[TO: aml, keystone]
島川です。
『軍事研究』7月号に、石川巌「オスプリ墜落、2006年沖縄配備」
という記事が載っています。石川氏は、まず、オスプリはヘリコプ
ターではないこと、従って、その配備が予定されている名護新航空
基地は「ヘリ基地」ではないことを強調しています。
この記事の主題は、墜落事故の原因とオスプリの展開計画について
で、後半では米軍機低空飛行訓練についても触れています。以下、
この記事の内容紹介です。
*事故原因について
海兵隊事故調査責任者マッコークル中将:最終結論ではないとしながらも
「機体の欠陥やパイロットミスではなく、非常に稀なパワー・セトリング現象
(浮揚力の停止)によるもの」
*「パワー・セトリング」とは
ヘリ研究者への取材:
「ヘリはローターの回転によって上の空気を取り入れ、それを下に吹き下ろし
て浮揚力を得る。その吹き下ろした渦巻き状の気流を”渦巻きの輪”という。
今回の場合は、降下スピードが毎分三百mと非常に速く、しかも、前進スピー
ドがあまりなかったので、右ローターが自分が作った吹き下ろし気流の中に入っ
て、浮揚力を失ってしまった。そういう現象がパワーセトリングなのだそうだ。」
事故直前の右バンクが「パワー・セトリング」のきっかけという推測です。
*沖縄配備の予定
*MV-22(海兵隊型)
2006年度(2005年10月ー06年9月)に3機。次年度には24機に
なり最終的には2009年度に計36機になる。代替基地ができていない場合
は普天間基地に配属。
*CV-22(空軍型)
嘉手納基地に配備。
*オスプリの事故歴
原型機10機のうち2機が墜落(1991, 92)。
今回の事故機は改修した初期生産型5機のうちの1機。
現存は計12機。
高価格と技術的信頼性については以前から問題が指摘されている。ペンタゴン
は一度は予算を切ったが議会の圧力で復活。
*調達予定(1996現在)
MV-22 360機
CV-22 50機
HV-22(海軍型) 48機
石川氏の記事は、MV-22についての現時点での総括的レポートとして
まとまっているものだと思います。
詳しくは、『軍事研究』7月号を参照してください。
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島川雅史 mshmkw@tama.or.jp
mshmkw@jca.apc.org
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