Date: Tue, 23 May 2000 00:16:09 +0900
From: 加賀谷いそみ<QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 2712] 衆院憲法調査会 5月11日
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(5.11衆院憲法調査会第9回)
(自)主権在民である以上、憲法は国民自身が作るべき。他国から軽視されない
国家となるべき。来る総選挙においては、本院議員は、憲法や教育基本法に関す
る態度を明確にし、国民の判定を求めるつもりで行動すべき(中曽根康弘さん)
(自)誇りある民族であれば、自らの憲法は自ら作るべき(奥野誠亮さん5.11)
(自)真の独立国家たるために国民の手による新たな憲法を制定すべき(平沼赳
夫さん5.11)
(民)占領下に制定された憲法は長続きさせるべきでなく、自分達で作り直すべ
き(岩國哲人さん5.11)
(http://www.shugiin.go.jp/rchome/@Ugoki/kenpou/147-05-11.html)

 「押しつけ憲法」論は、改憲の流れに弾みをつける狙いがあったとのこと。
「無効」論で、今までの違法行為が免責されると密かに考えていたかも。しかし
11日の憲法調査会では与党の中からも否定的意見が出て、ほとんど「弾み」効
果も期待薄になったため、中曽根さんはついに「次の総選挙では、憲法や教育基
本法の改正についてはっきりと主張を打ち出し、国民に審判させるべき」と檄を
飛ばすに至り、与党や民主の一部から「九条改憲」気運が再び噴出。

 もともと、綿貫民輔さんたちは年初めから、総選挙は「憲法、教育、防衛」だ
といっていましたし、調査会でもたびたび取り上げられてきたことですが、そろ
そろ改憲勢力では足固めができたと判断したか、それともあちこちのほころびが
目立ち始めてきて「教育改革」にも暗雲がたちはじめている昨今、あまり悠長に
構えていては、改憲論そのものが立ち消えになってしまうおそれもなきにしもあ
らずとでも考えたのでしょうか。

 改憲は憲法そのものをいじらなくても「下克上」式に、幾多の悪法を作ること
で現憲法を窒息死させることでも可能です。憲法改悪は憲法調査会の場だけでお
こっているのではありません。
 憲法の原理原則にかかわる首相による「神国」暴言さえ許されるようでは、す
でに「改憲」は行われているといってもいい。国会でこのような重大事がおこ
り、日本内外の市民に悪夢の記憶をよみがえらせ、恐怖を与え、アジアから孤立
しようとしている中で、参院憲法調査会の「改憲論議」がのうのうと開かれたと
いうことも、憲法三原則無視の姿勢を示すもの。

<参院憲法調査会>
 参院憲法調査会(村上正邦会長)は17日、8回目の会合

石毛直道・国立民族学博物館館長と暉峻淑子・埼玉大名誉教授に文化的、歴史的
観点から意見交換。

 石毛直道さん 日本は世界でも例外的に単一民族に近い民族構成を持っている
が、最近は外国人の流入が続き、21世紀半ばには普通の(多民族)国家にな
る。しかし、異民族、異文化を受容するための公教育や行政の対応は遅れ、日本
人は差別主義者として非難される恐れがある。物質的豊かさを追求する時代は終
わり、今後は国家間、民族間の摩擦を解消するため文化を重んじる国家が尊敬さ
れる。

 暉峻淑子さん  非政府組織(NGO)で8年間、ユーゴ難民の支援活動を続
けてきた経験から、憲法の前文や9条は非常に立派なものだと思っている。血を
流す(軍事的)国際貢献でなくても、人道援助で十分に貢献が可能だ。偏差値教
育で育った若者が活動を通じてすばらしい自主性と人間性を示し、自分の存在価
値に気づく例を見てきた。この素晴らしさは憲法が私たちに教えてくれたもの
だ。
[毎日新聞5月17日]

佐藤道夫さん(二院) (国際紛争時の)最前線の最も危険なところで、英米の
若者が血を流していることをどう思うか
暉峻さん 現地に行けば分かるが、私たちNGOはいつも危険なところにいる。
軍隊が危ない場所にいるとは決まっていない

水野誠一さん(参院クラブ) 憲法は地域紛争がなかった時代に制定されたが、
今の憲法に何か不備な点、概念的に何か変えた方がいい点はないか
暉峻さん 発見できない。今の憲法の中でどういう風に自分たちが動いていくか
が大事

大脇雅子さん(社民) 私は日本とフィリピンの混血児の里親捜しに弁護士とし
てかかわった。こういう子らへの差別をどうしたら解消できるか
石毛さん 差別をなくすには、まず人々が情報を持つこと。日本の公教育には、
異文化に対する態度などを教えるカリキュラムがしっかりしていない。

吉川春子さん(共産) 憲法九条のおかげでNGO活動がやりやすい、というの
は具体的にはどういうことか
暉峻さん ユーゴの空爆にドイツが参加したとき、ドイツの人はやはりやりにく
そうだった、国とNGOの人は違うといってもやりにくいだろう

福本潤一さん(公明・改革) 外国人に参政権を認めた場合の国政への影響はど
う考えるか
石毛さん 外国人は限られた集団なので、国政全体に大きな影響を及ぼすとは思
わない

石田美栄さん(民主) 国籍による差別は、憲法の中でどう考えればいいのか
石毛さん 憲法は日本国民のためにある、との前提なので、居住する外国人を含
めるかどうかは決断の問題だと思う

岩井国臣さん(自民) 民族学の立場から天皇制を研究する必要はないのか
石毛さん 研究対象として成り立つと思うし、学問的に興味がある
(産経00/05/18)
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<資料>
HTML版・衆議院憲法調査会4月27日
http://www.jca.apc.org/~nomad/kenpo/data/shu00427.html

テキスト版・衆議院憲法調査会4月27日(117KB)
http://www.jca.apc.org/~nomad/kenpo/data/shu00427.txt

目次ページ
http://www.jca.apc.org/~nomad/kenpo/data-index.html

主権在民かどうかもあやしい中で、朝日では「首相公選制の是非」が「人気」と

■ e−デモクラシー「憲法」
http://justnet.asahi.com/e-demo/index.html
日本国憲法の積極的な議論を   田中 直毅
  多角的な視野から議論しよう
 「首相公選制の是非」についても議論を
  資料・1997年の朝日新聞世論調査から
 
 5.11衆院憲法調査会第9回
(自)憲法改正が国民の理解を得るための足がかりとして、首相公選制を導入す
べき(小泉純一郎さん)
(自)憲法が現実とそぐわない点は改正すべき。特に、首相公選制の導入、二院
制の在り方を検討すべき(船田元さん)
(民)衆議院とは異なった参議院の在り方、首相公選制の導入を検討すべき(石
井一さん)
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<NGO>
変な介添え付き基金にならないといいけど

 外務省は経団連や民間企業などと共同で、非政府組織(NGO)が即座に現地
入りして人道支援活動に迅速に取り組めるようにNGOの海外での緊急人道支援
活動を支援する新たな基金を数億円規模で創設する方針
 同省は政府開発援助(ODA)予算の無償資金援助枠に基金創設のための新項
目を設け、2001年度から実施したい考え。
(日経00/05/12)
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<与党共通公約>
自民、公明、保守の与党三党が十九日まとめた共通公約
 【キャッチフレーズ】五つの不安(平和・福祉・教育・経済・治安)の解消。
 【新生日本の実現】日本の心の創造的活性化。安全でゆとりある生活立国の実
現。構造改革と新産業開発。世界平和をリードする日本の確立。
 【当面の課題】
 教育改革・生活構造改革・安心できる社会実現
 教育改革については
 徳育の実践など心を育てる教育の断行。華道や武道など日本の伝統文化の奨
励。教育制度と内容の抜本的改革。少年法改正を含む青少年対策の強化。奨学金
の無利子貸し付け、成績優秀者の返還免除制度の拡充。

  自民党・亀井静香政調会長「三党が日本の社会、国家のあり方について共通の
考えを持って手を組んでいることを明確に国民に示す必要がある」
 公明党幹部「選挙が始まれば三党公約より自分の党の公約のアピールで精いっ
ぱい」
 (産経00/05/20)

 <保守党の政策と重点公約19日>
 重点公約には教育基本法改正とともに、学校教育の指針として古今東西に通じ
る徳目を掲げた「教育憲章」の制定
 積極的経済政策で景気を2%台の成長率の自律回復軌道に乗せることなど
〈1〉犯罪、事故、災害の未然防止(少年法の適用年齢の二十歳未満から十八歳
未満への引き下げ、凶悪犯罪者の氏名公表の検討など)〈2〉行革による小さな
政府の実現〈3〉社会保障制度の安定化〈4〉二十一世紀の早い時期の新憲法制
定――なども列挙
(読売5月20日)

<道州制>
 民主党は19日、次期衆院選の公約で、都道府県を廃止して10程度の道と州
に再編する「道州制」の導入を目玉政策に掲げることを決めた。地方分権と財政
再建の起爆剤になるとの判断からで、地方再編論議が選挙戦で活発化しそうだ。
鳩山紀夫代表は同日夜の講演で「上意下達の政治を追放するために必要だ」と述
べた。
[毎日新聞 05月19日]
  5.11衆院憲法調査会第9回
(民)地方自治について、道州制の導入及び直接民主制の導入について検討すべ
き(島聡さん)

衆院国会等移転特別委員会18日
「解散前に方向性だけは示しておかないと」(中井治委員長:三重)と「2年を
めどに首都機の移転先候補地を1カ所に絞り込む」と決議
目算なしの「総選挙向けの、毒にも薬にもならない決議」
(朝日00/05/21)

<昭和の日>
森首相「最近、村上(正邦)会長はじめとする努力で、『昭和の日』を制定し
た」

5月20日現在、衆参両院で成立した法律は内閣提出68本。議員立法は衆議院
9本、参議院2本。与党の議員立法「昭和の日」(祝日法改正案、参院可決)の
審議はこれから日程協議。

<少年法>
 少年審判手続きを抜本改革する少年法改正案を審議中の衆院法務委員会で、
「少年非行対策に関する委員会決議」が採択される公算が大きくなった。二十二
日、複数の与野党幹部が明らかにした。
 同決議は、少年法改正案が廃案となることを踏まえ、少年犯罪対策に積極に取
り組む姿勢を示すのが狙いで、与党側が呼びかけた。
 各党は二十三日の同委理事会で最終協議を行うが、少年犯罪に対し、与野党と
もに、何らかの対応が必要との声が強い。
 ただ、与党側が今月十八日に提示した決議案の内容は、少年への刑罰適用年齢
の引き下げにも言及していたことから、野党側が反発。民主党は、年齢部分を削
除した修正案を各党に提示している。
(読売5月22日20:00)

<国籍条項>広島市
 広島市は19日の市議会総務委員会で、日本国籍を持つ人に限るとした職員採
用試験の「国籍条項」について、6月に実施する来年度の採用分から、消防を除
く全職種で撤廃することを明らかにした。全国12政令指定都市で、行政事務職
員なども含めて国籍条項を撤廃するのは広島市が8市目。
[毎日新聞 05月19日]



 
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