(from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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To: aml@jca.apc.org
Subject: [aml 17343] 沖縄県議会への声明文(新しい反安保実4)
From: Tsuyoshi Okada <tokada@jca.apc.org>
前略、岡田です。ご無沙汰です。
「戦争協力を拒否し、米軍基地の沖縄内移設に反対する実行委員会」(通称:
新しい反安保実4)から、沖縄県議会での陳情決議問題についての声明文が
出されましたので、投稿いたします。(岡田剛士)
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沖縄県議会による「一坪反戦地主排除」の陳情書採択を糾弾する
沖縄県議会 友寄信助議長 殿
3月30日、沖縄県議会は「沖縄戦を糾す有識者の会・国旗国歌推進沖縄県民会
議」なる右翼団体が提出した、一坪反戦地主を県の外郭団体をふくむ機関の役職
から排除することを求める陳情書を、与党(自民党、県民の会、新進沖縄)の賛
成多数で採択した。
採択された陳情書は、「一坪反戦地主の土地所有の目的は……国の政策を妨害
するためのものであるから憲法12条違反である」「平和祈念資料館監修委員、県
公文書館役員、県教育委員などは特に歴史の公正を期する立場から『一坪反戦地
主』のような人物は不適格者である」としている。
「本土」(ヤマト)の地において、一坪反戦地主の沖縄米軍基地に対する闘い
に連帯して行動してきた私たちは、県議会与党による「一坪排除」の暴挙に抗議
する。
この「一坪地主排除」決議の目的はどこにあるのか。それは、昨年8月に明る
みに出た新平和祈念資料館の展示改ざん指示問題で窮地におちいった稲嶺県政を
支えるためである、と私たちは考える。
稲嶺知事を先頭とする県当局は、政府や右派勢力の意を受けて、新平和祈念資
料館の展示から、日本のアジア侵略、日本軍の沖縄住民虐殺や戦後の米軍犯罪に
関する展示の変更を指示するなど、沖縄史の改ざんを進めようとしてきた。その
ために稲嶺知事らは、大田県政時代に任命された資料館の監修委員会になんら諮
ることないままに展示の変更を強行し、新平和祈念資料館の理念を「反戦平和」
とはまったく別のものに置き換えようとしたのである。「反日的になってはいけ
ない」「国策を批判するような展示はいかがなものか」という、当初の展示概要
に対する稲嶺の批判はそのことをはっきり物語っている。
しかし、それが沖縄のマスコミに大きく取り上げられ、「指示など出していな
い」という開き直りのウソが暴かれた稲嶺県政は、「歴史の改ざん」作業をいっ
たんストップせざるをえなかった。四月一日にオープンした新平和祈念資料館に
かけた稲嶺県政の意向は、いったんは多くの人びとの批判によって拒否されたの
である。
新しい資料館のオープン間近の3月23日、平和祈念資料館監修委員会は、県に
対して、展示を恣意的に変更せず、開館後も現委員が監修委員を継続すること、
運営協議会の委員に監修委を参加させることなど12項目の要望書を提出した。
「一坪排除」の陳情書採択とは、こうした稲嶺県政への批判に巻き返しを行
い、稲嶺の意図どおりに現監修委員を排除し、展示の改ざんを強行することによ
り、沖縄の民衆が戦争と戦後の歴史的体験の中で営々と築き上げてきた平和意識
を攻撃するさらなる一歩である。陳情を行った右翼団体代表は「昨年の資料館問
題で、監修委員の再任問題が出た。監修委員会の中には一坪反戦地主がいる。県
議会で採択すれば、知事も監修委員を代えやすいだろうと考えた」とその意図を
露骨に語っている。
新平和祈念資料館をめぐる「一坪反戦地主排除」の攻撃は、まさに沖縄戦や戦
後の米軍支配、そして「本土」による沖縄差別への民衆の歴史認識に対する攻撃
であり、それは名護への新米軍基地建設、沖縄サミットと密接につながってい
る。私たちは一坪反戦地主をはじめとした沖縄の民衆へのこうした攻撃を許さな
い。
私たちは、訴える。
●沖縄県議会は「一坪反戦地主排除」の陳情書採択を撤回せよ。
●県当局は新平和祈念資料館の一方的展示改ざんをするな。
●県当局は現監修委員会を継続させろ。
2000年4月13日
戦争協力を拒否し、米軍基地の沖縄内移設に反対する実行委員会
東京都新宿区上落合3−15−1−301 落合Box気付
電話/FAX:03−3368−3110