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全国のみなさんへ
発信団体=「やめて!東京都による『防災』に名を借りた
9・3自衛隊演習」実行委員会
発信時=2000年8月15日
私たち「やめて!東京都による『防災』に名を借りた9・3自衛隊演習」実行
委員会は、8月14日、東京都総務局災害対策部に公開質問状を書留速達で送付
しました。同部から回答が届き次第、みなさんにその内容を公開します。
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東京都総務局災害対策部への公開質問状
提出団体=「やめて!東京都による『防災』に名を借りた
9・3自衛隊演習」実行委員会
提出日=2000年8月14日
◎本状に関する連絡先などは、末尾に記します。
東京都が、本年9月3日に実施する予定の「ビッグレスキュー東京2000〜
首都を救え〜」(平成12年度東京都総合防災訓練、以下「ビッグレスキュー」
と略します)について、以下、質問します。
1.「ビッグレスキュー」は、1980年以来実施されてきた七都県市合同防災
訓練、および都内各区・市町村で行なわれる防災訓練と、どのような関係にある
のですか。
2.本年4月9日、石原都知事は、陸上自衛隊練馬駐屯地で行なわれた創隊記念
式典で「不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪を繰り返してい
る。こういう状況で、大きな災害が起きた時には、大きな大きな騒擾事件すら想
定される。こういうことに対処するためには、われわれ警察の力をもっても限り
がある。ならば、そういう時に皆さんに出動願って、やはり治安の維持も一つ皆
さんの大きな目的として遂行していただきたい」と発言しました。
石原都知事は、都知事として公的に、自衛隊に対し、大規模災害が発生した
時、自衛隊に治安出動を要請すると発言したのです。この石原都知事の発言から
考えると、「ビッグレスキュー」が、マグニチュード7.2、震度6強という
「阪神・淡路大地震」並みの大規模地震の発生を想定している以上、「ビッグレ
スキュー」において、自衛隊は当然、治安出動訓練を実施すると思われますが、
いかがですか。
3.2で質問したことに関連しますが、「ビッグレスキュー」における自衛隊に
よる治安出動訓練の内容を、具体的に説明して下さい。
4.「ビッグレスキュー」は防災訓練とされていますが、それに陸・海・空の自
衛隊を4千人から5千人も参加させる、その理由を明らかにして下さい。
5.「ビッグレスキュー」は、災害対策基本法や大規模地震対策特別措置法(大
震法)の適用を想定しているのでしょうか。総務局防災対策部の広報には、説明
がありませんので、以下5項、質問します。
A 東京都は、法令に基づいて「ビッグレスキュー」を実施するはずです。演
習を実施しうる法的根拠を明示して下さい。
B 「ビッグレスキュー」は、大規模地震の発生により「東京区部を中心に広
域的な被害が発生している」という想定の下に行なわれるそうですが、その場
合、救命・救急活動、生活支援活動などを実施するために、いろいろな法の適用
がなされるはずです。どの法を、どのように適用することを想定していますか。
具体的に説明して下さい。
C 三宅島などで、「避難勧告」や「避難指示」が、当該自治体の長から出さ
れていますが、災害対策基本法第60条を根拠とする「避難勧告」や「避難指
示」には、住民に対する強制力はないと解されますが、いかがでしょうか。
D 「ビッグレスキュー」においては、災害対策基本法第63条を根拠とする
「警戒区域の設定」は想定されていますか。
E 「ビッグレスキュー」は、大規模地震対策特別措置法に基づく「地震防災
対策強化地域」の指定を想定していますか。
6.「ビッグレスキュー」には自衛隊が参加しますが、いかなる法的根拠に基づ
いて自衛隊は出動するのですか。
7.災害時の消火活動、救出・救護活動、応急医療活動、その後の生活支援活動
などについては、日頃、警察や消防が、必要な装備を整えて十分な訓練を重ねて
いれば、対応できるのではないでしょうか。東京都は、自衛隊にどのような活動
を期待しているのですか。具体的に説明して下さい。
8.防災とはそもそも、災害を防ぐことです。しかし地震の発生を止めること
は、誰にもできません。ですから、地震に強い都市計画がなにより先行すべきと
思いますが、大規模地震に備える東京都の都市計画は、どのようなものですか。
9.ある資料(本質問の末尾に出典を明記します)は、「東京区部における地震
被害の想定に関する報告書」(昭和53年東京都防災会議編)に基づいて、19
23年に起きた関東大震災が再び起きたら、どのような被害が生じるかを推定し
ています。
それによると、死者3万5700人、負傷者6万3000人、罹災者349万
9200人などとなっています。
「ビッグレスキュー」で想定されている大規模地震は、関東大震災(マグニ
チュード7.9、震度6)よりわずかに低いマグニチュードを想定しています。
しかし上の推定がなされた時期は1995年であり、その後も東京都の過密化は
進行しているので、より巨大な被害の発生が見込まれると思います。「ビッグレ
スキュー」が想定する被害は、どのようなものでしょうか。それを明らかにして
ください。
◎ 資料=学習研究社、1995年5月19日発行、『「保存版」地球環境白
書・今「地震」が危ない』
10.「ビッグレスキュー」を計画するにあたり、都は防衛庁とどのような交渉
を行なったのでしょうか。交渉の経緯とその内容を詳細に説明していただきた
い。
11.「ビッグレスキュー」実施にあたり、都内の区や市町村に協力を要請した
と思いますが、その文書はどのようなものですか。公開していただきたい。
12.「ビッグレスキュー」実施の際の指揮系統は、どのようになっています
か。首相官邸危機管理センター・防衛庁中央指揮所・都防災センターなどの連携
の仕方とともに、それを明らかにしていただきたい。
13.陸・海・空の三自衛隊が「ビッグレスキュー」に参加するそうですが、そ
れぞれの部隊は、どの駐屯地あるいは基地から出動するのか、また、どのような
手段と経路で防災訓練実施地点に集結するのかを明らかにして下さい。
14.「ビッグレスキュー」には、都民の税金が使われるそうですが、同予算の
明細を明らかにして下さい。
15.「ビッグレスキュー」に関し、都民一般に提供された資料と、都庁幹部用
に配布された資料には、はっきりした違いがあります。後者には、前者にない自
衛隊の行動予定が記されています。このような違いは、どのような理由によって
生まれたのでしょうか。その理由をはっきり説明して下さい。
16.今回の「ビッグレスキュー」は、これまで防災訓練が大規模なパフォーマ
ンス型から小規模の地域密着型に転換してきたという当然の流れに逆行し、極端
に大規模な軍事的パフォーマンスであるという指摘があります。
都は「ビッグレスキュー」を中止し、都民の意見を十分に聴取しながら、それ
ぞれの地域的特性に基づいて、きめの細かい防災演習を立案すべきであると思い
ますが、いかがですか。
本公開質問状の提出団体と連絡先および回答期限について
「やめて!東京都による『防災』に名を借りた9・3自衛隊演習」実行委員会
は、都内の市民運動や労働運動など数10団体が構成する、ゆるやかな連合体で
す。連絡先は、日本消費者連盟ですが、本状に関しては以下の者が担当します。
本公開質問状は、間近に迫る「ビッグレスキュー」に関するものですので、ご
回答は、2000年8月21日までに寄せて下さい。なお、ご回答については、
FAXでご送信いただいてもかまいません。
貴災害対策部が本状に記した要請に応えて資料を提供される場合は、下記連絡
先にお知らせ下さい。ご連絡をいただければ、本実行委員会のメンバーが都庁で
直接受け取る予定です。実費が必要なものであれば、購入いたします。
連絡先 個人(略)