Date: Wed, 14 Feb 2001 23:52:31 +0900
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From: Urata Ryuji <yufukiri@fat.coara.or.jp>
Subject: [keystone 3580] 日出生台:米軍が民間人に砲撃させた事件の続報
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大分県日出生台での米海兵隊の実弾砲撃訓練の公開訓練で、
米軍が民間人に砲撃をさせた事件の続報です。

米軍はいまだ一言の釈明もなし。

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大分合同新聞2001年2月1日(日)朝刊

りゅう弾砲発射させる
公開中、地元関係者に
県「極めて遺憾、防止を」

日出生台演習場で実施されている在沖縄米軍による実弾砲撃訓練で、
地元自治体関係者らに訓練が公開された9日、米軍側が参加した
一部の地元関係者に155ミリりゅう弾砲を発射させていたことが
10日までに分かった。福岡防衛施設局では、「不適切な行為」として、
同日、米軍側に再発防止を申し入れた。一方、県は「極めて遺憾な
行為」として11日、県と玖珠、湯布院、九重三町でつくる「日出生台
演習場問題協議会」を開き、同施設局と米軍に再発防止などを申し入れる。

同施設局現地対策本部によると、9日の砲撃訓練公開には、
県と地元の玖珠、湯布院、九重三町のほか、近隣市町などから役場職員など
関係者と地元区長ら67人が参加。同施設局職員十数人が案内役、通訳として
同行した。指揮官のジョーン・オーヘイ中佐から訓練概要の説明を
受け、質疑応答のあと、三班約20人ずつに分かれ、砲撃の模様を見学した。

三班はりゅう弾砲の発射地点、レーダー施設、射撃指揮所の三地点をそれぞれ
回った。発射地点では、ヘルメットに防弾チョッキを着けて4門の砲の近く
まで行き、海兵隊員の説明を受けた。砲弾を装てんし、発射するまでをすぐ
そばで見学したという。

同施設局によると、りゅう弾砲の射撃角度の設定や砲弾の装てん、弾薬の
挿入など射撃のための一連の手順が終了し、安全を確認した後、
海兵隊員が一部の参加者に砲を発射するひもを引かせた。詳しい状況は
調査中だが、近くで発射するところを目撃した施設局職員もいるという。

この事実は参加者からの指摘で発覚した。同施設局現地対策本部の
広瀬行成本部長は「日本人が米軍の大砲を撃つのに参加する行為は
社会通念上、適切ではなく、(米軍が)こうした行為をさせてしまった
ことは不適切」と話している。広瀬本部長は同日、オーヘイ中佐に口頭で
「やめていただきたい」と申し入れ、同中佐は了解したという。

地元関係者への訓練公開は、1回目の1999(平成11)年から毎年、
訓練期間中に実施されている。過去2回の訓練公開では、やや離れた
地点で射撃を見学させたが、今回、米軍側は砲のすぐ近くまで行かせ、
丁寧な説明があったという。

県は「考えられない行為で極めて遺憾」としている。市橋保彦総務部長は
「訓練が3回目を迎え、慣れや気の緩みを一番心配してきたが、今回の
米軍の行為は、そうした面が出たとも受け止められる。再発防止や
安全確保の徹底を要望したい」と話している。

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大分合同新聞2001年2月12日(月)朝刊

玖珠町議ら3人が関与

りゅう弾砲発射

在沖縄米軍による日出生台演習場での実弾砲撃訓練で、米軍側が公開訓練を
見学した地元自治体関係者に155ミリりゅう弾砲を発射させた問題で、
県、玖珠、湯布院、九重三町でつくる「日出生台演習場問題協議会」(四者協)
はの帯刀将人副知事らは11日、福岡防衛施設局現地対策本部を訪問、
事実関係の説明や米軍司令官への規律保持要請などを申し入れた。
一方、りゅう弾砲の発射にかかわっていたのは、少なくとも玖珠町の
町議会議員2人と住民1人であることが分かった。

「県民感情を刺激」
四者協、施設局に抗議

申し入れ書は「今回の事案は米軍訓練に対する県民感情を刺激する行為で、
地元住民の不安解消、安全確保に努める地元自治体にとって誠に遺憾な
事態」とし、(1)詳細な調査と説明(2)米軍司令官への厳正な規律保持
申し入れ(3)再発防止への措置と情報の早期、正確な伝達の徹底-を
求めている。

一方、同施設局現地対策本部では、帯刀副知事と玖珠、九重、湯布院の三町長
らが、戸田量弘・同施設局町を訪れた。申し入れは非公開だったが、帯刀
副知事によると、戸田局長は「たいへん耳の痛い話であり、県、三町、県民に
不安を与えて申し訳ない。事実関係を明らかにしていきたい」と答えたという。

その後、記者会見した戸田局長は「何人が発射のためのひもを引いたかなどは
調査中で、現時点では申し上げられない。早急に調べ、可能な限り、県、地元
三町にお伝えしたい」と話した。

誘いにのって・・・
「見学か実習かわからず」

地元自治体関係者や四者協の話を総合すると、見学者による発射操作が
あったのは三班に分かれたうちの一班で、玖珠町関係者(役場7人、
町議12人、自治委員4人)が大半を占めていた。5〜6人のグループに
分かれ、ヘルメットと防弾チョッキを着けて、発射地点を見学。
りゅう弾砲の射撃角度の設定や砲弾の装てん、弾薬の挿入法などの説明を
受けた。海兵隊員が射撃操作の一連の手順を終了し、安全を確認した後、
英語とジェスチャーで「(発射するためのひもを)誰か引っ張らないか」
などと誘ったという。「近くで見守っていた住民の一人が最初にひもを
ひいて一発目を放ち、続いて、同じグループの町議が二発目を発射。違う
グループで見学していた別の町議も隣の砲でひもを引っ張り一発を発射した」
と関係者。

これを知った福岡防衛施設局の職員がその場で海兵隊員に注意し、
りゅう弾砲の見学は終了した、と話している。

参加した玖珠町議は「福岡防衛施設局の職員は顔色を変えて抗議していた。
それまでの雰囲気ががらりと変わった」。実際に、りゅう弾砲を発射した
町議の一人は「海兵隊員と一緒に、勧められるままにひもを引いたら
発射した。弾は入っていないと思っていた」と説明している。

また参加者は「見学なのか、それとも"実習"なのか分からなかった。
海兵隊の誘いに乗って発射したことは軽率だったと言わざるを得ない」と
話している。

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銃刀法違反など
国内法は適用されず

日出生台演習場は日米安保条約に基づく日米地位協定で「日米共同施設」と
され、米軍が使用できることになっている。
"民間人"に米軍の155ミリりゅう弾砲を発射させたことについては「日米
地位協定で米軍の訓練期間中は、演習場内が米軍施設とされ、国内法は
適用されない」とする見方が有力。福岡防衛施設局は「県警も調査している
段階であり、はっきりしたことは言えない」としている。

一方、前田哲夫・東京国際大教授(軍事評論家)は、「自衛隊の場合だと、
撃った方も撃たせた方も銃刀法による処罰の対象となる。しかし、日出生台
演習場での米軍訓練では、日米地位協定により、米側の排他的管理権が
生じており、日本人に被害が及んだりしない限り、日本の国内法は立ち入る
ことができない」という。

さらに前田教授は、「大砲は凶器であり、まして外国人に撃たせるなんて、
どう考えてもおかしな話だ。米軍にとっても(民間人に撃たせることが)
合法的とは思えない」と話している。
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きょう訓練の中止申し入れ
日出生台対策会議

社民党大分県連合、県平和運動センターなどでつくる「日出生台対策
会議」(浜田博議長)は11日、緊急会議を開き、「地元住民が不安に
感じている中で、異常事態が起こった」として米軍側に即時の訓練中止を
求めるよう福岡防衛施設局に申し入れることを決めた。

重野安正代議士ら地元国会議員、県議らが12日、現地対策本部を訪れて
抗議。県に事実関係を調査するよう申し入れる。
さらに「日米地位協定16条(日本法令の尊重義務)と第17条(刑事裁判権)
により、銃刀法違反に当たる」として、県警に徹底した調査をするよう
要請する。

住民グループも

住民グループ「米軍基地と日本をどうするローカルNET大分・日出生台」
(事務局 湯布院町)は12日、福岡防衛施設局と米軍に抗議し、
実弾砲撃訓練の即時中止を求める。

同ネットは「米軍と地元自治体関係者のモラル、緊張感の欠如は事件、事故に
つながりかねない」としている。

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