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〈再度の緊急アピール〉石原都知事に、三宅島復旧作業の即時中止を求めよう!
発信者=井上澄夫(戦争に協力しない!させない!練馬アクション)
発信時=2000年9月24日
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全国のみなさんに、再び訴えます。
9月23日付『朝日』朝刊(「東京」欄)に、こうあります。
火山活動が続く伊豆諸島・三宅島で、二酸化硫黄や硫化水素など火山性ガスが
増加傾向を示していることについて、石原慎太郎知事は22日の記者会見で「予
測されていた事態ではまったくなく、新しく悪い状況が加わった。島民が帰る段
階ではない」と語った。
この会見に先立ち、石原知事は長谷川鴻村長と会談しましたが、そこで長谷川
村長は「地震は収まったが、ガスが問題だ。住民が帰れる目途も立たないので、
知事には復旧、復興をぜひお願いしたい」とのべました
(9・23付『産経』)。
石原都知事は、火山性ガスの急増の深刻さを、やっと追認したのです。しかし
この日、石原知事が認めるよりも、事態がはるかに深刻になっていることを、科
学者が明らかにしたのです。
三宅島で、火山ガスに含まれる塩化水素の量が急増していることが、東京工業
大学の調査で分かった。塩化水素は低温の火山ガスからはあまり検出されず、塩
化水素の増加は、一連の活動でガスの温度が上昇したことを示しているという。
また、二酸化硫黄の放出量も21日に3万6000トンと、これまで最高だった
1万7000トンを大きく上回った。
東工大・野上健治助手らによる、火山灰に付着したガスの成分の分析による
と、採取した火山灰1キロに含まれる塩化水素は、最初の噴火があった7月上旬
は約40ミリグラムだったが、火砕流が発生した8月29日のものでは1000
〜2000ミリグラムのレベルに上がり、9月上旬には約7000ミリグラムに
達した。
野上助手は「これほど塩化水素が急上昇した例を経験したことはない。尋常で
はない数字で、泥流対策など陸上での作業は望ましいことではない。島に上陸し
たら防毒マスクを必ず着用することが必要」と話した。この数値について、専門
家は「マグマの関与が強くなり、噴火がより高温で激しい形に移りつつあること
を示すデータで、非常に危険な状態と警告している。
(9・23付『毎日』と、同日付『共同』配信の記事から構成)
石原知事は、こうした状況にもかかわらず、復旧作業の中止を決めていませ
ん。長谷川村長が島の復旧・復興を願うのは当然のことです。しかし、村長自身
が21日、都立秋川高校(あきる野市)を訪ねて、三宅島から避難して集団生活
を送る子どもたちを激励した際、語ったように、「船で測定しているが、火山ガ
スで危険でなかなか近づけない状態」なのですから、当分の間、復旧作業は全面
的に中止すべきです。
実は去る9月8日、都庁での記者会見で、石原知事は「決死隊を結成して、泥
流に逆らいながら、とまっちゃった発電所をとめに(ママ)行くわけにはいかな
い。それは人間、死ぬかもしらぬのだから、本当に困ったものだよ、それは」と
のべているのです。しかもその前後から、火山性ガスの放出量が急増したのです
から(〔aml 19115〕の「緊急アピール」をご参照下さい)、もうずっと前に復旧
作業の中止を宣言すべきだったのです。
同じ記者会見で、石原知事は、こう言っています。
記者 ホテルシップで泊まっていらっしゃいますね。港につけていらっしゃい
ますけれども、これ、火砕流がパッと港に来るかもしれないという点について
は、こういう方法でよいとお考えでしょうか。
石原 それは、火砕流が来たら速やかに離れなきゃならないでしょう。
記者 いきなり火砕流が起きたときに、本当に逃げられるんだろうかというの
が心配なんですけれども。
石原 火砕流というのは鉄砲の弾みたいに速く飛んでくるんじゃないんだか
ら。
記者 でも、かなりの速度で来るそうなんですけれども。
石原 それはその前の予兆もあるでしょうし。
この会見で記者は、当然の疑問を提起していますが、石原知事の反応は、彼が
いかに人命を軽視しているか、深刻になりつつある事態を、いかに軽く考えよう
としているかを、如実に示しています。その態度は、およそ自治体の長にふさわ
しくないものです。
石原知事は、大きな船が、そう迅速に出港できるものではないということさえ
知らないようです。もやい綱を解き、錨を巻き上げ、エンジンを始動させて動き
始めるのに、非常に時間を要することは、常識の類です。火砕流の発生を、火山
活動予知連絡会がまったく予知できなかったことからも学んでいません。
石原知事が、火山活動の観測や復旧作業に従事する人びとの生命を軽視してい
ることは明白で、それがどのような考えに基づくか、私はすでに明らかにしまし
た(〔aml 18964〕)。
石原知事が復旧作業の中止を宣言しないということは、神津島(こうずしま)
を拠点に、そこから三宅島に通って、復旧のために土木作業員を上陸させるとい
う方針に変更がないということです。強い雨が降り出したため、「東京都現地対
策本部は23、24日の作業を中止し、ホテルシップ『かとれあ丸』を神津島に
停泊させた」そうです(9・22付『毎日』)が、このままでは、上陸させられ
た土木作業員や港に繋留中の船を、火山性ガスや火砕流が襲うという、想像する
だに恐ろしい事態が起きてしまうかもしれません。
全国のみなさんに、もう一度訴えます。石原都知事に復旧作業の全面中止を要
請して下さい。死者や負傷者が出たら、石原都知事は当然、引責辞職すべきです
が、彼が知事の座を去っても、死者は戻らないのです。要請・要求の声を全国か
ら、都庁に寄せて下さい。
■ 都知事秘書室のFAX=03・5388・1200
■「知事への提言」メールアドレス governor@metro.tokyo.jp