米軍の綱紀粛正と米軍人による犯罪の再発防止を求める会長声明
去る7月3日未明、米海兵隊普天間基地所属の上等兵が、沖縄市内のアパートに
侵入し、就寝中の女子中学生にわいせつ行為を行い、現行犯逮捕される事件が発生
した。
これは深夜に家の中で就寝していた何ら落ち度のない未成年者が性犯罪の被害者
とされた悪質な事件であり、基地と隣り合わせの生活を強いられるわが県の現状を
象徴する事件である。
さらに右事件に対する世論の厳しい批判のさめやらぬ中、7月9日未明には、同
じく沖縄市内で、米空軍嘉手納基地所属の三等軍曹が、自動車で会社員をはねてけ
がを負わせ、その場から逃走するというひき逃げ事件が発生した。
わが沖縄県は復帰後28年を経た今なお、米軍人軍属の事件事故の発生が一向に
やまないという、悲しむべき状況にある。とりわけ九州沖縄サミットを直前に控え
たこの時期に、開催地の沖縄県でこのような悪質な事件が相次いで発生することは
、米軍当局の綱紀粛正・犯罪再発防止に対する態度の真摯さを強く疑わせるもので
ある。
当会は、犯罪が直接的な人権侵害であるとの認識の下、県民の人権を擁護する見
地から、長年に渡り、かつ多数回に渡って、米軍人軍属による事件事故の再発防止
と綱紀粛正を求めてきた。しかるにここに至り、またもこのような犯罪が続発した
ことに対し、強い怒りを禁じ得ない。
当会は、米軍当局に対し、あらためて綱紀粛正と犯罪の再発防止への真摯なる取
り組みを強く求めるものである。
2000年(平成12年)7月11日
沖 縄 弁 護 士 会
会 長 亀 川 栄 一
沖縄弁護士会は、今回の米軍犯罪に対して、会長声明を出しました。
三 宅 俊 司