「沖・韓民衆連帯」の都裕史です。(aml,keystone,eastasia MLに投稿します。)
韓国、梅香里(メヒャンニ)米空軍爆撃住民被害対策委員長の全晩奎(チョン・マンギュ)氏が、13日に保釈されました。
裁判所は、『検察がすでに全被告人の控訴事実を裏付けできるほどの証拠物を充分に提出した状態なので、全被告人が自身を弁論できる防御権を確保できるように保釈決定をおろした』と明らかにして保釈したようです。
また、裁判所は、『今回の保釈決定は、全被告人が、梅香里住民達の騒音被害と環境問題、梅香里住民被害に対する華城(ファソン)郡と国防部の記録などに、広範囲な証拠資料を準備できるようにするためのもの』と付け加えています。
一方、全晩奎委員長は保釈後に、『獄中にいるときも別に変わったことはなく、ただ、外で苦労している人々のことを思うと罪悪感に捕らわれた』と心境を吐露し、最近取りざたされている国防部の射撃場閉鎖(移転)方針に対しては、『梅香里住民だけではなく全国民を欺瞞するもと』として、『陸上射撃場を無くせば梅香里射撃場が1級射撃場としての効用価値が無くなるので、簡単に射撃場を閉鎖しないだろう』と語っています。
更に、『8月中旬以内にケリを付けなければ、爆撃場閉鎖が難しくなる』とも語っています。これは、8月になれば農民の農事が忙しくなり、射撃場内部に農地を持って出入りしている農民にとって難しい局面になることを示唆しているものです。梅香里現地では、住民が国防部などの懐柔策によって対立と葛藤が引き起こされており、沖縄でいう「黙認耕作地」をもつ農民にとって、基地内に入って農事をできなくなることは、非常に大きな要因になることだと指摘しているのです。また、そのような事情を熟知している米軍と韓国政府は、その時期になれば農民に基地内出入りを禁止するだろうという観測が成り立っているのです。
過去、射撃場反対闘争を戦闘で闘ってきた全晩奎氏の農地(基地内にある)を、砂利と石で埋め尽くして駐車場にした米軍ですから、これぐらいのことは当然に行うという警告として受け止められます。
このような梅香里の情勢と共に、ソウルではSOFA(駐屯軍地位協定)の改正協商が8月に開かれると報道されています。それとは裏腹に、SOFAの改正内容が非常に欺瞞的で不十分だということが明らかになるにつれ、韓国民の批判と怒りの声が高まっています。
遂に韓国与野党の国会議員386名が、『SOFA改正案は韓民族の自尊心を傷つける』として、『米国は大韓民国政府と国民に公開せよ』とするまでに至っています。そして、議員達は、『米国がこれを公式謝罪しない場合、梅香里の米空軍射撃場訪問と米国大使館を抗議訪問して立ち上がる』と明らかにしています。
このような情勢の一方で、米軍司令部があるソウルの龍山(ヨンサン)基地から、有毒のホルムアルデヒドが漢江(ハンガン)に大量に流されていたという記事も登場しています。
これらの事柄を総合すると、韓国で起こっている梅香里を中心とした反米軍闘争は更に高まっていくと考えられます。それは、もう一方で南北頂上会談からの流れとも合致するもので、いまだ支流ともいえる状況が、やがて大河に糾合されていくと予想できます。
幾度も繰り返してきましたが、韓国の米軍基地問題、反米闘争は沖縄、日本にとって他人事では決してありません。米国(軍)支配の下での現状を打破する韓国での闘いに、沖縄、日本の平和勢力は積極的に合流していくべきだと考えます。
梅香里からの射撃場移転問題など、色々な情報の翻訳が間に合わなくて申し訳ないのですが、沖・韓民衆連帯のHPに近々掲載するようにします。
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