Date: Wed, 13 Sep 2000 00:29:14 +0900
From: 加賀谷いそみ<QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 3061] 戦争協力拒否
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◆米軍への非協力

 横浜港で、有事の際に"ドル箱"といわれる米軍の荷役や輸送業務を拒否する動
きが出ている。二十一日までに、在浜四社が軍事活動に協力しない姿勢を打ち出
した。関連企業の従業員で組織する全港湾労組の呼びかけに応じた全国初の対
応。防衛施設庁筋は「全体に大きな影響はない」と静観の構えだが、朝鮮半島で
の南北対話が一気に進むなど東アジアで雪解けムードが起きているだけに、同労
組はこうした民間の動きを、さらに全国に波及させたい考えだ。
 米軍への非協力を決めたのは、横浜市内の港湾荷役・輸送企業四社。
昨秋、全日本港湾労働組合=全港湾=の横浜支部(池田浩執行委員長)が関連企
業四十二社に「周辺事態法に基づく米軍またはその支援のための物資について
は、荷役、輸送または貯蔵を行わない」と文書で求めたのに応じた。

 このうち二社は「戦争協力は拒否する」とし、国から協力要請を受けても、米
軍関連の港湾荷役や輸送業務をしないと明確に表明した。他の二社も「努力す
る」と慎重な表現ながらも、組合の呼び掛けを、前向きに受け止める姿勢を示し
ている。
「非協力」を打ち出した港湾輸送業者は「労使交渉の過程でいくつかの要求には
応じざるを得ず、当面影響のなさそうな項目の一つと判断した」と説明しながら
も「組合との約束事であり、社としての機関決定事項。米軍の作戦行動には協力
しない」とし、非協力の姿勢は崩さない方針だ。

 全港湾労組は昨年、周辺事態法が成立したのを受けて統一運動として米軍への
非協力を企業に求めていた。北海道では米軍に対する協力問題を、労使で事前協
議することが決まっているが、組合の要求を受け入れたのは今のところ横浜の四
社だけだ。

 防衛施設庁は「すべての業者に協力してもらえない事態は考えにくい」と静観
している。しかし、国は七月、地方自治体と民間企業に協力を求める周辺事態法
九条の解説書を米軍施設を抱える自治体に配布。「義務・制裁はないが、できる
限り協力に応じていただくことを期待している」とあらためて打ち出し、民間企
業への協力が不可欠と繰り返し強調している。

 全港湾横浜支部の志賀秀行書記長は「平時でも、横浜港は米軍の物資輸送の拠
点となっている。本牧・大黒両ふ頭からは軍のコンテナが多数荷揚げされ、横須
賀など県内外の米軍基地へ運ばれている」と説明。

 全港湾中央本部は拒否の動きをモデルケースに、さらに拡大させていく方針
で、横浜支部も要請に応じていない残り三十八社に対して、今後も「協力拒否」
を働きかけることにしており、「周辺事態法への協力を拒否することが、戦争に
加担しないという立場を明確にできる第一歩だ。さらに『非協力宣言』運動を進
めたい」と志賀書記長は話している。
(神奈川新聞8月22日)

Stars &Stripes(Thursday, August 31, 2000)でも
Japanese union urging members not to aid U.S. military in crisis
と取り上げ、

防衛庁高官は匿名の条件で「労働者に米軍に協力する義務はない。言い換えれば
罰則がないということだ」と語ったとのこと
"We expect cooperation from commercial entities in case of an emergency,"
"However, they have no obligation to cooperate with the Japanese
Self-Defense Forces or U.S. Forces Japan. In other words, they would not
be penalized, even though they refuse."

米軍が北アメリカに低レベルの危険廃棄物を送ろうとしたとき、シアトルの港湾
労働者が荷を降ろすことを拒否した。そして横浜に帰ると、港湾労働者などが抗
議したが、労働組合員はやがて、契約を拒否できないだろうと、廃棄物を降ろし
た。
と拒否のきっかけは今年の相模原補給廠のPCB事件だとしています。

また、<すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川>では、県下38自治体に「周
辺事態法に関するアンケート」を行ったところ、確信をもって協力するという自
治体は一つもなかったとのこと。
詳しくは、
【電子版】
戦争協力を拒否し、新ガイドライン・有事立法に反対する全国FAX通信
No.22 2000年8月8日(月2回発行)
◆◆◆第2期・第10号◆◆◆
HP:http://www.jca.apc.org/~toshi/NoWar_News/fax_tusin_index.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

“防衛施設庁は「すべての業者に協力してもらえない事態は考えにくい」と静観
している”と大見得を切っていますが、港湾労働者ばかりではなく、多くの全国
各地の労働組合が「拒否」の意思を示しているはずです。秋田県でも、4月から
市民団体の呼びかけや、学習会・集会などを通して「戦争協力を拒否」する決議
がなされ、今までに20近くの団体が政府に決議文を送っています。
 9月3日に東京都で行われた自衛隊による演習を外電は、「戦後日本人がみた
最大の軍事演習」と報じ、石原知事を古い国粋主義者(nationalist)と断じ、そ
の夢を満たしたと。しかし 政治的な活動は低調とは言え、日本では平和主義の流
れは深い。(Political activism may be feeble in  Japan, but pacifism here
 still runs  deep.)この演習に疑問を持つ日本人の多くは、これは防災訓練と
いうより、軍隊の認知を図るためのものだと見ている。(ニューヨークタイムズ
September 4, 2000−Tokyo Politician's Earthquake Drill Is Militarist
Moment)
としていましたが、憲法のもとで、幸いにして幼い頃から国旗に忠誠を誓う慣習
を持たないこの国では、生存権を根拠とする平和志向が庶民に定着していると言
えるかもしれません。

 また、秋田県には、「米軍にねらわれている空港・港湾」はありませんが、県
が管理する空港・港があり、港は舞鶴の管轄内にあります。そして、その一つ
は、製紙工場を誘致する筈だった埋め立て地が、住民の拒否によって計画がとん
挫し、第二次草原化しています。当初は工業団地として埋め立て、工業用水用ダ
ムまで用意したのですが、ご多分に漏れず挫折。水を大量に使う製紙工場をと
なったのですが。その中に整備不良の廃棄物処理施設が県によってつくられてい
ます。最近運輸省では、港湾内に産業廃棄物の埋め立て処分場を整備する方針を
発表しました。これは、国内のクリアランスレベルの放射性廃棄物を含む産廃を
廃棄するためでしょうが、演習時に関わらない米海軍の度々の「休養・親善」入
港、「周辺事態法」と並んで、「周辺事態」に際し米軍が、日本側から物品や役
務の提供を受けられるようにした、ACSA(物品役務相互提供協定)改定に照
らせば、基地支援の項目にある「廃棄物の収集及び処理、洗濯、給電、環境面の
支援、消毒機具及び消毒並びにこれらに類するもの」の協力の実効性も含まれる
と考えてもおかしくありません。かつての工業基地の建設をめざし、売れ残って
いる土地が、今後、土地収用法、埋葬法、海岸法、河川法、森林法、自然公園
法、建築基準法等の改悪で、どのような「付加価値」がつくのかも今後注意しな
ければならないと考えています。そして住民の主権の及ぶ「運用」も模索しなけ
ればなりません。

 運輸省は20日、港湾内に産業廃棄物の埋め立て処分場を整備する方針を固め
た。これまで家庭から出るごみなど一般廃棄物に限って搬入を認めてきたが、全
国的な産廃処分場不足を踏まえ、産廃受け入れへ方針転換する。受け入れに当
たっては、自治体などが運営する第三セクターの処理施設で無害化することを条
件とする。厚生省と連携して関連経費を2001年度予算概算要求に盛り込む。
 厚生省によると、産廃処分場は新たな用地が確保できなければ、あと1.6年
で満杯になる。一方、処分場建設は“迷惑施設”として住民の反対が根強く、陸
地への新規立地は困難。このため、港湾で産廃を受け入れる運輸省の方針転換
は、処分場不足の解消に大きく寄与しそうだ。 
[時事通信社 2000年 8月20日 ]
−−−−−−−−−−−−−−−−−
森内閣総理大臣 御中

   「戦争法」(周辺事態措置法)の発動に反対し拒否する決議

 戦後最大の不況は一向に改善の兆しもなく、厳しいリストラによって、雇用・
失業の深刻さは増すばかりです。その上「規制緩和」の名のもとで労基法、労働
者派遣法、年金改革法が、連合、全労連、全労協などの反対を押し切って強行さ
れました。
 一方、九十八年橋本首相とクリントン大統領との新ガイドライン合意以来、ア
メリカの言いなりに軍国主義化の道を突き進み、昨年五月には「戦争法」(周辺
事態措置法)が成立、その後有事立法の露払いとも思われる「盗聴法」、「住民
基本台帳法」、「地方分権一括法」、そして国旗・国歌法、憲法調査会の設置な
ど次々と成立してきました。
 日米共同演習も一層強化され、とくに「戦争法」の具体化をめざした自治体、
民間を巻き込んだ演習や、米艦船の民間港への入港がめだちます。
 「戦争法」の第九条では米軍戦闘行為を支援するために、第一項では国(運
輸・厚生・自治・通産大臣など)が自治体の長(知事・市町村長)に対して「そ
の有する権限について必要な協力を求めることができる」として、例えば、自治
体の病院、学校、体育館、通信施設、バス、給水、土地その他が対象になりま
す。また運輸大臣が米軍の要請で秋田港や秋田空港を使用したいと行ってきた場
合、知事は一般的義務として従わなければなりません。もし、港や空港にすでに
許可を得た民間の船舶や航空機がいて、それが米軍の邪魔になる場合は知事が変
更を要請、だめな場合は運輸大臣が直接その民間業者に要請することになってい
ます。
 第二項には「国以外の者」(民間の運輸業者、病院その他)に必要な協力を求
めることができることになっています。
 以上のように「戦争法」によって米軍の要請があれば、自治体労働者はもちろ
ん、民間企業に従事する労働者も、自分の意思とは無関係に協力を強いられるこ
とになります。
 労働者を米軍のための戦争協力体制にまきこみ、国民の生活と生命を危険にお
としいれる「戦争法」の具体化はけっして許せません。
 ******に働く労働者の生活と権利、平和と民主主義を守る
 ******労働組合として戦争法に反対し、協力を拒否することを決議しま
す。
                    2000年  月    日
                    ******労働組合
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

私事ですが、最近「めいし」をつくりました。
表は、名前や住所の上に「いやです!戦争協力」のコピーをカラーで入れて、
裏には
        戦争協力拒否宣言
 戦争は人を殺し、人の心を殺し、人と人のつながりを殺し、あらゆる生きもの
(自然)を殺します。戦争をどのような言葉で正当化しようとも、この事実に変
わりはありません。
戦争によっては、平和を守ることも創り出すことも、決してできないのです。
 よって、私は、政府がどんな理由をつけようとも、いっさい、戦争に協力しな
いことをここに宣言します。

という宣言文を書きました。
これは
《戦争協力拒否宣言運動》をしている、愛媛の「戦争協力拒否宣言のススメ」の
アイデア「戦争協力拒否意思表示カード」から、許可を得て拝借したものです。
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/zxvt29/sengan.htm

めいしを渡すという習慣がないので、「名刺交換」とはいきませんが、ちょっと
話が途切れたときなんか「こういうのつくったんだ」ってかんじで、受け取って
もらっています。
「非協力」の話のきっかけを作るのに重宝しています。
 「生活苦」の話に終始することが多くて、なかなか「戦争協力」について話す
機会も、情報を得る機会も少ない人たちでも、思ったより話が弾みます。「そう
いえばこんなことがあった」とかって、些細なことなんだけれども、国のやって
ることって何となくオカシイと思っている人って、いっぱいます。
 先日も、北海道へ遊びに行った人が、「あんたに、北海道には軍事演習場があ
る、あるって聞かされたせいか、郊外に出たらやたら自衛隊のトラックが目に付
いちゃって・・」といっていました。

 



 
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