Date: Thu, 17 Aug 2000 19:50:54 +0900
From: 加賀谷いそみ<QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 2990] 記録集「私たちは憲法の改悪を許さない」
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集会「私と憲法のひろば」記録集ができましたので、ご案内します。

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記録集 2000年 私と憲法のひろば
   「私たちは憲法の改悪を許さない」
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  新崎盛暉(沖縄大教授)・角田由紀子(弁護士)
  山内敏弘(一橋大教授)・高田健(実行委員会)

発行日 2000年8月15日
編集発行者 許すな!憲法改悪・市民連絡会
 東京都千代田区三崎町2ー21ー6ー302 市民ネット内
       電 話 03(3221)4668 
       FAX 03(3221)2558
頒価 一部500円(送料実費)

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<目次>
まえがき
力をあわせて改憲の流れを止めよう・・・・・・高田 健
最近の沖縄の変化から・・・・・・・・・・・・新崎盛暉
「女性の権利」と憲法・・・・・・・・・・・角田由紀子
改憲をすすめる三つの潮流について・・・・・・山内敏弘
集会アピール
「I LOVE 憲法」イラスト大賞(作品)

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2000年5月3日の憲法記念日に東京・両国の江戸東京博物館で行われた集会
「私と憲法のひろば」にはさまざまな市民団体などの呼びかけで、650人以上
の人びとが集まり、憲法改悪阻止の決意を誓い合った。これは今年で4回目にな
るこの「ひろば」でもっとも多い参加者で、人びとの時代と憲法に対する危機感
を反映したものとなった。
(まえがきより)

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 今年の敗戦記念日には、庶民の家計を犠牲にして企業を救済してきた10年余
を経てなお不況にあえぎ、制度が導入された一九六〇年度以降で初めてという本
給の引き上げ見送りを人事院が勧告、盗聴法施行、首相による靖国参拝をめざす
環境整備の強行、16日には、駐留軍用地特別措置法改悪によって、森首相の代
理として、防衛庁土木課長による代理署名で、強制的に沖縄の土地が散りあげら
れるという暴挙がなされた「記念」すべき年となりました。

 今世紀最後の原爆の日、そして8月15日という節目にもかかわらず、今年の
総合雑誌のほとんどが、戦争をめぐる大型特集を組まずに紙面を編集しているの
が、「逆説的な意味で」目を引いたとのこと(河北新報00/08/16)

北海道新聞(00/08/16)によると
終戦記念日北海道集会で山口二郎北大教授は、
現在の政治状況について「憲法、靖国神社などナショナリズムが重要な争点」と
した上で、「不良債権が増えた九○年代の日本の愚行は、これをおかしいと思う
自立した個人の意見が貫かれなかったのが原因。国民をひとくくりにするナショ
ナリズムは有害だ」、さらに戦争体験が風化する中で「憲法改正を阻止するのは
難しくなっている」と指摘、「国家権力をしばり、個人の自由を保証する日本の
市民社会の力をもっと進める決意を固めるのが、八月十五日だ」と講演。

 その「ナショナリズム」の台頭が、顕著にあらわれた一例として、また民衆運
動への攻撃に対する民衆側の「緊張感の欠如」への警鐘の意味も含めて、「日本
の縮図」と言われる沖縄での「県の外郭団体など、あらゆる県の機関から一坪反
戦地主などを役員から排除すべき件」の陳情書採択を、経過説明とともに新崎さ
んが、取り上げています。

 また、特に女性の人権問題や性差別問題に取り組んでいる角田由紀子さんは、
憲法を生かして(「憲法を後ろ盾にして、憲法が保障した権利に帰って)」問題
に取り組み徐々に「女性の権利」を確立してきたことを報告しています。
 これは、環境問題に関してもいえることです。「環境権」は公害問題に取り組
む中から憲法に保障されている生存権として、住民運動によって確立されてきた
権利です。にもかかわらず、情報公開法に「知る権利」を明記しなかったと同
様、93年に制定された環境基本法という法律レベルでさえ、「環境権」という
文言を政府は盛り込まなかったのです。

 山内さんは各氏の報告を踏まえて、今日の改憲勢力の本質をみきわめ、国際的
にもすぐれた、憲法前文の人権規程、9条の平和条項を守り生かし、「机上の改
憲論」にも流されることなく取り組んでいかなければならない必要性を具体的に
まとめています。

 なお、国際人権B規約に加入している144ヶ国のうち、個人通報制を規定し
ている第一選択議定書はその3分の2にあたる95カ国が批准しています。
(1999年6月現在)。アジアでは、韓国とフィリピンは批准していますが、日本
はいまだ批准しておらず、日本政府は「法律が規約と完全に適合するよう、国内
法を再検討しまた適切な改正を行い続けること」「規約人権委員会は、締約国
が、人権侵害の被害者に対して救済手段を与えるための措置を講じること、とり
わけ、第一選択議定書を批准する」よう勧告されています。

日本政府は日本国憲法76条3項で「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立して
その職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」ため、「司法権との独立」
との関係に懸念があるという理由で10年も前から、「検討中」のままとのこと
ですが、日本の裁判所の考える人権の水準が、国際的水準に達していないため、
日本の裁判所の出した判決が国連の規約人権委員会の見解に耐えられないという
「実情」があるというところがホンネのようです。その最近の例が、この国での
「量刑としては相場」とされた、横山ノック被告の執行猶予付き判決でした。

 これらからだけでも、改憲を標榜する与党言うところの、プライバシー権、環
境権、知る権利などの「明文化」という「改憲論」が口先だけの粉飾ものでしか
ないことは容易に想像できるのではないかと思います。<加賀谷 いそみ>

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現在「許すな!憲法改悪・市民連絡会」では、以下も取り扱っています。

◎好評三刷発売中
パンフレット
市民連絡会事務局編集
「憲法調査会のねらうもの」
1部400円、10部以上300円(いずれも送料実費)

◎絵はがき
「I LOVE 憲法・イラスト大賞」作品
作成・「I LOVE 憲法」実行委員会
5枚セット500円(送料実費)

◎パンフレット
憲法改正読売新聞社第二次試案の検討
「新しい装いの底に流れる復古主義」
著・高田健
発行・国際経済研究所
頒価・300円(送料実費)

【申し込み先】
許すな!憲法改悪・市民連絡会
 東京都千代田区三崎町2ー21ー6ー302 市民ネット内
       電 話 03(3221)4668 
       FAX 03(3221)2558
              E-MAILアドレス a9net@z2.zzz.or.jp
      
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「許すな!憲法改悪・市民連絡会」からの緊急報告
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衆議院憲法調査会の今後の予定について。

年内の審議のテーマ  「21世紀の日本のあるべき姿」について、参考人の意
見を聞く。参考人は12人。推薦は自民が4人、民主が2人、公明、自由、共
産、社民、21クラブ、保守は各1人。現在の各党案は、自民が田中明彦(東大
教授)、曾野綾子(作家)、渡部昇一(上智大教授)、らをあげ、各党からは塩
野七生(作家)、緒方貞子(国連難民高等弁務官)、山崎正和(作家)、小田実
(作家)、林真理子(作家)、櫻井よしこ(ジャーナリスト)の名があげられ
た。
調査会開催予定日は9/28、10/12,10/26,11/1,11/3
0,12/7,12/21。
幹事会で中山会長は年内に地方公聴会を1回開きたいと提案した。
海外調査団は、9/10から19日まで、ドイツ、スイス、イタリア、フランス
各国の憲法裁判所、および議会の憲法所管委員会を調査する。
団員は、自民4、民主2、公明、共産、社民各1名。

参議院は日程未定だが、参考人には渡辺恒雄(読売)らがあげられている。

事態は急テンポです。がんばりましょう。



 
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