仲田です。
照屋寛徳参議院議員が防衛施設庁長官に提出した、要請書です。
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ジュゴンの生息状況予備調査に関する要請書
防衛施設庁
長官 大森 敬治殿
平成12年10月24日
参議院議員 照屋 寛徳
貴職におかれましては防衛施設行政の発展にご尽力され、敬意を表します。
ところで、防衛施設庁は去る10月17日、米軍普天間飛行場移設予定地の名護市
辺野古沿岸周辺で生息が確認されているジュゴンの生息状況に関する予備的調査
を実施すると発表されました。
ジュゴンについては、去る10月11日、野生生物の保護と自然環境の保全を地球
規模で論議する国際自然保護連合(IUCN)の総会で沖縄本島東海岸を中心に
生息するジュゴンの調査・保護を日米政府に求める勧告を採択しております。
私は、これまでに「ジュゴンの保護に関する質問主意書」(平成12年4月10日
付)「ジュゴンの生息環境保全等に関する質問主意書」(平成12年5月1日付)を
提出し、ジュゴンの保護を図るうえでその生息確認調査、えさ場である海草藻場
の現場調査及び個体識別調査等の早急な調査を求めてまいりました。
これに対して政府は「国内においては、ジュゴンの生息に関する散発的な確認
報告はあるが、組織的及び継続的な調査が行なわれていないため、全国的な分布
や生態に関する知見や資料が少なく、地域に即した効果的な調査方法の設定が困
難な状況にある。このようなことから、直ちに広域的調査を行なうことは困難と
判断した」と答えていた。
この度予備的調査とはいえ、政府がジュゴンの生息状況調査に着手することは、
一定の前進と評価します。政府はIUCN勧告を誠実に履行する意味においても
評価に価する予備的調査を実施すべきと考えます。
よって、予備的調査実施にあたり、下記事項について要望いたします。
記
1.ジュゴンの生息状況予備的調査は、普天間飛行場代替施設の「着工」を前提
とするのではなく、ジュゴンの「保護」を前提とすること。
2.今回の予備的調査の実施機関、調査期間、調査方法、予算等その詳細を事前
に公表すること。
3.調査の実施にあたっては、海生生物の調査・研究能力のあるNGOや研究者
・専門家らによる調査検討委員会を事前に結成のうえ、調査要綱を策定すること。
4.予備的調査結果を公表し、研究能力のあるNGO、世界自然保護基金日本委
員会(WWFJ)、ジュゴン保護基金委員会(沖縄)、環境庁などと検討委員会
を設置のうえ、調査結果の分析を行なうこと。
5.航空機、ヘリによる目視調査、藻場の潜水調査にあたっては経験者を採用す
ること。
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仲田博康
nakada_h@jca.apc.org