軍事的デモンストレーションの「花形」であるブルーインパルスT4ジェットの墜
落事故で松島基地でのアクロバット飛行は中止。地元にさしたる利益も生まない航空
祭そのものを拒否する動きも。米軍も低空飛行で迷惑をかけた住民にかなりな回数
「罰金」を払ってきていますが、核施設が散在し、自然生物の多様性に富み、人口密
度の高いこの国に、もともとこのような危険飛行をする「適地」はどこにもない。
最近の自衛隊機の墜落事故の多さは異常。まるで、靖国に新鮮な英霊を送り込むた
めに飛行機を飛ばしているかのよう。
内部の「腐敗」ぶりも合わせ考えると、自衛隊が「国会」で容認されているという
おごりが「底流」にあるのでしょう。
これからの時代、軍機がなんぼのもの、という市民の思いが、パイロットのはりあい
をそいでいるのかもしれない。
航空自衛隊松島基地(宮城県矢本町、佐藤裕紀夫司令)の第十一飛行隊「ブルーイ
ンパルス」(1960年創設)T4ジェット練習機2機(六機編隊の五,六番機)が
東北電力女川原子力発電所(同県女川、牡鹿町)近くの宮城県牡鹿町の山中に墜落、
乗員3人が死亡。
墜落機は曲技飛行訓練のため午前九時四六分、松島基地を離陸して金華山沖のD訓練
空域に向かい、六機で飛行訓練をしたあと、一番機から四番機のグループと五、六番
機の二グループに分かれて帰投開始。同十時十九分頃、管制レーダーから機影が消え
た。
当時の天候は雲底五百メートル、雲量八分の五以上、視程十キロ以上。基地管制塔
では十時十五分八秒、訓練終了を伝える「ミッション・コンプリート」という交信、
同十時十六分二十九秒には「ファイブ降りるよ」(五番機)「はい」(六番機)とい
う交信を確認。一〜四番機は五、六番機の異常に気づかず帰投。
三人の飛行時間はそれぞれ、3500時間(うちT4は500時間)、3300時間
(同830時間)、3050時間(同400時間)
(朝雲00/07/06)
ブルーインパルスの訓練空域は、金華山を中心とする半径18キロ円内の直上空域
の一部で、高度1万フィート(約3千メートル)以下。日常的に曲芸飛行訓練が可
能。小川原発との最接近距離5キロメートル。
今年3月22日、宮城県女川町の山中に墜落したT2型練習機は、月間700回も
原発周辺上空を飛行。(基地側「原発の半径3.6キロでは飛行しないように文書で
指示している」)(赤旗00/07/07)
「ブルーインパルス」には、飛行時間二千五百時間以上の隊員が所属。所属期間はお
おむね三年。飛行訓練一日二回(約二時間)
「一緒に編隊を組む仲間は、目の前の計器ではなく先にいる一番機だけを見て飛んで
いる」(空自幹部)ため、一度に複数機の事故につながりやすい。「ミスは許されな
いという緊張感の連続だ」(読売00/07/06)
空自では、99年11月、T33練習機が埼玉県河川敷に墜落、今年3月22日、T
2練習機1機が宮城県女川町の山中(女川原発の北方9.5キロ)に墜落、6月28
日に、美保基地でC1輸送機が墜落。
6月26日午後2時36分ごろ、空自第三輸送航空機(美保)四〇三飛行隊所属のCI
輸送機八−一〇二七号機が鳥取県境港市の美保基地から北北西約百十キロの日本海に墜
落、乗員五名が行方不明。
空幕によると、事故機は定期検査後の整備試験飛行のため、同2時7分、美保基地を
離陸、行方不明地点のエリアで1万フィート(約3千メートル)から2万フィートの高
度で旋回やエンジンを止めて失速させるなどの四項目の試験と、油圧エンジンシステム
などのチェックを行っていた。事故当時にどのような試験を実施していたかは不明。試
験飛行の操縦は機長の役割、副操縦士が書き取り。機長の飛行時間は約6590時間。
副操縦士は空自で4人目の女性パイロットで、6月22日に副操縦士の資格を取得。飛
行時間約525時間。
空自は底調査委員会(一佐以下17名)を現地に派遣、29日以降のCI型機の飛行を
中止。
(朝雲00/07/06)
C1は乗員五人で、武装空てい隊員四十五人を収容できる空自の国産主力輸送機。同
基地などに現在、二十七機が配備されている。同型機では一九八三年四月に、訓練中
だった二機が悪天候のため山腹に激突して四人が死亡する事故が起きている。
(読売新聞6月28日)
<7月4日>河北新報・毎日・読売・産経
自衛隊機2機 墜落か/乗員計3人不明/宮城・牡鹿付近
航空自衛隊松島基地(宮城県矢本町)に入った連絡によると、4日午前10時20
分ごろ、同基地所属のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」のT4ジェット
練習機2機の機影が同基地から東南東約25キロの地点でレーダーから消え、無線連
絡が途絶えた。2機には乗員計3人が搭乗。松島基地の救難機や第二管区海上保安本
部の巡視船などが周辺海域で機体を捜索。
午後1時前、松島基地は牡鹿半島の陸上で、不明機の救難信号をキャッチ、確認に
向かう。石巻広域消防には正午前、牡鹿町泊浜の住民から「10時15分ごろ、光山
(444.8m)方向で大きな音が3回した」との119番通報があった。
2機は僚機4機と午前9時46分、松島基地を離陸、1時間の予定で金華山沖の空
域でアクロバット飛行の訓練をし、基地に戻る途中だった。連絡が途絶えるまで飛行
は計画通りだった。現場空域はかなりもやがかかり、視界が悪かったという。「視界
は10キロ以上でまずまず」
松島基地ではT2練習機1機が今年3月22日、宮城県女川町の山中に墜落し、乗
員1人が死亡したほか、1991年7月、ブルーインパルス所属のT2練習機2機が
金華山沖で墜落、乗員2人が死亡する事故があった。
空自では6月28日、島根県隠岐島沖の日本海でC1輸送機が墜落し、乗員5人が
行方不明になる事故があったばかり。C1輸送機事故の翌日は、原則的にすべての航
空機の飛行を停止して安全教育を行い、今月7日までを安全旬間として点検を強化。
地元自治体では職員が情報収集。女川町から連絡を受けた町漁協は、離島の支部な
どと連絡を取りながら、約20隻を出して捜索。
矢本町では秋田県に公務出張中の大森栄治郎町長に緊急連絡。町長が戻り次第、4
日午後にも松島基地周辺の1市4町でつくる同基地周辺自治体連絡協議会の招集を検
討している。
30日には松島基地所属のブルーインパルスが曲技飛行を披露する第46回航空祭
が予定されている。
(基地際の案内 http://www.jda.go.jp/jasdf/matsushimafestival/index.htm)
ブルーインパルスは全国の基地の航空祭などで年に約20回の展示飛行を披露。しか
し、1982年11月には静岡県の浜松基地の航空祭で曲技飛行中に1機が墜落し、
1人が死亡、住民ら13人がけが。9年前の91年7月4日にも松島基地沖で2機が
墜落し2人が死亡する事故があり(金華山東方約10キロの海上)、2年間訓練を自
粛。使用機体をT4練習機に変更した95年以降は事故は起きていなかった。
事態を重く見た竹河内捷次・航空幕僚長は「(六月二十八日に)美保基地でC1輸送
機が墜落し、乗員五人の捜索が続いている中での今回の事故は、誠に遺憾。極めて深
刻に受け止めている」「目に見えた共通項はないが、底辺に何か事故の要因があるの
ではないか」とするコメントを出すとともに、同日、捜索などの緊急飛行以外は、全
航空機を飛行中止措置にした。
<T4練習機>乗員2人。ターボファンエンジン2基を搭載し、最大速度はマッハ
0.9。最大航続距離は1300キロ。国産。1988年から中等訓練用練習機とし
て導入され、航空自衛隊松島基地所属のアクロバットチーム「ブルーインパルス」の
使用機になっている。1998年末現在、全国で169機が配備されている。
<7月5日>河北
捜索を再開した空自などは5日午前、牡鹿町の光山(444.8メートル)山頂付近
で、乗員3人の遺体を発見。
T4二機のばらばらに壊れた機体も見つかった。現場の状況などから、空自は二機
が空中で衝突した可能性もあるとみて、機体の収容と確認を急ぐとともに、二機のフ
ライトレコーダー(飛行記録装置)を回収し事故原因の究明を進める。
3人の遺体発見現場周辺では五、六番機のエンジンなど機体の一部、身分証明書な
ども見つかった。さらに、北に約2キロ離れた高山(343.9メートル)の南側斜
面では、ヘルメットや5番機の主翼の一部なども発見された。
空自や地元消防団などが、4日は200人、5日は620人で光山、高山周辺を中
心に捜索。
菅原康平石巻市長「3月の女川の墜落事故原因が調査中にもかかわらず飛行が再開
され、墜落事故が発生したことは遺憾。市民の生命と安全を確保する立場から、これ
まで以上に強く厳しい姿勢で(訓練飛行問題に)対応したい
安住宣孝女川町長「2つの墜落事故は女川原発周辺で起きており、周辺住民の不安
は計り知れない。当分の間、飛行を中止するよう申し入れる」
光山の山頂付近から高山の尾根伝いには、約3キロにわたって15−30センチに
砕け散った青や白の機体の破片が散らばり、残がいは鮮やかに彩られた曲技飛行機
だったことを示す。中には「DO NOT PAINT」(塗装禁止)と書かれた破
片も。隊員の1人は「これはブルーインパルスのアンテナ部分に間違いない。塗装す
ると受信できなくなるからなあ」とつぶやいた。光山周辺は、深い霧に覆われて視界
は5メートルほど。破片が散乱し、その先の斜面下側に乗員の遺体があった。防衛庁
の事故調査チームも現場に入り、機体の確認作業に当たった。
現場近くの牡鹿町泊浜の漁師「やっぱり墜落していたのか。原発が近いので、空自機
が落ちたら大変だと気が気でなかった。飛行訓練の安全対策に問題があるのではない
か」
牡鹿町の須田次男総務課長補佐「前回の女川町の墜落事故の原因が究明されていな
い状況で、再び事故が起きたことは極めて遺憾だ。町内に墜落したことで、住民には
訓練への不安や怒りがこれまで以上に広がっている。捜索が終了次第、町としてきち
んとした対応を考える」
今年3月には、同基地の練習機が女川原発から9.5キロ離れた宮城県女川町の山林
に墜落。地元住民からは「基地はわれわれの生命を軽視している」と、怒りの声が上
がっている。
救難信号の発信が確認され捜索が行われた牡鹿町の光山は、女川原発から約6キロ
しか離れておらず、3月の墜落事故現場よりも原発に近い。
牡鹿町泊浜の主婦「裏山からドーンという大きい音が2回した。3月の事故の際、
基地は『対策は講じた』と言って飛行再開したのに、裏切られた思いだ。原発周辺で
の飛行は絶対に禁止してほしい」
女川原発にほど近い女川町塚浜の民宿経営者「午後3時ごろに防災無線で空自機不
明を知った。3月にも町内で墜落事故があったばかりだし、原発に落ちていたらと思
うとゾッとする」
基地が3月、事故原因が解明されないまま飛行訓練を再開したことに対し、周辺5市
町でつくる松島基地周辺自治体連絡協議会(会長・大森栄治郎矢本町長)が再開撤回
を申し入れたが、県は「安全対策を強化してほしい」と要望しただけだった。
「原子力発電を考える石巻市民の会」の日下郁郎事務局長「今回の事故は宮城県の
責任も大きい」「県民の安全を真剣に考えるならば、県も再開撤回の立場をとるべき
だった。原発や市街地に墜落してからでは飛行禁止を申し入れても遅い」
大森町長は基地を訪ね、「前回の事故から3カ月しかたっていないのに、残念だとし
かいいようがない。町民は国防に対する理解を示していたが、今後は町として厳しい
対応をしなければいけない」と申し入れた。
<7月6日>河北
「万全な安全対策が講じられるまで、飛行訓練は行わないこと、さらに訓練空域の
見直しを求める」(木村牡鹿町長)「原因究明の徹底と航空機の安全飛行が確保され
るまで飛行訓練の中止を申し入れたい」(大森矢本町長)「これまで以上に強く厳し
い姿勢で対応する」(菅原石巻市長)
同日開かれた矢本町議会全員協議会で、大森町長は29、30の両日に予定されて
いる航空祭について「今回の開催は中止すべきだと思う」と語った。
原子力発電を考える石巻市民の会(近藤武文代表)は石巻市と女川、牡鹿両町に対
し、金華山を中心とした半径18キロ(牡鹿半島を除く)のブルーインパルスの練習
空域の廃止などを松島基地に求めるよう文書で申し入れた。
浅野史郎知事(5日)「訓練空域の見直しや訓練方法の点検などを国に強く要請し
たい」
県はこの日、松島基地に対し、当面の訓練中止と訓練方法の全面的な点検を求める
要請書を提出することを決めた。6日午前、松木伸一郎知事、安住宣孝女川町長、木
村冨士男牡鹿町長が松島基地を訪ね、佐藤裕紀夫司令に要請書を手渡す予定。
県企画総務課「今年3月の事故でも安全対策に万全を期すよう求めていただけに、
より強い姿勢で要請に臨まなければならない」
今回の事故現場は、東北電力女川原子力発電所(同県女川町、牡鹿町)から南に最
も近い所で約4.5キロしか離れていない。今年3月の事故では、松島基地のT2練
習機が女川原発から北に約9.5キロ離れた女川町の山林に墜落しており、より近い
所での事故。基地の佐藤裕紀夫司令(5日記者会見)「原発の半径約3.6キロでは
飛行しないよう文書で指示している。(原発に墜落する)可能性はない」「住民に不
安と心配をかけ、心からおわびする。基地運営と飛行訓練の在り方を再検討し、信頼
を取り戻せるよう努力する」
今回の事故状況について、佐藤司令は「原発を避けて、う回する途中で起きてい
る」と説明。原発周辺での飛行禁止空域の拡大については「枠を大きくすると、(大
回りすることになり)危険性も増える。検討はしていない」
松島基地では3月の事故の後、一時飛行を中止したが「入念な機材の点検をした。こ
れ以上訓練を中止すると、操縦士の技術が低下し、国防に重大な不利益を与える」な
どとして、事故原因の解明を待たず飛行を再開した。
佐藤司令「3月の事故とは機種が異なる上、操縦士の経験も違う。別の事態が発生し
て事故になった可能性もある」「機体の点検、隊員の教育などを行わなければならな
い(当面、再開を見合わせる)」
事故調査では、航空自衛隊航空安全管理隊(東京・立川)と松島地方警務隊(矢本
町)の隊員31人が現地に入り、2機の破片の飛散状況などを確認した。
今後は破片を回収して破断面や破損状況を分析するとともに、松島基地内で無線録
音機の交信内容も検討する。現場の状況などから、深い霧の中で誤って山に突っ込ん
だ可能性もあり、空中衝突の可能性と合わせ両面から事故原因の解明を進める。
佐藤司令は事故原因について「空中衝突の可能性も否定できないが、機体が炎上し
た形跡がない。太い木をなぎ倒していることなどから、2機がそろって山の斜面に
突っ込んだ可能性が高い」との見方を示した。
訓練を終えたT4練習機は、先頭機が有視界飛行で基地に向かい、後続機が追従す
るケースが多いという。 牡鹿町泊浜の泊浜コミュニティーセンターに設置された現
地対策本部は「機体は原形をとどめず、広範囲に散乱しているため、回収には相当な
日数がかかりそうだ」としている。
県と牡鹿、女川両町は6日午前、訓練空域の変更や女川原発周辺での安全飛行などを
松島基地に強く申し入れた。これに対して佐藤司令は、女川原発周辺の飛行禁止規則
を再検討する意向を示した。
基地を訪れた松木伸一郎副知事、木村冨士男牡鹿町長、安住宣孝女川町長らは「墜
落現場は女川原発に近く、住民に与えた衝撃は極めて大きい」として、(1)事故原
因の早期究明と、安全対策が講じられるまでの飛行訓練中止(2)女川原発上空の飛
行禁止区域の厳守と、原発の安全確保のための訓練空域見直し(3)訓練方法と航空
機運航管理の点検−を要請した。
佐藤司令「現行の規則(女川原発の半径3.6キロ圏内の飛行禁止)で安全性は確保
できると考えるが、再検討もするつもりだ。金華山沖で行われている訓練空域の変更
についても、時間はかかるが、可能な限り努力する」
木村、安住両町長「訓練空域は早急に変更すべきだ。住民にこれ以上、不安を与えな
いでほしい」
松島基地は4日の事故後、訓練を中止。
墜落現場には6日も捜索隊約130人が入り、機体破片の飛散状況の確認や、まだ
見つかっていない遺体部分の発見に全力を挙げている。
<7月7日>毎日・河北
竹河内捷次・航空幕僚長は7日の会見で、松島基地に対し航空幕僚監部の安全監察
を実施することを明らかにした。課長級や技術担当者のチームが来週後半にも現地で
安全体制について細かくチェックする。
幕僚長が、各地で開催される航空祭での松島基地所属のアクロバット飛行チーム
「ブルーインパルス」の曲技飛行を中止する方針を明らかにしたことについて、地元
の矢本町では、航空祭(29、30日予定)そのものを中止せざるを得ない空気が強
まっていることから、冷静に受け止めている。
大森栄治郎町長は防衛庁への申し入れのため東京に出張「町に正式な話はまだ来て
いないが、事故の重みを考えれば当然の決定だ」
大森町長は5日の同町議会全員協議会で「これまでの経過から、今回の航空祭の開
催は中止すべきだ」との姿勢を明らかにしている。
松島基地広報班「曲技飛行を行わない旨の連絡があったが、矢本町での本祭(30
日)の開催が難しい状況であることも既に町観光協会などに伝えている。例年(航空
祭の)準備が本格化するのはこれからなので、混乱はないと思う」
一方、牡鹿町の墜落現場での防衛庁事故調査チームによる現地調査は7日で一端休
止し、来週再開する予定。今回の墜落事故で死亡した3人の隊員の葬儀は、9日午前
10時から松島基地で行われる。
矢本町は7日、同基地の佐藤裕紀夫司令に対し、事故原因の徹底究明などを求める
要請書を提出。
基地を訪れた佐藤政澄助役らは、(1)事故原因の徹底究明(2)3月に起きたT
2ジェット練習機墜落事故の原因の早期究明(3)市街地など陸域での展示飛行訓練
の再検討(4)飛行訓練時の安全の確保−を申し入れた。
佐藤司令「T2機墜落事故の原因については解明次第速やかに報告する。展示飛行
訓練はこれまでも配慮してきたが、再度厳しく検討したい。他の飛行訓練については
全般的に配慮して、住民に不安を与えないようにしたい」
矢本町は同日、防衛庁にも、同様の申し入れ。
「原子力発電を考える石巻市民の会」(近藤武文代表)は7日、女川原発近くに設定
されている訓練空域の廃止などを求める申し入れ書を県に提出した。
市民の会は、女川原発近くに訓練空域が設けられている法的な根拠を明らかにする
よう、国に情報提供を求めることを要請。今後の訓練飛行再開についても、「原発周
辺の住民の思いを尊重し、訓練再開を安易に許すべきではない」と強調。
<特 集 大空の不安 相次ぐ自衛隊機墜落>河北新報
(上)飛行訓練でまたも・・・/中止求める声高まる
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe077/20000705t4.htm
(下)もしも原発に・・・/万全と言えぬ安全策
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe077/20000706t4.htm
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
民主党ニュース2000年07月05日
「自衛隊機墜落事故続発の徹底的な原因究明を」伊藤NC大臣が談話
民主党ネクスト・キャビネット(NC)の伊藤英成外交・安保大臣は5日、ブ
ルー・インパルスが訓練中に墜落事故をおこすなど、航空自衛隊機の事故が続発し
ていることについて談話を発表した。
伊藤大臣はこのなかで、「今回の事故は、実に昨年来6回目に当たる。航空自
衛隊は、十分な点検及び操縦者等に対する教育を実施するとともに、安全旬間
(6月29日〜7月7日)を設定し、事故防止策を推進するとしていた最中だけ
に、非常に残念」と指摘。そのうえで、「墜落事故の続発は、事故の度に打ち出
してきた対策の効果に疑念を生じさせ、自衛隊の管理体制や訓練の在り方そのも
のが問われている。防衛庁は事態を深刻に受け止め、この種の事故に対する認識
を根本的に改め、徹底的な原因解明と再発防止に努めるべき」と求めた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
米空軍は約二千機のF16を運用。統計的に2年に1回の大事故を起こしている。
90年のソ連崩壊までは、三沢のF16戦闘機の低空飛行訓練の主たる目的は、核攻
撃。以後、標的をソ連から北朝鮮、東アジアに変更。世界のどこへでも出撃する敵防
空網制圧(SEAD)を任務とするワイルド・ウイーズル(WW・野良いたち)航空団
に変身。SEADは敵のレーダー基地、地対空ミサイル用レーダーや指揮・コント
ロール・通信システムを攻撃するのが任務。これに伴い、高速低空飛行訓練が不可欠
となった。98年からは中東への実戦展開(三沢市民の監視から、8000回の飛行
のうち、5000回が国内と予想される)。これとともに過酷な訓練が、轟音や事故
の危険性を増していった(99年釜石市に墜落したF16では最大時速914キロ、2
00〜500メートルの低空飛行を記録)。
ただ米軍は、自国から「戦死者」を出さずに戦力を維持しなければ金を出してもら
えないという事情があり、「安全志向」に移行しつつはあるが、「優秀な」パイロッ
トが民間へ流れている現状での事故の多発は頭の痛いところ。
◇ ペンシルベニア(CNN2000.06.20)
6月18日に米ペンシルベニア州ウイロウ・グローブ海軍基地で行われた航空ショー
で、第101航空中隊所属のF14戦闘機が墜落し、パイロットを含む乗員2名が死
亡。
フィラデルフィアの北、24キロの地点に位置する同基地で行われた航空ショー
は、この日、最後から2番目の演目としてF14が飛行を披露。事件は午後4時43
分、同機が「ウエイブ・オフ」と呼ばれる、航空母艦への着陸状態から旋回する飛行
を行っている最中に起きた。
同機は、低空で左旋回をすると、バランスを崩したように失速、基地から約90
メートル離れた森の中に墜落し、炎上した。墜落原因は明らかにされていない。
目撃者は「森の向こうに機体が消えたとき、はじめてトラブルが起こったとわかっ
た。ほんの一瞬の出来事で、森から白煙が上がるのが見えた」と語った。
3月には、テキサス州での航空ショー中に、空軍のF16戦闘機が墜落、パイロッ
トが死亡する事件が起きている。3ヶ月で2度目の墜落事故だけに、軍関係者内で波
紋を呼んでいる。
◇アリゾナ(Air Force Print News, June 20, 2000)
6月19日、アリゾナ州Luke基地で、ドッグファイト訓練中の 練習機が墜落。海軍
大尉(学生パイロット)は脱出して無事。
パイロットは、Sells 町の近くで、空対空の戦闘訓練を行っていた。事故はSells
町
の南西14マイル付近でおこった。空軍の委員会が調査中。
。
◇カナダ(Air Force Print News, June 23, 2000)
6月21日、でユタ州ヒル空軍基地で米軍のF-16が訓練中に墜落。パイロットは脱
出。
Luke基地では6月20日訓練再開。
Luke, the Air Force's only active-duty training base for F-16 pilots,
has
more than 200 F-16's assigned and flies about 160 training missions
each
day. (Courtesy of Air Education and Training Command News Service)
◇フィリピン、プエルトプリンセサ(AP2000.07. 3 )
フィリピン空軍のプロペラ機が2日、フィリピン南部バラワン州のカガヤンキロ島近
海に墜落。1人(米国人とみられるブルース・ウォーカーさん)が漁船に救助された
が、空軍少将1人(サンテアゴ・マドリード空軍少将)が遺体で発見され、パウワン
島のサルバドール・ソクラテス知事や子供2人を含む12人が行方不明。
同機は、カガヤンキロ島からパウワン島のプエルトプリンセサに向かっていたが、
エンジン・トラブルのため、カガヤンキロ島に引き返した。同機は、空港への着陸に
向けて沖合いを旋回中、エンジンが停止し、そのまま海に墜落した。
フィリピンでは1日、政府要人を乗せたジェット機がマニラ空港に緊急着陸する事
故も起きている。乗員は全員無事。
▽三沢空港滑走路が改修で閉鎖(東奥日報 7月1日)
米軍三沢基地が管理する三沢空港滑走路が改修工事のため、三十日夜の日本エアシ
ステム(JAS)東京行き最終便の離陸後に閉鎖された。滑走路は米軍、航空自衛
隊、日本エアシステムが共同使用しているが、七月六日午前六時まで民航機、軍用機
の運用を停止する。JAS便は一日朝から五日の最終便まで運休となり、同社はこの
間、三沢発着便を青森空港に振り替える。
航空自衛隊と米軍は工事期間中、ヘリコプター以外の飛行運用を停止。
飛行を伴った訓練は行わないが、空自はF4EJ改戦闘機を千歳基地に、E2C早期
警戒機を海自八戸航空基地に展開、対領空侵犯任務に当たらせる。
改修工事は路面の傷みによるもので昭和六十三年以来十二年ぶり。天候の悪化によ
り工事ができない場合を想定し、九月下旬に五日間の予備日を設けている。次回の工
事は西端部二百七十四メートルで十三年度以降になる見通し。
<参考>
三沢のF16の任務は変わった−−星条旗新聞より
http://www.rimpeace.or.jp/jrp/misawa/missionchange.html
「王城寺原同様特例を」/三沢・対地射爆撃場問題
http://www.kahoku.co.jp/NEWS/2000/07/20000709J_03.HTM
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
▽神奈川 厚木基地で航空ショーを米軍が強行(2000年 7月2日 「しんぶん赤旗」)
米軍は神奈川県の厚木基地で一日、県や大和市などの中止要請を無視して、航空
ショー「ウイング2000」で展示飛行を強行。
午後二時すぎから、FA18戦闘攻撃機、S3B哨戒機などの空母キティ・ホーク
の艦載機が、機体を回転させながら急上昇・急降下や編隊飛行をくりかえした。
大和市では六月二十七日から五日まで中学校で期末試験があり、綾瀬市ではこの
日、中学校の総合体育大会の開会式。
米軍はこの日にむけてここ数日、展示飛行の訓練飛行。大和市役所には連日、「頭
が痛い」「こどもが期末試験の勉強ができない」などの抗議と苦情電話が殺到。
昨年九月の航空ショーでは、大和市内の小学校十五校の運動会が爆音で競技や閉会
式が中断するなどの被害を受けた。
▽米軍飛行中止へ広島の会が総会(中国新聞'00/7/9)
8日、広島県北の十八町村などでつくる「米軍の低空飛行即時中止を求 める県北連
絡会」(会長・藤原清隆君田村長)の定期総会に、会員や各自治体などから約三十人
が参加。
昨年十月、飛行目撃に関する要綱を設置し、飛行を記録している 山県郡芸北町から
は、大膳ケイ子総務課長補佐が出席。町内四カ所 で記録している飛行実態について
「訓練空域エリア567での飛行 回数が増え、今年に入ってから夜間、早朝や、休日
の飛行も目立 つ」と報告。正確に実態を把握するために「近隣町村にも記録して
ほ
しい」と呼びかけた。
藤原会長はあいさつで、米軍機低空飛行に対する国の認識が薄い ことなど力にもふ
れ、住民の声を大きくするためにも「全国組織の立ち上げにを入れていきたい」と述
べた。 会は、住民主導の運動を実現するため、会員拡大に努力すること
も申し合
わせた。