こんにちは、浜田です。沖縄泡瀬干潟に関する緊急の要請行動のお願いです。
日本湿地ネットワーク代表の辻淳夫さんのメッセージを、本人の了解を得て転載
します。なお、原文の丸数字をかっこ付き数字に変更しました。
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みなさま
辻 淳夫 @日本湿地ネットワークです
沖縄泡瀬干潟がいよいよピンチのようです。
泡瀬の干潟で遊ぶ会の水間八重さんから要請が届きました。
諫早に続いて、緊急の要請行動をお願いしたいと思います。
方法として
(1)琉球湿地ネットワークの緊急要請に賛同する旨を意思表示する
団体、個人名を 砂川かおり kaorisuna@hotmail.com さんへ送る。
要請文書準備中
(2)日本湿地ネットワークの緊急要請に賛同する旨の意思表示をする
団体、個人名を JAWAN事務局 柏木実 TAE04312@nifty.ne.jp へ送る
要請文書は準備中、まもなく配信予定
(3)沖縄県 稲嶺惠一知事への要請を直接送る
それぞれの思いや、意見を書き送ってもらう、これが多く集まれば
一番効果があると思います。
送り先は 県知事公舎秘書室
FAX:890−860−1453
その写しを、
沖縄タイムス FAX:098−860−3483
E-mail:mikiko@okinawatimes.co.jp
琉球新報 FAX:098−861−6444
泡瀬干潟で遊ぶ会 FAX:098−937−4724 砂川方
E-mail:kaorisuna@hotmail.com
へも送ってください。
(3)は、思いを込めた手紙を書いていただければうれしいです。
沖縄市には、基地のために開発の用地が限られ、海に求めざるを
得ないとしている事情もあることを(当否は別にして)配慮する
方が聴いていただけるように思います。
その点、意を尽くしていませんが、
沖縄シンポのあと、沖縄の人に気持を伝えたくて書いた
琉球新報への投稿を、最後につけておきます。
<泡瀬の干潟で遊ぶ会の水間八重さんからのお願い>
>
> 12月1日、沖縄タイムスの一面に
>
> 【泡瀬地区埋め立て認可申請へ/藻場保全可能と県】
>
> という見出しの記事が出ていました。
> 一部抜粋しますと、
>
> 中城湾港泡瀬地区の公有水面埋め立て事業で、県は来週中にも
> 運輸省に対し県事業分の埋め立て認可申請する方針を、三十日ま
> でに固めた。自然保護団体が指摘している藻場やクビレミドロな
> どの自然環境については、移植により保全可能と判断した。認可
> され次第、港湾管理者でもある県は国事業分も含めて埋め立てを
> 承認し、本年度中に着工する。
> (以下略)
>
> ------------------------------------------------------
> これを受けて、泡瀬の干潟で遊ぶ会では、沖縄県知事に対し
> 緊急の抗議並びに要請行動を起こすことになりました。
>
> ○県知事に抗議並びに要請文を提出に行きます。
>
> 日時:12月4日 月曜日 午後3時より。
>
> ●参加できる方は、県庁ロビーに2時45分集合。
> ●抗議、並びに要請に賛同してくださる団体を募集中です。
>
> 同時に、可能であればこちらから出すものとはべつに
> 各関係機関あて抗議文・意見書などの提出をお願いしたいと
> おもいます。
>
> 《12月4日に抗議・要請する趣旨》
> これまでに私たちは、中城湾港泡瀬地区公有水面埋立事業にかかる
> 環境影響緩和措置や代償措置などについて、多くの疑問が残るため、
> 事業者に対し繰り返し説明を求めてきました。しかし、これまでに
> 納得のいく回答は一度もかえってきていません。
> なにより、埋め立てたあとの企業誘致などの見通しが立たないまま、
> つまり埋立事業そのものの正当性に疑問を残したまま、埋立が開始
> されようとしている点は、問題だと思います。
> 事業者には、公金を使う事業計画への説明責任があります。そこで
> これらに対して納得のいく説明がない事への抗議をし、さらに埋め
> 立て申請の前に説明を行うことを要請します。
>
> 正式な文面は現在検討中ですが、賛同いただける団体は、
> 以下のメールアドレスまで、団体名、代表者名、連絡先などを
> お知らせください。
>
> 砂川かおり kaorisuna@hotmail.com
>
> どうぞよろしくお願いいたします。
>
> ※引き続き埋立認可をする運輸省・ならびに沖縄市に対しても
> 要請などを行う予定です。
>
> 転載歓迎!!
2000.11.15.
>
> 送信者: みずまやえ haiyue@nifty.com
> ============================================================
>
<11月25日の琉球新報に掲載された辻の投稿原稿>
すばらしい海を持つ沖縄の人々へ、
宝の海、泡瀬干潟を生かす道をみつけて
沖縄市で開かれた国際湿地シンポジウムと、那覇市でのアジア水鳥保全戦略会議
に参加するため、はじめて沖縄を訪れた。そして感じたことを沖縄のみなさまに
聴いていただきたい。
初めて見る沖縄の海、泡瀬干潟におりたとき、なんと、30年前に私がはじめて
名古屋港の干潟で出会ったフラミンゴが、ダイサギやクロサギとともに悠々と餌
を食んでいた。アフリカや南米が原産地のフラミンゴは、どこかの動物園から逃
げ出した可能性もあるが、私には、名古屋の鳥がここまで渡ってきたと信じたい。
なぜなら、ここには本土ではとうに失われてしまった、干潟から海草藻場につな
がる、すばらしい本物の海があったからだ。
ジュゴンなどの餌になるという海草(うみくさ)を、初めて見せてもらったが、
シンポジウムの講師に招いたアメリカの海草研究家、マーク・フォンセカさんが、
ここには8種の海草があり、面積あたりの種類数ではフィリピンに次ぐものと世界
第二の折り紙をつけられた。
「日本の渚」を書いた貝類研究者、京大の加藤真さんも、「残されていたことが
奇跡、生物多様性にいろどられた泡瀬は、琉球列島の世界に誇る生態系」といわ
れたほど、私には初めて見るものばかりのたくさんの生き物たちに出会えた。
しかし、埋立ラッシュといわれる沖縄の海で、ここにもリゾート開発が迫っていた。
シンポジウムに歓迎の挨拶をくださった、仲宗根沖縄市長はこの開発によって、
沖縄市を観光文化都市にしていきたいと述べられたが、それならなおのこと、沖
縄でも最後になってしまったこのすばらしい海こそとっておいて見せればよいの
に、もったいないなという思いが湧いた。
市長には聴いてもらえなかった招待講演をかいつまんで言えば、泡瀬干潟は、
海草藻場のある生態系として、世界に誇り得る生物多様性をもっていること、
「移植」という人工技術では、決して埋立の代償にはなり得ないこと、どこにも
あるわけではないすばらしい海をのこし、観光資源として生かしていくことこそ、
時代の風潮に合った有効な地域開発ができ、子どもたちに希望を与える賢明な選
択だということだった。
この「マリンシティー泡瀬」計画は、手続き的には正当な手順を踏んでいると
県職員から声が出たが、「すばらしい海を壊して、海を見せよう」とする矛盾に
気づき、「すばらしい海を、それを活かしながら見てもらう」ことの可能性を、
あらためて考え直してほしい、いまなら間に合うのだからと思う。
地球上に残された本物の自然は、それ自体が魅力ある観光資源となっており、
南米コスタリカでは、熱帯雨林を保全し、それを見せるエコツアー収入が国の全
収入のトップにあるそうだ。また、柳川では、ごみで水路が汚れ、埋め立ててし
まおうということになったとき、水路を失ってどこに水郷柳川の魅力があるかと
立ち上がったひとりの公務員の熱意と市長の決断から、人々に在りし日の姿を語
らせ、市民一丸となって昔からの水路との付き合いがとり戻され、今ふたたび観
光名所になっていることも紹介された。
私の地元、名古屋市では、大量生産、大量消費が生み出す大量のゴミの捨て場
として、名古屋港臨海工業開発で最後の渡り鳥渡来地となった、藤前干潟を埋め
る計画が進められてきたが、17年間をかけた公共事業の最終段階になって、NGOの
説得力あるデータから「影響は明らか」とされたことから盛り上がった世論の包
囲のもと、奇跡的な埋立断念の決断が行われた。その松原武久市長は、「この決
断は大変苦しかったが、正しい選択だった」と、それまでとは打って変わった明
るい笑顔で、みずから「ごみ減量先進都市」への実践に励んでいる。
「藤前」は、名古屋市民の意識を大きく変え、分別資源化の新しいルールに
取り組んでいる。それが、鳥たちのためだけでなく、生態系の輪の中で生かされ
ている私たち自身のためであることを理解し、かけがえのない干潟を子どもたち
にのこせたことを喜んでいるのだ。
沖縄のみなさま、これまで海とともに生きてこられた地域の方々、自然や生命
の思いを代弁できる方々、誰よりも子どもたちの未来を見ているお母さん方、
どうか今一度、宝物の泡瀬干潟を生かす道を考えてください。
みなさまの叡智を信じて、泡瀬干潟への再訪を楽しみにしています。
日本湿地ネットワーク代表 辻 淳夫
辻 淳夫 @藤前干潟を守る会
atuo@mub.biglobe.ne.jp
〒466-0002 名古屋市昭和区吹上町1-29-1-211
TEL/FAX:052-735-0106