名護ヘリポート基地に反対する会（事務局・横浜）の原です。
アール・ヘイルストン中将の中傷メール問題で、
以下の要請書を本日、郵送とＦＡＸで提出しました。
２００１年２月１３日
森喜朗内閣総理大臣様
ジョージ・ブッシュ米大統領様
名護ヘリポート基地に反対する会
アール・ヘイルストン四軍調整官の暴言に対する日米両政府の対応に抗議し、
米海兵隊の撤退と新たな基地建設の断念を求める要請書
在沖米軍の最高責任者であるアール・ヘイルストン四軍調整官が、部下にあて
た電子メールで、稲嶺沖縄県知事、伊良皆沖縄県議会議長、吉田金武町長らを
「頭の悪い弱虫」などと中傷した一連の問題について、政府は、当事者意識に欠
けるその対応について厳しく問われなければならない。
朝日新聞によれば、６日夜、記者団に政府の対応を聞かれた森首相は、「訂正
されたじゃないですか。それでいいじゃないですか」などとまるで他人事のよう
に答え、沖縄県民の受けている痛みにいかに鈍感であるかを露わにしている。７
日の沖縄タイムスの記事では、森首相の衆院での答弁について、「米軍との同盟
関係への配慮が目立ち、基地問題を背負わされた県民への配慮は感じられなかっ
た」とされている。８日のアール・ヘイルストン四軍調整官の謝罪を受けて、橋
本沖縄担当相は「早く誤った方がいいと思っていた。ある意味では安心」と発言
しているが、事態がこじれないようにという政治的な思惑が先にあり、名指しで
侮辱された人たちをはじめ、沖縄県民の受けた傷を理解しようとする意志が感じ
られるものでは全くない。踏みにじられた心の傷は、一時の謝罪で癒されるもの
ではないのである。安心している場合ではない。
電子メールの内容は、軍隊の本質がよく表れたものと言える。いかに軍隊が人
を傷つけるものであるか、反平和的なものであるか、図らずも証している。この
問題は、基地のあるがゆえに必然的に行われる暴力と通底する、軍隊の非人間性
が露呈されたものであると同時に、米軍に基地を提供しているのが日本政府であ
る以上、まぎれもなく日米の政治問題なのである。政府は、当事者として責任あ
る対応をとるべきであり、 永田町で傍観していてはならない。
米政府の対応も、無神経である。米国防総省のクィグリー報道官は６日、「彼
（アール・ヘイルストン四軍調整官）が現在の職務に任命されて以来、払ってき
た努力と、熱心な働きぶりには幅広い支持がある」などと弁護した上で、国防総
省として、解任、けん責を含め、一切の処分を考えていないことを明らかにして
いる。電子メールは、「私的な」ものとされているが、「これはお願いではなく
命令だ」として送られていることからも、公的な意味合いが強いものと思える。
米政府も、まさしく当事者であることが確認されなければならない。稲嶺知事ら
について、「扇動的」な県議会決議を「何もしないでやり過ごした」とし、「頭
の悪い弱虫」と断じた上で続けていこうとされる、「ダメージの残った」海兵隊
を「救う」ための「努力」が、いかに命の尊厳を軽視するものであるか、想像に
難くない。アール・ヘイルストン四軍調整官ら率いる軍隊が行うのは、人の命を
脅かし、奪うための「努力」に他ならない。米軍の存在そのものが、沖縄県民の
心に深い傷を負わせ続けていることを知るべきである。
私たちは、次のことを強く求める。
一.沖縄県知事をはじめ沖縄県民に、問題の当事者として公式に謝罪すること
一.米海兵隊の撤退に向けた取り組みに、直ちに着手すること
一.名護市辺野古沿岸域における基地建設を断念すること