前田 朗＠歴史の事実を視つめる会、です。
２月２２日
１） ＩＣＴＹ（旧ユーゴスラヴィア国際刑事法廷）のプレスリリース
（JL/P.I.S/563-e）によると、２月２２日午後２時、ＩＣＴＹ第二裁判部がフォ
ツァ事件（Foca case）について判決を言渡します。
２） フォツァ事件は、１９９２年にセルビア軍が、サラエヴォ南東のフォツァ
という町とその周辺を占領し、多数のムスリム人、クロアチア人住民を逮捕し、
男女を分離して別々に拘禁し、拘禁施設や家屋に違法監禁を行い、殺害したり殴
打したり、性暴力を加えた事件です。川口博「旧ユーゴスラビア紛争」内海愛
子・高橋哲哉編『戦犯裁判と性暴力』（緑風出版、２０００年）に紹介されてい
ます。女性たちは軍の施設、学校、家屋、アパート等に監禁されて長期間にわた
って被害を受けています。
３） １９９９年１２月１日付の起訴状によると、クナラッチ、コヴァッチ、ヴ
コヴィッチが起訴されています。クナラッチは、９２年６月から９３年２月まで
ボスニア・セルビア軍特別偵察部隊指揮官で、部下たちの性暴力を知っていた
し、知るべきであったという上官の責任、および本人も強姦をした個人の刑事責
任で起訴されています。コヴァッチは、憲兵隊副隊長で、民間人の不法逮捕監禁
と女性にたいする性暴力で起訴されています。ヴコヴィッチは、憲兵隊副隊長
で、特に少女たちの強姦と性的虐待で起訴されています。
４） 裁判は２０００年３月２０日に始まり、３３人の証人、１３２点の証拠が
調べられ、２０００年６月１３日に検察側立証が終わりました。
５） 被告人らは６月２０日に一部の訴因の撤回請求をしました。７月３日、裁
判所は、一部についてこれを認めました。弁護側立証は７月４日に始まり、９月
２０日に終了しました。２９人の証人、１７４点の証拠が提出されました。
６） １１月９日、検察官が最終弁論。１１月１３日、弁護人最終弁論。
７）裁判官は、ムンバ裁判長、ハント裁判官、ポカール裁判官。検察官は、リネ
ヴェルト、ペギー・クオ、ヒルデガルト・ユルツ＝レツラフ。