島川です。
アメリカ国務省のサイトにある「秘密解禁文書データベース(Document Collections:
Declassified State Departments Documents)」で、サーチが機能するように
なっています。キーワード検索に加えて年月日の範囲指定もできるので、使
いやすいと思います。
<http://foia.state.gov/vstateSearch.asp>
「State Department Collection」に現在収録されている文書の総数は16,637。
1940年1月1日から2000年12月31日までが範囲で、例えば「japan」を入れてみ
ますと、総数は627で80年代以降が多くなっています。
1940-59: 23
1960-69: 27
1970-79: 96
1980-89: 324
1990-99: 179
2000 : 0
このサーチ・ページで同時に検索できるCIA文書などを含めると総数で50,734、
japanでは1,149となります。ほとんどがPDFファイルのようですが、大きな
物もあり、今の例で言えば文書中に一語でもjapanがあればひっかかってく
るので、必要な資料に素早く到達するためには、サーチの技術あるいは根気
の見せ所、というところでしょうか。
クリントン政権の最後までに何とか形をつけた、というところでしょう。
しかし、収録分野に偏りがあるなど、これからの質量の充実、システムの改
良が望まれるところです。
そもそもの「秘密解禁文書公開」の一般的手段である、紙の「Foreign Relations
of the United States」のWeb収録*も進んできており近くにはジョンソン政
権期の「XXIX, Korea」の巻がアップされました。これには日韓関係やプエ
ブロ号事件についての資料も含まれています。しかし全体としては、そのス
ピードは今ひとつというところでしょうか。60年代末期以降については紙の
編集刊行自体が遅く、また誰でもが米国政府公文書館などが所蔵する現物に
アクセスできるわけではないので、先のFOIA文書データベースが期待される
ところです。
*<http://www.state.gov/www/about_state/history/frusonline.html>
しかし現時点においても、紙でもWebでも膨大な数量があり、公開文書のデー
タベースである「PDQ」*と合わせると、国務省関連だけでも途方もない量に
なります。
*<http://usinfo.state.gov/products/pdq/pdq.htm>
米国政府公文書館も「NAIL Digital Copies Search Form」*を始めており、
各大統領毎の「Presidential Library」**と連携していくつかの政権の国家
安全保障会議(NSC)文書などを収録しており、有用です。
*<http://www.nara.gov/cgi-bin/starfinder/0?path=images.txt&id=demo&pass=&OK=OK>
**cf.<http://www.nara.gov/nara/president/address.html>
NSC文書公開の現状については、FASに概略*があります。1970-80年代では、
フォード、レーガン政権のものはここでも入手可能です。
*<http://www.fas.org/irp/offdocs/direct.htm>
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島川雅史 mshmkw@tama.or.jp
mshmkw@jca.apc.org
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