From: "NAKADA Hiroyasu" <nakada_h@jca.apc.org>
To: "keystone" <keystone@jca.apc.org>
Subject: [keystone 3460] 転載:欧州での劣化ウラン関連情報(5遍)
Date: Sun, 7 Jan 2001 21:50:13 +0900
X-Priority: 3
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 3460
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

仲田です。
劣化ウラン問題の転載です。

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 欧州で「バルカン症候群」が大きな問題になっていることに、国防総省での記
者会見で質問が集中。長いのでここではハイライトだけ転載。全文(目を通す価
値あり)は
http://www.defenselink.mil/news/briefings.html
から、以下の日付のものを見て下さい。

 イタリアが劣化ウラン弾のモラトリアム(つまり使用停止)を要求しているが
と尋ねられて、ベーコン報道官(「テレビより安全」男)は、これを拒否。なぜ
なら劣化ウランは2つの点で「米軍兵士を守っている」から。一つは湾岸戦争で
劣化ウラン弾は装甲車を完全に破壊した。一方で劣化ウランの装甲を施した戦車
は、「ただの1台もイラク軍に破壊されなかった」と。

 なぜ欧州で劣化ウランがこんなに問題になっていると思うかと聞かれて、報道
官は「ミロセビッチの陣営の作っているホームページを見てみろ。劣化ウランの
ことばかりだ」と、欧州がサダムとミロセビッチの宣伝に踊らされていると陰謀
説を展開。冷戦時代に「反核運動は後ろにソ連がいる」と言っていたのと同じパ
ターン。
 どんな組織や個人でもそうですが、いったん陰謀説にはまってしまうと真相究
明どころか、なんでも「陰謀」のレッテル貼りで「解決」してしまうので目を覚
ますのが大変。問題は拡大しそう。
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DoD News Briefing
Mr. Kenneth H. Bacon, ASD PA
Thursday, January 4, 2001 - 3:00 p.m. EST
 

Q:  One more question.  The Italians have called for a moratorium on the use
of depleted uranium munitions.  Is that something that the United States
would consider doing?
Bacon:  We don't see any health reasons to consider a moratorium at this
stage.  We will work with our allies, as I said, in health studies, but we
see no reason to consider a moratorium now.
>From our standpoint, depleted uranium saves lives of soldiers in two ways.
One, it increases the kinetic potential and destructive potential of both
tank rounds and A-10 rounds in use against armor. And two, it provides better
armor protection to our tanks.
Not one tank, not one American tank protected by armor containing depleted
uranium was killed, so to speak, by an Iraqi tank during Desert Storm.
Yes?

Q:  Related to that question, has the Pentagon made any assessment as to why
it seems there's suddenly this huge outcry in Europe about the issue?  And do
you think it could be aimed at forcing the U.S. and NATO to give up depleted
uranium projectiles and armor?
Bacon:  Well, you know, there has been a very concerted campaign against
depleted uranium by our enemies, first Saddam Hussein, and second, Slobodan
Milosevic.  And if you log on to Serb web sites, particularly the Serb web
sites that were put up by the Milosevic (inaudible) during the war, Operation
Allied Force, you will see a lot of ranting about depleted uranium.  We don't
think that it reflects the science at all, but it's there.  And I don't know
whether this type of emotionalism has infected other countries or not.
I also think that whenever a soldier is sick, there is an understandable
effort to find out why and to try to figure out if some terms of his service
or her service contributed to the illness.  And there may be some of that
going on there.
We have been cooperating with our allies on this.  We have given them a
substantial amount of information.  All our studies are available on the Web
[ <a href="http://www.gulflink.osd.mil/du_index.htm">http://www.gulflink.osd.
mil/du_index.htm</a> ].  You can look at them; anybody else can look at them.
They aren't in Italian, but Italians can read them in English. And we are
prepared to work, through NATO, on this issue and to make all our research
available.  What we're asking people to do is to look at the science.
 

Forwarded by NOMURA; Osami <peace-st@jca.apc.org>
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Date: Sat, 06 Jan 2001 00:26:24 +0900
Subject: Re[5]: 欧州でDU症候群調査
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 ベルギーでは派遣された兵士の一割以上が病気に。陰謀や「気のせい」にする
にはあまりにも高い数字です。フランス国防相はDUと「症候群」は因果関係があ
るとの結論。
 湾岸症候群の場合は、イラクの化学兵器が「主犯」でないかと考えられたりし
ましたが、バルカン症候群との共通原因と考えられるのは劣化ウラン弾くらいし
かないからです。ベーコン報道官は、「白血病の原因は喫煙だ。被曝によって白
血病になることはない」と新説?を唱えていましたが、突っ込まれると「私は科
学者でない」と逃げをうっていました。

 これを欧州の対岸の火事と見ていると日本も大変なことに。今度は「周辺事態
症候群」の番だ。日米共同演習だって安心できない。アメリカの使用する兵器に、
米軍自身も気が付かない化学物質が使われており、これが原因ということも考え
られるから。演習どころか、在日米軍が何か物騒な物質を保存している可能性も
ある。これが漏れ出したり、火事などで周辺にまき散らされたら?しかし今のと
ころ日本からはそういう懸念は全く聞こえてこない。

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産経2001.01.05

■バルカン症候群 仏軍兵士4人も白血病
劣化ウラン弾因果関係 NATOに説明要請

 【パリ4日=山口昌子】フランス国防省は四日、旧
ユーゴスラビア紛争に北大西洋条約機構(NATO)
軍の枠組みで派遣された仏軍兵士の四人が白血
病にかかっていることを明らかにすると同時に、米
軍が使用した劣化ウラン弾が関係しているとの見
解を示した。この問題では、イタリア政府が三日、
旧ユーゴからの帰還兵士六人が白血病で死亡した
ことを公表しており、事態を重視した仏伊政府は、
九日のNATO緊急会議で米国に因果関係を説明
するよう要請する。

 仏国防省のビュロー報道官によると、白血病に
かかっている仏兵士四人は、いずれもバルカン地
域に駐留していた。報道官はまた、NATOがこうし
た「バルカン症候群」と劣化ウラン弾との関係を否
定している点について、「われわれの調査では非
常に(関係が)近いとの結果が出ている」と述べ、因
果関係があるとの見方を示した。

 リシャール仏国防相も四日、「フランスもイタリア
の要請に同調して、米国にこの問題に関してオー
プンにするよう要請する」と述べ、イタリアが先に要
請した九日のNATO緊急会議にNATOの全加盟
国が参加するよう呼びかけた。

 イタリアでは六人の兵士が白血病で死亡したこと
を受け、アマート首相が「NATOは真実を言うべき
だ」と述べ、米国の態度を非難している。ベルギー
でも一万二千人の兵士が旧ユーゴ紛争に派遣され
たが、約一千六百人が「さまざまな病気や健康問
題をかかえている」(ベルギーのフラオー国防相)と
いう。

 NATOはこれまで、「劣化ウラン弾と深刻な健康
問題のつながりになんら科学的根拠はない」との
公式見解を発表し、因果関係はない、との立場を
取っている。

 仏国防省によると、劣化ウランは微小の放射能
を含んでいるが、重い物質であるため慣性エネル
ギーを増加させ、弾薬に使用すると貫通力が増し
て装甲車などへの破壊力が増大する。米軍は湾岸
戦争で初めて劣化ウラン弾を使用。ボスニア紛争
(九四、九五年)では一万一千発、コソボ紛争(九九
年)では三万一千発の劣化ウラン弾が使用され
た。

 また湾岸戦争後、米英の参戦兵士約十万人が、
健康を害しており、「バルカン症候群」の発生ととも
に、改めて「湾岸戦争症候群」も調査、研究の対象
になるとみられる。
 

Forwarded by NOMURA; Osami <peace-st@jca.apc.org>
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Date: Sat, 06 Jan 2001 23:32:40 +0900
Subject: 欧州でのDU禁止機運
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 中国新聞がこのような記事を掲載するのは、かつて劣化ウラン弾禁止のキャン
ペーン記事を連載(
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/index.html
でそれが読めます)したからです。

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劣化ウラン弾 禁止機運、欧州で高まる

中国新聞'01/1/6

 ■NGO積極的に活動

 「放射能兵器」である劣化ウラン弾使用への批判がイタリア、ス ペインなど欧
州各地で急速に高まっている。背景には、ボスニア・ ヘルツェゴビナ、ユーゴス
ラビア・コソボ自治州に国際平和維持軍 として派遣された帰還兵に、白血病など
で死亡するケースが目立っ ているからだ。(田城 明)

 一九九八年のコソボ紛争では、北大西洋条約機構(NATO)軍 の主力である
米空軍が、コソボ地区に三〇ミリ砲弾、約三万一千個の 劣化ウラン弾を使用した
ことを認めている。特にイタリア軍が駐留 するコソボ南西部などで、ユーゴスラ
ビア軍戦車などを標的に集中的に投下された。

 人体への影響は、既に九一年の湾岸戦争で米・英両軍がイラク軍 戦車に対して
使用、戦場となったイラク南部の子どもたちやイラク 軍退役兵らに白血病、その
他のがんが多発していることで知られて いる。米・英・カナダなど多国籍軍の退
役兵にも、深刻な健康障害 をもたらし、多くの死者が出ている。

 最大の劣化ウラン弾輸出国である米国の国防総省は、人体への影 響をかたくなに
否定し「将来も使用する」としている。

 しかし欧州では、フィンランドの環境大臣が昨年五月、欧州連合 (EU)内の
各国環境相あてにいち早く使用禁止を呼びかけた。十 一月には英国やスペインで、
非政府組織(NGO)による劣化ウラ ン弾の人体・環境への影響に関する国際会
議が相次いで開かれ、製 造・使用禁止を求める機運は欧州全域で高まっている。

 今後、劣化ウラン弾の使用をほとんど知らされていないコソボ自 治州に住むア
ルバニア系住民、同地域で支援活動を続ける各国NG Oの人たちの健康問題もク
ローズアップされるだろう。

 《劣化ウラン弾》核兵器や原発用の濃縮ウラン製造過程で生まれ る大量の劣化
ウラン(U238)は、鉛より約一・七倍比重が重 く、摩擦熱による発火力も高
い。この物質を弾しんに利用し、主と して対戦車砲として開発された放射能兵器。
発火の際に放射能を含 んだ微粒子が大気中に飛散。劣化ウランの持つ強い毒性と
併せ、人 体に悪影響を与え、環境汚染を引き起こす。

 【写真説明】劣化ウラン弾で破壊されたソ連製の戦車に上がって遊ぶ近所の少
年。近くには住宅が立て込んでいる。(コソボ・ジャコバ市)
 

Forwarded by NOMURA; Osami <peace-st@jca.apc.org>
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Date: Sat, 06 Jan 2001 23:32:45 +0900
Subject: コソボ住民への健康調査
---
 このUNEPのコソボでの劣化ウラン弾のレポート
the Balkans Task Force report on Depleted Uranium (October 1999):
The potential effects on human health and the environment arising from
possible use of depleted uranium during the 1999 Kosovo conflict, 76
p.(du_final_report.pdf, 590KB).

http://www.unep.ch/balkans/_files/du_final_report.pdf
からPDFファイルとして入手できますが、今となっては古いし、当時としても十分
な情報に基づくものでない。

 現在このフォローアップとしてUNEPは2000年11月にも現地でDUが使用さ
れた地点で土壌やDU弾破片などを持ち帰り、現在分析中で今年の3月には分析結
果が公表されるとのこと。この件についてのUNEPのプレスリリースが
http://www.unep.ch/balkans/press/press010105.html
に。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

2001年1月6日(土) 13時0分

<劣化ウラン弾>コソボ住民への健康調査の検討開始 UNMIC(毎日新聞)

 【ブリュッセル5日森忠彦】ユーゴスラビア連邦コソボ自治州からの報道によ
ると、国連コソボ暫定統治機構(UNMIC)のクシュネル代表は5日、国連の
世界保健機関(WHO)の幹部らと会談し、コソボ住民への健康調査の検討を始
めた。

 同機構によると「コソボ紛争後、住民に白血病やがんが多発しているという証
拠はない」(報道官)としているが、自治機能が確立していないコソボでこれま
で住民の健康検査が行われたことはない。

 WHOは湾岸戦争後にもイラク住民への健康状況を調査した実績があり、国連
環境計画(UNEP)の環境調査に続いて、コソボ住民を対象とした健康調査が
始まる可能性が出てきた。
 

[毎日新聞1月6日] ( 2001-01-06-11:51 )
 

Forwarded by NOMURA; Osami <peace-st@jca.apc.org>
---------------- Original message follows ----------------
Date: Sat, 06 Jan 2001 23:37:29 +0900
Subject: Re: コソボ住民への健康調査
---
>
> 現在このフォローアップとしてUNEPは2000年11月にも現地でDUが使用さ
>れた地点で土壌やDU弾破片などを持ち帰り、現在分析中で今年の3月には分析結
>果が公表されるとのこと。この件についてのUNEPのプレスリリースが
>http://www.unep.ch/balkans/press/press010105.html
>に。
>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>
 と書きましたが、この中間報告?が発表されているようです。

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東京新聞2001年1月6日(土)
【国際】コソボで放射能検出 国連確認

【ニューヨーク5日真能秀久】国連スポークスマンは五日、ユーゴスラビア・コ
ソボ自治州で北大西洋条約機構(NATO)軍が劣化ウラン弾を投下した地点で、
自然環境より高いレベルの放射能が確認されたことを発表した。

 国連環境計画(UNEP)は昨年十一月、NATOが作製した地図を基に、劣
化ウラン弾が使用された百十二地点のうち十一地点で土や水、植物の三百四十標
本を採取した。このうち、八地点の標本から高いレベルの放射能を検出した。

 劣化ウラン弾と健康被害の因果関係は不明だが、UNEPは劣化ウラン弾が使
用された地点での行動や周辺の水の使用に警戒を呼びかけている。本格的な分析
調査は英国やイタリアなど五カ国の研究施設で行われており、最終結果は三月に
もまとめられる予定。

 国連は昨年五月の報告書で、劣化ウラン弾が着弾した周辺の地下水が汚染され
ている可能性を示唆。国連要員に対し、劣化ウラン弾が使用された地点に近づか
ないよう警告していた。
 
 
 

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仲田博康
nakada_h@jca.apc.org



 
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