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石原都知事に対する「ビッグレスキュー」中止と、三宅島住民への責任ある救援
要求について(追加情報)
発信者=「やめて!東京都による〈防災〉に名を借りた自衛隊演習」
実行委員会
発信時=2000年8月30日
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8月29日に発信した「緊急アピール」について、東京都の電子メールのアド
レスが便利、というご意見がありましたので、以下に記載します。ご利用下さ
い。
◆「東京都知事への提言」メールアドレス governor@metro.tokyo.jp
◆ 東京都知事秘書室のFAX(専用)=03・5388・1200
なお石原慎太郎都知事への要求・要請については、
三宅島の住民が雄山(おやま)の噴火で苦しんでいることにきちんと対応する
のが、都知事の仕事ではないですか。軍事演習にほかならない「ビッグレス
キュー」の準備など中止して、島民の生命(いのち)と安全を守り、生活を支援
することに全力を集中して下さい。
という主旨を骨子として、みなさんの思いをそれぞれの言葉で伝えていただき
たいと思います。文章の長さも、むろんご自由になさって下さい。
〈訂正〉
前回の「緊急アピール」において、全島避難を要請する村議たちに対応した都
の責任者を青山副知事としましたが、これは福永正道・副知事の誤りですので、
訂正します。8月27日、三宅島の三宅支庁で、福永副知事と三宅村議会の11
人の議員が非公式の懇談会を開きましたが、福永副知事は、「全島避難を出す状
況ではない」とこれまで都の見解をくりかえしました。
以下は、私たちの実行委員会が本日(8月30日)、石原都知事に送った申し
入れ書です。ご参考になれば、と思います。
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東京都知事・石原慎太郎氏への申し入れ
「やめて!東京都による〈防災〉に名を借りた自衛隊演習」実行委員会
2000年8月30日
伊豆諸島・三宅島の雄山(おやま)の活動がつづいています。昨日早朝には、
噴煙が8000メートルにも達する大規模な噴火がありました。また伊豆諸島周
辺の海底で地震がつづいています。東京や神奈川だけでなく、群馬、栃木、山
梨、静岡でも、三宅島の噴火で放出された二酸化硫黄が大気を汚染し、異臭を
放っています。打ちつづく地震に、多くの人びとが不安な気持を抱いています。
去る8月18日の大噴火は、三宅島の人々に甚大な被害をもたらしました。火
山灰が人家の屋根に積もり、同月25日には、その灰を取り除く作業をしてい
た、同島伊ケ谷地区の住民が亡くなりました。心筋梗塞によるらしいと報道され
ています。降灰はまた、農作物を直撃し、噴石などによって放牧中の牛が死にま
した。
小中学校の生徒や高校生たちは全員、昨日ついに島外に避難しました。火山灰
の粉じんが舞う島の生活の苦しさは、むろん大人たちも同じで、生活基盤を失っ
たり、おびやかされている人々の脱出がつづいています。
こういう状況ですから、三宅島では、全島避難を求める声さえ高まっていま
す。ところが東京都は、お座なりな対応をするだけで、住民の不安に正面から向
き合おうとしていません。8月28日、石原都知事は、滞在中のマレーシアで
「専門家の意見を聞いても、島がふっ飛んじゃうような大惨事、大災害が予想さ
れる状況ではない」とのべました。またその翌日には、同行記者に「対策本部で
陣頭指揮をとらなければならないのでは」と尋ねられ、「もっと大事な仕事でマ
レーシアに来ている」と答えました。
これらの発言の根底にあるものは、すでに起きた噴火やその後もつづく噴火
が、島の人々をどれほど苦しめているかということに、まったく想像力を働かせ
ようとしない、尊大・傲慢な「お上(かみ)」の姿勢です。
火山噴火予知連絡会(予知連)の予報はまったく当てにならないことが、8月
18日の大噴火で明らかになったのですから、三宅島の人々が不安を募らせてい
るのは、当然のことです。
「もっと大事な仕事でマレーシアに来ている」という石原都知事の発言は、自
治体行政の長にあるまじき発言です。自治体外交それ自体は大いに発展させるべ
きですが、「アジア大都市ネットワーク21」の共同提唱都市首長会議を利用し
て石原都知事がやっていることは、中国を分裂させるための露骨な政治的策動で
す。それは、中国を知事就任後も「シナ」と呼びつづける石原氏の政治活動の一
環であり、それを口実として三宅島の住民が抱える困難を軽視することは、とう
てい許されることではありません。この発言には、石原都政の反都民的な本質
が、みごとに露出しています。
石原都知事は、9月3日に「ビッグレスキュー東京2000〜首都を救え〜」
(東京都総合防災訓練)を「都政史上、日本史上最大の防災訓練」と呼号しつつ
強行しようとしています。しかしそれは、「防災」どころか、陸海空の自衛隊員
を7100人も動員する軍事演習、軍事的パフォーマンスです。
三宅島で噴火がつづき、伊豆諸島周辺の海底で地震が頻発している〈いま〉、
求められているのは、「ビッグレスキュー」演習などではなく、三宅島を含む伊
豆諸島の人々の生命(いのち)と安全を守り、生活を支援・保障することではな
いでしょうか。
8月18日の大噴火後、三宅島に、陸上自衛隊練馬駐屯地の第一師団が「降灰
除去のために」派遣されました。ところが、噴火がまだおさまっていないのに、
第一師団は同月27日、さっさと引き上げてしまいました。同師団は9月3日、
都営地下鉄・大江戸線で、練馬区から江東区の木場会場まで移動することになっ
ており、撤収がその準備のためであることは明らかです。
この事実は、自衛隊の「災害派遣」なるものが、本当は被災住民の救援のため
になされているのではないことを如実に示しています。防衛庁・自衛隊が求めて
いるものは、部隊の出動訓練そのものにほかなりません。
石原都知事は「ビッグレスキュー」を中止し、三宅島など伊豆諸島の住民を、
都行政の全力をあげて支援すべきです。都は「ビッグレスキュー」のために約3
億円もの予算を投入するとのことですが、それは被災住民救援のために使われる
べきです。
もしそのようなことが「大事な仕事」ではないというなら、石原都知事は即刻
辞任すべきです。都民の生命と安全に責任を負わない知事は、いりません。
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