To: aml@jca.apc.org, keystone@jca.apc.org
Subject: [keystone 2960] 戦争協力反対ファックス通信8/8号
From: toshimaru ogura <ogr@nsknet.or.jp>
Date: Thu, 10 Aug 2000 15:23:08 +0900
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Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 2960
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

小倉です。恒例のファックス通信です。

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        戦争協力を拒否し
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  ∨∨∨ YYYYYYYY YYY   YY  YY ∨∨∨
   ∨∨ YY    YY YY   YY YY  ∨∨
   ∨  YYYYYY YY  YY   YYYY   ∨
   |  YY   YYYYYYYYY  YY YY  |
   全国 YY  YY    YY YY  YY 通信
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    新ガイドライン・有事立法に反対する
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●「戦争協力を拒否し、新ガイドライン・有事立法に反対する全国Fax通信」の
 ファクシミリと郵送での購読料は半年間3,000円です。
●この9月中旬から新たに再スタートとなります。ファクシミリ/あるいは郵
 送での定期購読者を募集しています。ぜひ、定期購読をお願いします!
●この【電子版】は、より多くの方々に読んでいただきたいという趣旨から公
 開していますが、もちろん、こうしたメディアを編集し、発行を継続してゆ
 くためには、様々な経費が必要です。
●この【電子版】をご覧になった方で、多少なりともこうしたメディア/取り
 組みに意味があるとお考えの方は、*是非カンパをお送りくださるよう*お
 願いいたします。
●下記に記載の郵便振替口座をご利用ください。

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【電子版】
戦争協力を拒否し、新ガイドライン・有事立法に反対する全国FAX通信
No.22 2000年8月8日(月2回発行)
◆◆◆第2期・第10号◆◆◆

東京都千代田区三崎町3−1−18 近江ビル4階
TEL:03-5275-5989
FAX:03-3234-4118
Eメール:tokada@jca.apc.org
HP:http://www.jca.apc.org/~toshi/NoWar_News/fax_tusin_index.html
購読料 3000円(半年間/第2期:2000.3〜9)
郵便振替 00110-4-408708 全国FAX通信
*〈Fax通信〉は情報の受け手が同時に発信者となるメディアを目指します。
*全国からの情報、企画、意見をお待ちしています。
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目次
●「天皇中心の神の国」はゴメンだ! 8・15集会に参加しよう!!
●「正念場を迎える沖縄の反基地運動
  −−闘ってこそ民衆の大義は生きる
●ていこうせん
●サミットを機に沖縄の主張を世界に
  −−NGOセンターの活動を振り返って
●リレー連載「……こんな運動してます!」
   −−すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川
●チャンプルのように盛りだくさん!!
  7.20「沖縄からの風を受けて」さっぽろ平和集会
●パンフ紹介
  『「三国人」発言と在日外国人−−石原都知事発言が意味するもの』
●沖縄・安保 News クリップ(7/22〜8/2)
●ふ米軍への“思いやり予算”返還訴訟・東京
  思いがけない結審通告!
●各地集会・行動予定(8/10〜9/1)
●夏季カンパのお願い
●事務局から

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「天皇中心の神の国」はゴメンだ! 8・15集会に参加しよう!!

 敗戦から55年の時間が流れて、また政府主催の「全国戦没者追悼式」が、天皇
夫妻の出席の下に持たれるシーズンになった。
 私たちは、この間、この侵略戦争に人々を動員した国家(天皇制)が、その戦
争の中の死者を追悼してみせることで、自分たちの戦争責任・戦後責任を曖昧に
してやりすごす政治セレモニーに反対する運動をつみあげてきた。
 だから私たちにとっては、8・15は、反天皇儀礼の日である。そしてまた、
「反靖国」の日でもあるのだ。
 今年、「昭和天皇」ヒロヒトの誕生日を「みどりの日」から「昭和の日」に改
める(「みどりの日」は移動)祝日法改悪案は、まったくまともな討論もなく成
立しそうになったが、突然に浮上した森首相の「神の国」発言、そして、それへ
の批判の声の拡大のあおりをくって廃案になった。これは、その点はラッキーで
あった。しかし、「神の国」の「全国戦没者追悼式典」は堂々と行われ続けるの
である。
 森首相の「天皇中心の神の国日本」を国民に押しつけようという発言は徹底的
に批判されなければならない。しかし、それはマスコミのいうような、国民主権
=象徴天皇制下の戦後社会の中で、アナクロニズムともいうべき発言であるか
ら、ではない。その森首相への批判は、象徴天皇制国家も、やはり「神の国」で
あり続けている事実をこそふまえてなされなければならないのだ。
 皇太后ナガコが死に、7月20日の「斂葬の儀」を中心に神道儀礼に基づく儀式
が展開され続けている。私たちは、これへの抗議の運動をもつくりだしてきてい
るわけであるが、その儀式は彼らにとっては「現人神」一家の「葬式」という意
味を持っていることを忘れるわけにはいくまい。
 この25憶もの金を使った(ムダ使いもいいところダ!)神道儀式への批判の声
は、マスコミからは、ほとんど消滅してしまっている。森の「天皇を中心とした
神の国」発言については、あれほど非難・批判の声を噴出させた、そのマスコミ
から、である。
 マスコミは、戦前型(むきだしの「現人神」天皇)の復活には反対するが、あ
る点でかつての天皇制を、変容させながら連続させることでつくられた象徴天皇
制それ自体への批判は、しないのだ。
 「全国戦没者追悼式」も、実は、死者を「英霊」としてまつった靖国神社でか
つて行った天皇儀礼から連続する性格を持っていることは明らかである。
 自分たちが死に狩りたてた人々。その死者を、狩りたてた国家(天皇)が追悼
してみせるセレモニーという点は共通している。
 新しい戦死者がつくりだされる状況がうまれつつある今、この欺瞞のセレモ
ニーに抗議する闘いの大切さは、いうまでもあるまい。「天皇制の戦争・戦後責
任を追及し『全国戦没者追悼式』に反対する8・15集会」への結集を!
(天野恵一/事務局)

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正念場を迎える沖縄の反基地運動
  −−闘ってこそ民衆の大義は生きる

 普天間基地の移設先が年内に決着しない限り「沖縄に行きたくない」とクリン
トンは発言した。それに驚いた日本政府は「普天間基地移設政府シナリオ」なる
ものを作成し、沖縄経済支援策としての振興策をみせびらかせた。1999年の11月
に稲嶺県知事、12月には岸本名護市長が、その巧みな誘導策に屈服した。それを
受け、先進国首脳会議が沖縄開催となるやいなやクリントンは、日米安保がアジ
ア・太平洋地域の「平和と安定」に多大に寄与していること、とりわけ沖縄基地
の戦略的位置の重要性を強調し、沖縄サミットでの再確認を明らかにしている。
 先進国首脳会議の沖縄開催は、その経緯をみても明らかなように沖縄米軍基地
の再編・強化、固定化とリンクしたものであった。それを承知の上でなお、普天
間基地の代替基地の使用期限を「15年」(それだって絶対に容認できない)とす
ることについて、米大統領の来日を機に話し合う、とうそぶく日本政府。また稲
嶺知事も岸本市長もクリントンに直接進言するとも言う。なんとも白々しく、多
くの沖縄民衆は、その言動を厳しい批判の眼でみていた。
 7月21日、中東和平交渉の場から来県したクリントン大統領は、平和祈念公園
で演説した。そこには「平和の礎」があり、戦争が意味する惨劇と破壊、虚しさ
を語り、平和の尊さをあらためて考える場である。その「平和の礎」を巧みに利
用し、「アジアが平和なのは、日米同盟が信頼感を与えているから」とし、沖縄
基地の重要性と無期限維持を強調した内容となっている。沖縄民衆の予想が少し
のぶれもなく的中している。これほど沖縄民衆を愚弄した言葉はない。米軍によ
る沖縄民衆の土地強奪、財産権の侵害、人権抑圧、事件・事故等にみられるおび
ただしい人権侵害などへの謝罪がないばかりか、7月3日の米軍人による少女への
性暴力に対しても一言も触れずじまいである。
 沖縄の民衆は、このことを鋭く察知していた。7月20日の嘉手納基地包囲の成
功は、そのことを如実に示している。従来の基地包囲行動にあっては、各市町村
に地域実行委が結成され、取り組まれた。中央実行委にも青年団体、婦人団体等
の中央組織も参加し、300を超える団体で中央実行委は組織されていた。しかし
今回は、それらの組織化がまったくみられなかった。中央の取り組みがとても弱
かった。民衆の危機感は、基地包囲実行委の意識を乗り越えたところにあった。
沖縄基地の無期限使用に反対し、その撤去を求める声は、沖縄からの「平和」の
発信という形となって嘉手納基地に集中した。その数は、過去4回の行動をはる
かに凌駕した。なぜ? もはや軍事力(暴力)によっては、平和は維持されな
い、平和は、対話と協調の中から生まれるものだと確信し、行動した民衆の答え
としてそれがあったからだと信じる。そしてそれは、人間の尊厳を大事にし、民
主主義を求めてやまない民衆の意思の表現でもある。
 沖縄サミットは終了した。前回のケルン・サミットの100倍の金(825億円)を
投じたものの論議の内容は貧弱で得るものはない、とは多くのマスメディアの一
致した感想である。沖縄に来て得るものがあったとすれば、沖縄の民衆が長期に
わたって日本の基地押し付けの犠牲にさらされ、反基地感情がいかに根強いかを
知ったことだという。
 日本政府は、サミット後の沖縄に射程を置き、普天間基地代替としての新基地
建設に向け、すでに動き出している。反基地運動の正念場はこれからである。沖
縄民衆が戦後55年の反基地運動から学び得たことは、闘ってこそ運動の展望は開
かれるものであり、その民衆の怒りと思いを信じることにある。7・20の嘉手納
基地包囲行動は、そのことをしっかりと教えてくれた。それを教訓に沖縄の反基
地運動は、今後、大きな炎となって燃え広がることだろう。
(崎原盛秀/沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会・事務局長)

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ていこうせん

♪じええたぁい、自衛隊 軍備に見えてぇも災害救助ぉ〜
 もう忘れた人も多いであろう中森明菜「少女A」の替え歌である。これが、さ
るパロディ商業雑誌に載ってから15年以上経つのだが、いまだに自衛隊の災害出
動を見ると口ずさんでしまう。思い出すのは多摩川の決壊時に堤防を爆破してい
た自衛隊の発破の音。「どうして自衛隊がやるのかなぁ」と子供心に違和感が
あった。
 自衛隊の志望動機「人命を守りたい」を聞くたびに「だったら消防庁入れ
よ」、最近眼につく「阪神大震災の救助活動を見て」に「消防は役に立たなかっ
たのかよ」とツッコミを入れていたのだが、だいぶ前の『SPA!』に「パラリン
ピックで会場設営をしていたのをみて、福祉の仕事をしたかったので」とあった
時は、さすがに言葉を失った。先の歌も建前は「災害救助」だけど本音は「軍
備」よね、という「了解」があっての笑い事なのだが、15年の間にそんなことも
言ってられなくなったわけだ。ちなみに歌の最後はこんなである。「特別じゃな
い、どこにもいるわ、私士官A」。(み)

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サミットを機に沖縄の主張を世界に
  −−NGOセンターの活動を振り返って

 沖縄のNGOは、サミットの沖縄開催に強い危惧の念を持っていた。沖縄の基地
の固定化・再編強化こそが、日米両政府の沖縄サミット開催の意図であると考え
たからである。そこでサミットを機に沖縄に集まる内外のマスコミを通じて、沖
縄の人々の主張を世界の人々に伝えるべく、情報発信の場の形成に努めた。まず
外務省に、メディアセンター内にNGOのブースを設置するように求めた。それが
駄目となり、次善策としてNGOセンターの設置を求め、紆余曲折の交渉を経て今
回の形でNGOセンターが設置された。
 NGOセンター連絡会事務局の力不足と、余りの時間不足とから、センターの運
営には至らない点が多々あった。最大の問題は、外務省の事前約束にもかかわら
ず、NGOセンターとメディアセンターとをつなぐパイプとしてのファクス通信の
回路が確立されなかったことである。各NGO団体の代表、あるいはさらに絞って
NGOセンター連絡会の事務局長にメディアセンターの入館証を与えない合理的な
理由は考えられないし、ましてやNGOセンターからメディアセンターへファック
ス通信の便宜が図られず、NGOセンターでの記者会見日程を外務省の職員がメ
ディアセンターまで運ぶという事態は異常であった。NGOセンターは、NGOをメ
ディアから隔離し、メディアをNGOから隔離するためのものであったとの憶測さ
え生むこととなったのである。
 今回のNGOセンターは、「NGOに開かれたサミットであった」と政府のアリバイ
づくりに使われることになったとの批判を後日受けることになるかも知れない。
こうした批判を真摯に受け止めて、特に日本のNGOは情報発信能力を高めていく
必要がある。与えられた場を最大限に活用すれば、かなりの発信ができたはずだ
からである。またNGOセンターという情報発信のための公共財を、お互いに協力
して整備・強化するという姿勢が不可欠である。こうした認識をNGOが共有でき
るなら、今回のNGOセンター開設は意義あることであったと言えるのではなかろ
うか。
(桜井国俊/NGOセンター連絡会・事務局長)

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リレー連載「……こんな運動してます!」
  −−すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川

周辺事態法の自治体協力……「積極的に協力する」はゼロ
神奈川県38自治体のうち34自治体から回答、78%が政府の説明は不充分

 周辺事態法の施行から早いもので一年がたとうとしている。「すべての基地に
『NO!』を・ファィト神奈川」では、昨年秋からこの法律を発動させないために
どうするのかを、県下のさまざまな団体と検討し続けてきた。「できるだけ多く
の団体の連名で、県下のすべての自治体に要請書・質問状をだそう」ということ
に相談はまとまり、5月に104団体・個人の連名で、県下38自治体に「政府の周辺
事態法に関する情報提供・説明は十分だったと思われますか」「周辺事態法が求
める自治体の戦争協力について、どのようにお考えですか」「仮に協力要請の
あった場合、その内容を情報公開するお考えはありますか」「その際、議会を開
催し、受入についての判断を討議するお考えはありますか」「職員組合が非協力
宣言をあげていた場合、それを尊重されますか」「いま求められている平和への
発信について、お考えをお聞かせ下さい」の6項目の質問の入った要請書を送っ
た。電話での回答要請が効を奏して、98年に「ファイト神奈川」が実施した時の
25自治体を大きく上回る回答があった。
 注目すべきは保守系の市長の自治体も多いのにも関わらず、確信をもって協力
するという自治体は一つもなかったことだ。さらに、78%の自治体が「政府の説
明は不充分」とし、58%の自治体が「市民の安全を優先する」と回答している。
政府の曖昧な説明は、自治体の側に不安と不審の念を引き起こした。
 「周辺事態法9条の解説」は一年かけて、7月25日にようやく「案」のとれた正
式文書が出た。この中でも、政府の物言いは「現行法令の範囲内で」と穏健な言
い方になっている。もう一押しすれば、この法律はそう簡単には発動できなくな
るだろう。「もう、ひとふんばりがんばろう」と各地の仲間に呼びかけたい。
(すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川)

★この自治体アンケートについてのお問い合わせは、非核市民宣言運動・ヨコス
カ気付「すべての基地に『NO!』を・ファイト神奈川」(0458-25-0157)まで。

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チャンプルのように盛りだくさん!!
  7.20「沖縄からの風を受けて」さっぽろ平和集会

 九州・沖縄サミット開催が決定して以来、沖縄の知人から「沖縄の基地強化に
他ならない」と、FAXや通信が届き始め、日ごとに沖縄の悲鳴のように、私の中
で大きくなっていった。沖縄のシンガーまよなかしんやさんの呼びかけもあり、
沖縄行きも考えたが、北海道で沖縄問題を自分のこととして捉えたいと思い直し
た。「戦争なんて認めない市民運動」の4人の教師と憲法学の君島東彦さんに声
をかけ、急ごしらえの準備開始。7月20日は行事・集会満載日とあって心配した
が、朝10時30分から夕方5時まで、10代から80代まで、のべ70名の参加があっ
た。
 午前中はシンポジウム「沖縄を語ろう」の全体集会で、花崎皋平さんから、沖
縄での「民衆の安全保障」参加報告と沖縄在住時の思いを語ってもらった。君島
東彦さんからは、サミットの歴史的経緯とG8の目論見についての解説と、政府側
のサミットを民衆の力に反転しようと各国NGOの活発な行動報告もあった。会場
からのフリートークも交えて、中味の濃い時間を持つことができた。
 ランチタイムは、沖縄の三線とアイヌ青年のとんこり演奏を聞く趣向。3000キ
ロの距離をつないだ。午後1時からは映画上映。「劣化ウランの恐怖」「日独裁
判官物語」「ブッダの嘆き」「教えられなかった戦争・沖縄編」の同時上映。2
時からは3つの分科会に分かれた。第一は「核と軍縮」。原発と原爆をつないで
トータルに核を考え、アジアへの原発輸出は日米新ガイドラインであることなど
が話された。第二は「わが町とアメリカ軍」。函館、小樽の条例制定や日の丸・
君が代の運動も含めて運動のあり方について知恵を出し合った。第三は「10代が
語る平和」。10代の高校生から80代まで自分の言葉で平和を語った。10代の言葉
は宝石のように輝いて、このことだけでもこの会を開いてよかったと胸を熱くし
た。最後に、まよなかしんやさんと、伊江島わびあいの里の謝花悦子さんからの
長文のメッセージを読み上げて沖縄への思いを明日に抱いて閉会した。
(谷百合子/無防備・非核ネットワーク北海道)

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パンフ紹介
  『「三国人」発言と在日外国人−−石原都知事発言が意味するもの』

 「あとがき」で、執筆者の一人、佐藤信行はこう書いている。「私たちは十数
年来、それぞれの地域で外登法改正運動や戦後補償運動、地方参政権運動、移住
労働者への支援運動を、在日韓国・朝鮮人、移住労働者とその家族たちと共に
担ってきた。そして、それぞれの運動が『一つの分岐点』を迎えようとしていた
時、『石原発言』に直面した。本書は、このような『現場』からの批判レポート
として、また本書を契機に多くの人びとによって石原発言の検証・批判作業がな
されていくことを願って、書かれた」。
 この佐藤が、「石原発言」が示す問題を包括的に論じ、在日韓国・朝鮮人、台
湾人、中国人そして移住労働者と共に未来の日本社会をどう構想するか、という
立場と方法の大切さを力説している「序 排斥か、共生か」を書いている。次に
岡本雅享が「人種差別撤廃条約からみた東京都知事発言――外国人への差別・敵
意の扇動と助長」を書き、石原発言で被害を受けた人々は、知事に損害賠償や救
済措置を求めることが可能であることを具体的な批判を媒介に、論じている。内
海愛子は、主に警察関係者の弾圧のための用語であった「第三国人」という言葉
が、どのように日本社会で排外主義的なものとして定着していったかを緻密に分
析している(「『第三国人』と歴史認識――占領下の『外国人』の地位と関連し
て」)。
 中島眞一郎は石原が依拠した警察庁や入国管理局の外国人犯罪のデータが人
種・民族差別を扇動する操作的なものであることを、こまかいデータを示しなが
ら論じている(「検証 石原発言――警察庁の来日外国人犯罪分析批判」)。
 ラストの木元茂夫の「自衛隊の治安出動を期待する石原都知事――防災演習に
名を借りた自衛隊中心の緊急事態演習のねらいは?」は、石原の軍事大国日本の
強化への野望の危険性をリアルに批判している。
 本書は、全体として運動の「現場」からの批判ではあるが、決して危機アジリ
に流されてはいない。反対に、「石原発言」が多くの支持者を得ている現実を
クールに踏まえて、単なる「言葉」のうわっつらの非難にとどまらず、それが
今、立ち上がってくる底暗い根拠にまで深く切りこんで批判しようという意欲に
満ちたものである。石原都政批判のためには必読の一冊。
(天野恵一/事務局)
●発行:明石書店 ●明石ブックレット/1000円+税

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沖縄・安保Newsクリップ(7/22〜8/2)

 【7月22日】クリントン米大統領がキャンプ瑞慶覧で演説。兵士の綱紀粛正を求
める一方、在沖米軍の存在意義を強調した。▼首里城公園で歓迎夕食会。
 【7月23日】第26回主要国首脳会議(沖縄サミット)が、共同宣言「沖縄2000」
を採択して閉幕。▼この日放送されたTBSテレビ「報道特集」の中で、沖縄市で3
日に起きた米兵によるわいせつ事件について仲宗根正和市長が「たまたま、
ちょっとした不幸な事件」と発言。7月7日、同市内でサミット環境美化活動に参
加したボランティアの作業開始式で述べたもの。市長は25日に緊急記者会見を開
いて謝罪。▼同わいせつ事件で那覇地検は、逮捕、送検の米海兵隊上等兵の処分
について、被害者側が裁判を望んでいないことなどを理由に米軍海兵隊法務部に
裁判権(処罰する権利)の不行使を通告。上等兵は米軍憲兵隊に引き渡された。
 【7月24日】米軍嘉手納基地で訓練再開。▼県警のサミット警備総合本部が、那
覇市内で、全国から参加の特別派遣部隊の離任式を行った。県外からの応援部隊
は約2万500人。▼米軍北部訓練場に隣接する東村高江の国有地で、米軍の物とみ
られる数トン分の産業廃棄物の不法投棄が分かった、と沖縄タイムス。
 【7月25日】沖縄サミットについて、琉球新報社が県内53市町村の首長に緊急ア
ンケート、全員からの回答を報じた。サミットは、全員が「成功」か「おおむね
成功」。一方、共同宣言や議長会見の内容を評価した首長は2人。▼サミットで
各国首脳などが宿泊した県内10ホテルの7月実績は、宿泊客数で前年同月比約11
万人(約30億円)減と分かった、と琉球新報。
 【7月26日】政府が、サミット関係の政府予算総額を明らかにした。総額は14省
庁で814億5200万円。省庁別では警察庁の326億8800万円が最多。
 【7月27日】大森敬治防衛施設庁長官が、那覇市内で会見。普天間代替施設の基
本計画を検討する協議機関を「できる限り早期に立ち上げたい」と述べた。設置
時期については明言を避けた。
 【7月31日】稲嶺知事が定例記者懇談会で、普天間代替施設の基本計画を検討す
る国、県、名護市による協議機関の設置は「できるだけ早く進めたい」と述べ
た。
 【8月1日】沖縄タイムスが7月29、30日、サミットについて電話で県民意識調査
を実施、結果を報じた。サミット開催の評価では「成功した」が65.8%、「成功
しなかった」14.5%。クリントンが平和の礎(いしじ)で行った演説を「評価す
る」55.0%など。対象は県内在住で20歳以上の有権者800人。
 【8月2日】1970年9月に防衛庁長官として訪米した中曽根康弘元首相が、沖縄返
還の日米交渉に関連し、有事の際の日本への核持ち込み容認発言をしていた、と
朝日新聞。▼普天間基地の海兵隊員(19)が基地内で20代の日本人女性への婦女
暴行で軍法会議に掛けられている、と琉球新報。事件は今年3月4日発生。

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米軍への“思いやり予算”返還訴訟・東京
  思いがけない結審通告!

 7月28日、12回目の公判が東京地裁・民事611号法廷で開かれた。地裁前にはテ
レビ局のカメラが……。公判の曜日が同じため時々オウム真理教の裁判と重なる
のだ。後で知ったところでは早川被告への死刑宣告がこちらの開始(13:10)と
同時刻だったらしい。
 今日の予定は40分間、まあまあかと思いながら席に着く。弁護人は内田・根
本・矢花の3氏。国側は7名、傍聴人は20名。今回は原告が申請していた3名(田
村順玄・新倉裕史・富野暉一郎の各氏)の証人が採用されるか否かが焦点だ。
 裁判長はにこやかに、しかしボソボソと聞こえにくい声で証人の陳述書の提出
を告げ、思いやり予算・大阪訴訟の状況を尋ねる。すかさず国側弁護人が、7月
25日結審─9月28日判決言渡しの旨答える。次に進行について双方の意見を聞
く。原告側はもちろん証拠採用を求めるが、国側は「争わない、反論しない」の
一点張りだ。こんな構図どこかで見たはずと思ったら、沖縄反戦地主の土地強制
使用手続を進める那覇防衛施設局の役人の答えがそうだった。使用の根拠を糾す
地主に対して「審理になじみません」を連発していた。
 ここで裁判官合議のため休廷1分間。今回は展開が早いなあと一息の後、「こ
の場で結論を出したい」と相変わらずにこやかな裁判長。「今回は膨大な資料が
提出され、原告・被告の準備書面もたくさん出されているので……結審しま
す」。傍聴人一同、呆気にとられ声にならない声をあげていた。促されて法廷を
出たのは13:18。何と8分で結論が出されてしまった。
 ようやく実現した証人の陳述書提出が証人調べなしの根拠にされるとは実に理
不尽な話である。審理を尽くすためには、最大限、証拠・証人調べを行ない原告
の訴えるところを明らかにすることが裁判官の使命ではないか。争わないことで
早期終結をはかる国側に対しては、反論し釈明するよう促すくらいの主体性が
あっていいはずだ。
 公判後に弁護人を囲んで報告会がもたれた。内田さんは「9月末の大阪訴訟
(控訴審)判決を見て、こちらの判決文を書くのではないか。判決言渡しは10月
以降になるだろう」と今後の予想を話された。矢花さんからは「証人予定の富野
さんは米軍住宅建設問題で学んだ地方自治体と国との関係を追及する証言に非常
に意欲的であったのに残念だ。しかしこの訴訟が米軍に対する思いやり予算を法
廷に引き出した意義はとても大きい。今後ますます継続していく余地があること
が明らかになったのではないか」と激励(?)された。どのような判決が出され
るか楽しみにしていよう。
☆日米両政府は来年3月に思いやり予算特別協定の改訂を控え、日本側負担の1.2
%減額で合意した。日本は33億円ねぎる代わりに2700億円ずつ5年間は払い続け
ることになる!
(野口裕子/原告)

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各地集会・行動予定(8/10〜9/1)

 8月10日(木)「命を守る会」東京行動報告集会 開始*19:00/場所*中野商
工会館3F大会議室(JR/東西線中野駅、北口から徒歩7分)/沖縄から金城祐
治、宮城保、安次富浩ほか3名が参加/会場費*500円/主催*命を守る会/協力
*沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック(090-3910-4140)
 8月12日(土) 北村小夜はなぜアメリカへ行ったのか 開場*14:00/場所*カ
ンダパンセ(中央線水道橋駅、地下鉄九段下駅)/お話*北村小夜/連絡先*
03-3974-5249(高橋)
 8月12日(土)〜15日(火) 平和のための戦争展 時間*10:00〜19:00(15日
は16:00まで)/場所*日本青年館中ホール(総武線信濃町駅10分)/展示「加
害の国への変貌」「ああ満州」ほか/被爆体験などの証言、ビデオ上映/無料/
主催*同実行委(03-3261-0433 日中友好協会東京都連合会)
 8月15日(火) 天皇制の戦争・戦後責任を追及し「全国戦没者追悼式」に反対
する8i5集会 開場*13:30/場所*文京区民センター(三田線春日駅・JR水
道橋駅)/講師*高尾利数(法政大学)、保坂廣志(琉球大学)/集会後デモ/
700円/主催*「海の日」「皇太后大喪」「全国戦没者追悼式」に反対する実行
委(03-3205-7363 情報センター、03-3368-3110 反天連、03-5275-5989 「日
の丸・君が代」強制反対意思表示の会)
■わだつみ会8・15集会/映画と講演 戦争体験の継承と市民的不服従の思想 
第1部10:30開場(映画『きけ、わだつみの声』/講演*鍋島壽夫/第2部16:40開
場(映画『スペシャリスト』/講演*針生一郎)/1、2部各1000円/通し1500円
/場所*江戸東京博物館ホール(両国駅西口3分)/主催:日本戦没学生記念会
[電話&Fax*03-3269-8071 ]
■最新の朝鮮情報を聞く 時間*14:00〜/場所*土浦市民会館/講師*金明
守、渡辺健樹/共催*ネットワーク500(0298-21-9092)、憲法を生かす会・茨
城(029-233-1110)
■盗聴法の施行に反対する院内集会 問い合わせ*盗聴法に反対する市民連絡会
(電話:03-3711-7766/Fax:03-3715-9378 日消連/吉村)
 8月19日(土)〜20日(日)「日の丸・君が代」強制反対ホットライン全国交流
会 【19日】14:00開場/報告*石岡修/講演*田丸尚絵/各地報告【20日】
9:00〜/来春に向けての討論/場所*広島県立母子福祉センター(市電江南行き
舟入本町下車)/宿泊申し込み〆切8月10日/申込先*広島事務局(082-297-
7080 久野)、東京事務局(03-3205-7363 情報センター)
 8月19日(土) 中東和平のゆくえを考える夕べ 時間*17:30〜/場所*日本キ
リスト教会館(東西線早稲田駅徒歩5分)/スライド報告*田浪亜央江ほか/連
絡先*落合Box(03-3368-3110)
 8月22日(火) 自衛隊傘下の防災を考える!! 時間*18:30〜/場所*世田谷市
民運動・いち(小田急線豪徳寺駅郵便局隣り)/講師*松平隼人(自治体労働
者)/300円/主催*世田谷市民運動・いち(03-3706-7204)
 8月25日(金)「基地閉鎖再編法」(米国)と「軍転法」 時間*19:00〜/場
所*よこすかサポートセンター(京浜急行線汐入駅)/講師*田巻一彦(キャッ
チピース)/主催*非核市民宣言運動・ヨコスカ(0468-25-0157)
 8月26日(土) すごく変だよ!石原さん・練馬集会 開場*13:00/場所*練馬
厚生文化会館(西武池袋線練馬駅北口)/発言*中島絢子(「公的援助法」実現
ネットワーク)、阪神大震災の救援に関わった練馬区民/連絡先*戦争に協力し
ない!させない!練馬アクション、練馬全労協、練馬・生活者ネットワーク
(03-5999-4632)
■ビデオ「反基地、反サミット、沖縄の四日間」上映会 時間*18:30〜/場所
*文京区民センター(三田線春日駅・JR水道橋駅)/上映後講演あり/300円
/主催*アジア連帯講座(03-3372-9401)
 9月1日(金) 石原・都知事による自衛隊「防災演習」を問う 開場*18:30/
場所*中野ゼロ地下ホール(中央線中野駅南口)/映画『隠された爪痕』上映/
講演*内海愛子/主催*やめて!東京都による「防災」に名を借りた9i自衛隊
演習/連絡先*日本消費者連盟(03-3711-7766)ほか

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