硫黄島での訓練は暫定措置、本命はあくまで三宅島。
知事がことあるごとに「さやあて」するのもこれを根に持ってのことかも。小心
者の常ね。軍事に非協力な被災住民にどう自治体としての責務を果たすかも、こ
れから注目いたしましょう。
三宅島がどうなろうと、その将来を決めるのは主権をもっている「三宅村当局及
び地元住民」。防衛庁がいかに「悪行」を尽くそうとおかされるものではありま
せん。
◆硫黄島でNLPが始まったのは91年8月。当初、国は三宅島での施設整備を
試みたが、地元の反対が強く暫定措置として硫黄島が選ばれた経緯がある。施設
整備には167億円の巨費が投入された。今年5月までに延べ24回のNLPが
実施されている。
だが、厚木では硫黄島での訓練が始まった91年8月以降、26回のNLPが
実施されてきた。三沢基地では十回以上のNLPが行われ、岩国基地でも今年二
月に続く訓練。
「NLPは硫黄島へ全面移転してほしい」という各市の要望は、無視されたま
ま。三沢市基地対策課も「市街地に近い三沢基地でのNLPは絶対反対。これま
で何度も、防衛施設庁に申し入れてきた」と話す。「せっかく硫黄島という施設
があるのに、何でわざわざ神奈川から艦載機を持ってきて騒音をまき散らすのか
…」(岩国市基地対策課職員)
20〜24日には、硫黄島での訓練が予定されているが、天候不良の場合は本
土で実施するという。在日米海軍司令部は「硫黄島は遠距離で天候も悪くなりが
ちなため、厚木から百マイル(約百六十キロ)以内に訓練施設を整備するよう、
繰り返し日本政府に求めてきた」と主張している。
騒音対策として施設整備されたはずの硫黄島への全面移転は、訓練開始から十年
近くたっても実現していない。米軍が「天候が不安定」「遠すぎる」と消極的な
ためで、悲願の硫黄島移転はかなわないまま、神奈川発の基地被害が全国へ拡大
している。
(神奈川新聞00/09/19)
<防衛白書より(2000年度版)>
空母艦載機の着陸訓練場の確保
空母艦載機が洋上の空母へ着艦するには、非常に高度な技術が要求される。し
たがって、空母が、補給・整備などのために入港している間も、パイロットは、
飛行場での着陸訓練を十分に行い、その技量の維持に努めなければならない。こ
の訓練は、主として厚木飛行場で行われてきたが、飛行場周辺が市街化している
ことから、深刻な騒音問題が生じた。このため、政府は、三宅島(みやけじま)
に代わりの訓練場を設置することが適当と考え、そのための努力を続けている。
しかしながら、三宅村当局を始め地元住民の間に、なお反対の意向が強く、実現
までには相当の期間を要すると見込まれる。
一方、厚木飛行場周辺の騒音問題をこのまま放置しておくことができないた
め、日米間の協議により、三宅島に訓練場を設置するまでの暫定措置として、硫
黄島(いおうじま)を利用することとし、89(同元)年から艦載機着陸訓練に必
要な施設の整備を進め、91(同3)年8月から米軍による訓練が開始された。本
年5月末までに、延べ24回の訓練が実施されている。
政府は、今後とも、暫定措置として硫黄島での艦載機着陸訓練の実施に努める
とともに、三宅村当局及び地元住民の理解と協力が得られるよう努力している。
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米国流に言えば、米海軍も「腐ったリンゴ」。防衛庁とはウマが合いそうです
が。空母一隻にここまで日本全土におよぶ暴虐きわまる振る舞いを許すとした
ら、主権国家とはいいがたい。それとも、「良き隣人」として歓迎する暴虐きわ
まる日本政府なのか。
キティホークには硫黄島はおろかこの国からとっとと出ていってもらいたい。
◆米軍岩国が18日から夜間着艦訓練
▽18日午前突然の「事前」通告軍岩国基地(岩国市)が、山口県と岩国市、玖
珂郡由宇町に対し、18〜19日、空母キティホーク搭載のFA18ホーネット戦
闘攻撃機による夜間を含む着艦訓練を同基地滑走路で実施する、と通告。訓練時
間は午後2〜4時と同6〜9時。
岩国基地の訓練に参加するのは厚木基地所属空母の3飛行中隊のFA18ホー
ネット機。基地滑走路を空母甲板に 見たてて離着陸を繰り返す。訓練は今年2
月以来。
同基地「訓練の九〇%以上を実施している硫黄島(東京都)が使用できないた
め」岩国のほか、厚木(神奈川県)と横田(東京京都)の両基地でも実施する予
定。
通常、岩国基地で夜間着艦訓練をする場合、岩国日米協議会の確認事項で「一
週間前に通告する」とされている。
基地では東京都・硫黄島が使用不能と判断したためとしているが、その根拠は明
らかにしていない。
当日午前9時になって米軍岩国基地報道部からファクスで市基地対策課に訓練の
連絡があり、正式通告は午後4時。
市は突然の訓練通告への対応を協議。
岩国市「なぜ実施当日の通告になったのか、関係機関に問い合わせたい」
岩国基地では1998年1月にも全く通告なしに発着訓練が実施された。
▽正式通告なしに米空母艦載機による夜間を含む発着訓練を開始。
18日の山口県議会総務企画委員会でも米軍への批判が続出。
山口県や岩国市などは、事前通告がなかったことに対し、直ちに外務省などを通
じて米軍側に抗議するとともに、訓練の中止を要請。
岩国市が在福岡米総領事館などに確認したところ、予備訓練施設に指定された
米空軍三沢基地(青森県)も天候不良で使えなくなったため、岩国での実施を決
めたという。
米軍「硫黄島訓練施設(東京都)では台風の影響で十分訓練できなかった。予
備施設の厚木(神奈川県)、横田(東京都)、三沢(青森県)で訓練することに
したが、三沢は悪天候で使えなかった。事前の連絡が遅れ、申し訳ない」
外務省も、15〜21日に硫黄島で予定していた発着訓練が台風の影響で出来
ず、厚木、横田(東京都)、三沢(青森県)の各基地に変更したが、三沢基地も
悪天候で岩国基地が急きょ指定されたと市に説明。
米軍が8月25日に行った防衛施設庁への事前通告では、岩国基地は予備訓
練施設にも挙がっていなかった。17日まで硫黄島の運用を米軍側と協議してき
た防衛施設庁への通告は、18日夕方。
▽同施設庁や外務省が情報確認に追われている間、「午後2時から」とした昼間
訓練午前には開始。
18日正午前、厚木基地(神奈川県)から飛来した空母キティホーク艦載のFA
18ホーネット戦闘攻撃機12機飛来。岩国基地の滑走路を空母の飛行甲板に見
立ててタッチ・アンド・ゴーを繰り返す発着訓練を開始。最多滞空6機で、岩国
日米協議会の確認事項で飛行を禁止(飛行自粛)している基地北側の工場群上空
を頻繁に通過。
夜間発着訓練(NLP)は午後6時24分から始まり、午後9時前まで実施。
滞空5〜6機で濃密な訓練を展開。市街地に騒音が響き続けた。
市基地対策課の目視によると、午後2時過ぎから訓練が終了した午後8時54
分までの飛行回数は297回。昼間(午後2時以降)が148回、夜間が149
回。うちタッチ・アンド・ゴーが232回。最高騒音94・9デシベル(午後6
時57分)。苦情は66件。
市基地対策課によると、この日の飛行回数は、基地周辺に設置した騒音測定機
は、最高94.9デシベルを記録した。
市民から「オリンピックのテレビ中継が聞こえない」「なぜ岩国で訓練するの
か」「ひどい騒音だ。訓練を中止させて」など市に苦情が相次ぎ、岩国市基地対
策課では職員8人が待機。突然始まった訓練に市民から66件の苦情が寄せられ
た。
川下地区連合自治会会長「事前通告など守るべきことは守ってほしい。市から
も一切連絡がなく、何がどうなっているのか」
井原勝介・岩国市長は基地に抗議。「ルールを無視した訓練で遺憾だ」「民家の
近くでやる訓練ではない」
夕方、緊急会見した井原勝介市長は「突然の通告は信頼関係を損なう」と不快
感をあらわにした。 午後7時すぎには、滑走路北側で最大5機が滞空する訓練
を視察。
「前回より頻繁に飛び立っている。耐えられる騒音ではない」と話した。
岩国市の井原勝介市長は19日、基地のリチャード・C・ダン司令官を市役所
に呼び「突然の訓練は市民への影響が大きい。極めて遺憾で、基地との関係を考
え直すことになる」と抗議、即時中止を求めた。司令官は「司令官の権限で決め
られない。上司に伝える」と答えるにとどまった。これまで発着訓練への抗議、
中止要請は地元側が基地に出向いており、司令官を呼び付けるのは異例。
非公開の会談後、取材に応じた市長によると、司令官は、20日、硫黄島(東
京都)の天候が悪ければ岩国で訓練を続ける可能性があると述べた。
【写真説明】滑走路を甲板に見立てて夜間着艦訓練をするFA18ホーネット戦
闘攻撃機の光跡(18日午後8時27分から2分間露光)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn00091901.html
(中国新聞・毎日9月18、19日 CNN2000.09.19)
◆18日夜厚木基地でNLP
米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)で18日夜、通告通り米空母「キティホー
ク」艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)開始。同基地では、今月5〜8日にも実
施されており、ひと月2回の実施は異例。24日(午後6時半〜同10時)まで
の予定。
NLPは午後6時半から始まり、FA18戦闘攻撃機、F14戦闘機、EA6
B電子戦用機などが滑走路着陸直後に離陸する「タッチ・アンド・ゴー」を繰り
返した。
基地から南2.8キロの地点では、最大108デシベルの騒音を記録。地元の
大和、綾瀬両市には騒音苦情が計130件寄せられた。
◆横浜地裁が騒音測定
「第三次厚木騒音訴訟」で、横浜地裁は18日夜、在日米海軍厚木基地で実施
されている空母艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)を現地検証、大和市内で騒音
被害を測定した。原告側申請を受け、昨年8月に続く2回目の実施。岡本民雄裁
判長と原告の住民、被告の国、弁護団など計70人が参加した。
検証は飛行コースの直下に当たる大和市上草柳の公園と、騒音訴訟原告団事務
所の二カ所で行われた。原告住民が「騒音被害は現地でなければ実情が把握でき
ない」と訴えていた。広場や事務所室内に騒音測定マイクを立て、艦載機が飛来
した際の騒音を測定した。
同基地では同日夜から7日間NLPが実施されることが通告されており、公園
では午後7時40分ごろEA6B電子戦用機が飛来した際に104デシベルが観
測された。原告団の真屋求団長は「騒音の過酷さを裁判所に体感してもらえたと
思う。被害を熟慮してほしい」と話した。
三次訴訟は1997年12月に住民2823人(追加提訴との合計で現在50
47人)が提訴。原告側がWECPNL値(うるささ指数)75以上の区域に住
む住民らに総額二億九千万円の損害賠償を求めている。対する国側は「被害は受
忍限度内で、基地の存在をあらかじめ認識しなかった住民にも過失がある」と主
張、全面的に争う構えをみせている。
同訴訟の現地検証は昨年8月、空母「キティホーク」が在日米海軍横須賀基地
へ入港する直前に実施されて以来。
(神奈川新聞00/09/19)
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防衛白書にも「在日米軍の『良き隣人となるための活動』」の「模範」として紹
介されるほど、「基地との関係は『共存共栄』が基本」としてきた三沢市が、海
軍は「隣人」とはいいがたいと。施設庁の「立場」も微妙なことになりそうで
す。
なお17日は、三沢で航空祭。ブルイン中止もあって昨年より約8万人減の約1
5万2000人(主催者発表)。代わりに民間のアクロバット飛行家がサービ
ス。F1支援戦闘機九機が「ラストフライト」を披露。
三沢市が「米海軍との友好中断」
三沢市議会基地対策特別委員会(堤喜一郎委員長)が18日開かれ、中止要請
を無視した形で強行された九月上旬の米軍三沢基地での夜間離着陸訓練(NL
P)に対して、三沢市が「米海軍との友好中断」「強行が続けば基地からの米海
軍撤去要請」との方針を決めたことが報告された。
富田善作助役が「市長、議長名で中止要請をしているが、NLPは強行され、
今後も実施される可能性がある」と対抗措置に出た経過を報告。
市議会は「NLP絶対禁止」を決めており、堤特別委委員長も「委員会として
市の方針を尊重し、同様の立場を取りたい」と提案、全会一致で決まった。
米空母キティ・ホーク艦載機によるNLPは、市などの再三の中止要請・抗議
にもかかわらず、5日夜から三日間実施された。騒音の大きい戦闘攻撃機を7年
ぶりに投入、午後9時前後まで延べ185回におよぶタッチ・アンド・ゴーを実
施。三沢基地では初めての海軍による昼間発着訓練(タッチアンドゴー)も1日
60回以上。市民からの苦情は日中の分を含め三日間で96件(市受付46件、
防衛施設事務所受付50件)に達した。市の調べでは、午後7時以降に計185
回の夜間発着訓練があった。市に寄せられた騒音苦情は昼夜を合わせて46件に
上った。
NLPを巡っては県や三沢市、市議会などが「地域住民に騒音被害による耐え
難い苦痛を与える」と米軍側に訓練中止を求めていた。
中止要請・抗議が無視されたため市は、臨時庁議で対策を協議。「植民地でも
ないのに好き勝手にやられてはたまらない」と鈴木重令市長が強い不快感を示し
たこともあり、(1)米海軍三沢基地関係者との友好関係を中断する(2)今後
も市民感情を無視したNLPが実施された場合、三沢基地からの米海軍撤去を要
請する(3)三沢基地がNLPの実施および予備基地とならないように関係機関
に要請する−との方針を決めた。「撤去」まで踏み込んだ強い抗議姿勢は異例。
特別委では一部委員から「撤去までこぶしを振り上げるのはどうか。もっと段
階を踏むべきでは」との慎重意見も出たが、結局全会一致となった。
また、(1)天ケ森および砂森地区の早期移転の実現(2)民間航空機の優先
的使用が可能な第二滑走路の早期実現(3)移転跡地の利用促進(4)住民対策
の拡充−の四項目の三沢基地周辺対策要望を市側が説明。特別委も了承し市議会
閉会後の10月上旬、市と合同で防衛施設庁などに要請することを確認した。
米軍三沢基地には、海軍(1000人)と空軍(3500人)があるが、市主
催行事への招待取りやめは海軍だけが対象。既に11日から実施し、三沢防衛施
設事務所には市の方針として伝えたという。
三沢市企画部は「かつてないほど厳しい対応だが、今後はNLPの状況を見て
段階を踏みながら対応を考えたい」と話している。
防衛施設庁の広報担当者ら「基地の早期撤去実現の決議などでなく、友好関係を
断つというのは聞いたことがない」
(東奥日報・・河北新報・毎日・朝日2000年9月19日(火)
キティホークには、海兵隊員が30人近く乗っているはずです。小樽市民はさら
に不安を感じていることでしょう。小樽は繁華街にもほど近く、海軍や海兵隊に
とっても「いい街」のようです。
◆米海兵隊員、男性投げ飛ばす=酔って突然、現行犯逮捕−警視庁
東京都渋谷区の路上で、米海兵隊員(19)が団体職員の男性(27)を投げ
飛ばしてけがを負わせ、傷害の現行犯で渋谷署に逮捕されていたことが19日、
分かった。
調べによると、海兵隊員は16日午前1時50分ごろ、同区渋谷の歩道で、タ
クシーを待っていた男性に突然つかみかかり、投げ飛ばした。男性は近くの建物
の窓ガラスに体をぶつけ、割れたガラスで腕を切り軽傷。海兵隊員は酒に酔って
おり、駆け付けた同署員に取り押さえられた。
海兵隊員は米海軍横須賀基地(神奈川県)を母港とする空母「キティホーク」
乗組員で、前日夜から同僚と酒を飲んでいた。
[時事通信社 2000年 9月19日 ]