「国際行動センター」のサラ・フローンダースより
International Action Center
<mailto:iacenter@iacenter.org>iacenter@iacenter.org
<http://www.iacenter.org>www.iacenter.org
米軍主導のNATO軍はユーゴスラヴィア/コソボで
実際どのような目的を持って動いているのでしょうか。
ジョージ・ソロスのバルカン地方支配計画などについて、
「国際行動センター」のサラ・フローンダースが
報告します。「環境汚染の危機から子どもや妊婦を守る」
などという名目でNATO軍を利用し、国営産業を横取りする西側
企業の姿が見えてきます。(以下、英文を略訳いたします。なお、
文章を短くするため、原文は掲載しておりません。ご希望の方は
上記のウェブでご覧ください。)
8月14日午前4時半、3000名あまりのNATO軍の兵士たちが
大気汚染管理を理由にズベカンにある鉛製錬所を占拠
した。この製錬所はミトロヴィカ市から数マイルほど
離れたコソボ北部の広大なトレプカ鉱業コンビナートの
中で、唯一稼動していた産業であった。
さらに同日午前6時30分、大気汚染とは何の関係もなく、
NATO軍は唯一、同軍に対して批判的な情報を
流していたズヴェカンのラジオS局を閉鎖し、局の
設備を押収した。
ミトロヴィカの北部は、現在唯一他民族が共存している
場所である。何千というセルビア人、ロマ、スラブ系
ムスリムや他の国籍を持つ人々がコソボ解放軍(KLA)
の暴漢と自警団員にコソボの他地域から追われて
ミトロヴィカに集まってきたのだ。多くの人々はイベル川の
北側に逃れた。
彼ら・彼女らはこの経済的に荒廃した土地で、地元のセルビア系の
人々とともに、KLAの攻撃に抵抗してきたのだ。
NATOのこの突然の攻撃は、地元の唯一のラジオ局と
人々の暮らしを支えてきた重要な職場を奪った。
以前、鉱山と製錬所、精製所、電力センターはユーゴスラビアの
主要な輸出産業の一つを形成し、交換可能通貨の最も
重要な源であり、地域の人々にとって、主要な職場であった。
国連のコソボ使節団長であるベルナード・カウチナーは
夜明け前のNATO軍によるこの攻撃を擁護して、「子ども
や妊婦の健康に対する脅威をあと一日でも許すことは、
医者として、そしてコソボを管理する長官として無責任
である」と述べた。国連コソボ使節団はコソボを管理する
ためにNATO軍が設けた警察である。
だが、カウチナーはNATO軍による全域での劣化ウラン弾
使用、化学製品工場の破壊、クラスター爆弾使用が
もたらした凄まじい環境破壊については一切言及
していないのだ。
ここでNATOが突然環境汚染に気を使い出したことに
あなたが疑問を感じるなら、本当のところ、
何が危機にひんしているのか見てみる価値がある。
1998年7月8日、ニューヨークタイムスの記者、
クリストファー・へッジスはこう書いている。「トレプカに不規則に
広がる国家所有の鉱業コンビナートはバルカン地方で最も
価値の高い土地である。」ここでヘッジスは鉛、カドミウム、
ジンク、金と銀の豊かな鉱脈について述べている。
スタリ トルグ 鉱山は製錬所と、17の金属処理場、倉庫、貨物
ヤード、鉄道、発電所と全国で最大のバッテリー工場に
囲まれている。また、ここは全ヨーロッパ地域で鉛とジンクが
最も豊富な場所である。さらに石炭は170億トンに及ぶ。
上記のカウチナーのスクリプトを書いたのは、
大資本家、ジョージ・ソロスだ。
パリを本拠にするジャーナリストのダイアナ・ジョンストーン
は2月28日のレポートの中で、「国際危機グループ」の
政策文書について述べている。「国際危機グループ」とは、
NATO軍率いるバルカン地方の再形成する際
ガイダンスを与える目的でジョージ・ソロスが設置した
シンク・タンクである。
このシンク・タンクは、トレプカの管理を奪い、
環境の危機を口実にズヴェカンの製錬場を閉鎖するよう
カウチナーに公然と要求した。
ソロス・グループはコンビナートの占拠は、ユーゴスラビアで
新たな選挙が行われる以前に実行されるべきだと強調
していた。というのも、そうすることによって、失われた
トレプカの責任を、反政府側がユーゴスラブヴのミロシェビッチ
大統領に押し付けることができるからだ。
選挙は6週間先に迫っている。
しかし、この提案が出された時点で、鉛製錬場は稼動しておらず、
環境汚染はなかった。NATO軍による空爆後、数ヶ月間
閉鎖されていたからだ。
この国営工業が、大きな犠牲と支出をともなって生産を
再開したのはほんの2ヶ月前である。生産によって得られる
通貨が破壊されたユーゴスラビアの経済にどうしても
必要だったからだ。
ズヴェカンの製錬工場強奪によって、NATO軍は
トレプカコンビナート全域を管理下におくことになるだろう。
NATO軍が米国企業の管理を保障するための軍隊であることを
再び証明するように、コンビナートを強奪した後の最初の動きは、
コンビナートを民間の合弁会社に引き渡すことであった。この
合弁会社は、ITTコソボLtd.で、アメリカ、フランスとスウェーデン
の合弁事業である。
この取り引きで一番興味深い共同事業者は、米国籍の会社である
モリソン・ヌッドセン・エンジニアース・アンド・コンストラクタース
(技術者と建設者)で、この会社はパトリオットミサイルとレーダー
設備をペンタゴンに受注される主要軍事コントラクターだ。
これは巨額の儲けにつながる取り引きで、ITTコソボLtd.は
トレプカの管理、重役と委員会役員指名、投資戦略を作成し、
すべての取り引きから最大限の利益を奪い取ることになる。
アルバニア人の中で、こうした企業が管理することで、戦前
存在した何千もの、高給で、安定した手当付きの仕事が戻ってくる
と幻想を抱いている人たちは、大資本家のジョージ・ソロスが
用意している計画の内容を知るべきだろう。
国際危機グループによれば、いったんNATOが産業コンビナート
全体を管理下に掌握した後、他国籍の資本家が近代的で
最大限の利益が得られる設備を整えることになっており、そこには
少数の労働力しかいらないのである。
ユーゴスラビアの人々の努力によって築かれた産業を
まぎれもなく横取りしたわけだが、ソロスのシンク・タンクは
「不正腐敗を防ぐために(!)」経営管理は他国籍の
取締役を配置すべきであると勧めている。
安倍 陽子 <mailto:yabe@wvu.edu>yabe@wvu.edu