な集団であるか。過去の事件と同様、今回
もまた私たちはその事実を目の当たりにしています。  
このままでは真相は闇から闇へ葬られてしまうのではないかと心配です。

 米国の原子力潜水艦は、96年から2000年までの5年間だけでも260回、日本の港=ホ
ワイトビーチ(沖縄)・佐世保・横須賀に入港しています。事故を起こしたグリーン
ビルも98年7月から12月にかけて、横須賀に3回、佐世保、ホワイトビーチに各1回入
港しています。2000年を例にとれば、原子力潜水艦の入港回数は年間51回。すなわち
、少なくとも1年に102回、3日に一回は日本の領海において浮上・潜行の行動をくり
返し、多数の民間船舶が航行する、たとえば浦賀水道を通って出入りをしていること
になります。
さらに、日本の領海における原子力潜水艦の行動は、三つの港への寄港・停泊以外一
切明かされておらず、どこにいるのか、どのような訓練を行っているのかすら解りま
せん。原潜の行動海域付近では、多くの民間船舶が、そこに原潜が潜んでいることす
ら知らずに航行しています。ですから同種の事故は、日本の領海・近海でもいつ起こ
ってもおかしくありません。
原子力潜水艦は核トマホーク搭載能力も備えており、衝突事故は原子炉や核兵器の損
傷に直結し、甚大な放射能被害に発展する危険性をはらんでいます。

民間港への米軍艦の寄港がくり返されています。軍艦と民間船舶が、至近距離で同じ
海域を航行する状況が日本全国に拡大しています。米軍艦は日米地位協定第5条で水
先案内の同乗義務を免除されるという特権が与えられています。さらに、日本政府は
米軍艦に対して「海上衝突予防法」等の国内法令を適用していません。このような特
権が、米軍艦側に民間人の生命や人権、安全への配慮など基本的な事項に対して払う
べき善良かつ細心の配慮を怠らせていることを、誰が否定できるでしょうか。
在沖縄駐留軍調整官の知事や議会に対する侮蔑発言や、日出生台演習場での、民間人
による発砲事件、さらには沖縄で相次ぐ米軍人による刑事事件を見れば、米軍が日本
で行動するとき、日本の法令や民間人の安全などにどれほどの考慮を払っているのか
は、容易に推し量ることが出来ましょう。

くり返します。今回の事件は決して偶発的な出来事ではなく、軍隊の特権意識、民間
人の生命や人権を配慮することない船舶の設計・運用思想、さらにはそれらを放置し
てきた政治的外交的対応の欠如が複合した、構造的に起こるべくして起こった事件で
す。よって、私たちは、そのような構造が、解明され、痛ましい事件の再発を防止す
るための措置が完全に実施されるまで、原子力潜水艦はもとより、全ての米軍艦船の
日本領海及び近海における行動を厳しく制限することを、関係各方面に対して強く要
請するものです。

【要請事項】
◆米国政府及び海軍に対して
1)行方不明者及び「えひめ丸」船体の捜索と収容を責任をもって続行すること。
2)事故の原因・真相を徹底糾明し、調査結果を全面公開すること。
3)責任者の刑事責任を追及し、処罰すること。
4)事故再発防止策を策定し、全面公開すること。
5)民間船舶の安全のため、原子力潜水艦の行動形態、運航マニュアルを全面公開す
ること。
6)日本領海・近海における原子力潜水艦の行動形態・訓練海域を公表すること。
7)以上の措置が完全に行われるまで、太平洋地域におけるすべての原子力潜水艦の
行動、とりわけ日本への寄港を停止すること。
◆日本政府に対して
1)上記1)から7)を米国政府に強く求めること。
2)米国から入手した情報を、国民の前にあますところなく公開すること。
3)以上の措置の完全実施が確認されるまで、ホワイトビーチ、佐世保、横須賀への
原子力潜水艦の入港を無期限全面禁止すること。
4)米軍艦船に対して国内法を厳格に適用すること。
◆原潜寄港地である沖縄県知事、勝連町長、佐世保・横須賀両市長に対して
1)上記全事項を米国政府、米海軍、日本政府に要請すること。
2)原子力潜水艦の入港を無期限全面拒否すること。
◆全国の民間港の港湾管理者に対して
1)民間船舶、民間人の安全を確保するため、米軍艦入港を拒否すること。
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共同声明団体・個人(2月18日現在)
【九州】
市民ネットワークさせぼ
佐世保軍事問題研究会
鹿児島平和ネットワーク
姶良地区平和運動センター
くまもと市民センター
米軍基地と日本をどうするローカルNET大分・日出生台
ゆふいん女性のネットワーク・ひまわりの会
ともに生きる・風のがっこう(湯布院)
【中国】
ピースリンク広島・呉・岩国
広島キリスト者平和の会
トマホークの配備を許すな!呉市民の会
岩国市職労平和研究所
【関西】
関西共同行動
異議あり!思いやり予算・関西
反戦ドタバタ会議
【中部】
あいち反戦の会
平和と人権のための市民行動・静岡
映画「侵略」上映委員会(静岡)
竹内康人(浜松)
【神奈川】
非核市民宣言運動ヨコスカ
NEPAの会
原子力空母の横須賀母港を考える市民の会
女たちは今ヨコスカ
脱軍備ネットワーク・キャッチピース
相模補給廠監視団
沖縄“島ぐるみ闘争”に連帯し基地撤去を求める市民の集い実行委員会
名護ヘリポート基地に反対する会
平和をつくる大和市民の会
厚木基地を考える会
上瀬谷基地はいらないウドの会
子どもと教科書21神奈川の会
かながわ平和憲法を守る会
【東京】
非核自治体全国草の根ネットワーク
グリーンピースジャパン
地球の友ジャパン
日本消費者連盟
婦人民主クラブ
ピープルズ・プラン研究所
派兵チェック編集委員会
平和に生きる権利の確立をめざす懇談会
原水爆禁止調布市民会議
福生市民連合
基地はいらない!女たちの全国ネットワーク
沖縄の反基地闘争に連帯し、「有事立法」に反対する実行委員会
戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国Fax通信
アジア連帯講座
国連・憲法問題研究会
沖縄を考える市民の会
【千葉】
産廃反対東総住民連絡会
【北海道】
非核・平和函館市民条例を実現する会
平和宣言の実効をめざす会(室蘭)
小樽・非核平和市民条例を求める会
原発いらない!小樽市民の輪
小樽ひめゆりの会
市民ネットワーク北海道
「一歩」の会
花崎皋平(小樽)

以上52団体2人

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田巻一彦
tamaki@ab.mbn.or.jp
tel/fax 045-531-1341
223-0065 横浜市港北区高田東3-38-15
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